こんばんは、麻乃ヨルダです。本日はこの間FAカップ優勝を果たしたクリスタル・パレス所属、鎌田大地選手の話題について紹介していきます。
トロフィーリフトが映らない!?
ここ10年くらいで海外に移籍してプレーする日本人選手が一気に増え、分母が増えてくると力のあるクラブに所属する選手も増え、チームタイトルに手が届く選手も多くなりました。
タイトルを獲得すると必ず訪れるのが授賞式。優勝したチームが表彰され、個々人にメダルが渡された後、キャプテンにトロフィーが渡されます。キャプテンがトロフィーを掲げて会場が盛り上がった後は、キャプテンがチームメイトにトロフィーを渡し、一人一人トロフィーを掲げていって全員で美酒に酔うのが通例となっています。
しかし、そんなめでたいトロフィーリフトに、我々日本人(ひいてはアジア人)にとっては暗い噂が長年流れています。それは、「日本人(アジア人)がトロフィーリフトをする瞬間に中継映像が切り替えられる(スイッチされる)問題」です。
応援していた日本人選手がトロフィーを掲げる瞬間、それを見たくて時差と戦いながら深夜にテレビを点けて長時間観戦していたのに、さぁその瞬間となったら関係ない映像が!これ、アジア人差別じゃない?という認識がこの10年くらいで海外サッカーファンの間では固まりつつあります。
そんな疑惑についてジョークを交えて触れているのが、今回紹介するFootball / SDIAさんの動画。言葉で内容を説明しても面白くないので、まずは動画を御覧ください。
トロフィーリフトのスイッチ問題に対し、鎌田選手がフェイントをかけてスイッチャーを騙し、自分のトロフィーリフトを映させるというジョーク動画です。これで差別されててもトロフィーリフトを映してもらえるぞ!これから海外で優勝する予定の人は鎌田選手のトロフィーリフトテクニックを学んで中継にバッチリ映ろう!というネタでした笑。
偶然?ガチ?
まぁ、この動画では面白おかしく伝えられていますが、このトロフィーリフト差別は結構ガチな話なんですよね。一回二回こういうことがあるならただの偶然ですが、動画の冒頭でも見られるように、マンチェスター・ユナイテッドのパク・チソン、レスター・シティの岡崎慎司、リヴァプールの南野拓実と、アジア人がトロフィーリフトをする瞬間に映像が切り替わるという件は過去にかなりの例があるんですね。たまたまというには事例が多い。
で、今回の鎌田選手の映像も、鎌田選手がトロフィーリフトするかな?というタイミングで見事に映像が切り替わっています。鎌田選手が順番を譲らずそのままトロフィーリフトをしていたら、間違いなくその瞬間は映らなかったことでしょう。
ちなみにこれは男子だけでなく女子でもそうで、先日チェルシーFCウィメンでリーグ優勝した浜野まいか選手が、トロフィーリフトの瞬間に映像をスイッチされました(動画の3:44〜くらい)。別に今映さなくてもいい観客の姿を映し、トロフィーリフトが終わった瞬間に映像が戻されました。海外の日本人選手を追っているファンは、こういう光景を何度も見せられているんですね。
映像をスイッチされているのはアジア人だけでなく、白人選手だって映らなかったりもしていますが、それにしてもアジア人の時にタイミングよくスイッチされることが多すぎ。悪意があってかそれとも無自覚か、どちらにせよ軽視されている感は否めません。特に鎌田選手の件を見ると、「ここだ!」と狙ってないとできないスイッチのタイミングに見えてしまいますね。
(こちらはクリスタル・パレスのセレブレーションのフル動画ですが、23:00〜くらいから見てると鎌田選手がトロフィーを掲げようとして掲げなかったところと、鎌田選手がトロフィーを掲げ終えた直後と、鎌田選手のトロフィーリフトを挟むように二度タイミングを探っていたようなスイッチが行われているので、フェイントが無かったらと思うと……)
こんなことをしているのは英国だけ?
ただ、このトロフィーリフト問題にはもう大事な一つポイントがあって、スイッチされた選手はみんなイングランドでプレーしていることです。他の国のリーグでタイトルを獲ったアジア人が中継でスイッチされた!という話は聞いたことがないんですよね。日本人選手はドイツに多く、ドイツでタイトルを獲った選手も居ますが、ドイツでスイッチされた話は一度も聞いたことがないような。
真偽は確認できていませんが、Sky Sports(イギリスのスポーツチャンネル)以外が中継している映像ではスイッチはされていなかったらしいので、正確にはイングランドでプレーしているかどうかではなく「Sky Sportsの中継かどうか」でスイッチが行われているのかもしれません。チャンピオンズリーグでトッテナム・ホットスパーが準優勝だった時にソン・フンミンがメダル授与でスイッチされたらしいので、イングランドサッカーかどうかというよりイギリスの放送が絡んだ時にこういうことが起きてるっぽい。
皆さんはこの疑惑についてどう思いましたか?自分はほぼクロかな〜と思ってます。英国でアジア人がタイトルを獲る度にこの話題が出てきますからね、「またか……」と思われるレベルで前科があるので、偶然なわけないですね。他の国のタイトルシーンではこの話題を聞かないというのも大分アレです。
というか、鎌田選手の時のスイッチの仕方が露骨すぎて、逆にシロと言える理由が無くなってる感じです。意図が無いとあのタイミングでスイッチすること無いよ。今か今かみたいなタイミングで観客の画に切り替えられましたからね。
しかし、これが意図的なものだったとしたらあまりにやってることがしょうもないというか、「アジア人がトロフィー掲げそう!隠したろ!」と思ってやってることになるわけで、とてもバカバカしい話です。その上で鎌田選手のフェイントでスイッチに失敗しているのならもはやコントのような喜劇です。
今回のSDIAさんの動画は、差別が疑われる行動をすること、そしてそれが失敗することがいかに情けないことか、ユーモラスに伝えてくれています。他人を嘲笑おうとした者が逆に笑われる、スカッとジャパンな話です。
ついでに、あのフェイントがたまたまなのか狙ってやったものか判別できない鎌田選手の独特なキャラクターも伝えてくれています笑。誰にも愛想が無くて言いたいことを言っちゃうマイペース、考えが無いようで実は信念があって動いているところなど、この件が意図的でも意図的でなくても納得できる鎌田選手はこういう変なところで目立つエピソードも多くて面白いです。
ラツィオ、クリスタル・パレスと移籍について是非が問われていましたが、最終的にレギュラーもタイトルも獲っちゃってるのが実に鎌田大地。鎌田選手はYoutubeもやっていますが、トロフィーリフトについての話が聞ける日は来るのでしょうか笑。
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