こんばんは、麻乃ヨルダです。本日はYoutubeでフルで見られるサッカーの試合をお届けしていきます。
サッカーファンにとっての長年の悩みの一つ、それは過去の試合のアーカイブが気軽に見られないこと。有料チャンネルでは主にその年の試合と去年の試合をアーカイブで残しておいてくれたりしますが、それより前の試合のアーカイブは消されたりして、過去の試合ほど遡ることが難しくなります。再放送されるのは一握りの名勝負だけ。
ハイライト動画ならまだしもフルマッチの古い動画は胡散臭い違法アップロードくらいでしか見られず、公式でいつでもフルマッチの動画を見られるという環境がありませんでした。しかし、近年そんな状況を変化させる出来事がありました。コロナショックです。
コロナ禍で自宅生活の世の中になると、各業界が外出せずに動画や配信などでコンテンツを楽しめる施策を打つようになりました。サッカー界も例外ではなく、この時期からYoutubeで各サッカー協会やクラブが過去の試合のフルマッチ動画をアップするように。
サッカー日本代表の試合がアウェー戦のみ有料チャンネル限定に移行したり、欧州チャンピオンズリーグ決勝が地上波で放送されなくなったり、我が国ではむしろオープンにサッカーに触れられる機会が減ってしまっているこの頃。ちょっとでもサッカーの布教に貢献すべく(あと違法視聴を駆逐すべく)、「Youtubeでも試合見られるんだぜ!」という記事を書くことにしました。
今日お届けする試合はLA LIGA公式チャンネルがアップしている「2016-17 リーガ・エスパニョーラ第33節 レアル・マドリードvsバルセロナ」です。
メッシという名の神
スペインサッカー、リーガ・エスパニョーラの伝統の一戦、「エル・クラシコ」。サッカー界のみならず、スポーツ界全体を見ても世界最高峰のダービーマッチとして有名で、世界的なスポーツイベントの一つです。
中央集権的にスペインを支配してきた首都マドリードを本拠地とするレアル・マドリード、中央政府の独裁に反発し続けているカタルーニャ自治州代表のバルセロナFC。歴史的・政治的に対立を続けているこの2チームの戦いは「エル・クラシコ」と呼ばれ、さながらサッカーという形での代理戦争、スペイン内戦です。
そんなエル・クラシコは2010年代に激化の一途を辿りました。要因は色々ありますが、大きな要因の一つが両チームに所属するスター選手の存在です。
レアル・マドリードは2009年にイングランドの名門マンチェスター・ユナイテッドからクリスティアーノ・ロナウドを獲得しました。マンチェスター・ユナイテッド時代はドリブラーだったロナウドですが、レアル・マドリード移籍以降はストライカーとして覚醒。凄まじい得点能力と勝負強さでレアル・マドリードに数々の勝利をもたらしていきました。
一方バルセロナには少年時代にアルゼンチンからバルセロナに渡ってきたリオネル・メッシの存在がありました。2005年にトップチームデビューを果たすとアジリティーを活かしたドリブルで鮮烈な活躍。バルセロナの監督にジュゼップ・グアルディオラが就任しポジションをサイドから中央に移すと、ドリブル・パス・シュートと攻撃センスの全てを活かし大暴れ。ゴール数も右肩上がりに伸びていき、歴史的に全盛期と呼ばれた最強バルセロナの象徴的な選手となりました。
この二人のライバル争いは凄まじく、片方がゴールを獲れば片方もゴールを獲り、バルセロナがタイトルを獲ればレアル・マドリードもタイトルを獲りで、個人でもチームでも鎬を削り続けました。2010年代のレアル・マドリードvsバルセロナ、ロナウドvsメッシはスペインの2強争いに留まらず、世界の2強争いと言っても過言ではないレベルで熾烈となりました。
そしてこの試合は2016−17シーズン。リーグ戦38節の内の33節で、レアル・マドリードが優勝争いをリードし、バルセロナは勝たなければリーグ優勝の望みが絶たれるという一戦。レアル・マドリードはジネディーヌ・ジダン監督の元で絶好調のシーズンを送り、バルセロナは補強の失敗もあり浮き沈みのあるシーズンに。更にこのクラシコではキーマンの一人であるネイマールが欠場し、バルセロナはチャレンジャーとしてレアル・マドリードのホームスタジアム、サンチャゴ・ベルナベウに乗り込みます。
サムネで結果がネタバレされてしまっていますが、このクラシコはバルセロナが勝利しました。スター軍団同士の戦いの中で、恐るべきプレーを魅せたのはやはりメッシ。なぜメッシが人々から神のように崇められるのか、その理由の一端が分かるクラシコだと思うので、バルセロナの10番に注目しながら試合を見ていただければと思います。
ネタバレあり!試合の感想
当時リアルタイムで見ていたこの試合を久しぶりに見返しましたが、いやー何度見ても痺れますね。
まず、この試合に出てる全員上手すぎ笑。バルサはイニエスタ・ラキティッチ・ブスケツの中盤、マドリーはモドリッチ・クロースにマルセロのセットがあまりに上手くて、この人たちのワンプレーを見るだけで「おぉ……」とため息が出てしまいます。
この頃のクラシコはBBCとMSNの戦いで、戦術的にどうこうというよりもスター同士の殴り合いな感じで、お互いに1点取られても2点取れるパワーを持っていました。なのでエンタメ性は抜群でしたね。一つ一つのプレーが派手で華がありました。
試合の序盤にメッシが負傷して流血するシーンも懐かしくなりました。そう言えばこんなアクシデントもあったわ。前半はガーゼを咥えながらプレーするメッシ。ガーゼ咥えながらプレーしていいんだ、と思いつつ先制したのはマドリー。そしてメッシが同点弾。この試合は最後のゴールのところだけ覚えていたので、メッシが同点弾決めてたんだと驚きました。
そして後半、激しさを増していくゲームの中でメッシが止まらない。オープンなゲームになっていき、ラキティッチがゴラッソを叩き込み、ビハインドのマドリーは抜け出そうとしたメッシを止めようとセルヒオ・ラモスが両足タックルで一発退場。
これはもうマドリー終わりか、と思われたら、交代で入ったハメス・ロドリゲスが完璧なランニングでマルセロのクロスを呼び込み同点弾。ジダン采配ズバリ、ハメスのスターたる仕事で同点となり、ホームで意地を見せたマドリーの勝利に値するドローでこの試合は終了か……と当時も思ってましたね〜。
そしたら、本当に本当に最後のワンプレーのカウンター。決めたのはメッシ。Dゾーンに走り込むメッシを見て「あっ」と思ったら、完璧にゴールを決めるんですから、メッシってやっぱすげぇやって。当時もこのシーンは外すイメージが全く沸かなかったですもんね。
それで、アウェーに乗り込んだサポーターに向けてユニフォームを掲げ、クラシコの勝利と自身のバルセロナ通算500ゴール目を祝福。メッシがユニフォームを掲げる姿に後光が見えてきそうなくらい、目に焼き付いているシーンです。マンガだよマンガ。こんなことやれる人が地球上に実在するの?自分はアトレティコファンですけど教徒になっちゃいそうでした。
各選手のプレーを見るだけで楽しく、物語まで出来すぎているこの試合。今の所Youtubeで上がっているラ・リーガのフルマッチ動画でこの試合が一番再生数多いんですけど、納得しかないです。クラシコってどういう試合?メッシって凄いの?海外サッカーってどんな感じ?ならとりあえずこの試合一緒に見ようぜ!って感じです。一本の良質な作品ですよ。
ただ、ロナウドがこの試合不発だったのは残念なところですね笑。ゴールが無いだけでなく全体的に良いところなしな印象で終わってしまったので、メッシは凄いけどロナウドは全然じゃんと思われるかも……。ロナウドが暴れた試合も今度どっかから探してきましょう。
Youtubeでフルマッチを見よう!
自分のYoutubeチャンネルで、今回紹介したようなフルマッチ動画をまとめたプレイリストを作っています。とりあえず良さげな試合のフルマッチ動画はプレイリストに入れておいて、見終わったらリストに残すか残さないか決めて試合を厳選していこうと思っています(なのでリストの内容は日々変わります!)。
リストに残す(ブログで記事を書く)基準は、「結果が分かっていても楽しめるくらい面白い試合」か「サッカーを語る上で知っておかなきゃいけないくらいの歴史的な試合」という感じです。Youtubeでいつでも何度でも見られるからこそ、他の動画や配信アーカイブと比べても特別な視聴体験が出来る試合を集めたいなと。約2時間、映画1本分の時間を使うわけですから、他のコンテンツではなくサッカーじゃないといけない理由を見出だせるような試合を選んで紹介していきたいですね。
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