こんばんは、麻乃ヨルダです。本日は、昔遊戯王をやっていたけど今はやっていない人に向けて、昔懐かしのカードとそれをリメイクしたカード(OCGでもラッシュデュエルでも)を紹介していこうと思います。「うわ懐かしい!」「こんなカードあるんだ!」と思い出を振り返っていただき、紙やマスターデュエルに復帰するきっかけになれば幸いです。
今回紹介するカードは「レオ・ウィザード」。
黒いマントをはおった魔術師。正体は言葉を話すシシ。
BOOSTER3で登場したレオ・ウィザード。レオのウィザードという名前の通り、言葉を話す獅子が黒いマントを羽織って魔術師をしています。ええ、そのまんま過ぎてそれ以上話すことがありません笑。
レオ・ウィザードは眠れる獅子の色違いモンスターとして生み出されました。なのでビジュアルは眠れる獅子がベースです。今見ると「言うほど獅子か?」と言いたくなるデザインをしていますね笑。フードを被せられて寝ているようですが、レオ・ウィザードがベースと言われた方が納得できるような見た目です。
このレオ・ウィザード、初期から山ほど居る無個性バニラモンスターの中でも特別な魅力を持つモンスターとして愛されてきました。
まずステータスを見てみましょう。攻撃力1350、守備力1200で、地属性の魔法使い族。攻守にバランスの取れた数字ですね。下級なら悪くないステータスです。下級なら。
なんとレオ・ウィザード、このステータスでレベル5です。第1期に登場したモンスターは基本的にステータスの合計値でレベルが決められており、攻守の合計値が2850を超えていれば上級モンスターという区分けがされていました。しかし、レオ・ウィザードは2550で全然足りていないのにレベル5。そのせいで初期のバニラとしても特別弱い存在になっています。
ザ・ヴァリュアブル・ブックによると、レオ・ウィザードは当時の守備力ランキングが51位と表記されているようですが、これは守備力1600と同じ順位付けで間違った順位になっています。ただ、もし守備力1600なら合計値2950で上級モンスターの条件を満たすので、もしかすると本来は守備力1600だったはずがミスで1200で刷られてしまい、クソ雑魚上級モンスターの汚名を着せられた可能性があります。守備力1600でもクソ雑魚だろと言ってはいけない笑。
OCGでは完全にネタカードなレオ・ウィザードでしたが、そんなレオ・ウィザードが輝ける世界がありました。それがゲームボーイの遊戯王DM4。前作の遊戯王DM3はエキスパートルールが採用され、モンスターはOCGと同様のレベル分けがされていました(DM1と2は公式ルールで生贄召喚の概念が無かった)。
しかし、効果などは完全再現されているわけではなかったので、地雷蜘蛛やビッグ・シールド・ガードナーなどのOCGではデメリット付きの高ステータスモンスターがバニラになり、レベル4で攻撃力2200、守備力2600といった壊れモンスターが生まれてしまいました。ゲームボーイのDMシリーズはシステムの都合上、効果モンスターの効果が全て起動効果になるので、デメリットを再現することができなかったんですね。それでOCGと同じレベル設定をすると、ぶっ壊れバニラが出てくると。
その反省を活かしてか、DM4は独自のレベル設定でゲームバランスの調整が行われました。それは攻守の最大値でレベルを分けるという初期OCGと同じようなもので、攻守が1350以下ならレベル4以下、攻守が2000以下ならレベル6以下、攻守が2750以下ならレベル8以下、攻守が2800以上ならレベル9以上、というもの。つまり、攻撃力1350で守備力1200のレオ・ウィザードは、レベル調整で最強の下級モンスターに変貌したわけです。
(遊戯王DMシリーズでのドット絵。赤背景の怪しい雰囲気のおかげで強いカードの雰囲気が漂ってくる→【攻略】GB版遊戯王DM 全カード一覧 その12(551~600))
また、遊戯王DMシリーズでは2から召喚魔族のシステム(原作で登場)が導入され、レオ・ウィザードは黒魔族に設定。この召喚魔族のシステムは相性の良い方がステータス無視で一方的に勝つ(よく例に挙がるのが「ブルーアイズに勝つクリボー」の話)というもので、黒魔族は白魔族に強く幻想魔族に弱い魔族だったんですが、幻想魔族は極端に数が少ない魔族だったので天敵が全然居なかったんですよね。その点もレオ・ウィザードが強かったポイントです。
(実際はゲーム中だと黒魔族対策なのかマリクや闇バクラなどの強キャラが幻想魔族をデッキに入れていたので、言うほど黒魔族が無双してたわけじゃないんですけどね)
というわけで、レオ・ウィザードはOCGではクソ雑魚、ゲームでは最強という凄まじい振れ幅のカードになりました。これがレオ・ウィザードの愛される理由です。DM4の特殊環境で、レオ・ウィザードは垢抜けというレベルではない変身を遂げたのです。他にも攻撃力1350でいきなり主役に躍り出たモンスターたちは居ましたが、OCGとの扱いの差で言うとレオ・ウィザードが最もルール変更で得をしたモンスターだったのは間違いありません(他の1350族はみんなOCGでも下級モンスターだった)。
ゲームボーイの遊戯王を遊んだ人にとってはある種アイドル的な存在であるレオ・ウィザード。このカードのリメイクは、DMシリーズを遊んだ当時の子供たちを狙い撃ちするデザインになりました。
「黒き魔族-レオ・ウィザード」。DUELIST ADVANCEで約25年ぶりにレオ・ウィザードがリメイクされました。早速効果を見ていきましょう。
効果モンスター
星4/闇属性/魔法使い族/攻1350/守1200
このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):お互いは、元々のレベルが4以下で攻撃力か守備力が1350より大きいモンスターを手札から召喚する場合、
モンスター1体をリリースしてA召喚しなければならない。
(2):このカードが光属性モンスターと戦闘を行うダメージステップ開始時に発動できる。
そのモンスターを破壊する。
(3):このカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。
デッキから攻撃力1350のモンスター1体を手札に加える。
このカード1枚でDM4次元を構築するかのような効果でワクワクが止まりませんね笑。まず1つ目の効果で攻守1350が最強になるDM4空間を作ってくれます。25年が経った今も攻撃力1350なんていう半端なステータスを持つモンスターは殆ど増えていないので、この時代でも下級モンスター同士の戦いで有利を取れます(サラッとレベル4に調整されているところも見逃せない)。
2つ目の効果で召喚魔族の相性を再現。旧レオ・ウィザードは地属性でしたが、新レオ・ウィザードはDMシリーズに合わせて闇属性に変更されていますね。DMシリーズの印象が強すぎるので、闇属性の方がしっくりきます。レオ・ウィザードでブルーアイズをぶっ倒そう!
3つ目の効果は後続のサーチ。攻撃力1350以下ではなく1350だけという凄まじく狭いサーチ範囲ですが、ファンカードなのでご愛嬌。自分もサーチできるので、やられてもDM4次元を維持できるのが良いところでしょうか。
現代遊戯王では真面目に手札から生贄召喚(敢えてアドバンス召喚とは言わない)なんてすることはまず無いので、実用性は皆無です。しかし、こんなにも愛を感じるカードを生み出してくれただけでも感無量ですね。思わずこのカードを使ったデッキや特殊ルールのデュエルを考えてみたくなる、魅力たっぷりのカードに仕上がっています。
カードのイラストもDMシリーズのドット絵を強く意識していて、DMシリーズ特有の枠をはみ出るデザインを再現して、通常のイラスト枠の内側にもう一つ枠を作っているのが芸コマです。
登場時期的にアーリーデイズコレクションを強く意識したカードで、アーリーデイズコレクションが無かったら生み出されていたかどうか怪しいカードですね。まずレオ・ウィザードを復刻させようという話も、DM4のシステムを再現する効果を持たせようという話も、アーリーデイズコレクションが無かったら成立していなかったでしょう笑。ゲームボーイの遊戯王を遊んだ子供たちは大勢居ましたが、今になってそのファンカードを作ってくれるとは。
攻略記事を作るくらいに一時期DMシリーズにドハマリしていた人間としては、令和にこうしてDMシリーズの話をたっぷりできる機会ができて嬉しいです。なんかの間違いで舌魚とベヒゴンもリメイク来ないかな?DM4をマジでやり込んだ人なら、レオ・ウィザードよりもこの2体を使って海デッキをやってたはず。海テーマでこいつらねじ込んでいただけたりしませんか!
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