こんばんは、麻乃ヨルダです。いやー、世界大会盛り上がりましたね。最強デュエリストたちの戦いを見ていたら、自分もすぐにマスターデュエルをやりたくなってくる熱を与えられました。真剣勝負って最高にアツイ。きっとみんなも同じ気持ちだったことでしょう。
そして、世界大会を見た全世界のデュエリストはこんなことも思ったはずです。
やっぱこいつダメだわ。
ほんでこいつもダメだわ。
世界大会の結果もあり、近日中に禁止されそうな雰囲気が漂うこの2体の話を今日はしていきましょう。
現代遊戯王の前提を破壊するリンク
召命の神弓―アポロウーサ。リンク4モンスターで、リンク素材にしたモンスターの数だけ攻撃力が800アップ。そして、相手がモンスター効果を発動したら攻撃力を800下げることでその効果を無効にできます。素材の数だけ効果を無効にできるデザイン。
かつては、リンク値4を出力することが大変だったので「苦労して出す大型モンスター」として許されていたウーサちゃんでしたが、近年のインフレで全体の展開力が上がっていった結果、「リンク縛りがつかなければ展開力のあるデッキならどこでも出せるモンスター」になりつつありました。
そうしてどこからでも出るようになったウーサは、先行が立てるとそれだけでゲームを終わらせかねないモンスターに。ウーサ単騎であれば対処は難しくないんですが、ウーサを立てられる環境レベルのデッキはウーサをメインディッシュではなくデザートに添えるくらいで、ウーサの横にウーサを守れる制圧力を持つモンスターを並べることができます。
そのため、ウーサの2〜4妨害をモロに踏まないといけなくなり、捲り札が無いと手数が足りずにそれだけで詰みます。ウーサを除去したいのにバロネスやサベージで無効にされる、ウーサを攻撃しようと思ったらリンクリボーで攻撃を止められるなど、ウーサ単騎であれば下級モンスターの攻撃だけで突破できたものが、今はウーサを守られて突破が困難になっています。
しかし、ウーサの本当の問題はもっと深刻です。展開の最後に添えられるならまだしも、今や展開の中継でウーサが出てくることもあります。ウーサを途中で立てても問題なく展開が続けられるデッキにとって、ウーサはとんでもない出し得カードになっています。
展開の途中で出てくるウーサは手札誘発ケアになってしまいます。灰流うららやエフェクト・ヴェーラーなど、的確なところで撃ちたい誘発をウーサに睨まれ、展開を妨害したいのに素通しせざるを得なくなってしまいます。一番困るのが原子生命体ニビルで、最速ウーサを狙うとニビルの5カウントを踏まずにウーサが間に合ってしまうので、ニビルケアをしながら展開を続行できてしまいます。
(展開デッキの牽制札でニビルが存在するのに、展開デッキがニビルを弾くんじゃねぇ!)
現代遊戯王はどんどんインフレを起こし、カードパワーが上がってどんどん先行が有利になってしまうのを、手札誘発という手札からいきなり出せる妨害札で後攻にも勝負権を与えるゲームバランスになっています。そんなギリギリのバランスで、誘発ケアが容易なデッキが出たらどうなるか?後攻に勝ち目が無くなります。
今まさにそれをやっているのが環境トップのM∀RICEで、凄まじい展開力で最速ウーサを立ててニビルケア、そもそも灰流うらら等の汎用誘発があんまり効かない、しかもフィールド魔法でM∀RICEリンクモンスターしか殴れないようにしてウーサを守れると、ウーサを最大限悪用しまくっています。
WCSでもぶっちぎりのトップデッキだったM∀RICEは、先行勝率が7〜8割に到達し、世界レベルの猛者たちが集まる世界大会ですら「M∀RICEに先行取られたらほぼ負け確」で展開を眺めざるを得ない状態になりました。ウーサ抜きでもヤバいデッキですが、ウーサが出るとワンチャンすら生み出せなくなるので、やっている側も見ている側も本当に「おもんないカード」となっていて、現代遊戯王におけるウーサが如何に不健全かを証明してしまいました。
簡単に出過ぎる制圧
No.41 泥睡魔獣バグースカ。ランク4エクシーズモンスターで、守備表示にしておくとフィールドのモンスター全てを守備表示に変え、守備表示モンスターは全て効果が無効化される、全員に酒を飲ませて泥酔させてしまう恐るべきモンスターです。
レベル4モンスター2体だけで出せる「生きたスキルドレイン」で、しかも攻撃表示にすれば無効効果が解除されるので、「先行で出してスキルドレイン→ターンが帰ってきたら攻撃表示にしてスキルドレイン解除」で自分だけ好き放題出来る、とんでもない性能のモンスターとなっています。
しかも、1通常召喚2特殊召喚で出せるモンスターなので、ドロー系誘発を受けた時の止まりどころとしても優秀。1〜2ドローさせてスキルドレインを立てられるなら、それで十分な誘発ケアになっています。これもまた先行有利を加速させています。
最初からずっとダメ寄りのカードでしたが、守備表示の概念が存在しないリンクモンスターで突破が図れること、エクシーズなのでレベル4モンスターを複数並べるデッキでないと採用できないことから、今までは見逃されていました。しかし、レベル4モンスターを容易に並べられる環境デッキが登場したことでバグースカの危険度が飛躍的に上昇してしまいました。
それが今M∀RICEと共に暴れているライゼオル。デッドネーターで破壊を連打してくるのも恐ろしいエクシーズデッキですが、バグースカを立ててくる展開も非常に強固で、先行盤面の硬さは脅威の一言。
バグースカと一緒によく並ぶのが機光竜フォトン・ブラスト・ドラゴンで、このカードが存在すると自分フィールドの攻撃力2000以上のモンスターは対象耐性と効果破壊耐性が付きます。フォトン・ブラストで守られたバグースカは捲り札があっても突破が困難で、バグースカの遅延をモロに食らうことになっていまいます。
じゃあフォトン・ブラストを先に処理すればと思うかもしれませんが、そこで噛み合ってしまうのがライゼオル・デュオドライブ。デュオドライブはこのカードのエクシーズ素材の数×100、自分フィールドのモンスターの攻撃力がアップする効果を持ちます。フォトン・ブラストは攻撃力1800なので、デュオドライブに素材が2つ入っているとフォトン・ブラストは攻撃力が上がって自分にも対象耐性・効果破壊耐性を付けてしまいます。そのため、「デュオドライブ+フォトン・ブラスト+バグースカ」の布陣が完成されてしまうと、よっぽどのことが無いと捲れない先行盤面になってしまいます。
これにより、ライゼオルはWCSでもM∀RICEに次いで良い先行勝率を叩き出し、捲りようが無い2強が並び立つ大会は、「M∀RICEとライゼオルを握って確実に先行で勝つプラン」「M∀RICEとライゼオル相手でも先行を取れれば何もさせずに勝てる先行特化デッキを握るプラン」が正義となり、超先行有利ゲーとなってしまいました。
年貢の納め時
WCSが元々シェアカードのルールで先行有利になりがちなのを考慮しても、M∀RICEとライゼオルの先行ブッパでゲームが終わってしまうのはWCSに限らず普段のランクマッチ等々でも同じで、WCSの異常な環境は現在のマスターデュエル環境の色を強くしただけ。今のマスターデュエルのM∀RICE・ライゼオル環境が如何に不健全かを知らしめる結果になったと言えるでしょう。
そして、両デッキの不健全さを大加速させているのがウーサとバグースカ。ウーサが居なければM∀RICEはニビルが直撃しやすくなりますし、バグースカが居なければ無効制圧をしづらいライゼオルは捲り札への耐性が下がります。色々規制は必要かと思いますが、ウーサとバグースカはM∀RICEとライゼオルが居なくてもずっとアカンかったカードなので、今後のことを考えても「もういいだろお前ら……!」という感じですね。
ウーサは「絵違いを売り出したカードを禁止にしてしまうと商法的にマズイのでは」とか色々言われていますが、そのためにウーサを生き残らせ続けてゲーム体験を損ない続けるほうがよほどマズイと思うので、どこかで決断のタイミングが来ると思いますし、今以上にウーサとバグースカを消しやすい絶好のタイミングなんてあるのか?とも思うので、ここで思い切って両者を監獄に入れてほしいです。こいつらがシャバに居て面白いことないだろ……!
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