遊戯王マスターデュエルで2023年12月5日版の制限改訂内容が発表されましたね。先日行われたデュエリストカップのデータを元に実施された規制ですが、皆さんはどう見たでしょうか?
今回に限ったことではないのですが、まぁ〜世間の声は酷いこと酷いこと。運営に「エアプ」だの「無能」だの言いたい放題言っている人がいっぱい居ます。そういった言葉を使っている人達は、今回の改訂がどこを見ての改訂だか理解した上で喋っているんでしょうか?何も理解しようとせず上辺だけで批判していたら、それらの汚い言葉がそっくりそのまま自分に跳ね返ってくるのを理解しているんでしょうか?
脊髄反射で噛みつくんじゃなくて、少しは「どうしてそういう規制になったのか?」を考えようよということで、自分も今回の規制について有識者の意見を参考にしながら色々勉強してみました。当然自分の見解が正解なんてことはないので、当たり外れはともかく今回の規制が妥当なものなのかどうか個人個人で考察する材料になればと思います。
(ついでに、冷静になれば真っ当に思える規制でも、どうしてこう人々のヘイトを買ってしまうのかという理由についても笑)
目次
改訂の方向性
売りたいテーマを売りつつ一強にはしない
まず、MDにおける制限改訂の方向性を考えてみたいと思います(いいから今回の改訂の話しろよという方は「2023年12月5日の制限改訂について」の項目まで飛んでください)。一つは、現在売り出し中のパックで強化されているテーマには極力手を付けないということ。商売のことを考えたら当然ですね。
ユーザー側からすると、売り出し中のテーマがパック販売期間が終わるまで環境での地位を守り続けるのが不満だという気持ちはあれど、逆に運営側から見たら今売りたい商品の売上が下がるようなことは簡単に出来ません。というか、もし売り出し中のパックも容赦なく規制するのであれば、その後も「どうせすぐ規制されるかもしれないから」とユーザーが新パックの買い控えをする可能性があるので、保証期間よろしくパック販売期間終了まではシャバで暴れられる時間が与えられるのは当然のことです。
ただ、新商品を守りつつも一強環境にはしないように調整しているのがMDで、必ず対抗馬が台頭してくるように事前規制などでコントロールしようとしています。今回の環境で言うとシンギュラリティ・ウォリアーズで強化されたサイバース系が一気に環境トップレベルに躍り出たわけですが、メタとなるビーステッドを敢えて放置してきたことで、烙印やドラゴンリンクが対サイバースで勢力を増しています。
なので、「今の環境で暴れてるのにもっと規制しないの!?」というテーマは、今後実装される・強化される凶悪テーマに対して対抗馬としてぶつけられるよう、敢えて環境に残れるだけのパワーを残す調整をしているケースも有ると思われます。
何せ、今のMDはOCGで【2022年】と揶揄されるパワカたちを実装しながら、商売と対戦環境の整備を両立させなくてはいけないとんでもない綱渡りをしている最中で、一歩間違えたらパックが発売される度に取り返しがつかない環境破壊が生まれる状況です。今の環境で暴れたから大規制なんて目先の対応を繰り返していたら、間違いなく今以上に「新パック=環境」の構図が強まるのが明らかです。
今暴れているのに生き延びている連中は、今後より強いバケモノにぶつけるために野放しにされているか、そもそも規制するほど実際の環境で強くないか、ちゃんと理由があります。【2022年】を消化しきらない限り、暴れたら即規制のスピード感ある対応は無理でしょう。
テーマの心臓は守る
MDの規制方針でもう一つ明確なのが、テーマの心臓部を極力生かし続けるということです。1つのテーマが環境クラスに上り詰めた時、どうしてもヘイトの矛先はそのテーマの中心カードに向かいますが、そこを規制してテーマの動きそのものを破壊するのは良くないと考えているように感じます。
分かりやすいのがティアラメンツのキトカロスで、紙だと禁止にされてしまったキトカロスですが、ティアラメンツにとってのキトカロスはこのカードが有ること前提でデザインされているような1枚です。これを規制するということはデザイナーが意図した動きを否定することになり、そこから生き残るにはテーマデザインから外れた動きを取り込む必要があります。
そしてMDでもキトカロス実装時はSRで、「禁止前提のレアリティ設定では?」と言われましたが、結果的に今のティアラメンツでもキトカロスは生きていてテーマ本来の動きが出来る状態です。その上で、紙のように環境に居座り続けることもなく適度な強さに落ち着くという理想的な着地をしました。
そういった段階的に規制をかけていくMDの姿勢が「ヤバいカードを放置して周りを巻き添えにしてる!」と批判されがちですが、パック売りきったら規制でテーマの動きを否定してハイサヨナラ、よりよっぽど健全な姿勢だと自分は思っています。
それに、心臓を生かしながら大事な動脈を止めて弱らせるのが抜群に上手いのもMD運営で、軽率に墓地に送ってしまうと妨害効果の方を使いにくくなるサリークの規制、融合回数が減りエルフにもアクセス出来なくなり展開力を大幅に落としたメイルゥの規制など、絶対必須でもないけど使い手からしたら急所と感じる部分を的確に潰してティアラメンツの弱体化を成功させました。これにより、紙のようなテーマ全否定な規制をせずにティアラメンツを抑え込んだのは、MDの規制方針とその有効性を証明する一件だと主張したいです。
URバリア?
URのカードに規制が入りにくいのを「URバリア」と揶揄する声がありますが、これは実際にURに手を付けづらい現実があると思います。デジタルカードゲームでレアリティとカードの価値が一定を保ち続ける性質上、「規制=返金(同レアのカードと交換)」となるため、高レアリティカードの規制の判断は紙よりも重たいものになるのは必然ではないでしょうか。「あれ規制しろ!」というユーザーの声は「返金しろ!」と同義なのです。そんなこと簡単に出来る訳ありません。
ただ、URだから絶対規制されないかといったらそんなことはないわけで、今回の改訂でもルーンの泉が潰されました。それも、ルーンにとっては心臓部と言える泉がです。極力URを触らずに済めばそれに越したことはないよねというだけで、やりすぎたらちゃんとダメなもんはダメだと言われます。そこに容赦は無いです。
「URは規制されづらい」という意味でURバリアと言われるならそれは実際バリアが有るんでしょうと思いますが、「URなら規制されない」という意味でURバリアという言葉を使っている人が居るなら、そんなものは無いと言えます。
また、上記のようなテーマの心臓部のカードは高レアリティで収録されることが多く、そういったカードは上記のような理由で規制を回避することもあるので、そこは混同せずに見た方が良いです。URだから規制しにくいのか、そこを規制したらテーマの否定だから規制しにくいのか、そのどっちもなのか。規制に踏み込むには相応の積み重なった理由が必要です。
仮にMDが頻繁にURを規制して解除してを繰り返すようになったとしても、それはそれで「もう砕いて別のカードにしちまったよ!」「CP返せ!」という声が出るのは明らかなので、放っておいていいです。こういう層は「嫌いなカードを潰せ!」「タダでレアカード寄越せ!」が本音で、その本音にそれらしい理屈を後付けしているだけです。
段階的に規制を掛けられるカードか
もう一つカードの規制で重要な指標があって、それは「そのカードが段階的に規制を掛けられるタイプのカードか否か」。
どういうことかというと、枚数減らしたらそれが効果的になるカードは制限・準制限で段階を踏んで規制できるけど、枚数減らしても1枚あったら問題ないカードは規制するなら禁止まで持っていかないといけないということです。
現状の「なんでまだ死んでないんだ」枠で言うとスプライト・エルフやカオス・ルーラーなんかが居ますが、こういったタイプのカード(特にメインデッキに入らないカード)は制限に指定したところで問題なく仕事します。勿論、枚数が減ればリカバリー等はしづらくなりますが、それだけです。結局禁止にするまで暴れ続けるでしょう。
そしてその手のカードは展開の軸になるパワーカードであったり、URであったりすることが多いので、益々手を付けづらいですよね。やはりこういった事情が重なると、まず他のところから規制していこうになるのも必然だと思います。
逆に、枚数を減らした分だけ効果が出るところはしっかり抑える方針でもあり、URでもルーンの穂先や泉、スプライトのブルーやスターターなどは容赦なく規制されています。やっぱり禁止カードなんて出来るだけ出さない方が良いので、禁止カードを出さずに済む方向性で調整していることが多いということですね(低レアの急所は本当にさっくり禁止になることもありますけど)。
シングル戦の連続
MDの制限改訂が紙と異なる方向性になる理由として、MDはシングル戦がメインなのも大きいです。紙ではマッチ戦が主流なので、目の前の一戦をどう勝つかが重要視されますが、MDはシングル戦が主流なので、時間あたりの勝利数が重要視されます。負けたら終わりの紙環境と、負けてもそれ以上に勝てばいいMD環境は別物なのです。
なので、MDのデッキ規制は上ブレた時のパワーを落とすよりも、安定感を削いで勝率を落とす方が効果が高いという事実があります。実際、MDの規制はデッキパワーを落とすよりもまずドロー・サーチ手段を抑えて展開の安定性を抑える、誘発受けを悪くさせるところから始めて、それでも使用率が減らないならパワーを落とす規制方針に思います(今回の規制もそんな感じですよね)。
そのため、規制されたデッキは「安定感が無いけど回った時のパワーは全盛期に近い」みたいなことになりがちで、そうしたデッキに当たると「まだ全然強いじゃん!」と感じがち。それもまた強デッキへのヘイトが溜まりやすい要因ですし、規制されたデッキの使い手からしたら「いや全然(安定して)勝てなくなってるよ……」となってしまう話ですが、構造的に仕方ないことだと思います。パワー抑えたけどまだ安定してるから環境で生き残り続ける、じゃ規制の意味が無いですからね。
2023年12月5日の制限改訂について
長々と制限改訂そのものへの考察をしたところで、ようやく今回の制限改訂の話に入っていきます。今回の改訂のテーマは恐らく「現状維持」で、現在の環境クラスの顔ぶれは変えずに全体のパワーをちょっと抑えようという感じだと思います。
環境の顔ぶれが変わらないので「何も変わってないじゃん!」と思う人も多いように感じますが、実際に環境レベルでこれらのテーマを使ってる人からすると「そこ抑えてくるか〜」と感じる改訂なのではないでしょうか。現状の環境クラスが現状の力関係通りに、足並みを揃えられるところまで抑えつけられた規制ですかね。
神碑の泉
度重なる規制を受けても止まらなかったルーンの源泉が遂に抑えられてしまいました。紙の環境でも制限で頑張っていたそうなので、より猛威を振るうシングル戦環境のMDでもこうなったのは自然の成り行きでしょうか。
ルーンにとってはURかつ心臓部のカードなのでここにはなるべく手を付けたくなかったと思われますが、アレコレパーツを規制しても結局大会レベルで結果を残すのであれば泉を規制せざるを得ませんね。
とはいえ、現在大会レベルで結果を残しているルーンは永続罠によるロックで相手を封殺する型で、先行で永続罠を並べて封殺することに特化した先行番長デッキをフギンのガードと泉のリソース回復でサポートするようなデッキなので、この型にとってはメインではなくサポートの1枚が減ったような状態。つまりやることは今後も変わらず。
結局のところ永続罠やボーダーなどで相手に何もさせなければそれで勝ちで、泉もフギンにアクセスして1枚でも確保できればそれでいいですからね。リソース勝負になる前に大抵は決着が付きます。
紙の方よりも永続罠の規制が強いMDなので泉の規制は紙以上に影響がありそうですが、シングル戦環境のMDでは対策しようのない地雷としてルーンが生き残り続けているので、これでもまだ結果を残してきそうな気配が漂っています。
じゃあ永続罠もっと規制したら?とも思いますが、一方でルーン以外に永続罠バンバン積んで環境で戦ってるデッキがそんなにあるかと言われたら無いわけで、現状を鑑みると永続罠が悪いというより永続罠を上手く使えるルーンが悪いという判断でしょう。純ルーン使いには辛い現状だと思いますが、やはり元々のテーマの方向性が遊戯王のゲーム性に反逆しすぎですかね……
斬機ダイア/サイバネット・マイニング
今回の規制で一番やいのやいのと言われているところですね。「運営はサーキュラーとダイア見間違えたw」なんてネタを本気で言っている人は居ないと思いますが。本当にそう思っている人はデスフェニ出張が流行っていた時のディバインガイ規制にも天の助の画像をペタペタ貼っていたはずです。
ダイアは純斬機だと複数積み、出張だとピン挿しが主で、ダイアの規制は純構築のパワーを落とす規制になりますね。素引きしていると誘発受けになったり、スモールワールドの繋ぎになったり、純斬機使いには重宝されていたカードです。ここが1枚になると初動の安定性や上ブレのパワーなどあちこちに影響があると思います。
マイニングもサイバース全般で使われる汎用サーチですが、こちらもサイバース全般では3積みまでするカードではないので、これも影響を受けるのは絶対にサーキュラーにアクセスしたい純斬機とかでしょうか。バカみたいにサーチ手段とリンクモンスターが豊富な他サイバース系はマイニングに依存してなくて、止められたら2:1交換されてしまうマイニングより誘発とか入れとこうという構築が普通にあるんですよね。
2枚ともサイバースを抑えるというよりは斬機を抑えるための規制で、斬機を抑えるためであればサーキュラーを減らしたところで荒魂幸魂のタマタマコンビが穴を埋めるだけなので貫通力を高めていたダイア、サラマンのストラクに入っていて他のURより価値が低く規制しやすいマイニングを抑えてどうなるか見てみようといったところでしょうか。
サイバース全般はシンギュラリティ・ウォリアーズを売りたい以上あまり手を付けづらく、マイニングを減らして様子見して、サイバース軍で頭一つ抜けてピュアリィとタイマン張れてた斬機を抑えて足並みを揃えた感じですね。そのおかげで純斬機より斬機出張のサイバースの方が強くなってるじゃんとか言われてますが、D-HERO愛好家の自分としては「そういうもんでしょ(泣)」という感じです。
ピュアリィ/ピュアリィ・デリシャスメモリー
ピュアリィ本体とメモリーの一角を規制。今回の規制で最も環境に影響を与える改訂でしょう。純ピュアリィのパワーが落ちるのは勿論、ゴーストリックとの混合型はかなり厳しくなるはずです。ピュアリィは環境トップを走っていたので妥当なところでしょう。
ピュアリィはターン1指定の無い不確定サーチが行えるので、1ターンに複数体出してリソースを回復しつつ、爆発的なエクシーズ展開に繋げられるカードでした。このターン1が無い不確定サーチがキモで、確定サーチの代わりにターン1が有って速攻魔法は持ってこれないリリィよりよっぽどパワーがありました。手札消費が激しいピュアリィにとってリソース回復は重要ですし、相手はターン1が無いピュアリィなんかに妨害打てんというわけですね(故にピュアリィと一緒にサイバースとドラリンも同時に睨めるドロバニビルが大流行する)。
また、ゴーストリックとの混合型はピュアリィ本体を並べるのが前提となっていたため、今回の環境で猛威を振るっていたゴストリピュアリィはこれで相当ダメージを受けるでしょう。勿論、純構築でもデッキ内のピュアリィの枚数が減るのは死活問題です。
デリシャスメモリーはプランプに対応する速攻魔法で、エクシーズ素材を増やせるプランプと組み合わせて速攻で完全耐性ノアールを立てるキーカードでした。ピュアリィデッキはマイフレンドの効果により3積みカードを確定サーチすることが出来ますが、準制限だと確定サーチが出来ないので、それだけで展開の安定度が損なわれます。
ピュアリィ、デリシャスメモリー共にピュアリィデッキの動きを支える重要パーツであり、何ならURでヘイト集めがちのマイフレンドやスリーピィメモリーを規制するよりよっぽど効果的な規制なのではないでしょうか。今後もピュアリィが活躍したら低レアのカードから気軽にバンバン潰されそうです(ピュアリィ関連のレアリティ設定した人たちはニヤニヤしてそう)。また、今回の規制は純構築よりもゴストリ型に重くのしかかるので、ゴストリ型の活躍を重く見た規制だったと思われます。ノアールと未来龍皇並ぶのはやべーって。
クイック・リボルブ/混沌領域
ドラゴンリンクの初動札を規制してきました。クイック・リボルブはターン1を書き忘れているカードで、引けば引くほど展開が伸びる恐るべきカード。混沌領域もレベル4・8の展開要員をサーチしつつ、リソース回復まで済ませるカードだったので、どちらも規制は時間の問題なパワーカードでした。
前環境では目立ってドラリンが暴れていなかったので「なぜ今ここに規制を?」という声も上がっていましたが、サイバースが増えるほどメタのビーステッドが効いてきますし、なんならゴストリピュアリィにも刺さっていたので、サイバースとピュアリィが上に行くにつれ影響を増してきた勢力でした。
また、ドラリンはディス・パテルの加入で強化されるので、時期的にいつ来てもおかしくないこのカードの存在を考えると今の内に手を付けておこうといったところではないでしょうか。現環境が続く中で確実に勢力を伸ばすであろうドラゴンを、環境から消えない(サイバースの対抗札として残す)程度に抑えた規制だと思います。
白銀の城の火吹炉
ラビュリンス規制の一歩目という感じでしょうか。家具型の無限リソースを支えている1枚で、レベル2なのもありエルフに繋がったりアンヘルに繋がったりでシャンドラ以上に悪用法が多いです。
場が整い始めると最強なラビュリンスですが、サイバースなどの手数お化けが相手では貫通力の前に全く勝てませんし、サイバース対策でビーステッドが増えるのも向かい風。今の環境でビッグウェルカムなどの急所を規制されるともう環境には残れなくなるでしょう。故に、今回はストーピーをちょっと触る程度で様子見ですかね。
止めどころがハッキリしているテーマなので、環境トップに立とうとするとメタを張られ後退、環境2番手あたりをウロウロしながら、トップが規制されるとまたトップに出て……な世渡り上手。故にずっと環境クラスに居座ってヘイトを買いがちで規制しろしろと声高に叫ばれますが、お気持ちを無視するなら現状そこまで規制する必要がなさそうです(だから嫌われるんだろうけど)。
ラビュリンスは低レアで色々悪さしてるストーピーから手を付けて、トランザクション・ロールバックの実装などを見据えつつ現環境での立ち位置を見ていくといったところでしょうか。今後もラビュリンスが規制されるとしたらストーピー・シャンドラ・アリアンナ辺りの安定感を支えるパーツが最初に抑えられそうです。
強欲で貪欲な壺
準制限に規制。採用するにしても3積みまでするデッキは多くないとはいえ、他の壺シリーズ同様にデメリットが大したデメリットになっておらず、複数枚積めること自体がヤバいパワーカードなので規制は已む無しでしょう。いずれ制限になっても全く不思議ではありません。
特に一戦一戦の勝敗が重い紙とは違い、MDではシングル戦を如何に速く安定して回すかが重要なので、重要なパーツが飛んでしまうような試合は捨てれば良いと考えれば、リスク無視で期待値を高められる強貪のバリューが高いです。パーツが飛んで負ける試合より、パーツが飛ばないで勝つ・パーツが飛んでも勝つ試合が多ければ問題ないのです。
環境レベルでは泉をサーチした後ならデッキが飛んでも関係ない罠ルーンが採用していたり、10枚飛んだってどうってことない60ドラリンなどが採用していたりと、これも今回の環境をしっかり見ての改訂だと思われます。大抵のデッキは強貪準制限でも困らないでしょうが、DCで暴れたデッキを的確に睨んでいます。
クシャトリラ関連
ノータッチ。アライズハート等の実装でより一層使用者を増やしたテーマですが、DCでも上位ほど出張含めて使用率が下がっていたそうなので妥当なところです。正直、ディアブロシス抜きでは安定感が高くない上に無効妨害が立たないテーマなので、勝手にデッキを触ってくる不快感を除けば規制の必要がありません。流行ってて悪目立ちしてるだけ。
クシャトリラの活躍関係なしに出張しがちなフェンリルはいずれ規制されるかもしれませんが、今でも準制限にはなってますし、環境デッキがみんなフェンリル2積みして当たり前くらいにならない限り、今すぐ規制をかけなければいけないような緊急性は無いでしょうね。
ただ、エルフとかみたいに「禁止にしないと意味がない」カードではなく、枚数制限に意味があるカードなので規制には踏み込みやすいと思われます。よっぽどのことが無い限り禁止までは行かないだろうけど。
まとめ
考えれば考えるほど納得感のある制限改訂だったと思います。少なくとも「新パックを売りつつ」「DCで暴れたところを抑え」「一強にならないよう現状維持」で考えたら、そりゃそうなるだろうという規制しかなかったと思います。
天敵が規制・衰退したタイミングでシンギュラリティ・ウォリアーズが販売開始されサイバースが台頭し、その中で対抗馬になれて今後強化が来るピュアリィやドラゴンリンクなんかに規制をかけて、果たしてどうなるか。皆さんは今回の改訂でどういう未来を見るでしょうか。
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