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【遊戯王】あのモンスターは今……「メサイアの蟻地獄」

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こんばんは、麻乃ヨルダです。本日は、昔遊戯王をやっていたけど今はやっていない人に向けて、昔懐かしのカードとそれをリメイクしたカード(OCGでもラッシュデュエルでも)を紹介していこうと思います。「うわ懐かしい!」「こんなカードあるんだ!」と思い出を振り返っていただき、紙やマスターデュエルに復帰するきっかけになれば幸いです。

今回紹介するカードは「メサイアの蟻地獄

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ゲームでは最強の足止め罠

永続罠
フィールド上に表側表示で存在する全てのレベル3以下のモンスターは、召喚・反転召喚したターンのエンドフェイズ時に破壊される。

Thousand Eyes Bible -千眼の魔術書-で登場したメサイアの蟻地獄。レベル3以下のモンスターは出したターンに破壊されてしまう、弱者を許さない永続罠です。

原作出身のカードで、「全国大会決勝戦」の「ダイナソー竜崎vsインセクター羽蛾」戦で羽蛾が使用。その効果で「二頭を持つキング・レックス」の攻撃を封じました。

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使われ方からして、原作では六芒星の呪縛のような足止め罠だったはずですが、OCG化の際にこのような弱小モンスターを狩る効果になってしまいました。キング・レックスはレベル4なので、OCG準拠だと竜崎はメサイアの蟻地獄を気にせず羽蛾を攻撃できます。昔のOCGは原作ガン無視でカード化することが多々あり、このカードもそんな1枚。

原作再現が出来ていないだけでもだいぶアレですが、召喚・反転召喚にしか対応しておらず特殊召喚には対応していないのも残念なところ。当時のレベル3以下で採用されるモンスターと言えば大体リバースモンスターだったので時代には合っていますが、反転召喚をした時点でリバースモンスターは役割を終えているので、エンドフェイズに破壊されたところで対して影響なし。そしてあの時代のメインアタッカーはみんなレベル4だったので、主力は素通りでやりたい放題です。

一方その頃、ゲームボーイの遊戯王DM4でメサイアの蟻地獄が収録されました。相手モンスターが攻撃してきたら自動で反応して、その攻撃を無効にする原作っぽい効果。この時代はゲーム内のカードの方が原作再現が出来ていることも多々あり。

(遊戯王DMシリーズでのドット絵。遊戯デッキ使いと破滅の大邪神プレイヤーはガチで親の顔より見た罠→【攻略】GB版遊戯王DM 全カード一覧 その18(851~900)

ゲームボーイ作品はポケモンがバージョン違い商法で利益を上げたのをきっかけに、どこもかしこもバージョン違い商法をするようになり、遊戯王も便乗してDM4では遊戯デッキ・海馬デッキ・城之内デッキの3種類を販売しました。そして、それぞれのバージョンでデッキに入れられるカードが違っていたのですが、メサイアの蟻地獄は遊戯デッキ限定のカードに設定されました。

遊戯デッキは殆どの魔法・罠カードを使えない仕様になっていて、メサイアの蟻地獄は数少ない使用可能な罠カードということで重宝されていました。羽蛾関係のカードは大体城之内デッキだけが使えるようにされていて、罠カードも殆ど城之内デッキが使えるようにされていましたが、何故かメサイアの蟻地獄が遊戯デッキに渡されたのは、カードプールの格差を埋めるための判断だったのでしょうか(その程度でどうにかなるバランスではなかったが)。

(余談ですが、遊戯王DM4は2000年12月7日発売で、Thousand Eyes Bibleは2000年12月14日発売となっており、たったの7日違いでのゲーム及びOCG収録となっています)

DM7とDM8でもこのカードは大活躍。特にDM8(破滅の大邪神)ではデッキキャパシティの上昇が異様に渋い極悪ゲームバランスの中で、メサイアの蟻地獄は優秀な上に何故かカードコストが0という救済処置的なカードだったので、攻略法を知っているデュエリストはまずこのカードをデッキに入れる、最重要カードでした。

しかも、このカードの強いところは神にも効くところ。神のカードは破壊効果を受けない強力な耐性を持っていて、激流葬や万能地雷グレイモヤが効かない恐ろしい相手だったのですが、破壊を伴わないメサイアの蟻地獄はちゃんと神を足止めできます。序盤から終盤まで一切抜けることがないフェイバリットカードですね。OCGとゲーム内で扱いに差がありすぎ。

そんなOCGでは不遇のカードだったメサイアの蟻地獄ですが、約20年の時を経てリメイクカードが誕生。その際に、罠カードではなくモンスタカードとなっての登場となりました。



こいつが「メサイア」だ!

「ジャイアント・メサイア」PHOTON HYPERNOVAで約22年ぶりにリメイクされ、蟻地獄を生み出していたメサイアさんの正体が明らかになりました。

効果モンスター
星3/地属性/昆虫族/攻1200/守1500
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
(2):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。
自分の手札・墓地から昆虫族モンスター1体を選び、
攻撃力・守備力500アップの装備カード扱いとしてこのカードに装備する。
(3):1ターンに1度、昆虫族モンスターが戦闘を行うダメージステップ開始時に、自分及び相手フィールドのカードを1枚ずつ対象として発動できる。
そのカードを破壊する。

まずは能力を見ていきましょう。レベル3の地属性・昆虫族であるジャイアント・メサイアは、相手の攻撃によって手札から現れる罠のようなモンスター。召喚・特殊召喚時に手札・墓地から昆虫族モンスターを装備する効果があるので、1の効果で特殊召喚しながら装備していくことになるでしょう。

そして1ターンに1度、昆虫族モンスターが戦闘を行うと自分と相手のフィールドのカードを1枚ずつ破壊する効果を持ちます。味方ごと相手を沈めてしまうものの、戦闘を行っているモンスター同士ではなくフィールドのカードなら何でもいいので、装備カードと相手モンスターなど分の悪い1:1交換を要求してアドバンテージを奪うことが出来ます。昆虫族にはゴキポール、共振虫と装備状態でもフィールドから墓地へ送られさえすれば効果を使えるカードがあるので、それらのカードを装備するとより良いですね。

ただ、相手の攻撃に反応してジャイアント・メサイアを特殊召喚すると、モンスターの数が変動して攻撃対象の選び直しになるので、ジャイアント・メサイアの効果を見たら相手は攻撃をやめてしまうでしょう。相手が攻撃をやめたらそれはそれで本来のメサイアの蟻地獄的な攻撃抑制になるということで、見えている蟻地獄で相手を威嚇出来るなら十分か。戦闘時なら効果を発動できるので、自分から攻めて破壊効果を使うのが主になるでしょうか。

原作のメサイアの蟻地獄と比べると、まずモンスターカードになっている時点で大きな違いですが、攻撃に反応するカードという部分で再現が行われていますね。攻撃を無効にするわけではないので、OCG版も強く意識された効果となっていますが、面白いのはこのカードでちゃんと原作っぽい動きができること。

キング・レックスは攻撃力1600なので、攻撃力1200のジャイアント・メサイアが装備カードで攻撃力を+500すると攻撃力1700になってキング・レックスに勝つことが出来ます。破壊効果もあるので、ジャイアント・メサイアによってキング・レックスの攻撃を防げるのは間違いないです。そして返しのターンにジャイアント・メサイアで攻撃すればキング・レックスを倒すことができます。

そもそも、原作の描写では「メサイアの蟻地獄で竜崎の攻撃が止められた」「返しのターンで羽蛾が勝利した」くらいしか分かっていないので、意外とこれでしっかりと原作再現が出来ますし、それでいて現代っぽい1枚で色々出来るカードパワーになっているので、中々良い落とし所だと思います。単に原作ごっこをするファンカードとしても、普通に昆虫デッキで使うカードとしても遊べるデザインです。

元のメサイアの蟻地獄のイラストは、悪魔っぽい何者かの手から砂嵐が出ている正体不明のデザインでしたが、メサイアさんの正体がバカでかいアリジゴクだと判明し、しっかり昆虫系のカードだと設定が固まりました。まぁ、そのせいで元のイラストで描かれている謎の手がより謎になってしまいましたが笑。

ちなみにジャイアント・メサイアの英語名は「Infinite Antlion」Antlionはアリジゴクの意で、メサイア(救世主)の名前は使われていません。元のメサイアの蟻地獄も、宗教的な語句を避けるためか「Infinite Dismissal(直訳で「無限の却下」)」と英語名でメサイアの名を出さないようにされており、それを踏襲した名付けになっています。

勝手な妄想ですが、元カードの方は「メサイア(救世主)を捕らえる蟻地獄」的なテイストだったのかなと思っていて、それはそれでストーリーを感じさせるカードでした。それが今回リメイクによって、「メサイアという名前の虫が作り出す蟻地獄」だと判明し、ちょっとだけガッカリな気持ちも。なんか、ミステリアスキャラの正体が分かって、「思ったより普通だな……」みたいな笑。別にそこまでメサイアの蟻地獄に幻想を持っていたわけじゃないのに。

(どうでもいいけど、元のメサイアの蟻地獄の効果でジャイアント・メサイアが破壊されるのもなんか笑える。蟻地獄に食われるアリジゴク)

ゲームボーイ、ゲームボーイアドバンス時代の遊戯王を遊んでいたデュエリストなら、大変お世話になった人も多いであろうメサイアの蟻地獄。原作ガン無視の永続罠のことは忘れて、再解釈されたジャイアント・メサイアでまた戦ってみませんか?あるいは、大会で恐竜デッキと対戦する予定の虫野郎も、このカードをデッキに入れると良いことあるかもしれませんよ。

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