これまでのFIFA/FUTシリーズでシステムの根幹であった「ケミストリー」。これが今作になって過去作品とはほぼ別物と言っていいほどに激変しました。新しいシステムに順応するため、何がどう変わったのかを見ていきましょう。
目次
前作からの変更点
前作までの仕様、ケミストリーの概念については【FIFA21・22/FUT】ケミストリーを理解しようの記事でおさらいしていただくとして、まずはざっくりとどこがどう変わったのかを箇条書していきます。
・チームケミストリーが廃止
・個人ケミストリーの算出方法が変更
・個人ケミストリーの値が0〜3に変更
・個人ケミストリーの影響範囲が変更
・選手のポジションの仕様変更
・忠誠心システムの撤廃
これだけ見ても「別物やんけ!」と思うでしょうが、ここから各要素を細かく見ていきましょう。
個人ケミストリーが最大3に
前作までは個人ケミストリーが「0〜10」の11段階とされていましたが、今作では「0〜3」の4段階に変更されています。
そして、個人ケミストリーが0でも選手の能力がマイナスにならないようになりました。つまり、個人ケミストリー0は文字通りプラマイゼロで、ケミストリー0でも問題なく選手を起用できるようになりました。勿論、個人ケミストリーを上げて能力が上がった状態で起用する方が得ですけどね。
ケミストリーの繋ぎ方
前作まではチームケミストリーと個人ケミストリーの2つの数字が存在し、その2つの数字によって選手の能力が変動していましたが、今作ではチームケミストリーが廃止され個人ケミストリーのみが選手の能力値に影響を与えるようになりました。それに伴い、個人ケミストリーの算出方法が大幅に変更されています。
一目見て分かるのは、選手と選手を繋ぐ線が無くなったこと。そう、前作までは隣同士の選手だけでケミストリーが決定されていましたが、今作ではチーム全体でリーグ・クラブ・国籍の要素を繋げるシステムに変わっています。隣同士のピースを合わせるパズルのようだった前作から、フォーメーションという大枠で選手たちの要素を合わせていくシステムに変わりましたね。お隣さん同士だけで仲良くするのではなく、コミュニティ全体で仲良くしていかないといけないということです。
個人ケミストリーの算出方法
では具体的に、どうやって個人ケミストリーを計算するようになったのかを見ていきます。条件は以下の通り(ケミストリーを◇で表現しています)。
・同リーグ
◇1:選手3名
◇2:選手5名
◇3:選手8名
・同クラブ
◇1:選手2名
◇2:選手4名
◇3:選手7名
・同国/地域
◇1:選手2名
◇2:選手5名
◇3:選手8名
これだけ見てもなんのこっちゃ分からないと思うので、具体例を出して説明していきましょう。
今、スカッドに置いているのはリーガ・エスパニョーラのアトレティコ・マドリード所属のサウール(スペイン国籍)。彼1人だけなのでまだ個人ケミストリーは0です。
ここに同じくリーガ・エスパニョーラのアトレティコ・マドリード所属でフランス国籍のグリーズマンを置いてみます。すると、2人の個人ケミストリーが◇1に上がりました。これは上の「同クラブ:選手2名→◇1」の条件をそれぞれが満たしたためですね。
次に、リーガ・エスパニョーラのアトレティコ・マドリード所属でスペイン国籍のモラタを置いてみます。すると、サウールとモラタは◇3まで上がった一方で、グリーズマンは◇2で止まりました。
なぜかというと、サウールとモラタは「同リーグ:3名→◇1」「同クラブ:2名→◇1」「同国/地域:2名→◇1」の3つを満たしている一方で、グリーズマンは「同リーグ:3名→◇1」「同クラブ:2名→◇1」だけを満たしているからですね。もしグリーズマンの個人ケミストリーを3まで上げたいのであれば、リーガ・エスパニョーラの選手を後2人か、アトレティコ・マドリードの選手を後1人か、フランス人を後1人追加してあげる必要があるということです。
システム自体は大幅に変更されたものの、従来と同じように「クラブが同じ」「リーグと国籍が同じ」選手同士はケミストリーを合わせやすいですね。なので、強豪チームやメジャーな国の選手がケミ合わせで重宝するというのも変わらないでしょう。
ポジションの概念
前作までは本職のポジション以外のポジションに選手を置くと、ポジション次第でケミストリーが少し減ったり大きく減ったりしていましたが、今作では本職以外のポジションに選手を置くと強制的に個人ケミストリーが0になります。
個人ケミストリーが0になるだけならまだしも、ポジション外の選手はスカッド内で存在していない扱いになってしまうため、チーム全体にも影響を及ぼします。例えば、先程例に上げたサウール・グリーズマン・モラタの3人の中で、モラタをCBとかに置いてみるとモラタのケミストリーは0、サウールとグリーズマンもモラタが居なくなってケミストリー1になってしまいます。なのでポジション合わせの重要度がかなり高いです。
そして代わりに導入されたのが「代替ポジション」の概念。ご覧の通り、サウールは得意なポジション(本職)がCMに設定されていて、代替ポジションはLMに設定されています。では、このサウールのカードをそのままLMに置いていいのかといったらそうではなく、ここで仕様が変わったポジション変更カードを使う必要があります。
前作まではポジション毎に変更できるポジションとそれに対応したポジション変更カードが用意されていました。これによってCDMの選手をCMに、CMの選手をCAMに、といった感じでポジションを移動させることが出来ましたが、今作ではそれらの個別ポジション変更カードが全て廃止され、代わりに「得意なポジションと代替ポジションの中からポジションを変更するカード」が登場しました。
つまり、先程のサウールをCMからSTに変えたりすることができなくなったものの、CMからLMに、LMからCMに変更できるようになったわけですね。一見、フォワードの選手を中盤に落としたり出来なくなって自由度が下がったように見えますが、実際はサイドの選手を中央に入れられたり、CBの選手を他のポジションに変えたりできるようになったので自由度は上がっています。スカッドの見栄えとしても、カンテが前線に居たりロナウドが中盤に居たりすることがなくなって、リアルに近いフォーメーションが見られるようになって綺麗に見えるようになりましたね。
ちなみに、LF/RFのポジションはひっそりと消されています。有っても無くても同じようなものだったので妥当ですね。
監督の影響力
前作までの監督カードはリーグが同じ選手のカードにケミストリーを+1するというものでしたが、ケミストリーの仕様変更に伴い、監督と同じ国籍・リーグの選手1人分という効果に変更されました。
例えば、プレミアリーグの選手がチームに2人居る状態でプレミアリーグの監督を置くと、「同リーグ:3名→◇1」の条件を満たしてプレミアリーグの選手が◇+1されるということですね。地味ながら優秀な効果なので、あと一歩ケミストリーが足りない時に調整役として活躍してもらいましょう。
忠誠心の撤廃
前作までは忠誠心(パック・報酬で入手か、購入した選手を10試合起用で個人ケミストリー+1)のシステムがありましたが、今作ではそれが廃止されました。ケミストリー+1の影響が大きいですし、SBCのために買ってきた選手を10試合使うとかがかなり面倒だったのでとても良い変更ですね。
アイコン・ヒーローカードの仕様
個人ケミストリーの算出方法が変わったことで、アイコンとヒーローの仕様も変更されました。
まず、アイコン選手は個人ケミストリーが3で固定+1人で同国/地域2人分で計算されます。なので国籍によるケミストリーが稼ぎやすくなっていますね。その一方で、アイコンリーグ(どのリーグとも繋がる)の概念が無くなったことで、国籍以外ではケミストリーを稼げないカードになってしまいました。とりあえずアイコンを入れとけばケミストリーが上がる、という状態では無くなったということですね。これにより、マイナー国のアイコンはちょっと価値が落ちたかもしれません。
ヒーロー選手は個人ケミストリーが3で固定+1人でリーグ2人分で計算されます。クラブのケミストリーは稼げないものの、リーグのケミストリーは稼ぎやすく国籍のケミストリーも機能しているので十分に使いやすいカードですね。今作の仕様だとアイコンよりもヒーローの方がケミストリー面での使いやすさは上かもしれませんね。
まとめ
FIFAという名前がそろそろ無くなろうかというこのタイミングでこれまでの伝統だったケミストリーシステムを大改造してきたのには驚きましたが、ハチャメチャなポジション変更やアイコン入れときゃOK状態のスカッド作り、その他細かい不満点などが改善されてEAとは思えないほどまともなシステム変更だったと思います。やればできるじゃん。いつもこのくらいやれ。
最初は面食らいましたが、慣れるとこれまで以上に自由で楽しいスカッド作りができる今作のケミストリーシステム。スカッド妄想を捗らせるためにもイチ早くこのシステムに慣れましょう。
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