事の発端は自分のこのツイートから。
そういやGTAでレースとかミーティングの集まりはよく見るけど「走行会」って見ないね。フリーセッションで適当に走り回る感じの。好きに車出して、好きに走って、好きなタイミングで車見せ合うみたいな、ゆるい集まりがしたいな。
— 麻乃ヨルダ (@yolda2s) January 4, 2022
ツイッターのGTA界隈を見ていると、多人数のプレイヤーが集まるイベントというと「レース」か「ミーティング」かというイメージがあります。レースならレースジョブをガンガン回す、ミーティングならのんびりマイカーを見せ合う……どちらも車好きのプレイヤーに人気のイベントですが、走りもドレスアップも楽しみたい自分は「レースとミーティングの中間は無いか」と考えました。
レースイベントは走りに集中できるもののドライバーとしての腕がある程度要求されますし、車の性能やコースの熟練度などで格差が生まれやすく、「参加者全員で楽しむ」には敷居が高めのイベントだと感じます。
また、レースジョブを使用することで整備された道と一般車の居ない交通状況でクリーンな走りが楽しめる代わりに、GTAが持つ「いつ、どのコースを、何の車で走るか」を好きに選べるという、他のカーアクションゲームにはない自由度の高さを失います。折角GTAというゲームで車を走らせるなら、この辺りを活かさない手はないなと。
そこで考えたのが「走行会」。フリーセッション内で集まって、コースを限定して自由にレースとコミュニケーションを楽しむイベントです。フリーセッションを使用すれば、勝ち負けやゴールを気にすることなく、車のカテゴリー分けにも因われずにレースを楽しむことができます。
勿論、長い間続けられてきたGTAオンラインの歴史で自分が初めて走行会を企画したなんてわけはなく、過去にも走行会イベントは行われていたようです。ただ、「走りたいならレース、車見せたいならミーティングでいいじゃん?」という感じに二極化が進んで、走行会は行われなくなってしまったようです。
なので、走行会を行うにあたって「“走行会”でないといけない意味」を作らないといけません。そこの意義が曖昧になってしまうと歴史を繰り返すことになってしまいます。そこで、自分の中にあったアイディア「GTAオンラインで首都高バトルできないか?」を組み合わせることにしました。そうして出来上がったのがこんな感じの企画書です。
企画書
概要
限定セッションを使った走行会を行う。会場は埠頭(エリシアン島のブードゥー・プレイスにある倉庫街、ナイトクラブがあるところ)と市内の高速道路。ラ・メサのロスサントス・カスタム、ストロベリーのオートショップも休憩所として使用して良い。
埠頭を集合場所とし、そこから高速に乗って自由に走り込む。1人で走り回るも良し、複数人でドライブなりバトルをするなりしても良し。バトルはプレイヤー同士でコミュニケーションを取った上で始めてもいいし、後述のフリーバトルの形で始めてもいい。
コース
ロスサントス市内の高速道路を使う。便宜上、コースは北コース・南コース・ロングコースと呼ぶ。右回りが内回り、左回りが外回り。
フリーバトルの仕方
高速を走っている相手ドライバーに対して後ろにつけてパッシング(ライトのオンオフ)をして勝負を挑む。挑まれた側はパッシングかブレフラをして合図を返せば勝負成立、スルーをすれば勝負不成立。バトルをせず一緒にクルージングしたいだけなら、パッシングはせず横並びになるなどしてバトルの意思が無いことを示す。
勝負が成立したらそのまま一列の状態でお互いに同じ速度を保って数秒間クルージング。その後先行がクラクションを「3・2・1・GO」と鳴らしてスタート。
勝負の決まり手は相手をぶっちぎるか心を折るか。しかし、メンタル勝負とはいえ一度何百mも離されたのに負けを認めないのはダサい!
バトルのマナー
コースの決定権(南を周回し続けるとか、ロングから北に入るとか)は先行にある。ただし、ロングで行くと見せかけて南に入るなど、ジャンクションの直前でコースを切り替えることはせず、前もってどのコースを走り続けるか分かるようなライン取りをすること。後攻にコース選択をミスらせるような走りはダサい!また、バトルは市内の高速でだけ行うので、先行が市内の高速から出ていこうと(コースアウト)したら無視してコースを走り続けていい。
後攻はたとえちょっとした接触であっても接触で相手をスピン・クラッシュさせた場合追い抜いてはいけない。相手が態勢を整えるまで待つこと。接触をした自覚がなくても回線の同期ズレで相手には接触していることもあるので、相手が自分の近くで不自然な事故り方をしたら待ってあげるのが無難。
後攻は相手の走り方が分かっていない内は強引にインに入るなどの無理な追い抜きをしない。相手とラインをずらし車間距離を保ってミスを待つ。先行も急激なライン変更などで相手の走行ラインを塞ぐような走りをしないよう気をつける。
混乱の元になるので反対車線は基本走らない。走っていいのはスピン・クラッシュの緊急回避時だけで、反対車線に出てしまったらすぐに元の走行車線に戻ること。反対車線を使った追い抜きも禁止。反対車線を使って追い抜きをしてしまったら相手に前を譲ること。
走行会は勝ち負けを競う場では無い。そしてストリートはカッコよさが全て。車の性能でぶち抜いたり、相手をクラッシュさせるようなダサい勝ち方に意味なし!相手と気持ちよく、カッコよく走れるよう心掛けること!
走行会全体のマナー
PK、NPCへの攻撃で場を荒らす行為は禁止。故意と思われるなら一発退場。故意でないなら注意。注意しても繰り返したら退場。
他人の車をぶつけたりして傷つけてしまったら一言謝罪しましょう。
車種の指定はしませんが、首都高走ってそうな車を出しましょう。雰囲気作り大事。
埠頭周辺は車両のリスポーン地点が不安定で、高速の出入り口付近で車両を呼ばないと対岸のメリーウェザー基地前などに車が出てしまうことも屡々。なので埠頭に移動用のカーゴボブ置いておきます(1台だけだと不足するかもしれないので参加者の方も良かったらカーゴボブ置いてください)。会場ではエディターを回す方も沢山いらっしゃると思うので、景観を損ねないためにカーゴボブを使ったら元あった場所に戻すこと。
日程
1月14日(金)、21時スタート。
21時にはスタートする準備を整えるので、全員揃っていなくても会場の案内を開始します。
最初は全員で埠頭に集合し、改めて今回の走行会についての説明を行い、軽くミーティングをしてから走行会を開始します。
当日はVCをつけられる人はセッション内のVCで、つけられない人はツイッターのDMグループで連絡を取り合います。
実際にやってみて
ここからは当日の様子をレポートしていきます。20時45分からプレイヤーの招待を始め、21時をちょっと過ぎてしまったものの無事に開会式とミーティングを終え、15分には走行会開始。NPCの動きの様子などを色々確かめながら参加者たちが走り始めました。
自分はというと、遅れてきた参加者や追加で入りたいと言ってきた参加者への対応でてんやわんや。プレイヤーを1人1人把握したいし、参加者じゃない人が入ってきたら困るということで招待限定セッションを選びましたが、若干後悔したくなるほどに忙しく、最初の1時間はまともに走れませんでした笑。
1時間ほどで夜が明け、太陽が上り始めるとNPCの交通量が増えたため、参加者たちは自主的に集合場所の埠頭へ戻り休憩兼ミーティングを開始。お互いの車を出し合い、参加者もほぼ全員揃って落ち着いた雰囲気になり、自分としてもようやく走行会本番という気分。そして、夜になって再び参加者たちはコースイン。
北・南・ロングと事前にコース分けをしていましたが、参加者たちから圧倒的に人気だったのは北。南コースは南東の一般道と重なる地帯で大渋滞が起きやすく、南西の橋の上は狭い2車線ですり抜けが難しいため、NPCの動きが読みやすくコースも広い北が走りやすく人気でした。フリーセッションでももうちょっと交通量抑えられたら南も人気だった思うんだけどなぁ笑。昼間は仕方ないにしても、夜間はもうちょっと交通量減ってくれると嬉しいんだけど。
ここからの約2時間は殆ど全員走りっぱなし。夜が明けて交通量が増えても、前に走る車が居れば追いかけたくなってしまうのが走り屋というもの。各々が自分の考える「首都高らしい車」を出し、速くて安定しているドライバーを中心に集団が出来、そこから各地でバトルが繰り広げられていきます。
更に、バイクに乗って首都高を攻め始めるプレイヤーも。この辺りから乗り物のバラエティが豊かになり、トレーラーで一般人視点からバトルを見届ける人、パトカーに乗り込み走り屋たちを追いかける人などが登場。こういった遊びもフリーセッションだから出来ることで、「首都高走行会」というテーマに沿った上で自分の想定を超える遊びが生まれたことがとても嬉しかったです。
そして2回の夜が明けると北コースのジャンクションで一般車3台を巻き込む事故が発生。参加者たちが協力して片付けを行おうとしたものの、車を盗めば手配度が付き、パトカーがやってきてまた道を塞ぐという悪循環に陥りジャンクションが使用不能になってしまったので一旦埠頭へ集合することに。こういった事故状況が仲間内ですぐに共有されて、集合場所にみんなで帰っていくあたりがリアルのストリートっぽくていいね笑。
もう日付が変わる時間だったので、最後にみんなで車を集めて撮影と閉会式を行い走行会は終了。まだまだ走りたりない人はセッションに残って走り込みを続け、初めての走行会イベントは盛況の内に終わりました。参加者の方からも「新鮮で面白かった」という声を聞くことができ、やはり走行会という形のイベントは需要があることを知れた1日でした。
走行会の反省
では締めに走行会の反省をしていきます。1つ目は、「首都高バトル要素はほぼ使わなかった」です笑。一応「首都高バトル走行会」と銘打って、首都高バトルをリスペクトしたルールを盛り込んでみましたが、実際はみんなが高速を走る内に自然とやる気になって自然にバトルが発生する機会が多く、ルール通りのフリーバトルの仕掛け方も実際やってみると「めんどくせぇな!」という感じで、正直要らないルールでした笑。
まぁ、「首都高バトル」というワードで食いついてくれた参加者の方も多かったと思うので、客寄せには良いルールだったのかなとは思います。でも、次回やるならフリーバトルのルールは丸ごと消していいね笑。
走行会のマナーについては、チートとグリッチについての記述をしなかったこともありグリッチ使用車を僅かに見かけたのが残念だったので、次回やるならチート・グリッチの禁止もちゃんと入れておかないとですね。あと、カーゴボブは実際使えてるのか使えてないのか微妙だったので、わざわざマナーの項目に書くほどのもんでもなかったですね。
最後に、車のクラス分けはやっといた方が良かったかなと。特に車種の指定をしない中ではどうしても主流となるのは高性能スポーツカーで、それ以外の車は「他の人達についていけないしなぁ」とあまり使われることがなかったので、フトとかカンジョとかそういった車にも脚光が当たるルールを作るべきでしたかね。厳密にやっていくと面倒なんですけど、バラエティ豊かな車種選択で尚且つ同レベルでの争いを楽しもうと考えるとこういった細かい努力も必要かなと思います。
そんな感じで、今回の走行会の教訓としては「走行会イベントには需要がある」「走るコースを限定し、ルールとマナーを徹底すれば参加者たちによって勝手に“走行会”というイベントが完成していく」です。気楽に好き放題走れる場を求めるプレイヤーは沢山居るので、そういった人々の需要を満たすイベントが色んなところで出てくると良いですね。
というわけで、誰か面白そうな走行会イベント作ってください。僕の企画もどんどんパクって勝手に似たようなイベント開催してください。あるいは、僕がアイディア出しとルール作りするからイベントの運営誰かやってください。
ホントね、イベント運営大変なのよ!そんで人前に出て人をまとめるとか自分向いてない!自分の理想のイベントが他でやってないから自分で作ってるだけで、誰かが代わりにやってくれるならそれに乗っかりたいよ!なので、僕のアイディアを形にしてくれる奇特な人募集中です!よろしく!
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