こんばんは、麻乃ヨルダです。本日は、昔遊戯王をやっていたけど今はやっていない人に向けて、昔懐かしのカードとそれをリメイクしたカード(OCGでもラッシュデュエルでも)を紹介していこうと思います。「うわ懐かしい!」「こんなカードあるんだ!」と思い出を振り返っていただき、紙やマスターデュエルに復帰するきっかけになれば幸いです。
今回紹介するカードは「ローの祈り」。
祈る女性と法の番人
「ローガーディアン」の降臨に必要。場か手札から、星の数が合計7個以上になるようカードを生け贄に捧げなければならない。
DARK CEREMONY EDITIONで登場したローの祈り。ローガーディアンを儀式召喚するための儀式魔法です。「あのモンスターは今……」ってタイトルなのにモンスターちゃうんかいって思うかもしれませんが、そこはおいおい。
イラストではローブを着た女性が何かに祈りを捧げています。初期の儀式系カードは真っ当な儀式と「それ儀式なの?」と思ってしまう不思議な儀式に二分されていましたが、このカードはとても正統派な儀式魔法。祈りが通じたのか、このカードからローガーディアンが召喚されます。
こちらがローガーディアン。両腕が巨大な剣となっていて、どこか機械的な生気の無さというか血色の悪さがあって、黒紫の背景も相まって邪悪そうな印象すらあるモンスターです。両腕のインパクトが大きくて、「振り子刃の拷問機械」みたいな残忍なイメージが頭に浮かんじゃうんですよね。
しかし実際はそんなことはなく、むしろ正義側の設定らしいです。このカードが初登場したゲームボーイの遊戯王DM2では、「つるぎじょうのうでで こうげきをする イカサマはゆるさない ほうのばんにん」とフレーバーテキストに書かれています。
厳格な法の番人らしいですが、イカサマという若干ちゃちい感じがする犯罪でもあの巨大なスパッといかれてしまうのは、やっぱりちょっと残虐ファイター寄りなんじゃないかと思ったり笑。遊戯王の世界観で言ったらゲームでイカサマなんてのは罰ゲーム確定の悪行ではありますが。
(遊戯王DMシリーズでのドット絵。ドット絵でも邪悪じゃない?このガーディアン→【攻略】GB版遊戯王DM 全カード一覧 その15(701~750))
2枚のカードの名前を見るに、儀式魔法に描かれた女性が「ロー」で、「ローガーディアン」と言うからにはローを守護する存在として現れたのがローガーディアンではないか、という推測が立てられます。あるいは、「ロー」というのが地名だったり儀式の名前だったりするのかも。
遊戯王DM2では儀式召喚に必要が生贄が3種類指定されていて、「マグネッツ1号」・「マグネッツ2号」・「カマキラー」の3体を生贄にする必要がありました。中々に謎の人選ですね笑。
(ローガーディアンと何の関係が……?)
マグネッツ兄弟は戦士族であることくらいしか共通点が見受けられません。別に正義の戦士というわけでもないですし、1号は槍が武器だし。正義要素だけなら「ジャッジメント・ザ・ハンド」とか、両手剣要素なら「アーメイル」とか、もう少しそれっぽいモンスターが居ないわけでは無かったと思うんですが。というかカマキラーなんて腕しか見てないでしょ笑。カマキリ生贄にして出てくる法の番人なの?
DM3以降は儀式召喚の条件が厳しすぎたということで、指定の生贄はマグネッツ1号のみでその他の2体は自由に。マグネッツ兄弟の片割れだけが生贄に持っていかれてしまいました。そのため、ローガーディアンは槍を持った兄弟の片割れを生贄にして出てくるモンスターに。いよいよ何の共通点も無い儀式です。本当に儀式成功してる?
神々に捧げる祈り
世界観や設定が公開されているわけではなかったので、2枚のカードのイラストと、ゲームでの関連情報から妄想をするしかなかったローちゃん?とローガーディアン。そんな謎の存在でしたが、2016年発売のパック、インベイジョン・オブ・ヴェノムにて新たにローちゃん?の姿が確認できるカードが登場しました。
それがこちらの「精霊の祝福」。「プチテンシ」などの天使族モンスターに囲まれながら、ローの祈りに描かれた女性が祈りを捧げています。このカードは儀式魔法で、光属性の儀式モンスターなら全てに対応しています。
このカードは同パックで登場の「古聖戴サウラヴィス」に対応する儀式魔法として登場しました。また、祈りが行われている場所は2年前に発売されたザ・デュエリスト・アドベントで収録の「祝祷の聖歌」に描かれている教会と思われ、祝祷の聖歌は「竜姫神サフィラ」に対応する儀式魔法となっています。
このため、ローちゃん?とローガーディアンはサフィラ、サウラヴィスと世界観を共にするカードではないかと言われ出しました。とはいえそれから音沙汰もなく、謎が深まるばかりでしたが、それから7年の時を経て新たな情報がやってきて、古参の遊戯王ファンに衝撃を与えました。
「儀式の女」から「50の女」に
「粛声の祈り手ロー」。PHANTOM NIGHTMAREにて、23年の時を経てローの祈りに描かれた女性がモンスターとしてカード化されました。
色々と触れたいところは山盛りですが、まずはそのビジュアル。ローの祈りの時は時代もあってかキリッとした目つきでイケメン寄りのビジュアルでしたが、精霊の祝福の柔らかい印象をベースに女性的な可愛らしさを持ったビジュアルになりました。しかし、どこか凛とした雰囲気もあって、全くの別人でも無いのが良いところ。
そしてステータスは攻撃力50の守備力2050とかなり独特な数字。元のローガーディアンが攻撃力2050という非常に半端なステータスを持つモンスターだったので、それに合わせたステータスだと思われます。
これにより攻撃力50ラインが生まれ、「ローちゃんに勝てるモンスター」「ローちゃんに勝てないモンスター」の線引きが発生しました。攻撃力50未満のモンスターは、教会で祈りを捧げている淑女に一方的にボコられる弱者となったのです。
いや元から攻撃力50未満(普通は攻撃力0しか存在しないけど)なんて全てのモンスターに負けるステータスですけど、「ローちゃんにも負ける」というのは誰にも分かりやすいパンチがあります。こんな虫も殺せなさそう女の子に負けるとか恥ずかしくないの???
PHANTOM NIGHTMAREでは、ローちゃんと同一世界観だと示唆されていたサフィラ、サウラヴィスもまとめて「粛声」というテーマでリメイクされました。粛声の軸となるのはローちゃんとローガーディアン。展開の要となるローちゃんと、エースとなるローガーディアンが道を切り拓きます。
ローちゃんは俺が守る
では、折角なのでリメイクされたローガーディアンがどうなったのかも見ていきましょう。それがこちら。
「粛声なる守護者ローガーディアン」。ザ・ヴァリュアブル・ブックEX4によると、ローガーディアンがサフィラの祝福により進化した姿らしく、どこか禍々しかったリメイク元から一転し、神々しさを感じさせるビジュアルに。ステータスや効果も要注目なので見ていきましょう。
儀式・効果モンスター
星7/光属性/戦士族/攻2050/守2500
「粛声なる祈り」により降臨
このカード名の(1)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが儀式召喚した場合に発動できる。
デッキから「粛声」モンスターまたは戦士族・ドラゴン族の儀式モンスター1体を手札に加える。
(2):自分のフィールドか墓地に「粛声の祈り手ロー」が存在する限り、このカードの攻撃力は2050アップする。
(3):自分フィールドに「粛声の祈り手ロー」が存在し、相手が魔法・罠・モンスターの効果を発動した時に発動できる。
その発動を無効にし破壊する。
1つ目の効果は置いといて、2つ目と3つ目の効果はローちゃんとセットの効果に。
2つ目の効果では、フィールドか墓地にローちゃんが居れば攻撃力は2050アップ、つまり倍に。リメイク元は守護者ということで守備に重きを置いた能力でしたが、進化したことで強力な攻撃も可能に。
3つ目の効果は万能無効となっていて、「イカサマをゆるさない」厳しさが効果で再現されました。法の番人として立ちはだかってますよ〜!
とっても頼りになる守護者になったローガーディアン。ローちゃんがモンスターとしてカード化され、「俺がローちゃんを守るんだ……!」と気合が入りまくっています。
その一方で、ローちゃんありきの効果なので隣にローちゃんが居ないと途端にやる気を失う困った守護者でもあります。ローちゃんが居なくなった途端に攻撃力は元通りになるわ悪行は見逃すわで、バニラだったあの時と変わらん有様に。オンナが傍に居なくなった途端に本性を表すやつとかさぁ、そんなヤツもう別れたほうが良いよ?
ザ・ヴァリュアブル・ブックEX4では世界観が明かされ、「各地の聖堂に声なき祈りを捧げる使命を帯びた少女ローと、その守護者の二人旅」と書かれているようです。
その旅を神界から見守っているのがサウラヴィスとその主サフィラで、ローの祈りが回数を経て霊力を宿し、ローの前にサウラヴィスとサフィラが仮の姿で降臨します。
サフィラの祝福によって守護者の力が高まり、ローの祈りも直接神に届くようになり、サフィラは本来の姿による降臨が可能になりました。ローガーディアンもパワーアップし、ローは更に多くの人々を救うことでしょう。
初期のカードは世界観が分からない(そもそも深く練られていない?)カードが多いですが、こうしてリメイクによって他のカードと絡みながら新しい顔を見せてくれるとまた一段と好きになれますね。現代の絵柄でアイドルカードの仲間入りをしたローちゃん、ローちゃんに依存している彼氏面のローガーディアンと、新しいキャラが見えて親しみが生まれました。
粛声は環境で戦えるレベルのガチな儀式デッキなので、懐かしいと思った方は組んでみるのもいいかもしれません。旧ローガーディアンは基本的にデッキに入らないのが残念ですが、敢えて旧ローガーディアンを活躍させる構築で遊ぶのもいいかも?
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