こんばんは、麻乃ヨルダです。本日はGTA5の没データを紹介していきます。今回紹介するのはVadim Mさんの動画で、デビン・ウェストンからの仕事は実はもう一つあったという内容になっています。
デビンに依頼された“6台目”
オフラインのストーリーにて、マイケルは憧れの男である映画監督ソロモン・リチャーズに会わせてもらう代わりに、デビン・ウェストンの依頼で高級車を集めます。完全に自分のための理由ですが、その動機は隠してフランクリンたちにも仕事を手伝わせ、デビンが主人公たちと関わってしまったがために最終的に誰かが“消えないといけない”エンディングに繋がっていきます。
さて、集め終わった高級車を積載車に乗せて運ぶミッション「オーバーロード(原題:Pack Man)」にて、皆さんは載せられている車をまじまじと見たことはあるでしょうか?これまでのミッションで集めた車がちゃんとトレーラーに載せられていますよ。
「チェイスダウン(I Fought the Law…)」で金持ちのガキ2人から押収したエンティティーXFとチーター、「天空の眼(Eye In The Sky)」でチャド・マリガンからカーチェイスの末に奪ったZタイプ、「エージェント(Deep Inside)」でフランクリンが007になって盗んだJB700、そしてカネの匂いを嗅ぎつけてチームに参加したラマーが持ってきたモンロー、最後にスティンガー……スティンガー???
ちょっと待ってください、デビンからは「5台の車を盗んでこい」と言われていて、実際にミッションで盗んだ4台とラマーが持ってきた1台で5台が揃っていて、それに混じってシレッと赤いスティンガーも積まれています。合計6台。何の説明も無く積まれているスティンガーは何者なんだ?
で、このスティンガーこそが削除されたミッションで盗むはずだった6台目の車だった、というのが今回のお話です。スティンガーのナンバーは「ALPHADOG」。「alpha」はギリシャ文字の最初の文字で、「一番目」「先頭」「リーダー」といった意味でも使われます。群れのリーダーを自称する、スティンガーの持ち主とは……?
オフ会には気をつけよう
削除されたミッションの名前は「Social Networking」。GTA5ではGTA4に引き続きゲーム内でネットサーフィンができ、SNSも存在しています。ゲームの進行度によってSNSの内容も更新されるこだわりを感じさせつつも、プレイヤーがSNSに触れてアクションを起こしたりまでは出来ませんでした。
没ミッションはそんなSNSを使うミッションで、フランクリンがネカマをしてターゲットを釣り出す内容。フランクリンが女のふりをしてSNSをやるというだけでもう面白いですね笑。
まず、フランクリンはターゲットと接触するために何かしらの手段で魅力的な女性な写真を入手。その写真を使ってFacebookのアカウントを制作します。制作段階の情報なのでモロにFacebookの名前が出ちゃってますが、製品版のことを考えるとFacebookとはLifeInvaderのことでしょう。
フランクリンは作ったアカウントでターゲットとコンタクトを取り、ターゲットはまんまと出会う約束をしてしまいます。これでターゲットを釣り出せたものの、フランクリンがデートをするわけにはいかないので、仕事を頼める女性にお金を払ってターゲットの相手をしてもらうことに。
そこで仕事を頼む女性というのがコールガール、つまりバニラ・ユニコーンのダンサーですね。製品版のストーリーではトレバーがお店を乗っ取るくらいしか本筋に絡まなかったストリップクラブですが、構想段階では単なる遊び場ではなく女性たちにも役割があったということですね。
そして、ターゲットの男というのがGTA4に登場していたブルーシー・キブッツ。自動車販売整備店「BRUCIE’S EXECUTIVE LIFESTYLE AUTOS」を営み、趣味の筋トレで鍛えた身体を見せびらかすニコ・ベリックの友人です。家族へのコンプレックスを抱え、両性愛者であることを隠すように男らしさを主張し続けるこのAlpha Dogが、GTA5でも続投する予定だったみたいです。
準備が整いデートの日に。フランクリンとトレバーがデートを尾行し、トレバーは決定的瞬間を盗撮してライフインベーダーに投稿。フランクリンはスティンガーに忍び込み、ヘイズ・オートのガレージに届けました。
ミッションが概要しか作られていないせいか、この説明だと別にトレバーが盗撮をする必要も無さそうですが、弱みを握っておくことに意味があったのでしょうか。このミッションで味を占めたトレバーがバニラ・ユニコーンで女の子を使ったビジネスをやる構想とかもあったりして……?
因果応報!
こんな感じに、本当はブルーシーのスティンガーも盗むはずでした。製品版のヘイズ・オートのガレージ内には壁にターゲット車両のリストが書かれていましたが、そこには5台の車の名前とそれぞれの車をどうやって盗むかが示されていました。
そして「Life Invader?」とライフインベーダーの名前が書かれた作戦も記されていたわけですが、その作戦はモンローの名前と紐付けられていて、モンローはラマーがミッション外でどういう経過か分からず盗んできた車です(1人で盗んできたの?すげぇな)。なので、ライフインベーダー(本社のことなのかSNSのことなのか)を絡めて車を盗む、という要素は製品版でも匂わせる程度に残っていました。
こうして、製品版では姿を消したブルーシーとミッション。しかしトレーラーにはスティンガーが積まれたままで、謎の存在となってしまいました。これならスティンガーも消しちゃって良かったんじゃないかと思いますが、「偽装かなんかで盗難車じゃない高級車を1台紛れ込ませた」とかいくらでも脳内補完はできるので、別に残しといてもいいかと見逃されたのかもしれません。決まっていたものを下手に弄って思わぬところでバグが出るのも怖いですしね。
この没ミッションの情報で面白いなと思うのは、SNS、ストリップクラブ、ブルーシーと本編では活かされなかった3つの要素が絡んでいることですね。ジミーがフランクリンとSNSで繋がろうとしていたり製品版でもSNSの活用を匂わせていましたし、ダンサーも連絡先を交換出来たりするのに結局電話してお泊りするだけになっていたり、もっと活かしようがあったのはなんとなくプレイしていても感じたので、やはり制作側も色々考えてはいたんだなと納得できる情報でした。
ブルーシーはゲーム内のオンラインサイトでブルシャーク・テストステロンのページが存在していましたし、そこでGTA5版ブルーシーの姿も見えていたので、ミッションで出す予定だったというのは納得。
オンラインの方ではカジノミッションでブルーシーが再登場を果たし、GTA4の面影をしっかり感じさせる姿をしていましたが、このちゃんと実装されたブルーシーの姿を見るとネット上のブルーシーはコレジャナイ感があって笑えますね。パチモンじゃん!
ちなみに、SNSで正体を偽ってターゲットを誘い出す内容のミッションはGTA4でもあり、その依頼主こそがブルーシー。そのミッション「Out of the Closet」では、ブルーシーに借金をしていたゲイのトム・リバスをダイナーに誘い出し、ニコが彼を始末します。
もし「Social Networking」が実装されていたら、トム・リバスに罠を仕掛けたバイのブルーシーが数年後ロスサントスで同じような罠に引っかかる、というファンサービス的なミッションになったはずです。うん、ロックスターならこういうのすごいやりそう笑。結局ブルーシーなどの要素を上手く噛み合わせることができなかったのかお蔵入りになってしまい、非常に残念な没ミッションでしたね。
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