この間アマプラでアニメ版あひるの空を見終わりました。いやー面白い作品でした。まさか50話も使って主人公たちが一度も試合に勝たないとは思いませんでしたが笑。
しかし、ただ負けるのではなく負けるまでの過程や負けた後に立ち上がっていく姿がしっかり描かれていましたし、「バスケに奇跡はない」「走り続けてきた者とそうでない者の差」などのテーマがハッキリしていたので、試合の勝敗に関係なくクズ高のみんなの物語を楽しむことが出来ました。そりゃね、一ヶ月そこらしか集まって練習してない連中が、これまでの人生バスケに懸けてきたやつらに勝とうなんて甘いですよ!
ただちょっと気になるところもあって、とにかく一試合が長い。それも試合そのものが長いというより、数プレー毎に回想が流れたり試合外のキャラの話が出てきたりしてしょっちゅう試合が止まるタイプの長さで、「いいから試合見せてや」とちょくちょく思ったり。その分相手側のキャラクターも深堀りされて愛着が湧いたりもするんですけど、全部の試合でこんな感じだと流石にダレてきちゃうなと。
で、それと関連しての本題なんですけど、横浜大栄編の円先輩なんなん?もうね、クズ高と横浜大栄のアツい戦いが流れてる中で円先輩とチャラ男の安いメロドラマが流れるから、温度差でイライラしましたよ。何見せられてんの?って。空と鷹山の出会い、トビと不破の戦いとかアツい場面がいっぱいあったのに、円の場面が流れる度に冷水浴びせられる感じでフラストレーションが溜まりました。そんなわけでモヤモヤをぶち撒けさせてください。
まずね、円先輩のフラフラ感がうざったい。空くんに気があるんだかないんだかみたいな雰囲気を出して、百春に無神経な近づき方をして、百晴に拒絶されたら空のベッドで泣いて、チャラ男の甘い言葉に絆されて。自身の部活動が一段落したのと、友達が約束を破って彼氏を作ったことで「自分も……」という気持ちになりつつあり、年頃の女の子の不安定さが出ているのは分かるんですけど、「この作品でそういうのやるんだ」という気持ちが強かったです。
最初から思春期の子供の色恋にフォーカスした作品だったらそういう描写があってもと思うんですけど、いきなり恋に恋する気持ちや恋愛感情と性的欲求の曖昧な境目といった生々しい部分が出てきて、スポーツと青春の物語が一気にドロッとしたものになって困惑しました。それもスポーツ少女だった円がそういうキャラクターになっていくので尚更。
そんでもってタイミングが悪い。前述しましたけど、空や百春たちは今後のバスケ人生を懸けた大勝負をしている真っ最中で、その裏で起こっているこんな浮ついた話を見せられても全く入り込めないわけですよ。しかも円の話が挟まるせいで試合の流れが途切れる。お前の恋愛ごっこ見に来てるんとちゃうんやぞと。横浜大栄編の円パートは全部飛ばしたい気分でした。
最終回を見終わり「いい戦いだったねぇ」「なにはともあれバスケ部存続できてよかったねぇ」と思いつつ、円先輩にモヤモヤした気持ちが残り、円先輩について調べてみるとやはり同じような気持ちを持った人が多かったのか「嫌い」「うざい」「ビッチ」などネガティブな関連ワードがポンポンと。そ、そこまでは言わなくても……と思ったんですが、原作の横浜大栄編以降も円先輩のフラフラっぷりは続いていくそうで。うーん。
円というキャラクターの方向性が大きく変わってしまったこと、そのタイミング、作風との噛み合わせなど様々な点でネガティブな印象がついてしまったなぁと思います。彼女の描写はそこまでして描きたいものだったのかな、とも。もやもや。まだ自分の中の気持ちを全部言語化出来ていない気もしますが、そんな感じです。
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