
こんばんは、麻乃ヨルダです。4月も終わろうとするこの時期に、穏やかな時間が流れていた遊戯王マスターデュエルで新たなデュエルトライアルがやってきました。
その名も「手札5vs6」。読んで字の如く、いつものルールに加えて「後攻は初手が1枚多くなる」ルールを加えただけのトライアルです。
しかし、たったそれだけの変化が遊戯王の歴史を動かすかもしれません。マスターデュエルという実験場で遊戯王の今後を占うかもしれない特殊デュエルが始まります。
後攻無理すぎィ!
近年の遊戯王は急激なインフレによって凄まじい先行優位環境が形成されてきました。元々のゲーム性が先行優位になりやすいゲームとはいえ、ここまで全体的に「先行じゃないと勝てない」空気が蔓延している環境も近年中々無かったのではないでしょうか。
直近のデュエリストカップなどのデータを見ても全体の先行勝率が65%を超え、このまま行ったら7割に到達するのではと思われる勢いで先行勝率は年々上がっており、体感だけでなくデータでも後手の絶望感が表れています。後手になった時に「捲れそうだから最後まで眺めとくか」と思える試合は本当に少なくなっていますね。
その原因は先行展開の強度が高くなりすぎたこと。先行有利を是正するために手札誘発カードが増えていき、それに対して手札誘発を乗り越えて展開できるデッキが増えるいたちごっこインフレを繰り返し、今や1誘発で止まらないのは当たり前、2誘発を打たれても捲られない程度の盤面は築けるのが環境デッキの基準となっていきました。
インフレ自体は商売として仕方ないところはあるんですが、近年のインフレがよろしくないのは「先行が強くなる一方のインフレ」であること。後手で強いカードが増える横で、その倍以上に先手でばかり強いカードが増えてしまっていて、先行有利の方向に行くばかりです。
その最たるものがキラーチューンを筆頭とするピーピング系カード。相手のハンドなどを見て情報アドバンテージを得てから柔軟に対応できてしまう「未来予知」を当然のようにやるデッキが、今は増えています。
ピーピングがカードゲームにおける悪である理由は無限に出てきますが、現代遊戯王においての一番の問題は「先行でしか強くない」ことでしょう。後手でピーピングをしたところで何も解決しないことが殆どなのに、先行でピーピングをしたらその情報アドバンテージだけでほぼ勝ち確な展開に持ち込めるわけですから、結局先行でイキっているだけです。カードゲームの面白さの根源である不確定要素のやり取りを否定しながら、先行だけ勝つようなデッキがデザインされることは、現代遊戯王の悪しきインフレを象徴しています。
(なぜ先行後攻バランス良く勝つ方向性でインフレさせないのか)
ピーピングが分かりやすくライン超えなだけで、後手の抵抗を冷笑するための展開ギミックはこれまでに山程刷られ続けていたので、ピーピングはその終着点に過ぎません。キラーチューンが来る前から先行勝率は65%超えだったわけですから、ピーピングは流れを加速させただけでそれまでの現代遊戯王の流れを汲んだ進化と言えます。現代遊戯王は先行優位を是正するために作ったはずの手札誘発を如何にバカにするかで歩みを進めてきてしまったのです。
シングル戦かつ試行回数で勝利数を稼ぐことが正義となるMDでは「先寄せ(後攻よりも先行で勝つことに軸を置く)」構築が基本となるため、先行優位のゲーム性はより顕著になります。流石にこのままではマズイ、カードを規制するしないの対症療法でなんとかなるレベルではないということで、近年デュエリストたちの間でルール改正の必要性が話されるようになってきました。
その内容は「後攻の初手の質を改善しよう」というもの。現代遊戯王のインフレしたパワー感では、後攻が初手5枚で先行の動きを止めつつ相手の盤面を超えて捲りを達成するのはあまりにも難易度が高いので、後攻は初手6枚でスタートしたり、マリガンができるようにしたりしてはどうかというアイディアが提案されていました。一応、先行はドローできず後攻だけドローできるという形でARC-Vの時代から先手と後手のハンドの質に差をつけるルールができていましたが、ARC-Vから約10年が経った今やそれでも足りないということですね。
(後手の手札を増やしつつ先行の展開を抑えるためにマルチャミーが生まれましたが、うららや指名者が生きている上に、マルチャミー受けの良いデッキも増えて結局冷笑されています)
本当に後攻の手札を増やしてみよう
そして、このアイディアを実践してみようというのが今回の「手札5vs6」デュエルトライアルとなっています。いつものおちゃらけデュエルトライアルは3日間の短い開催で報酬もパック1つとしょっぱいですが、今回のデュエルトライアルは約1週間と期間が倍になっており、ジェムと称号が貰え、アンケートまで用意されている今までに見たことがない力の入りっぷり。お試し企画と言いつつ割とガチ目にユーザーからのデータを取りたい意欲が伺えます。
世間がゴールデンウィークを楽しむ4月下旬から5月始めのこの期間。遊び場を求めるデュエリストに与えられた今回の実験場は、コナミが本気でルール改正を考えている証拠です。今回のトライアルで得られたデータがどういう形にせよ活用されるのは確かなので、現代遊戯王に不満を持っている人ほどアンケートで声を届けたほうが良いでしょう。
自分もデッキの調整がてら遊んでみて、ランクマよりも明らかに後手捲りが発生しやすくなっているのを感じます。後手デッキが多く、その後手デッキを完封するためにメタビも増えていつかの天盃環境のようになってしまっていますが、ランクマだと駆逐されていた後手デッキが顔を見せている時点で良いルールだなと思います。ランクマだと後手に特化しているデッキですら捲れなくなっているのが現状ですから、後手デッキですら息ができない環境なら普通のデッキじゃ当たり前に捲れないですからね。
後攻の初手が6枚になると握れている手札誘発が2枚以上で安定して、相手の展開をしっかり抑えられる確率が大分上がったように感じますし、自分が先行を取っても展開を止められるケースが増えて、「後攻はプレミ」に感じるしょうもないゲームが減っています。かといって後手が勝ちすぎるなんてことも全く無く、相変わらず先行が優位なのは変わっていないので良い塩梅。
劇的にゲーム体験が良くなったという程ではないですし、環境も天盃環境のような先行特化と後攻特化が増えたり、VSK9のようなテーマ内で手札誘発を持っているデッキが強すぎる感はありますが、その辺は初手5枚を前提としたルールで作られたリミットレギュレーションで遊んでいる歪みなので、初手6枚だからダメという話では無い気がします。初手6枚で強くなりすぎたデッキが規制されたらそれで問題は解決しそうです。
結局強いカードを作らないと売れないのでインフレは仕方ないこと。そのインフレを不健全でない方向にコントロールしてくれさえすればユーザーは納得するので、後攻の初手を6枚にするルールは個人的に正式採用して欲しいくらい良い感触でした。今のカードパワーだと後攻の初手を増やしてようやくいい勝負になりだすほど先行と後攻に格差がありますし、ガチャガチャと策を練らずとも初手を1枚増やすだけでバランスを取り直せるのならそれに越したことはないです。
少なくともインフレの結果キラーチューンやトゥーンのようなゲーム体験が終わっているテーマが刷られるくらいなら、現行のルールを改正してインフレの方向を見直してくれた方がいいです。初手6枚が今後デュエリストたちを幸せにするかはまだ分かりませんが、ピーピング方向のインフレはデュエリストを不幸にしているとハッキリ言えます。
とにかく、今の遊戯王が抱える問題に対してコナミもどうしていくか答えがまとまっておらずアレコレ試している段階なので、良いものは良い、悪いものは悪いと直接伝えてどんどんフィードバックしてもらいたいですね。マスターデュエルも初期からアプリとしては完成されていたものの環境の整備とかはボロボロだったのが、フィードバックを経てどんどん良くなってきましたから、意見はどんどんぶつけるべきです。こういった実験は積極的にやってもらって、ユーザーも運営もWIN-WINで行きましょう。
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また、レベル2・ランク2を多用するデッキなら相性抜群で組み合わせられるので、混ぜものとしても優秀。今回強化が来ているイビルツインもスプライトと混ぜる型が主流の一つなので、普通に現役カードです(今だとデモンスミスと混ぜるほうがメジャーかもしれんが)。スプライトと共にマスターデュエルの世界に入って、一緒に楽しみませんか?ランクマが過酷でやってらんねぇと思ったら、オールタイムズデュエルとかで一緒に遊びましょう笑。
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今年は新時代の到来を予感させる遊戯王界。対戦しか興味がなくあまりにもストイックだったマスターデュエルも、アイテム販売やソロモードの拡充で新しい楽しみ方の提案をしつつ、不健全なカードをバシバシ規制して良い環境を作ろうとする努力が見て取れます。凄まじい硬派さに距離を置いてしまった方も、生まれ変わろうとするマスターデュエルを再び遊んでみませんか?
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