
こんばんは、麻乃ヨルダです。本日は千年研究所さんの動画を見ながら遊戯王のスタンバイフェイズについて考えていきましょう。
君はスタンバイフェイズのことを知っているか
こちらは遊戯王系Youtuberの千年研究所さんの動画です。遊戯王界で囁かれている謎や都市伝説などを解明していくチャンネルとなっていて、毎回素晴らしい着眼点で「言われたら確かに気になる!」という遊戯王ネタを深掘りしていくれています。
今回のテーマは「スタンバイフェイズ」で、遊戯王をプレイした人なら誰もが思う「これって何をするタイミングなんだ……?」と疑問に思うフェイズに着目しています。今でこそスタンバイフェイズで動くカードも増えましたが、昔は本当にただスルーするだけの謎のフェイズでした。
これを考える上で出てきたのが、ゲームボーイの遊戯王DMシリーズ。遊戯王カードはまずバンダイが商品化をしましたが、こちらはアニメグッズの色が強く、カードゲームとしても遊戯王のごっこ遊びツールとしてもそこまでクオリティーが高くない商品でした。
その後、コナミがゲームボーイソフト「遊戯王デュエルモンスターズ(遊戯王DM)」を販売。そのゲームを基にして「遊戯王オフィシャルカードゲーム(遊戯王OCG)」が誕生し、現代までサービスが続いています。
で、OCGの源流となっている遊戯王DMシリーズなんですが、DMは原作再現でかなり独特なルールが作られていました。召喚魔族がよく言われますが、「フェイズが存在しない」のも大きな特徴で、ドローをした後はモンスターの召喚と攻撃が自由なタイミングで可能となっていて、攻撃をした後にモンスターを召喚して、召喚したモンスターでまた攻撃して〜など、自ターン中の行動はかなり自由でした。
OCGになって紙でプレイする用にルールが整備されたわけですが、そこで「フェイズ」の概念が登場しました。当初のルールはバトルフェイズがメインフェイズの中に組み込まれている(メインフェイズ1・2と明確に分けられていない)のでちょっとDMシリーズの名残は感じますが、ドロー・スタンバイ・メインの流れは最初から作られていました。
が、初期の遊戯王でスタンバイフェイズに関連する効果を持つカードなんて、パトロール・ロボとミスター・ボンバーくらい。これらのカードのためにスタンバイフェイズが用意されたなんて有り得ないので、もっと他にスタンバイフェイズを作る理由があったはずです。
スタンバイフェイズは表示形式を変更するフェイズ!?
そこで、千年研究所さんが着目したのは、遊戯王OCGの制作をしていたスタジオハードで当時代表を努めていた高橋信之氏の著書「オタク稼業秘伝ノ書」に書かれていた記述。そこには「遊戯王OCGはマジック・ザ・ギャザリング(MTG)のルールを元にして作った」と記載されていたようです。
そして、当時のMTGのルールを見てみるとかなり遊戯王OCGのルールに似ています。なので、MTGでのルールを流用する中で「アンタップフェイズ(前ターンに行動をしてタップされたクリーチャーをアンタップする)」と「アップキープフェイズ(カードに指定された維持費などの処理)」を統合して、スタンバイフェイズにしてターンの流れを作り直したのではないかと予想されています。
こうして、MTGのルールを参考にOCGのルールを作ってスタンバイフェイズを用意してみたものの、実際にそこから他の部分のルールを整備したり、カードを作ったりしていったら「このゲームってアンタップもアップキープもしないからスタンバイフェイズでやることなくね?」となってしまったと。
が、公式がスタンバイフェイズの存在に疑問を抱いた頃には、スタンバイフェイズに関連するカードが刷られてしまっていたので、スタンバイフェイズを消すこともできなくなり、しょうがねぇからそのまま残すか……で残って現在に至るのではないか、というのが千年研究所さんの推理でした。
ここからは動画についていたコメントも参考にさせて貰いつつの自分の推理です。当時販売されていた「遊戯王OCG公式ガイドスターターブック」では、ルールについて説明している文章の中に「スタンバイフェイズ→フィールドに出ているモンスターの表示形式を決定するフェイズ」と記載されています。
皆さんも知っての通り、モンスターの表示形式はメインフェイズで変更するものであって、初期ルールですらそんなことはできません。なので、OCGのルールを試行錯誤している間に作られたこの本で、構想段階で考えられていたルールを間違って記述してしまったのではないかと思われます。
で、なんで「スタンバイフェイズ=表示形式を変更するフェイズ」となったのかを考えてみると、そこで連想されるのが「アンタップ」です。MTG(とMTGをベースにしたデュエルマスターズ)では、土地(マナ)の使用後や、クリーチャーが攻撃をしたりした後、「このカードは使用済みです」ということを分かりやすく表現するために、そのカードをタップ(縦向きから横向きにする)します。そして、次のターンにアンタップ(横向きから縦向きにする)することで、そのカードは再度使用可能となります。
遊戯王OCGではタップとアンタップがありません。しかし、遊戯王DMシリーズにはそれに近い概念があります。DMシリーズでは、カードをフィールドに出した瞬間は未使用状態となっていて、攻撃をした後や効果を使った後は使用済み状態になります。使用済みになったカードはそのターン中行動不能になるので、実質タップ状態と言えます。そして、行動不能になったカードは次のターン開始時にまた未使用状態となって行動可能になります。
公式ガイドスターターブックで言われていた「モンスターの表示形式を決定するフェイズ」の表示形式とは、このタップ→アンタップのことを言っていたのではないかと思われます。DMシリーズがOCGの基盤となっているので、「DM→MTG→OCG」とルールが翻訳されている間に、タップの概念を残すか残さないかが協議され続けて、OCGが製品化する結構ギリギリまでどうするかが決まらなかったのかもしれないですね。
遊戯王のモンスターには攻撃力と守備力が存在し、カードを縦にして攻撃表示、カードを横にして守備表示とすることでモンスター同士のバトルを行っていきます。この縦横の向きは見かけ上MTGのタップ・アンタップと被るので、それを紙で表現しようと思うとどうやって攻撃表示・守備表示と差別化をするのか?が決まらなかったんじゃないでしょうか。
タップの概念がある遊戯王の可能性
紙の遊戯王をプレイすると、「このカードの効果って使い終わったっけ???」と分からなくなり、自分も相手も大混乱するのが日常なので、もしOCGでもタップ・アンタップの概念が上手く組み込めていたら少なくともフィールドのカードは使用済みかどうかが分かりやすかったかもしれないですね。
ただ、遊戯王の場合はフィールド以外のカードがめちゃくちゃ効果を発動するので、フィールドだけ使用済みかどうかが分かっても結局混乱するのは変わらないような気も。どの道か。
ともあれ、今回の「スタンバイフェイズって何?」という話はめちゃくちゃ面白かったです。そこから遊戯王DMシリーズにも話が広がり、タップの概念で点と点が繋がった時は思わず“目覚めて”しまいました。こうして人は陰謀論に飲み込まれるのか。
このような、疑問に思っていたはずなのに日常になりすぎて忘れ去られていた謎を解明してくれるので、皆さんも千年研究所さんの動画を見てみてください。昔の遊戯王が好きな人にも今の遊戯王が好きな人にも興味深い動画が沢山ありますよ。
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