フランスの格言によると…ちょっと思い出す時間をください。なぜならスポーツカー「ツーンドラ パンテール」が街にやって来てからというもの、誰もが「ウィ」としか考えられなくなっているからです。ラバのように動き出すリアエンジンと、普段使っている車から浮気して戻れなくなりそうな外観を備えています。人生最高の選択肢はレジェンダリー・モータースポーツで発売中です。
(ロード画面での解説)
フレンチの軽量系スポーツカーと聞くと、スリムなタバコくらいにしか思わないかもしれませんが、惑わされないように。リバイバルされたこのクラシックカーは、今でも十分な存在感があります。無駄を削ぎ落したそのスピードは、フランス人があなたの妻を口説きだそうとするあの素早さ以上です。
(Legendary Motorsportでの解説)
「ロスサントス・ドラッグウォーズ」アップデートで追加されたパンテール。軽さと小ささが武器であることは何時の時代も不変です。身軽な捕食者である1台を見ていきましょう。
車両データ
メーカー:ツーンドラ(Toundra)
名称:パンテール(Panthere)=豹(フランス語)
分類:スポーツカー
駆動方式:RR
乗車定員:2人
購入価格:$2,170,000
モデル車の考察
モデルはルノー アルピーヌ A110(2017年)ですかね。モデルの再現度は高く、ヘッドライトはポルシェ 718、フォグライトはアルピーヌ A110-50あたりの要素を取り入れていると思われますが、違和感のない綺麗な組み合わせ方をしているのでモデルと見比べてもすんなり入ってくるデザインですね。
モデル車は1970年代のラリー界で活躍したA110をリメイクした車で、クラシックA110の生産終了から40年が経った2017年に発表されたライトウェイトスポーツです。アルピーヌブランドとしてもA610以来久々の市販車(20年以上ぶり)であり、「アルピーヌ+A110」の復活を高らかに告げる1台となっています。通販サイトの解説文もそれを意識したものになっていますね。
駆動方式はモデルと同じMR……と見せかけて、車体を裏返すと後輪より後ろにエンジンが置かれているっぽいので、RRということになります。クラシックA110はRRだったので、敢えてRRにしてみたのかもしれませんね。
メーカーは初となるツーンドラ。恐らくルノーをモデルにしたメーカーで、今作では数少ないフランス車となっています。今作でフランス車が少ないのは、北米市場ではフランスの車メーカーが早々に撤退していって、アメリカではフランス車がマイナーな存在であることも影響しているのでしょうか。ラリー好きの自分としてはプジョーの車とか追加されてほしいんですけどね。
2023年2月16日に追加されたこの車は、2023年2月22日までの期間限定販売となっています。完全に限定販売商法に味をしめてますね笑。
ボディーペイントの元ネタ
ストライプカラーはアルピーヌ A110-50がモデルだと思われます(画像)。クラシックA110のデビュー50周年を記念して作られたコンセプトカーで、これが2017年版A110に繋がりました。
白のピンストライプはアルピーヌ A110 ツール・ド・コルス 75がモデルだと思われます(画像)。クラシックA110のツール・ド・コルス仕様を意識した20台限定販売モデルです。
スケッチスピードはアルピーヌ A110 カップだと思われます(画像)。ワンメイクレース用に作られたパッケージですね。
走行性能
速さはスポーツカーカテゴリーの中で平均的。滑りやすく安定して走らせるのが難しいタイプですね。
加速性能は良好。最高速は意外にもカテゴリー上位の方で、ストレートスピードで勝負ができる車です。イメージ的にはクロスミッションで加速重視っぽい見た目なんですけどね。
ハンドリング面はイメージ通り、軽やかな動きをしてくれる代わりにオーバーステアが強め。低速域だろうが高速域だろうが関係なくズルズルと滑るため、どこのコーナーでも侵入から立ち上がりまで気を遣います。ブレーキの効きは良いので、しっかりブレーキを使って姿勢を制御していきましょう。
サスペンションを変えて車高を下げると荷重移動の変化が少なくなって動きの粘りがなくなり、滑り出しがよりシビアになるので注意。スポイラーの追加によるダウンフォースの影響は大きく、付けるだけで中高速域での安定感が上がるので速く走らせたいなら必須レベルでしょうね。セッティングによる動きの変化が大きいので、セッティングが決まればオーバーステアを利用して自在に曲がっていける楽しい車になります。
ボディーの強度は弱め。ぶつけるとすぐにベコベコになってしまうので、気になる人はアーマーで強化しましょう。と言いたいところですが、アーマーを強化しても焼け石に水なのでボディーの強度に関しては諦めたほうが良いです笑。
カスタマイズ
大きく印象を変えるようなパーツは無く、純正に変化を付けるものが基本になります。それでもこの車のデザインが完成されているので大きな不満はないと思います。
バンパー類はスプリッター・ディフューザーの追加のみ。リアは元々ディフューザーが付いているのであまり変化はありませんが、フロントにスプリッターを付けると一気にスパルタンな雰囲気になります。スカートも種類は多めですが、普通にエアロを追加するもので占められています。
グリルはバンパー内の仕切りを縦にしたり斜め格子にしたり。ボンネットはピンを付けたりサブカラー・カーボン調にしたりダクトを付けたり。
ルーフはサブカラー・カーボンの差分パーツ(ルーフのみとサイドパネル込みで色変更の両方が選べます)のほか、大きなサンルーフを付けることができます。モデル車にもあるオプションですね。あとはルーバーを付けたり(結構特徴的な形)、サンストリップを付けたりもできます。
スポイラーはGTウイングのみ。純正のリップスポイラーが結構大きめなので、ここを変えられたら嬉しかったんですけどね。
サスペンションの変更による車高の下げ幅は結構大きめで、純正はそのままラリーに行けそうな高さで、コンペまで下げるとほんのりキャンバーが付いてターマック専用な雰囲気になります。その間くらいでちょうどいいバランスを探すのもいいでしょう。
内装はシートをバケットシートにするもの、ロールケージを入れてシートを純正のままかバケットシートに変えるかのラインナップが一纏めになっています。街乗りかサーキット仕様かで変えていきましょう。
ボディーペイントは上記のようにシンプルながら洒落ているものが多めで、他には白の2本線ストライプ、トリコロールカラーのストライプ、迷彩、レトロな競技車両風、左右ツートン(左が青で中央に白)の企業ペイントという感じ。1個くらいはガッツリレースカー風のやつがあってもいいかなとは思いましたが、ストリート系にするには申し分ないラインナップです。
感想
再現度が高くスタイリッシュなデザイン、キャラクターに合ったカスタマイズパーツと中々の仕上がりになっている1台ですね。価格はインフレを考慮しても中々に”やっちまってる”価格帯(しかも限定販売だし)になっていますが、モデルが好きなら気に入るんじゃないでしょうか。
性能に関しては賛否両論ありそうです。乗りづらいことは間違いないんですが、セッティング次第でかなり挙動が変わりますし、唐突に制御不能になることもなくドライビング次第で暴走を抑え込めるので、癖の強さを味わいとして楽しめる人には面白い車だと思います。この高級フレンチが口に合うか、1度自分の舌で試してみましょう(味の割に値段が高すぎるのは間違いないです笑)。
上でも書きましたが今作はフランス車が不作なので、この車だけでなくクラシックの方のA110だとか、シトロエンやプジョーのラリーカーなども出てきてほしいなと思っています。グループCをやたら推してるフシがありますし、ついでにグループBの車とかも推してもらえれば。イタ車だけどランチアも増えてほしいねぇ。
あと、ラリーとは別にライトウェイトスポーツ繋がりでマツダのロードスターとかね。ホットハッチも良いし、こういう軽量コンパクトな車がもっとほしいです。まぁ、そういう車は大体このゲームだと乗りづらい車にされてしまうんですが……GTA物理学の恐ろしいところよ。
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個人的には1967年式以降のシトロエンDSみたいなのを追加してほしいなって思ってます
シトロエンDSを所有してるわけではないのですが、特徴的スタイリングに脳を焼かれたモノでして
……もしも実際に追加するとしたらランパダーティ辺りかな
>>Pigalleさん
コメントありがとうございます!シトロエンDSもキャラの濃い車ですし、是非出てきてほしいですね〜。