
こんばんは、麻乃ヨルダです。今日、世界のデュエリストたちに衝撃を与えるニュースが飛び込んできました。なんと、遊戯王TCG(海外遊戯王)で近日、禁止カード34枚と制限カード8枚が新たに加わるという情報が発表されました。一回の改訂で禁止34枚ィ!?
Forbidden & Limited list updates are coming, to prep for Magnificent Maestros! With 34 newly Forbidden cards and 8 Limited cards, we’re revealing the list in 5 parts at YCS Houston – 1 on Friday, 2 each on Saturday and Sunday! https://t.co/X7zJSZ1Wob
— Yu-Gi-Oh! TCG (@YuGiOh_TCG) October 14, 2026
自分は専らマスターデュエル民なので、OCGとTCGのニュースはMDに関係がありそうな時に触れるくらいなのですが、今回は流石に注視せざるを得ません。軽いスタン落ちレベルの制限改訂ですから、この影響は絶対にOCGとMDにも波及していきます。今回はこの改訂で何が起こるのかを考えていきましょう。
不健全カード一掃か?
【※予想/Prediction】
TCGで告知された禁止34枚と制限8枚を”海外の反応をベース”に予想リスト仮組み(サイドは候補)
「汎用制圧」「ハンデス」「FTK」「ロック」を4つの軸と仮定。来月実装のトゥーン事前規制とエルフェンや光と闇巳剣アザミナ混ぜ物関連への規制も考慮。緩和は一旦無いものとした https://t.co/Zly83Brykt— シロクリボー (@shirokuriboh) October 15, 2026
今回の発表でTCGプレイヤーたちは大騒ぎ。一体どんなカードたちが規制されるのか議論され、その中で名前が上がっていたカードをTCG事情に詳しいシロクリボーさんがリストにまとめています。
早々と増殖するGが禁止されて以降、OCGとは違う方向性でリミットレギュレーションが決められてきたTCGは、「汎用制圧」「ハンデス」「FTK」「ロック」関連のカードに対してOCGよりも遥かに厳しい規制が課されてきました。なので、今回の改訂でもそれらのカードが一網打尽にされるのではないかと予想されています。
「汎用制圧」では多くのデッキで使えて簡単に妨害となれるシルウィアやバグースカといったEXデッキのカードが禁止に放り込まれるのではないかと言われています。Gが不在のTCGは展開系デッキが幅を利かせることが多く、バロネスやサベージなど展開系デッキで添え物のように出てきて無効を立てる汎用モンスターは既に禁止されているので、バロネスやサベージのような使われ方をするカードは常に規制のターゲットになっています。
「ハンデス」は最初の1〜2ターンの攻防で決着がつきがちな現代遊戯王のスピードにおいて、1回でも決まればそれだけで勝敗がつきかねないレベルの影響力を持つため、これまでもかなり厳しく規制されてきました。そのため、今回の規制の対象になりそうだと言われているのはトリシューラなどの僅かな生き残りのみ。ここまで厳しくやってきたのだから、生き残りも潰して徹底的にハンデスを抑える可能性はあります。
「FTK(ファーストターンキル)」は遊戯王のインフレによって「強くない(安定しない)ならいいか」と見逃されているものが多いだけで、本来存在してはいけないデッキタイプです。そのため環境入りしたら即座にパーツが消されていき、今回もトゥーン関連で執行官とキャノン・ソルジャーが規制されるのではないかと予想されています。
そして最後に「ロック」。古くから1枚で相手の動きを制限してしまうロック系のカードはヘイトを集めており、強い弱い以前にゲーム体験が最悪なことから常に規制のやり玉に挙げられていました。今回の改訂で最も名前が出ているのもここで、「環境で大暴れしているわけではないから」と見逃されてきたロックカードが片っ端から挙げられています。
現代遊戯王において「不健全」とされるカードを一掃したい、そんなTCGの運営とデュエリストの思惑が伺える今回の試み。一度話題になったものの日本においては盛り上がっているとは言い難い遊戯王ジェネシスなど、本当に今の遊戯王をなんとかしたいとTCGがあがいているのが伝わってきます。
これが解決策となるのか
一度に禁止34枚は凄まじいインパクトで、一体どんなカードが投獄されるんだという感じですが、予想のリストを見るとまぁまぁ妥当なメンバーが多くて笑ってしまいます。先で張った時だけ強い不健全カード多すぎだろ。
これらのカードがまとめて処られたら確かに不快要素がかなり改善されて、どうしようもないゲームは減りそうです。OCGとMDがどこまで歩調を合わせるのか分かりませんが、特にシングル戦のMDでは対策が実質不可能なロック系などはバンバン投獄してもらいたさがありますね。
一方で、リミットレギュレーションはあくまで対症療法に過ぎません。その都度出てきた杭を叩いているだけで、一時的に平和になっても後からまた不健全なカードが生えてくればまた環境はかき乱されます。
そして、そのいたちごっこを最も体現してしまっているのがTCGで、TCGはOCGよりも厳しいリミットレギュレーションで環境デッキを即座に解体レベルで規制するも、OCG産の壊れカードが上陸して環境が一色に染まり、またリミットレギュレーションで規制して……を繰り返しています。これにより、環境を追っていくとなるとリミットレギュレーション毎にデッキを変えて費用が嵩み、競技プレイヤーのハードルが上がる一方でした。
この苦しい現状だからこそ、遊戯王ジェネシスを打ち出したり今回の大規模改訂に踏み切っているわけですが、やはり問題の根本は壊れカードが刷られ続けていることであり、壊れカードでないと中々売れない現実も含めて一朝一夕での解決が難しい問題です。我々デュエリストは「健全なカード」を求める一方で、結局売れていくのは「不健全なカード」なのです。
インフレの方向性と、インフレをさせずに売上を出す方法
2026年の遊戯王は革命の年で、オーバーフレームやシリアルナンバーといった強さ以外の付加価値を模索し、遊戯王メインユーザー層を喜ばせるリメイクカードを大量に出して、これまでと違う売り方を打ち出してきました。これらの試みは大凡成功したものの、新たに転売問題が入り込んだ他、競技環境では大量の不健全カードが場を荒らしてしまいました。
主に問題となったのが「ピーピング」。リンク召喚が当たり前となって以降、ドラグーンや勇者ギミックなど無効妨害を沢山構えて勝つことが主流になっていき、その後は大量無効で相手に何もさせないのは面白くないと、炎王やスネークアイといったリソースで勝つデッキが時代を変えていきました。
万能無効を構えず、癖のある妨害とリソースでゲームを作っていく環境はかなり良い方向性に進んでいたのですが、それもインフレが進むとM∀RICEのように絶対に捲りようが無い特大リソースを1ターンで稼ぐデッキが現れてしまい終焉。これを見てコナミが選んだのは、反省してデフレしたM∀RICEを作ることではなく、別方向のインフレを作ることでした。
それが「情報アドバンテージ」です。最も分かりやすいのがキラーチューンで、キラーチューンは妨害数自体は多くなくリソースも大して残らないのに、最も情報アドバンテージを上手く扱うデッキとしてOCG環境を一色に染め上げるほど暴れました。相手の手札・デッキトップ・エクストラデッキを確認することで相手の行動を先読みし、順番に相手の動き出しを止めていくだけで相手は勝ち目を失います。
キラーチューンだけに留まらず、2026年はピーピングで相手のデッキを勝手に触るカードが多数登場し、それらのカードがゲーム体験を著しく悪化させました。非公開情報をオープンすることで、自分も相手も駆け引き無しで勝ち負けを察してしまうデュエルはまともな対戦ゲームになっておらず、非難轟々でした。
明らかにカードデザインの失敗が目立った2026年でしたが、インフレが進む中でどんなカードをデザインすれば良いのか分からなくなっているコナミ側の苦悩も伺えました。ゴエモンこと大義賊など、先行優位を是正するためにパワーが高すぎる後手向けカードを作って非難を浴びたり、今までと違う方向性を模索したもののかなり多くのカードが失敗作になってしまったと思います。
現代遊戯王の問題点をOCGもTCGも自覚していてなんとかしようとはしているものの、まだまだ先は見えない状況です。デフレさせたパックの売れ残りっぷりを考えればインフレは避けられないものとして、インフレの方向性が気がかりです。MDでも後攻の手札を増やすお試しイベントが来ていたり、ルール改正が必要なのか、カードデザインで誤魔化せるのか、今後も今回の改訂騒ぎ以外にビッグニュースが来る予感がします。
幸い、インフレとは別にリメイクカードという売れ筋を見つけたことで、原作ファンを喜ばせればある程度の売上が見込めるようになったのは良いことですね。OCGテーマをどんどん新しく出していくのはいいんですが、やはり原初の体験であるアニメごっこ遊びがしたいですし、キャラデッキが環境に居るくらい強くなるのは喜ばしいことです(トゥーンはやりすぎだったけど)。リメイクカードでファンがキャッキャしている内に、ピーピング以外のインフレ方法を考えてくださればと思います。
個人的に、度々言ってるんですが各テーマにエクス・ライゼオルやケートゥ・ドラゴンテイルのような「先行で使えて後手だとボーナスが付くカード」を配ればそれだけでも丁度いい塩梅のインフレになりそうな気がするんですけど、あんまりやってくれそうに無いですね。ライゼとかドラテが強くて規制されたからそういうカードはヤバいと思われてるんでしょうか。
別に後手ボーナスカードが強すぎてそれらのテーマが規制されたわけじゃないんだから、ゴエモンみたいなやりすぎ汎用出すよりもテーマの後手ボーナスカード出してほしいんだけどなぁ。先だけ強い、後手だけ強いパワーカードで無理くり売れるカード作りよりよっぽど健全な気がするけども。
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今年は新時代の到来を予感させる遊戯王界。対戦しか興味がなくあまりにもストイックだったマスターデュエルも、アイテム販売やソロモードの拡充で新しい楽しみ方の提案をしつつ、不健全なカードをバシバシ規制して良い環境を作ろうとする努力が見て取れます。凄まじい硬派さに距離を置いてしまった方も、生まれ変わろうとするマスターデュエルを再び遊んでみませんか?
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