こんばんは、麻乃ヨルダです。
遊戯王マスターデュエルでこのテーマのデッキを作りたい。でもどんなカードを集めてどんな構築にすればいいのか分からない。そんなあなたのために、そのテーマがどういうテーマなのか、どういうデッキを作ればいいのか、どのように強化していけばいいのかが分かる記事を作りました。今回は「炎の剣士」編です。
目次
炎の剣士ってどんなテーマ?
炎の剣士は原作遊戯王で城之内克也が使用したカードです。原作では普通のレベル6モンスターとして登場し、王国編では城之内デッキの主軸として活躍した印象深いカードなのですが、OCG化の際に何故か融合モンスターとなりとんでもなく使いにくいカードになってしまいました。
それからポツポツとリメイクカードが出たりはしていましたが、根本的なテコ入れがされることはなく、知名度とは裏腹にOCGではどうしようもないカードとして放置され続けていましたが、2024年になってようやくデッキを組めるレベルの新規が登場。「炎の剣士」がテーマ化されました。
やること自体は物凄くシンプルで、新たな切り札である「極炎の剣士」を出して、彼の火力で一気に押し切る戦法になっています。展開ルートは基本的に一本線で、現代遊戯王基準ではあるものの「城之内くんでも使えそうな」簡単なものとなっているので、あまり複雑なデッキを使いたくない原作ファンの方でもすんなりと使いこなせるでしょう。
入門用デッキレシピ
現在公開中のデッキレシピ→遊戯王ニューロン
デッキの生成コスト
UR:480(60)、SR:750、R:270、N:30
(括弧内の数字は汎用札を除いたCPになります)
入門用デッキのレシピは「出来る限り安価に」「テーマの基本を学べるように」をモットーに組んでいます。炎の剣士は完全に純構築だとデッキ枚数が足りないので、相性の良い焔聖騎士と混ぜて構築。
汎用誘発と汎用リンクを除くと、メインギミックで必要なURは2枚の極炎の剣士のみ。EXデッキ内の各URもあったらいいなくらいでメインに使うものは無いので、かなり安く仕上げられます。
デッキの動かし方
デッキの動きは本当にシンプルです。まず、展開の軸となる「闘炎の剣士」を召喚します。召喚時にデッキから「炎の剣士」のカード名が記された魔法・罠カードをサーチできるので、次に必要なカードを持ってきます。
次に必要なのが「炎の剣域」。1ターンに1度、自分の手札・フィールドからモンスターを墓地へ送って、EXデッキから「炎の剣士」を融合召喚扱いで特殊召喚できます。これにより炎の剣士は格段に出しやすくなりましたね。どのモンスターでもコストにできますが、闘炎の剣士には墓地効果があるので闘炎の剣士を生贄にするのが基本です。
闘炎の剣士が墓地へ送られると、「炎の剣士」またはそのカード名が記されたモンスターをデッキ・EXデッキから墓地へ送れます。ここで墓地に送りたいのが「飛龍炎サラマンドラ」で、サラマンドラの剣に取り憑いていたこの龍が墓地へ送られると、デッキから「サラマンドラ」魔法・罠カードをサーチできます。
デッキから持ってくるのは「サラマンドラ・フュージョン」。このカードが自分フィールドの融合モンスターに装備されている場合、装備モンスターとこのカードを墓地へ送って、「炎の剣士」またはそのカード名が記された融合モンスターを融合召喚扱いで特殊召喚できます。これで出てくるのが先程見せた「極炎の剣士」ですね。
「極炎の剣士」は相手フィールドのモンスターを対象として破壊する効果を持ちます。装備カードを装備しているとこの効果がフリーチェーンになって相手ターンでも使えるので、装備カード付きで出したいところ。そこで、先程の飛龍炎サラマンドラのもう一つの効果で、「手札・墓地に存在する場合、自分フィールドの戦士族モンスターにこのカードを装備魔法カード扱いで装備できる」というのがあるので、これで妨害を作ることができます。
これが基本展開。めっちゃ簡単ですね。イメージ的には、闘炎の剣士を炎の剣士に、炎の剣士を極炎の剣士に進化させて、モンスターとなったサラマンドラを装備して完成ですね。謎の融合モンスターであった炎の剣士を上手く昇華させています。
とはいえ、2進化ポケモンを作るように極炎の剣士を出したところで結局1妨害で終わりかいと思うかもしれません。極炎の剣士の真価はもう一つの打点上昇効果にあります。このカードが戦闘を行うダメージステップ開始時に、このカードの攻撃力をターン終了時まで倍にする効果があります。飛龍炎サラマンドラには装備モンスターの攻撃力を700アップする効果があるので、3500の2倍で一気に7000まで攻撃力を伸ばすことができます。
前述の炎の剣域には、自分フィールドの戦士族モンスターを対象として、そのモンスターの攻撃力をターン終了時まで1000ダウンさせる代わりに、他の自分モンスター全員の攻撃力を1000アップさせる効果があります。極炎の剣士の横にもう一体攻撃力1000以上の戦士族モンスターが居れば、そのモンスターから攻撃力をもらって4500、自身の効果で2倍にして9000で殴ることができます。極炎の剣士のモンスター破壊効果はおまけで500ダメージを与えることができるので、これでワンキルが出来る火力を出せます。
また、飛龍炎サラマンドラ以外の落とし先として、融合モンスターの「闘気炎斬龍」が居ます。このモンスターも戦士族の融合モンスターにフィールド・墓地のこのカードを装備する効果を持っており、「炎の剣士」またはそのカード名が記されたモンスターに装備されていると、装備モンスターの攻撃力を700アップしつつ、1度のバトルフェイズで2回攻撃ができるようにしてくれます。
なので、余裕があれば闘気炎斬龍を落として装備できると、攻撃力8000オーバーで2回攻撃ができたりします。唐突にとんでもない爆発力を見せる、これまた城之内くんのようなパワーで、敵を一刀両断できると良いですね。
展開例
動画で説明が必要なほど複雑な動きをしないのと、新規が来るとちょっとだけ動きが変わるので、動画での説明は後ほど追記するか、しないかもという感じでご了承ください。
炎の剣士の強味と弱み
炎の剣士の強みは、一番に瞬間火力の高さ。突然攻撃力を2倍にして攻撃に入れるので、炎の剣域と合わせた凄まじい攻撃力上昇、闘気炎斬龍と合わせた2回攻撃など、コンボによって元の攻撃力2800が数倍にも膨れ上がるので、相手はいきなりリーサルを取られてびっくりという試合が多いです。炎の剣士は中々見ないデッキなので、わからん殺しの決まり方が爽快です笑。
もう一つの強みは展開の単純さ。やることがハッキリと決まっていて、かつ基本展開だと「闘炎の剣士→炎の剣士→極炎の剣士」と3回しか召喚を行わないので、まずニビルは踏まないですしドロー系誘発も効きづらいです。
止めどころもハッキリしていて、闘炎の剣士を止められるとそれで終わりになりがちなのが辛いところですが、炎の剣域と闘気炎斬剣で闘炎の剣士を守れるので、手札がいい感じなら貫通が出来なくもないです。闘炎の剣士とサラマンドラの墓地効果サーチにうららとか打たれたら、泣いてください笑。
炎の剣士の弱点は、いっぱいあります笑。一番辛いのは制圧力の乏しさ。上で説明した通り、基本展開で構えられるのは1妨害のみで、テーマ内だと上振れても「鎖付き飛龍炎刃」をセットしてもう1妨害構えられるかな〜くらいしか妨害が立ちません。
盤面の処理能力も極炎の剣士のモンスター破壊くらいしかなく、相手のバックに触る手段がありません。加えて極炎の剣士には何も耐性がないので、あっさり処理されて盤面を更地にされるのが常です。あるいは、ハーピィの羽根帚などの捲り札で魔法・罠を全部割られて、フリーチェーン破壊を失って棒立ちもかなり多いです。
制圧力が弱く瞬間火力に長けているなら後攻ワンキルに寄せればと思うかも知れませんが、展開力が無く全然貫通が出来ないので後攻特化も微妙です。展開のシンプルさは展開力の無さと表裏一体で、基本展開のどこかを止められた時のリカバリーが難しいです。サラマンドラ・フュージョンは装備魔法なのでテーマ外からでも持ってくる手段はありますが、炎の剣域が持ってこれないと炎の剣士が出せなくて極炎の剣士まで進化できなくなります。
炎の剣士自体は融合派兵や融合強兵など出す手段が色々あるので、炎の剣士さえ出せたら極炎の剣士に繋げることも難しくはないんですが、結局装備カードを用意できないとただの攻撃力2800でしかないので、基本展開でサラマンドラを落とせていないと極炎の剣士まで繋がってもしょっぱい盤面にしかならないのがザラです。ルートはシンプルながらも「融合モンスターの連続召喚」+「装備カードになれるモンスターの墓地送り」と動き自体は独特なので、基本展開のリカバリーが意外と難しいんですよね。
そんなわけで、基本展開を絶対に通したいと思って指名者を入れたり貫通札を入れたりしていると捲り札を入れるスペースは無くなっていくので、弱いと分かっていても先行を取るデッキにせざるを得ないところがあります。先行でなんとか耐えて、ターンが帰ってきたらワンキルを狙いに行くのが一番無難です。
展開の止めどころ
そもそもの手数が少ないので、炎の剣士デッキと戦う時はあからさまに重要そうな闘炎の剣士に妨害を打てばそれで正解です。サラマンドラのサーチに妨害を打っても大体止まります。闘気炎斬剣を止めるべきかはなんとも言えないですね。闘炎の剣士のアクセス手段は色々あるので、闘炎の剣士自体を止めに行くのが一番丸いです。
デッキのカスタマイズ
戦士族・炎属性と言えば真っ先に出てくるのが焔聖騎士。当然相性抜群で、炎の剣士に足りていない展開力を補ってくれます。問題があるとすれば、焔聖騎士の方が強いので、強さを求めてカスタムしていくと焔聖騎士にデッキを乗っ取られがちなところ笑。焔聖騎士に炎の剣士要素をちょっと挟むくらいが一番強い説があります。
炎属性・戦士族しか基本的に使わないので、群雄割拠や御前試合といった永続罠、霊王の波動は自然と入れられます。先行では捲り札で魔法・罠を一掃されるのがキツすぎるので、神の宣告なんかも出来ればほしいところなんですが、永続魔法と装備魔法を扱うため何もしなくても魔法・罠ゾーンは狭くなりがちで、魔法・罠に妨害を寄せるのも考えもの。
原子生命体ニビルはかなり相性がよく、盤面の処理が難しいこのデッキではニビルが1枚で相手の場を一層してくれるのは非常に助かります。モンスターなので魔法・罠ゾーンも圧迫せず、トークン1体は極炎の剣士で簡単に割れて問題なし。なんなら3枚突っ込んでもいいくらいのカードですが、入門用と言っておいてニビル3積みはハードルを上げてしまうので自重しています笑。
城之内くんっぽいカードだとゴッドフェニックス・ギア・フリードも強くて、使い終わったサラマンドラ・フュージョンをコストにするなどして場にポンと出せて、攻撃表示モンスターを装備して除去、自分フィールドの装備カードを墓地へ送ってモンスター効果を無効と、炎の剣士に足りていない除去と妨害を担ってくれます。戦士族・炎属性なのもバッチリ。
マスターデュエルでの炎の剣士の強さ
現環境(2025年9月〜)ランクマッチでの炎の剣士の強さは、カジュアル級です。焔聖騎士の割合を高めていったりすればランクマでもちゃんと勝負ができるようになってきますが、純度の高い炎の剣士はランクマで戦えるレベルにありません。
(デッキのランク分けについては【遊戯王マスターデュエル】ガチデッキとファンデッキの区分けって?の記事でご確認ください)
デッキパワーが全体的にかなり落とされたテーマクロニクルですら苦しい戦いになるレベルなので、永続罠をパカパカしてようやくガチカジュアルに足を踏み入れられるかといった感じ。友達とワイワイ楽しむファンデッキとしては非常に丁度いい強さだと思います。
炎の剣士の雑感
先日行われたテーマクロニクルで、エルドリッチ以外に何を使おうかな〜と思って手持ちのカードを見ていたら、パーツが集まってて作れるじゃんとなったのが炎の剣士でした。一切規制を受けていなかったので、どんなデッキなんだろうと思って勉強することに。
(最初に使おうとしていたメタル化はガッツリ規制されてデッキ組めなかったたけど、どう考えてもメタル化の方が炎の剣士より弱いぞ!)
動かしてみて、そのシンプルさといきなり火力を出せる爆発力に惹かれて、しっかりデッキを作ってみることに。テーマクロニクル環境ですら「も、物足りねぇ……」となってしまうデッキパワーには困りましたが、いきなり8000打点の2回攻撃でリーサルを取れた時の気持ちよさは素晴らしいものでした。独自性と魅力は間違いないデッキですね。
まだマスターデュエルには「黒炎の剣士-ブラック・フレア・ソードマン-」が来ておらず、黒炎の剣士が来てくれると闘気炎斬龍を簡単に落としつつ、闘炎の剣士をリクルートしてくれるので展開の安定性はかなり上がります。展開の軸が増えることでサーチ先の融通が効くようになって、サラマンドラ・フュージョンの代わりに鎖付き飛龍炎刃を呼べて1妨害増えるとか、最終盤面の強度も上がるでしょう。
とは言っても、もう一歩二歩は強くならないとガチで使うには至らないデッキなので、今後に期待ですね。黒炎の剣士で闘炎の剣士を呼びやすくなっても、結局闘炎の剣士止められたら終わりなのは変わらないし。炎の剣士ネタは出し尽くしちゃった感もありますが、新規が出るとしたら何があるかな……。
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個人的な推しカード+相性の良いカード
炎の剣域
炎の剣士を融合召喚できるキーカード。先に貼っておけると闘炎の剣士のサーチを通しやすくなり、3の効果でリーサルも見やすくなると、このカード1枚で色んな仕事をしてくれます。
このカードが無いと回らないレベルの重要な1枚ですが、サラマンドラ名称じゃないので闘炎の剣士か闘気炎斬剣で持ってこないとならず、素引きしたいし割られた後もキツイので、自分は3積みにしています。
焔聖騎士―リナルド
自分フィールドに戦士族・炎属性モンスターが居ると特殊召喚でき、アンジェリカを出したりリンク2を出したりで、このデッキに足りていない展開力を補強してくれます。
特殊召喚時のサルベージで、使い終わったサラマンドラ・フュージョンを戻して極炎の剣士に付けて破壊耐性を付けたり、闘炎の剣士を戻して返しのターンのリソースを確保したり、まるで炎の剣士の基本展開に予め組み込まれていたかのような噛み合い方をしています。まぁ、戦士族・炎属性主体のデッキになる時点で、焔聖騎士との組み合わせは想定されているでしょうしね。入れない理由が無いくらいのカードだと思います。
採用カードの収集方法
ギアス・オブ・ザ・ライト(セレクションパック)
炎の剣士のテーマカードは2024年11月発売のセレクションパック、ギアス・オブ・ザ・ライトに収録されました。光の黄金櫃や幻奏と一緒になっていたパックですね。
セレクションパックで新登場したカードはある程度期間が空くと、シークレットパックが新しく登場してそこに収録されたり、既存のシークレットパックに封入されたりしますが、炎の剣士系のカードはまだシークレットパックが来ていません。
ただ、URで必要なのは極炎の剣士くらいであとは全部SR以下で集められるので、SR以下のCPが貯まっているなら極炎の剣士含めて全部生成で事足ります。なんなら、UR一種のためにパックを剥くのは勿体ない気も。
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