遊戯王マスターデュエル

【遊戯王マスターデュエル】増殖するGを禁止にさせるために僕達が出来ること【Ban Maxx C !】

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こんばんは、麻乃ヨルダです。先日、遊戯王マスターデュエル2025年11月のリミットレギュレーションが発表されましたね。

感想記事→【遊戯王マスターデュエル】2025年11月のリミットレギュレーション発表!アポロウーサ禁止、墓穴の指名者制限で大改訂が来る!

環境のトップに立っていたM∀RICEとライゼオルをボコボコにしばきながら、アポロウーサ、墓穴の指名者、ドロール&ロックバードと汎用カードもバチッと規制する本気度がヤバい規制に、多くのデュエリストが大興奮。ここ数ヶ月動かなかった地獄の先行優位環境にこれでもかとメスが入り、新時代の幕開けが予感されます。

殆どのデュエリストが満足しているリミットレギュレーションでしたが、中には不満を持っている人も居ました。ちらほら見受けられた意見が、「増Gも規制しろよ」というもの。墓穴とドロバが規制されたことでドロー系誘発が通りやすくなり、現代遊戯王最強カードである増殖するGの驚異が増してしまったと。一緒に規制するべきだったという意見ですね。

今回は、なぜ増殖するGが規制されなかったのか、増殖するGはどうしたら規制されるかを考えていこうと思います。

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ドロー系誘発、効いてる?効いてない?

ここ1年のマスターデュエルはインフレにインフレを重ねていきました。炎属性がフィーチャーされた2024年の締め括りは天盃龍の実装で、シングル戦最強の天盃龍が暴れ散らかして環境を荒らし回り、天盃龍を誰が抑え込むかの戦いをして年を跨ぎました。

そして、天盃龍が規制されて一強ではいられなくなった3周年のタイミングで、出張性能最強の千年デモンスミスが登場。これにより、どのデッキもメインギミックを使わずにリンク値4を出力できてしまう恐るべき時代に突入していきました。

その横で青眼原石が登場し、こちらも環境を支配する強さを発揮しました。これらのカードが実装されたことで環境トップのデッキは2極化していき、「ドロー系誘発が重い代わりにそれ以外の誘発ならいくらでも貫通できるデッキ」と、「汎用誘発はしっかり食らう代わりにドロー系誘発を投げられても最小ドローで十分な妨害数を立てられるデッキ」が活躍していきます。

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千年やデモンスミスを混ぜたデッキは、出張パーツだけでアポロウーサくらいは平気で立てられるので、まず出張パーツの動きを止めざるを得ません。しかし、出張パーツに誘発を投げてもその後から悠々とメインギミックの展開が始まり、本命が通る状況が頻発します。これを止めるにはドロー系誘発のような残存効果で1ターン縛り続ける誘発を投げないといけません。

その警戒を掻い潜るのがブルーアイズなどのドロー系誘発受けが良いデッキで、ドロー系誘発を投げられたとて殆どドローをさせず盤面に2妨害くらい立てて、手札誘発でも2妨害くらいは用意できるので、妥協盤面で十分相手を抑え込めてしまいます。方向性は異なりますが、天盃龍は後攻ワンキルデッキとして「いくらドローされてもそのターンの内に決着をつければいい」と割り切ってリーサルを取りに来るため、こちらもドロー系誘発が効きにくいデッキでした。

こうして、「展開系デッキを止めるためにドロー系誘発を入れたい」「でもドロー系誘発を入れるとドロー系誘発が効かないデッキに狩られる」といった感じで、メタの方向性が違う強デッキたちが居座っていることで、丸くどの相手も見ることが難しいデッキパワーが劣る下位デッキたちが蹂躙されていきました。

2025年の1月には次世代の増殖するGこと「マルチャミー」シリーズが投入されていましたが、後攻でしか使えず相手に刺さるか刺さらないかが博打なマルチャミーはシングル戦のマスターデュエルだとそこまで信頼が置けず、どのデッキにも入るというよりも、流行りや構築によって入れたり入れなかったりのメタカードの一種として扱われました。

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そうして、ドロー系誘発が有効なんだか有効じゃないんだか分からない時期が長く続くと、遂にヤツが現れます。M∀RICEです。



ドロー系誘発を嘲笑う時代に

とんでもない展開力でガチガチ盤面を作り、リソースも豊富に残るため絶対に盤面を返せない or 返してもリーサルが取れないとリソースで押しつぶしてくるマリスは、登場して一瞬で今までの環境デッキたちを過去のものとしました。「マリスか、マリス以外か」で環境を染め上げたそのパワーは世界大会でも大暴れし、次に登場したライゼオルと共に「それまでの1年間はなんだったのか」と思ってしまうほど、マスターデュエルの世界を一変させました。

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(世界大会レベルのプレイヤーでもマリス相手に手も足も出ないのがあまりにも悲しかった)

マリスの強みはなんと言っても誘発への耐性です。うららなどの汎用誘発がまず効かない、効いたとしても平気で貫通してくるマリスは、ある意味「先行版天盃龍」と言えるくらいに相手との対話を拒否しており、「手札誘発の投げ合いでゲームスピードを抑える」という現代遊戯王のバランス調整を粉々に破壊しました。どれだけインフレしても「手札誘発で妨害できるから……」という建前で成り立っていたゲームは、手札誘発の否定により「じゃんけんゲー」と揶揄されていた時代に逆行しようとしていました。

マリスメタとして流行したのがロンギヌスカオスハンター。マリスの除外を軸とした戦術を崩すには、除外メタのこれらのカードを投入しないといけません。しかし、シングル戦でこういった尖ったメタカードを投入するとメタが刺さらない相手に横槍を入れられるのが常で、特に除外メタが一切刺さらないライゼオルが横に居ることが除外メタの立場を悪くしていました。

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そうなってくると、もう頼れるのはドロー系誘発くらい。動けば動くほど手数を稼いでやるぞと圧をかけ、相手に妥協盤面を作らせてそれを捲るのが後手の数少ない希望となりました。しかし、マリスはそれすらも嘲笑うように、ドロバをフル投入しました。

マリスはそれほどサーチを多用するデッキではないため、ドロバが適用されていても問題なく盤面を作ることができます。そのため、相手にドロー系誘発を投げられたら自分でドロバを投げてケアするという無法の動きが可能でした。指名者、うららと合わせてドロバもあれば大抵は初手でドロー系誘発をケアすることができ、しかもチェシャキャットのドローでドロバを引き込めばそれでもケアが完了するので、唯一まともに刺さるドロー系誘発すらも無視してしまいました。

こうして、他テーマに新規が来ようが規制を受けようがTier1を快走して好き放題するマリスを見て、ユーザー離れは止まらなくなり、危機感を抱いたのか運営も今回の大改訂に踏み切らざるを得なくなりました。

今回の改訂で、マリスネームに直接触るのがチェシャ猫の制限化だけだったので、多くのユーザーは「まだ全然マリスの規制足りないじゃん!これじゃまだマリスTier1だよ!」と嘆きました。確かに、ライゼオルも大ダメージを食らう中でこの規制だとまだまだマリスが強そうです。しかし、今回の規制はマリスが一強化していた根本原因に徹底的にメスを入れる改訂でした。

マリスの強さは単なるデッキパワーではなく誘発耐性の高さ。加えて、昨シーズンにドーマウス・黄金櫃・アングラが規制されて初動をガッツリ規制されても強さを維持できた理由が、環境に合った誘発を自由に積めることでした。

まず、チェシャ猫の制限で前述したドロバ引き込みムーブができなくなりました。ドロバの枚数自体も減り、墓穴の指名者も減ったことで、ドロー系誘発をまともに食らう率が一気に上昇しました。そして、ウーサの禁止によってうららやニビルの打ちどころを失わせるムーブも難しくなり、これらの誘発ケアをしようと思うとアコード先出し+効果破棄などで、これまでと比べてかなり無駄の多い展開をしなければいけなくなり、誘発ケアをしようと思うと別の誘発の当たりどころが増える状態にさせられています。

そして、現環境は光・闇を使うデッキが殆どだったので猛威を振るっていたビーステッドも、チェシャ猫の制限でマリスネームとの重ね引きが減ったことで先行展開に絡ませづらくなりました。どのデッキにも効くドミナス・インパルスも、初動率をリペアするためにサーキュラーを混ぜたりすると入れづらくなり、入れられる誘発の質が落ちています。

なので、デッキパワー自体はまだまだ高いままですが、「誘発がちゃんと効くようになった」「誘発の質が落ちた+誘発を入れられる枠が減った」で、これまでの「誘発効かないくせに自分は誘発をタコ積みできる理不尽デッキ」から「強い展開デッキ」に落ち着きつつあります。今後も規制は必要でしょうが、少なくとも対話すら成立しない相手では無くなってきているのが実情でしょう。



ドロー系誘発を強くすることが増G禁止の条件

さて、こうしてマリスの牙城が崩されつつあるわけですが、マリスの妨害策で墓穴の指名者とドロール&ロックバードが規制されたことで、マリス以外のデッキも間接的にドロー系誘発への耐性が減りました。多くの展開デッキ、特にデモンスミスを混ぜているデッキはフワロスの直撃を受けやすくなったことで、ウーサの禁止も含めてデモンスミスにもダメージを与える改訂となっています。

こうなってくると今度は「ドロー系誘発が強くなりすぎるのでは?」という懸念が生じている、というのが今回の本題です(本題に入るまで長ぇ〜)。ドロー系誘発を弾けずに負け、という試合が増えてしまうのではないかと。

これに対する反論の根拠がここまで長々と書いてきた環境の変遷で、「ドロー系誘発が強くなるというより、今までのドロー系誘発が弱かった」というのが僕の主張です。本来、ドロー系誘発を投げてフル展開を止め、妥協盤面でやり取りをさせることでまともな試合が成り立つはずだったのを、ドロー系誘発が無視されまくって先手と後手の格差がつきすぎていました。今回の改訂により、まずは「ドロー系誘発がちゃんと通る環境」が形成されていく可能性が高いです。

すると、次は「ドロー系誘発の中の格差」が浮き彫りになります。調整版増Gであるマルチャミーはどれも後攻札となっていますが、本家である増殖するGは先行でも投げられるのが大きな問題でした。好きに展開した後でダメ押しに増Gを投げられて負け、というデュエルをみんな経験していることでしょう。

墓穴が規制されたことで先行の増Gを弾ける確率が減るのは問題です。まぁ、先行増Gのイメージが悪すぎるだけで、大体の場合増Gを投げられていなくても先行に展開されてたら負けとるやろがいというのはそうなんですが、先行が投げる増Gが非常に不健全であることは間違いありません。条件無しに投げることができてしまう増Gは、あまりにパワーが高すぎて様々なものを捻じ曲げてきた遊戯王最大の問題児です。

今でも悪さをしまくっている増Gが、これからはもっと暴れることになる。となると、嫌な顔をする人が多いのは当然です。しかし、だからといって指名者やドロバの枚数を元に戻したり増やしたりすることがあってはいけません。そんなことをするとますます増Gの禁止は遠ざかります。なぜか?ここまでの説明で分かりますよね?「増Gを弾けるカードがあったせいで増Gを規制しなくてもいい理由ができてしまっていたからです」

うららがある、指名者がある、加えてドロバもある。これらの「増G弾きセット」が存在することで、ドロー系誘発はどのデッキでもある程度対処することができました。鶏が先か卵が先かみたいな話になってきますが、増Gと増G弾きセットはお互いが存在するが故に許されてきたカードでした。明らかにヤバいカードパワーをしているけど、どちらかを投獄するとどちらかが野放しになってしまう状態で、お互いを監視させる役割が生まれていました。

しかし、墓穴とドロバの規制によってこれまでの均衡は崩れました。ドロー系誘発の通りが良くなり、これまで以上に増Gが勝敗を決めるゲームが増えていくでしょう。すると、度を超えた活躍をした増Gの規制論が強まります。ここで大事なのが「度を越えている」ことで、今まで有ることが当たり前だった汎用カードの規制に踏み切ってもらうためには、環境で度を超えた活躍をしてもらう必要があります。

墓穴の指名者とドロール&ロックバード。どちらも悪さをしまくっているカードでしたが、これらの汎用カードが本当に規制されるとは殆どのデュエリストが思っていなかったはずです。なぜなら、彼らは必要悪だったから。悪さもしているけど良いこともしている、だからこそ汎用カードとして今まで野放しにされてきました。

しかし、現在の環境で“度を超えた”活躍を見せたことで、遂に規制に踏み切らざるを得なくなりました。必要悪からただの悪になってしまったことで、彼らを規制する大義名分を得ました。これは汎用カードでもゲーム性を壊す側になれば規制を受けるという前例であり、ここまで暴れないと規制まではいかないという証明でもあります。

なので、「一生準制限のまま生き残るんだろうな」と思われていた増殖するGも、これから「ドロー系誘発が強すぎる」という証拠を積み重ねることによって規制までいける可能性があります。増殖するGを規制するために必要なことは、増殖するGを活躍させることなのです。だって、活躍していないカードを規制できないでしょう?「うらら・指名者・ドロバで弾けるじゃん」で終わるカードを規制させるのは難しいです。

増殖するGを本当に規制した場合、多くの展開デッキのギミックと展開の終着点になるカードを規制しないといけなくなるのは、TCGが体を張って証明しています。なので、運営が増殖するGを禁止にするのは、墓穴・ドロバの規制とは比べ物にならないほど腰が重いはずです。

それでも、規制せざるを得ないと思わせるくらい増Gに活躍してもらう必要があります。マルチャミーが登場したことでも分かるように、本当はコナミだってゴキブリから可愛いマスコットに世代交代をさせたいはずです。なんなんですか、現代遊戯王を象徴するカードがゴキブリって。

ですので、増殖するGを憎む人ほど「墓穴ドロバ規制とかふざけんなよ!増Gどうするんだよ!」とか言っている場合ではありません。そいつらがゴキブリ避けに成れていたせいでゴキブリが今まで駆除対象にならなかったのです。昨今、リアル世界でクマが驚異となってクマ駆除が真剣な議題に上がっているように、あえて一旦ゴキブリを暴れさせることでゴキブリを絶滅させなければいけない流れが作られていくのです。食物連鎖の一部・必要悪から、明確に人類に害をなす敵だと証明しないといけないのです。

というわけで、ドロー系誘発にはこれから頑張ってもらわないといけません。マルチャミーは先行優位を是正する正義のカードとして生き残ってもらい、先行札にもなる増Gは流石にダメだよねとなって禁止してもらうのが理想ですね。増Gが居なくなれば、増Gそのものと増G対策カードでデッキスロットが圧迫されることも無くなり、デッキ構築の多様性も生まれるので良いことは増えるはずです。墓穴とドロバの規制は増G禁止に近づく偉大な一歩なので、増Gを憎んでいる人は今回の改訂に拍手を送りましょう。パチパチパチ!

(増Gの先行優位加速論は【遊戯王マスターデュエル】増殖するGが先行優位を加速させている?の記事を見てみてね)

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