グランド・セフト・オートのストーリーをまとめてみよう、第2弾です。今回はバイスシティ。
オープニング
ハーウッド事件により服役していたトミー・ベルセッティが出所。トミーのボスであるソニー・フォレッリはトミーが再びリバティーシティで暴れ出すのを快く思っておらず、仕事と称してトミーをバイスシティに送り込む。
(ハーウッド事件:当時、若くしてフォレッリファミリー内で頭角を現していたトミーが、ライバルギャングのメンバーを暗殺するためハーウッド地区へ向かった際に起きた事件。トミーはそこで指示通り暗殺を行うつもりだったがこれは罠で、トミーがこれ以上成りあがるのを恐れたソニーが嘘の仕事を押し付け、現場にトミーへの暗殺グループを待ち伏せさせていた。しかし、トミーは暗殺グループ11人を返り討ちにして逃亡。その最中に逮捕され、殺人罪で15年の実刑判決を受けた。11人も殺して15年で済んだのは、トミーが司法取引でファミリーの内情を警察にタレこむのではないかと恐れたソニーが警察に便宜を図ったため。この事件から、トミーには「ハーウッドの顔役(The Harwood Butcher)」というあだ名がつけられる)
しかし、フォレッリファミリーとヴァンスファミリーで行われるはずだった取引は「別の組織」によって妨害を受け、現場に居たフォレッリ・ヴァンスファミリーのメンバーはトミー、ランス・ヴァンス、ケン・ローゼンバーグの3名以外全員死亡。トミーはソニーに事の顛末を伝え、金とヤクを取り戻すために奔走することとなる。そして、トミーからの電話を受けたソニーの手元には、どこからか手に入れた金とヤクがあった。
ビジネス乗っ取り
翌日、トミーは現場に居合わせていたケンとこれからの行動について相談。取引を仲介していたファン・ガルシア・コルテス大佐から話を聞くことに。コルテス大佐は自身の所有する船でパーティーを開いており、トミーは招待されていたケンの代理人としてパーティーに参加する。そしてコルテス大佐から娘のメルセデスを紹介され、彼女からバイスシティの大物たちについて一通り教わっていく。
パーティーから帰ったトミーはケンの入れ知恵で街の情報通ケント・ポールに会う。マリブクラブで遊んでいたポールから強引に情報を聞き出し、ワシントンビーチのホテルで働くシェフに目星を付ける。彼を始末し携帯電話を奪ったトミーは、彼の同僚に襲われそうになったところをランスに助けられる。ランスは同じ目的を持つ者同士で協力しようと持ちかけ、何かあったら連絡すると伝えて去っていく。
トミーと良好な関係を築いたコルテス大佐は、事件の原因が自らの部下であるゴンザレスにあったことを突き止める。コルテス大佐から取引のことを知ったゴンザレスが情報を「どこか」に売ったことで、取引が悲惨な結末を迎えたと分かったのだ。コルテス大佐はトミーにチェーンソーを渡し、ペントハウスに居るゴンザレスを始末するよう命じる。トミーはゴンザレスを始末し、追ってくる警察を振り切り夜の街へと消えた。
キューバギャングとヤクの取引をする「麻薬王」ことリカルド・ディアスが、コルテス大佐に護衛を用意してくれと依頼をしてきた。コルテス大佐は護衛役にトミーを指名する。コルテス大佐の用意した武器を取りに行く際、待ち伏せしていたランスと出会ったトミーは、二人でディアスの元へ行く。取引はハイチギャングによって襲撃されるが、トミーとランスは護衛の仕事を務め上げ、ディアスの信頼を勝ち取る。その後、ディアスはトミーへ自分の元で働くよう誘う。
ディアスとの件を報告しに来たトミーに対し、コルテス大佐は「例の取引の邪魔をしたのはディアスかもしれない」と告げる。コルテス大佐の仕事を終えたトミーは、スターフィッシュ島に鎮座する巨大な豪邸に足を踏み入れる。
邸宅の主であるディアスは早速トミーに仕事を任せる。どうやらディアスの手持ちのヤクを掠め取った裏切り者がいるらしく、その男がどこと通じているかを調べてほしいらしい。トミーは男を尾行し、ブローン島の廃墟を拠点にするストリートギャング、ストリートワナビーズ(旧シャークス)だと突き止める。
後日、ストリートワナビーズへの報復を任されたトミーは、ディアスに紹介されたクエンティンと名乗る男と共にヘリでアジトへ襲撃を行う。クエンティンはランスの偽名で、取引を妨害し兄を殺したのがディアスだと勘付いたランスがトミーとは別にディアスの周辺を探っていたのだった。そして、トミーはランスと共にストリートワナビーズを一網打尽にし、ディアスの願いを叶える。
ディアスからの依頼を次々とこなしていくトミーだったが、ポールから不穏な連絡を受けマリブクラブへ向かう。ポールによると、我慢できなくなったランスがディアスに襲い掛かるも返り討ちに遭い、廃物置場に捕えられたらしい。トミーは急いで救出に向かい、周辺を警護していたディアスの手下たちを排除する。怪我を負っていたランスを病院に送り届け、トミーは早急にディアスを潰す決意を固める。
退院したランスと合流したトミーは、二人でディアスの豪邸へ乗り込む。襲い掛かる護衛たちを次々と薙ぎ倒し、ついに親玉のディアスを討つ。ディアスの持っていた金も、ヤクも、組織も豪邸も全てトミー達の物となり、新たにベルセッティファミリーが街を仕切ることとなった。
裏切りへの決着
トミーがバイスシティで名を上げているという噂を聞き付けたソニーが、電話で金とヤクの催促をする。それに対し、トミーは「何も手伝ってくれない」と悪態をつきソニーをあしらう。金もヤクも有り余っているはずなのに成果を寄越さないトミーに苛立ちを覚えるソニーと、助力することなく利益だけを掠め取ろうとするソニーに反発するトミー。両者の関係は緊張状態に突入していく。
街の実権を握りつつあるトミーは、「不動産を所有した方がいい」というエイブリー・キャリントンの助言を聞き入れ、廃業寸前となっていた印刷所「プリントワークス」を買い取る。そこで働いていた老人アーネスト・ケリーと出会ったトミーは、父親が印刷工であったこと、自分もその道を継ごうと思っていたが、気づけば全く違う道を歩んでいたことを打ち明ける。
感傷に浸りつつ、叶わなかったもう一つの夢を追うため、この会社に真っ当な印刷業を続けさせようと思っていたトミーだったが、ケリーはこの街の住人らしく「せっかくならニセ札を作ろう」と提案する。ポールから情報を仕入れたトミーはトライアドから原版を奪い、印刷所で大量のニセ札作りを始める。
上り調子であったトミーだったが、自らの豪邸にあるバーで酒を飲み項垂れるランスの姿を発見する。話を聞くと、ショバ代を払わずゴネている店があるという。「どうにかする」と言いながら酒を飲み続けるランスを、トミーは部下の前で叱責。自らその店へ出向く。
店のオーナーは「警備はDBP警備に任せているからそっちで話をつけろ」と言い放ち、それを聞いたトミーはDBP警備に襲撃を仕掛け、無事にショバ代を確保する。仕事を終えたトミーだったがその後ランスから電話が掛かり、自らと対等ではない扱いに我慢ならないことを打ち明けられる。我を忘れるランスを電話越しに宥めるトミーだったが、ランスの怒りはトミーの想像以上に根深いものだった。
印刷所以外にも多くの事業を買い取り、バイスシティの裏だけでなく表でも力をつけていくトミー。多くのコネもつくり、順調に成功を重ねているかに見えたが、抱えていた因縁がついに牙を剝く。印刷所で何かトラブルが発生したらしいと知ったトミーが急いで印刷所へ向かうと、誰かに痛めつけられたケリーの姿があった。
ケリーの話によれば、どこかの組織が「取り分を徴収する」と言って金を強引に持ち去ったらしい。その組織の名は「フォレッリ」。フォレッリの徴収係はトミーの所有する各物件に次々と攻撃を仕掛けるが、トミーは徴収係を全員始末し事なきを得る。しかし、ソニーと決着をつける時はすぐそこにまで迫っていた。
ランスからの連絡で豪邸に向かったトミーは、部下を殺されて怒るフォレッリの連中が今日ここに来ると言われ、急いで迎撃の準備を始める。ソニーが現れ、15年ぶりに顔を合わせた両者はすぐに一色触発のムードに。300万ドルを用意したトミーをソニーは「さすがハーウッドの顔役様だ」とからかい、トミーはハーウッド事件が仕組まれたものだったとソニーに詰め寄る。埒が明かないと判断したトミーは300万ドルを持って早く帰るようソニーを急かすが、ソニーはそれがニセ札であることを見抜いていた。
なぜなら、ランスがトミーを裏切り情報をソニーに売っていたからだ。トミーは怒りながらも冷静にソニーへ宣戦布告をし、豪邸で激しい銃撃戦が始まる。凄まじい攻防の末、トミーはランスとソニーを始末し、自身を裏切った者たちへの復讐を終える。戦いに生き残ったトミーは逃げ隠れていたケンと共に勝利を喜び、真の街の支配者となっていくのであった。
あとがき
とにかくトミーがカッコいい。野心に溢れ、野望を実現させるだけの力があり、様々な事業で成功を収める多彩な才能を持ち……犯罪者ではあるけど、ホイホイついていきたくなってしまうような、男の魅力を感じさせる主人公でした。とにかくトミーは強い。その強さが転じて確執を生んでしまうこともあるけど、そんなことお構いなしに突き進んでしまう。最終ミッションのムービーで、トミーが豪邸(もしくはバイスシティそのもの)を「俺の縄張り」と表現していたところが、良くも悪くも彼のキャラクターを表しています。「俺たちの」ではなく、「俺の」なんだね。でも、その傲慢さがまた良い。
スカーフェイスのオマージュな今作で、トミーもトニー・モンタナの影響をかなり受けていますが、トミーはモンタナよりもかなり大人なんですよね。若くてパワーがあって、若さゆえに余裕がないのがモンタナでしたが、トミーは仲間の裏切りと刑務所での服役生活を経験している分、何事にもどっしりと構えて対応できる余裕があります。バイカー(ミッチ・ベイカー)にバイクの運転ができるか問われて「座って酒飲むより簡単だ」と返したり、ハエも打てるぜと豪語するガンマン(フィル・キャシディ)に対して「ハエを打つ訓練をしてたのか?税金払ってなくてよかったぜ」と毒づいたり、ジョークのセンスもあるのがまた大人っぽい。全編通して「負ける姿が想像できない」と思わせるのが、トミー・ベルセッティという男でした。
GTAのストーリーって基本は復讐劇なので、エンディングはしんみりとした雰囲気のものが多いんですが、VCは意外と珍しく明るいエンドなんですよね。ランスを失った悲しみは(プレイヤーはどうか分からないけど、少なくともトミーには)ありますが、それでも宿敵ソニーを倒して過去の清算も完了し、無事にバイスシティの王に成り上がってめでたしめでたし、というエンド。バイスシティの賑やかな雰囲気と、チンピラから裏社会の王にまで駆け上がるストーリーで、更にこのエンディングなので、ギャングの成り上がりストーリーとしてGTAでは今作が一番好き、という方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。それくらいパワーを感じる作品ですね。
そんなVCが僕も大好きで、トミーのことも大好きですが、一番好きなシーンはトミーがカッコよく活躍するところではなく、印刷所のシーンなんですよね。ケリーに父親との過去を話すシーンが、トミーの人間味が表れていてすごく好き。強くてカッコいい男が、一瞬だけ想い出に浸って子供に戻るあのシーンが堪らなく好き。ギャップ萌えかな?
↑今回もハチャメチャな魔界塔士さんの動画。パート5で戦争しだすの何回見てもすき。
ストーリーの年表
GTA VCS(1984年)→GTA VC(1986年)→GTA SA(1992年)→GTA LCS(1998年)→GTA3(2001年)
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