
こんばんは、麻乃ヨルダです。ここ数年、Youtubeの様々なチャンネルで積極的にアニメ作品の公開をしてくれている遊戯王ですが、今年は5D’s、ZEXALと続いて遊戯王ARC-Vの一挙放送が開始されました。
ネット上でボロッカスに評価されているこのアニメ、自分はZEXALと共にリアタイせず通り過ぎていった作品で、VRAINS以降で遊戯王に復帰した後も「わざわざこんな不評の作品見たくねぇな……」とスルーし続けていました。
何ならもう見ることは無いだろうくらいの気持ちでしたが、ZEXALⅡの一挙放送を追っていったことで、「来週からARC-Vか……まぁこの流れのまま見たるか」と、一挙放送を見る習慣が残ったままだったのでARC-Vを見る気になりました。
そして舞網チャンピオンシップが始まり、激闘の数々に大興奮。「なーんだ、ARC-Vって名作じゃん!」と思わせる序盤の出来だったわけですが、そこから話が進んでいくと……?
前回の感想→遊戯王ARC-V、超面白いんですけど!?
舞網CSは後半戦に!
37〜48話では、いきなりユートとユーゴの対決からスタート。ここでユートが負けて退場するという衝撃の展開となり、「デュエルで、笑顔を……」のシーンに。早すぎないかユートの退場。いや、遊矢シリーズが全員合体していくならむしろこれくらいのペースで丁度いいのか?
舞網CSでは勝鬨くんと遊矢の対決に。その前の刀堂刃と勝鬨くんの対決で刃がボッコボコにされていたのは笑ってしまいました。アクションデュエルを悪用したリアルファイト戦法なだけでも最低ですが、「そ、そこまでする?」というレベルで不必要にボッコボコ。刃は担架で運ばれ、観客はドン引き。なんでこれがまかり通ってるんだ……?
エンタメデュエルを標榜し、ユートから思いを託された遊矢は、勝鬨の暴力的なデュエルを認めません。対する勝鬨も、小さい頃に父と楽しそうにデュエルをしていた遊矢のことを見て逆恨みをしており、お互いに意地と意地がぶつかります。本当に逆恨み以外に表現しようがない因縁でひどい。
遊矢はユートから受け継いだダーク・リベリオンの力で勝鬨に勝利。「何!?レベルを持たないならレベル0ではないのか!?」の名言も飛び出し、1話ちょっとの出演で凄まじいインパクトを残した勝鬨くんでした。こりゃあネタキャラで愛されるわけだわ。
大会の裏で素良がデュエルアカデミアに連れ戻され、セレナがスタンダード次元に渡ってきたことで、融合次元から刺客が送り込まれて舞網CSは混沌としていきます。この辺りから段々と怪しい空気が漂い始め、引っかかる所がでてくるようになってしまいました。
(遊矢の切り札というイメージがついていくエクシーズドラゴン)
乱戦乱戦乱戦!
デュエルアカデミアからの兵が送り込まれたことで、その混乱を隠すために舞網CSは市内全域を会場として開放するバトルロイヤル形式に(市民生活はどうするんだ!)。各地に用意されたペンデュラムカードを奪い合うデュエルは1vs1に限定されておらず、多対1のデュエルも可能。勝鬨が蹴落とされた梁山泊塾は、遊矢に2人の刺客を送り込んで遊矢を追い詰めます。
ここで新キャラのデニスが登場して遊矢を助けたり、別の場所ではミッチーが再登場して活躍したりと、この辺まではバトルロイヤルも面白く描写されていました。問題はその後の黒咲とナイト・オブ・デュエルズの辺りから。
黒咲さんが3対1の戦いを制してナイト・オブ・デュエルズを下したものの、その後ナイト・オブ・デュエルズは3人でデュエルを始め、モンスターにお互いを攻撃させてその余波で黒咲さんにダメージを入れようとする、リアルソリッドビジョンシステムの悪用をしてきます。あの、これルール違反じゃないんですか?まともにタイマンするより、徒党組んで流れ弾当てさせる方が有効な戦術なんですか?おかしくない?
しかも、乱入ペナルティーシステムがあるので、恐らくこの状況でナイト・オブ・デュエルズにデュエルを申し込むとライフが半分に減らされた状態から3vs1で勝負させられるわけで、梁山泊のやり方といい、「おもんな……」となる戦法が認められちゃってるのがヤバいですね。この大会自体が次元戦争に対抗する人材への試験と訓練の場になっているので、卑怯な手にも対抗せいということなんでしょうが、こんなもんを見せられる観客の気持ちは……笑。
黒咲に会いに来た遊矢も巻き添えになり混乱が広がると、そこに現れたのが素良。素良は黒咲に再戦を申し込み、ナイト・オブ・デュエルズの相手をデュエルアカデミアの兵士に任せます。ナイト・オブ・デュエルズはあっさりと敗北し、一人ずつカード化。めでたしめでたし……ではなく、その光景を見て遊矢の中のユートが怒り、遊矢はオベリスクフォースの3人に勝負を挑みます。
ここからが本当に酷くて、まずオベリスクフォースの1人がモンスターを召喚してターンエンド。その次にもう1人のオベリスクフォースがモンスターを召喚して、そのまま遊矢にダイレクトアタック。そしてもう1人のオベリスクフォースもモンスターを召喚して、また遊矢にダイレクトアタック。遊矢はターンが回ってくる前にライフが半分になりました。は?
あの、バトルロイヤルルールで全員にターンが回ってくる前に先行側が攻撃可能って、そんなんで勝負成立します?オベリスクフォースたちが攻撃力1000のアンティーク・ギア・ハウンド・ドッグしか出さないしょぼい攻め手だっだからライフ半減で済んでるだけで、2000以上の打点を2人で揃えたら何もさせずに1人消せますよね?何この欠陥ルール。効果ダメージを与える戦法だったら卑怯な相手って演出で済んだものを、普通にダイレクトアタックをかましたせいでバカみたいなデュエル展開になってます。誰もツッコまなかったんか?
その後、オベリスクフォースはハウンド・ドッグの効果で遊矢に効果ダメージを与えます。効果ダメージ与える効果あんじゃん!そしてもう1人がハウンド・ドッグの効果で効果ダメージを与えてターンエンド。続くもう1人もハウンド・ドッグの効果で効果ダメージを与えてターンエンド。これで遊矢のライフは200になりました。は?
ナイト・オブ・デュエルズを蹂躙した強キャラという演出で登場したくせに、こいつら1人ずつモンスター1体出してターンエンドしかしていません。何のために3人も居るのか分からない適当なデュエルっぷりで、あまりにも雑。こんなしょうもないものを見せるくらいなら省略でもすればいいのに、なぜ真面目に2巡もさせて描写しているんでしょうか。デュエル構成何も思いつかなかったんでしょうか。
(これ出すだけしかしないモブ兵士)
そんな雑兵たちを、新たな力オッドアイズ・リベリオンでぶっ飛ばす遊矢。遊矢の覚醒以外に何の見所も無い踏み台デュエルが終了。オッドアイズ・リベリオンを出すのにもっと良い見せ場は無かったんでしょうか。
戦いが終わった遊矢は自分の中の闇に苦しみ、権ちゃんとミエル、ミッチーと大漁旗に助けられます。その裏で融合次元からユーリが現れデニスと合流。ユーリは柚子と対面し、柚子を連れ去ろうとします。
(あんな雑魚どものためにこんなカッコいい新エース使うな)
人が多すぎる!
一晩明け、遊矢は勝鬨に勝った時のようにまた我を失ってしまったと反省。もう心の闇に負けはしないと固く誓います。そして、一晩明けてもまだデュエルをしていた素良と黒咲、まだ追いかけっこをしていたユーリと柚子も決着が着こうとしていました。まだやってたのかよ!夜が明ける前に終わらせとけ!
ユーリと柚子が鉢合わせる前、柚子と出会っていたセレナは生まれ故郷の融合次元が他次元に非道な行いをしていると聞かされ、その事実を確かめるために黒咲に会おうとしていました。セレナが黒咲を見つけると、今まさに素良との戦いに決着がついたところで、素良は黒咲にリベンジを果たします。え、黒咲負けるの?「最初から本気なら勝ってた!」が負け惜しみじゃないパターンあるんだ……。しかもあの激闘のリベンジマッチっていうオイシイデュエルが省略されて描かれるって。再戦の早さといい、急に生き急いだような展開だな。
黒咲を素良に始末されるわけにはいかないので、セレナは黒咲を連れて逃げ出します。しかし、手負いの黒咲を連れて素良から逃げることは困難で、火山エリアで追いつかれてしまいます。そこに割って入ったのが謎の忍者たち。忍者の1人、日影が素良の相手をします。
そして、セレナ・黒咲・月影の3人に対して、デニスに案内されたオベリスク・フォースたちが襲いかかります。これでまた乱戦が始まるんですが、この乱戦もひどいこと。
月影→オベリスク・フォース→オベリスク・フォース→オベリスク・フォースとターンが渡り、月影が3人の攻撃を凌ぎます。あの、また訳の分からないターン順と先行攻撃が平然と行われているんですが。月影がみんなを守るという演出ありきの構成をしているせいで、こちらもバトルロイヤルルールが崩壊しています。「交互にターンが回ってくる」というカードゲームの基本を知っている人は居ないんでしょうか。
セレナにターンが回ってきたものの、オベリスク・フォースは融合メタをしてセレナの攻撃を封じ込めます。加えて黒咲は手負いの状態で満足にデュエルが出来ず、見かねたミッチーと成り行きで大漁旗が乱入。戦いは5vs3に。
ミッチーと大漁旗がコンビネーションを見せ、オベリスク・フォースの3人に2000ダメージを与えることに成功。しかし、オベリスク・フォースが伏せた3枚のトラップによって、ミッチーはカウンターを食らって2000ダメージを与えられます。乱入ペナルティーでミッチーはライフが減っていたため、逆ワンキルが成立。ミッチーはカード化されてしまいます。
そして、もう1人のオベリスク・フォースもトラップを発動し、大漁旗も2000ダメージを食らって敗北。乱入して自分のターン中に速攻で敗北という、在庫処分が如きスピード感でミッチーと大漁旗が退場します。なんだこのバトルロイヤル……。
ここで一挙放送は一区切りとなり、続きは49〜60話の動画に。ミッチーと大漁旗が倒れピンチになると、そこに現れたのは沢渡さん。零児から与えられたペンデュラムカード「魔界劇団」を使って参戦します。更に権ちゃんも乱入し、再びデュエルは5vs3へ。
(色んなデッキ使ってたけどここで魔界劇団が来るのかぁ〜!)
沢渡さん、権ちゃん、そして黒咲さんへとバトンが繋がり、黒咲は託されたペンデュラムカードを使ってペンデュラム召喚。レヴォリューション・ファルコンの召喚に成功し、オベリスク・フォースを蹴散らします。
孤独に戦っていた黒咲が仲間たちから託されたカードで戦い、ミッチーと大漁旗が相手にダメージを与えていたからこその勝利。結果だけ見るとアツい展開ですが、「月影→オベリスク・フォース→オベリスク・フォース→オベリスク・フォース→セレナ→ミッチー→大漁旗→沢渡→権現坂→黒咲」と、3ターン連続で相手に持っていかれた後、6ターン連続で自分たちが展開するというわんぱくすぎるデュエル構成。そりゃ勝つでしょ、4人乱入して相手のターン5回もスキップしてんだから。バトルロイヤル持て余しすぎ。
裏で行われていた遊矢と素良の激闘は、あと一歩で勝負が付きそうなタイミングでバトルロイヤルの終了時刻がやってきて中断。こうして、乱入システムとオベリスク・フォースが大いに盛り下げたバトルロイヤル編が終了しました。
デニスとユーリの登場、素良の帰還、ミッチーと大漁旗のキャラなど、光る部分はちゃんとあったバトルロイヤル編でしたが、乱戦のバカバカしさが光る部分を覆い隠しそうなレベルで酷かったですね。カードゲームである必要があるのか?ってくらいめちゃくちゃで、「カードを通してシナリオを表現する」ではなく、「シナリオを表現するために仕方なくカードを使っている」感がありありでした。扱いきれないならキャラ増やして乱戦させるのやめようよ。
予選にあった悪名高いクイズ回も「カードゲームである必要がない」という意味で酷い話でしたが、今回の乱戦は「長い」「無駄にキャラが多い」「ルールそのものが破綻している」といった点で、個人的にクイズ回よりも評価が低いです。
クイズ回が「狙ったギャグが大滑りした」話であるなら、オベリスク・フォースとの乱戦は「未完成のコントを見せられている」といった感じで、クイズ回は「オイ、つまんねぇぞー!」と野次る気にはなりますが、乱戦は笑ってネタにしてやる気にもなれないガッカリ具合。まずちゃんと作ってこいよ……と思ってしまいました。
デュエルで、笑顔を……
舞網CSが終わり遊矢と零児が対決、シンクロ次元編が始まる49〜60話は新章が始まるワクワク感もあり楽しかったです。しかし37〜48話はおもんなポイントが多くて中々視聴が進まず、見るにしても流し見で消化している感じになってしまいましたね。
一番酷かったのが乱戦の部分ですが、ユートの退場シーンが1話に1回レベルで死ぬほど擦られていたのもまぁ酷かったですね笑。至って真面目なシーンなのに繰り返されすぎてギャグになってるじゃないですか。ユートの顔が映る度に笑うようになっちゃいましたよ。
セレナと共にやってきた「勲章おじさん」もといバレットも、零児に倒されて伸びたまま放置という扱いで笑いました。重要キャラっぽい雰囲気だったのにあっさり倒されて、その後存在が消えとる!
純粋な面白さで笑っていたこれまでの話と比べ、舞網CSの後半はネタ的な部分で笑うしかない展開が続きましたね。単純にそこまで面白くない、ワクワクしないデュエルが多めでした。デュエルそのものがちゃんと面白かったな〜と言えるのはユートvsユーゴと遊矢&デニスのタッグデュエルくらい?それ以外は一部分だけ光るものがあるとか、ネタとしてみれば面白いとかで、遊戯王アニメの根幹であるデュエルの面白さはアベレージがかなり低かったと思います。面白くなるはずの素良vs黒咲のマッチアップがさっくり終わったのもモヤモヤ。
増やしたキャラが入り交じる群像劇が、まとまりきらずにバタバタ。なんだかこの先の展開を示唆しているようで、段々と不安な気持ちが出てきた1期目後半でした。入りはワクワクさせるけど、その後にどう収集つけるか迷子になって、良いシーンと良いシーンを繋ぐだけのストーリーで表面を整えるようになっていき、やがてデュエル内容もストーリーも崩壊、みたいな。
お次のシンクロ次元編もかなり散々な評価を耳にするので、ここからどうなるかですね。シンクロ次元序盤の話も書こうかと思いましたが、乱戦への文句が自分の想定を遥かに超えるボリュームとなってしまったので、後日別で書こうと思います笑。見直せば見直すほどひでぇなこりゃとなってしまってね……。ネガとポジ半々くらいの記事にするつもりだったんですが、こうなってしまいました。この先大丈夫かARC-V!?
(大漁旗の小物なのに最後だけちょっとカッコいい味わいと、フィッシャーマンのリメイクという意外性が良かったり、良い部分はちゃんとあったけどねぇ……)
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