実用的でありながら、馬鹿げたものが欲しい。大真面目でありながら、大げさなものが欲しい。愛と称賛を感じたいが、嘲笑さえ恐れられたい。さあ、ボーラーSTが登場です。全ての人にとって、全てであれ。レジェンダリー・モータースポーツで絶賛発売中。
(ロード画面での解説)
文化とサンディ海岸、口腔衛生とイチモツ、ハードコアとSUV。言葉の中には組み合わせてもしっくりこないものがありますが、ボーラーSTならそのような社会言語学的なガラスの天井を目の前の車両のフロントガラスと共に粉砕してくれるでしょう。
(Legendary Motorsportでの解説)
「契約」アップデートで追加されたボーラーST。新作など作らなくとも、名作をリメイク・アップデートすれば客は喜ぶものです。永遠に売れ続ける1台を見ていきましょう。
車両データ
メーカー:ガリバンター(Gallivanter)
名称:ボーラーST(Baller ST)
分類:SUV
駆動方式:AWD
乗車定員:4人
購入価格:$890,000(「ドレーをナメるな」をホストとしてクリアで$667,500に割引)
モデル車の考察
ボーラー LE LWBとよく似た車ですが、モデルはランドローバー レンジローバー SVオートバイオグラフィーですかね(名前が長い上にややこしい!)。ジャガー・ランドローバーの特殊車両製作部門「SVO(Special Vehicle Operations)」が手掛けたランドローバーのフラッグシップモデルで、ホイールベースは3,120mm、本体価格は約2,900万円という何もかもリッチでビッグな1台となっています。
あるいは、ランドローバー レンジローバー スポーツSVRもモデルになっていると思われます。リムジンとして優雅な高級車を目指したオートバイオグラフィーに対し、スポーツSVRは走りを意識したハイパフォーマンスモデルとなっています。方向性は真逆ですがどちらもプレミアムSUVの究極を目指した1台ですね。
ボーラーSTを見ると、ロングホイールベースでリムジン的な雰囲気を出しつつも、車高やエアロなどでスポーツ感を出している(STって名前もなんとなくスポーツモデルっぽいし)ので、両方の要素をかけ合わせた「走れるリムジン」的な車ではないかなと思います。
これで今作登場したボーラー系列の車は7台目。旧型と新型、新型のLEとLWBにそれぞれの装甲バージョンで似たような派生モデルが揃っていましたが、ここにきてまたしても新型ボーラーの派生モデルが出てくるとは……そして価格は新型が$90,000、LEが$149,000、LE LWBが$247,000、STが$890,000(割引込みで$667,500)と、この世界のインフレを感じさせてくれます。
なお、クリスマス前のクイックアプデでは通販サイトで早期解禁と共に無料で購入ができるようになっていました。2021年のクリスマスプレゼントですね。
この車もドレーの愛車の1台らしく、VIP契約ミッションで度々登場しています。やはり金持ちはスーパーカーとSUVに目がないんでしょうか。
走行性能
なんだかんだ言っても最新型、LEと比べて一回り性能がアップしています。デカくて重たいながらもパワフルな走りで、楽しい重量感ですね。
加速性能は中々。発進から低速域はちょっと鈍く中速域から速度が伸びてくるタイプですが、勇ましいエンジン音のおかげで実際の加速以上に加速感があるのがいいですね。最高速はSUVでもトップクラスなので、見た目通り高速を走らせるのに適した車でしょう。
ハンドリング面は流石に重量級&ロングホイールベースのSUVということで曲がりやすいとまでは言えませんが、どっしりと地面に食いついてグリップしているので適切なスピードで曲がれば弱アンダーでスムーズな動きをします。グリップの限界を超えた時の動きも穏やかなのでスライドコントロールも容易。ブレーキは弱いのでコーナーの突っ込みは要注意。
トラクション性能は高め。とはいえそれ以上に車体が重たいので登坂性能はそこまで高くありません。車高の低さゆえにショックの吸収率もイマイチで、山道を走るのは向きません。オフロードも車体が暴れてコントロールが大変かなと感じるので、やはり舗装路を力強く優雅に走るための車でしょう。
車体の強度はベースのボーラーと同レベル。ガンガンぶつけると意外とすぐにタイヤが曲がってハンドリングが悪くなるので、この巨体をぶつけずに走らせる自信がなければアーマーを強化しましょう。
カスタマイズ
一通りのパーツが揃っていますがどれもほぼ純正と変わらずで大きく印象は変わらないですね。わざわざ同じ型のボーラーを6年越しに登場させたのだから、もうちょっと色々出来たらなぁというのが正直なところ。
エアロ類はフロントバンパーにスプリッターを付けられたり、スポイラーを延長できたりする程度。ボンネットは7種類ほど用意されていますがどれも大人しいデザインですね。
バリバリエアロを組む車でもないのでエアロが無いのは構わないんですが、ルーフにラックを付けるなどSUVっぽいパーツも特に無いのが残念。それでいて何故かロールケージは用意されているのがまた微妙。どういう方向性に行きたいんだ!
ボディーペイントは企業ペイントが多めで、他にもオレンジ色の秋を感じさせる迷彩柄やリパブリカンの痛車ペイント、英国国旗柄などバリエーションが多彩。上品な感じにもスポーティな感じにも、はたまたヤンキーな感じにも出来るのでこのラインナップは評価できますね。
感想
走りが進化しカスタムも楽しめるボーラーということで確実に需要がありそうな1台。ですが、LEの登場から6年経って「またこの型のボーラー!?」というリアクションになるのも当然と言えば当然の1台でもあります。
こういった過去に登場した車をマイナーチェンジして改めて登場させるという手法は今までもあったことですが、ボーラーの場合は既にLWB版があった中でまたLWBですからね。流石にこれはツッコミ不可避です。これを出すくらいなら他のLWB版が無いSUVとかでやればいいのに、なぜまたボーラーだったのか。
このようにツッコミだすとキリがない車ではありますが、この車単体で見ればパワフルな走りが楽しいし、カスタムできるSUV系リムジンということで楽しめる1台です。砂漠のロールス・ロイスもとい、砂漠のエナスに乗ってVIP気分を味わうのはいかがでしょうか?
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