
こんばんは、麻乃ヨルダです。ここ数年、Youtubeの様々なチャンネルで積極的にアニメ作品の公開をしてくれている遊戯王ですが、今年は5D’s、ZEXALと続いて遊戯王ARC-Vの一挙放送が開始されました。
ネット上でボロッカスに評価されているこのアニメ、自分はZEXALと共にリアタイせず通り過ぎていった作品で、VRAINS以降で遊戯王に復帰した後も「わざわざこんな不評の作品見たくねぇな……」とスルーし続けていました。
何ならもう見ることは無いだろうくらいの気持ちでしたが、ZEXALⅡの一挙放送を追っていったことで、「来週からARC-Vか……まぁこの流れのまま見たるか」と、一挙放送を見る習慣が残ったままだったのでARC-Vを見る気になりました。
そして舞網チャンピオンシップが始まり、激闘の数々に大興奮。「なーんだ、ARC-Vって名作じゃん!」と思わせる序盤の出来だったわけですが、そこから話が進んでいくと……?
以前の感想→遊戯王ARC-V、超面白いんですけど!?、【遊戯王ARC-V】舞網CSが終わりシンクロ次元編へ!ちょっと不穏な空気が……
戦いは次の次元へ
前回は舞網CS編の終盤がしょうもな乱戦ばかりでダメだったという感想で終わってしまいました。やたらごちゃごちゃしている上に基本ルールすら崩壊している群像劇で、今後更にキャラを増やして話をまとめることができるのか猛烈に不安になる展開。最終的にこの作品がどういう評価をされて終わるのかはもう知っているわけですが、そこまでの道筋がなんとなく見えてしまう話でした。
とりあえず一旦嫌なものを見たことは忘れて、舞網CSの終幕へ。最後はこの大会が次元戦争に立ち向かう「ランサーズ」を結成するための選抜試験だと赤馬零児が明かし、その試験のために犠牲者が出たと怒る遊矢の戦いに。元々プロデュエリストになれるかの将来が掛かっていた真剣勝負とはいえ、まさか本当の意味で命懸けの勝負をやらされていたと知れば、あまりにも真っ当な遊矢の怒りです。
遊矢の怒りと悲しみの中心には居なくなってしまった柚子のことがあり、大事な幼馴染みを失って冷静ではいられません。そんな彼の感情を成長のチャンスと捉えた零児は、敢えて柚子が無事であろう情報を言わずに遊矢の挑戦を受けます。必要なことだとは思うけど、遊矢からの心象は最悪だぜ!
相変わらずあらゆる召喚法を駆使していて真似したくなる零児のデュエル。恐らくスタンダード次元最強の相手に、遊矢も自分の限界を越えたデュエルを披露。しかし、それでも負けない赤馬零児。切り札のカリ・ユガを出して遊矢の攻めを凌ぎ切り逆転勝利。カリ・ユガを見た瞬間に「うわ出た」と思いました笑。悪いことしかしないやつ。
デュエルの中で柚子が無事であったことを知ったものの、限界を超えてなお零児には届かなかった悔しさ、柚子を守れなかった不甲斐なさから心が晴れない遊矢。そんな遊矢に喝を与えたのは、なんと洋子さん。これまではたまに良いことを言ったり、可愛い男の子を見てはキャーキャー言ったりしていたミーハーママが、いきなり豹変して遊矢を叱責。デュエルを申し込みます。
実は洋子さんは元レディースの総長で、昔は“流れ星洋子”の通り名でブイブイ言わせていました。そんなお母さんの熱いデュエルに加えて、お父さんとの馴れ初めエピソードも聞いて、エンタメデュエリストの本懐を思い出した遊矢。デュエルの後、かつて父が使っていたカード「スマイル・ワールド」を託されます。
その悪名高き「スマイル・ワールド」は、見てて困惑しました。絵面がキモすぎる。無理やりモンスターを笑顔にするって、なんなんだこれは……。しかも効果がクッソしょぼい癖に遊矢のデッキやペンデュラム要素と噛み合うわけでもない。こ、これが今後遊矢の魂のカード扱いになるのか!?本当に!?
ともかく、ランサーズの面々が集合し、みんなでシンクロ次元に行くことに。黒咲さんはすぐにでも融合次元に侵攻しなければと焦っていましたが、今の少数精鋭で融合次元に乗り込んだところで軍勢に捻り潰されて終わり。まずは融合次元と戦える戦力を揃えるため、シンクロ次元を味方につけるというのが零児の策でした。
そうしてシンクロ次元にレッツゴー。新章開始でワクワクの展開へ!
チームがバラバラじゃねぇか!
シンクロ次元編に突入すると、最初のデュエルを飾ったのはユーゴ。一緒に飛ばされてきた柚子を後ろに連れて、追いかけてきたセキュリティとライディングデュエル。まるで5D’sを思わせるデュエルがシンクロ次元のスタートになります。
新OPのカッコよさ、新EDのコミカルな日常風景と、ワクワクの新章。セキュリティが使うゴヨウモンスターやユーゴのテクニカルなデュエルも魅力的で、良い掴みです。かつてのネオドミノシティと似ているようで違うシンクロ次元の舞台「シティ」の模様も、過去作のファンとしては気になります。
さぁシンクロ次元に入って遊矢たちはどうなっているのか、と思ったら、みんな2人3人でバラバラの場所に飛ばされて散り散りに。遊矢は暴走機関車のセレナと沢渡、更には兄が居なくて不安定な零羅と一緒に飛ばされ、しかもすぐにセキュリティに目をつけられてバタバタ。なお、目をつけられたのは顔が似ているユーゴと柚子が昨日セキュリティと追いかけっこしていたせい。とばっちり。
沢渡は瞬殺され、遊矢はズレたエンタメで零羅が困惑、遊矢が殿となって皆を逃がそうとするも全く言うことを聞かないセレナで、チームワークも何もないランサーズ。まぁ、仲良くなるのはこれからこれから。そうしてピンチになると、そこに颯爽と現れたのがバイカー集団。バイカー集団は遊矢たちを拾って逃げていきます。
そのバイカー集団に居たのは、なんとクロウ・ホーガン。ここに来て過去作からのゲストキャラが登場しました。ジャックの存在も明かされており、別次元編からは過去作キャラが登場するのか!と。これはリアルタイムで見てたら相当ワクワクしたでしょうね。
所変わって、ペアで飛ばされていたデニスと権現坂。はぐれた仲間に見つけてもらうため目立つことをしようとデニスが言い出し、街中でデュエルを始め権現坂が巻き込まれます。最初は乗り気でなかった権ちゃんも、デニスや観客の子供たちの声を聞いてノッていきます。
このデュエルが中々にアツい勝負で、最初はデニスが権ちゃんを悪役に仕立てて戦い始めましたが、自分のスタイルを貫く権ちゃんが空気を変え、デニスは自ら実は悪役だったとキャラチェンジして役に入り込みます。
融合次元からのスパイであるデニスが自らを悪役扱いする、エンターテイナーとしての空気読みかそれとも何か思うところがあるのか。そして、そんなデニスにヒールターンをさせた権現坂の真っ直ぐさ。デュエルの目的はただ単に仲間探しのためのものでしたが、実は大事な心のやり取りになっていそうなデュエルでした。
そんな2人のデュエルを見て、ギラギラアクセサリーとフワフワが付いた黒人男性という超ステレオタイプに怪しい男が近づいてきました。う、うさんくせぇ……!怪しむ権ちゃんと、いいからついていってみようと乗り気のデニス。これアレですね、叡智なマンガで能天気な子と慎重な子が2人まとめてチャラ男にお持ち帰りされちゃう展開ですね。俺は詳しいんだ。
そうして2人が連れ込まれたのは地下デュエル場。非合法な賭けライディングデュエルをショーにしている場所で、その男ギャラガーはプロモーターとしてショーを取り仕切っていました。当然、権ちゃんはこんないかがわしいデュエルショーなど認めんと突っぱねますが、そこで活躍していたのが黒咲。黒咲さん!?
黒咲さんは一足早くこの地下デュエル場に辿り着いており、そこで連戦連勝(しかしそこでは黒咲が大活躍をしていた!)。別次元に来ていきなり何やってんだこの人と一瞬思わせておいて、「地下デュエル場で10連勝するとシティ最大のデュエルイベント『フレンドシップカップ』に出場できる→デュエルキングのジャック・アトラスに接触できる」と、次元戦争の協力者を得たいランサーズの目的にちゃんと合致した行動を取っていました。黒咲のヤツそこまで考えて……。
見事9連勝まで来ていた黒咲に、10連勝を狙う戦いの相手として名乗り出たのがデニス。仲間が10連勝阻んだらまずいじゃろと思いましたが、デニスにとっては黒咲がフレンドシップカップ出場を逃す方が助かるのか。ともかく、ランサーズの仲間同士がライディングデュエルで戦う展開に。
地下デュエルとはいえ、大観衆の前でのデュエルにヒートアップする2人。飄々として捉えどころのないデニスのデュエルぶりに黒咲は怪しさを感じますが、それはそれとしてデュエルが白熱。さぁ勝者はどっちだ、というところでセキュリティがガサ入れ。デュエルは中断され、デニスたちは皆とっ捕まってしまいます。
なお、ガサ入れの前に上級市民である「トップス」は他ならぬセキュリティによって避難誘導をされていました。セキュリティは地下デュエルを監視していながら泳がせていた上に、権力者だけ逃がしてから取り締まりを開始するという腐敗ぶりを披露。トップス以外の市民は皆「コモンズ」と呼ばれて貧しい暮らしを強いられていて、シンクロ次元の治安が如何に終わっているかが示されています。これはひどい。
一方その頃、クロウに世話になっていた遊矢たち。些細なことで言い争いになった遊矢とクロウは、デュエルでお互いの主張をぶつけ合うことに。こちらのデュエルはここから盛り上がるぞというところですぐにセキュリティの邪魔が入り中断。遊矢たちも皆捕まってしまいます。
これにより、ランサーズの面々は収容所送りとなって、収容所で再会。なんて嫌な顔の合わせ方だ。権現坂・デニス・黒咲が一歩先に収容所に送られていて、後から遊矢たちが入る形になりましたが、黒咲さんは初日に暴れ散らかして独房送りになったので離れ離れになった模様。うーん、反逆の翼。
ここから何話か収容所編が開始。これもまた5D’sの序盤を思い出す展開ですね。
レッツ・エンジョイ!
収容所に入れられると、露骨な新人いじめに遭う遊矢たち。そして、収容所内でボス扱いされ、看守よりも偉いと言われる男と出会います。その男、徳松に呼び出れた遊矢は、カードを寄越せと言われて徳松に反抗。こうして遊矢と徳松のデュエルが始まります。
徳松が使うデッキは、花札衛(カーディアン)。あっ、花札ってこの人が使ってたんだぁ!と感動。マスターデュエルで初期にたまに見て、遊戯王を使って別のゲームを始めては死ぬほどブン回してくる、とんでもないインパクトを与えられたデッキです。これアニメテーマだったのか!
徳松は遊矢のペンデュラムを封じ、更にドローする度に1500ダメージを与えるエースを召喚して遊矢を追い詰めます。彼はかつてシティで皆に愛されたデュエリストでしたが、トップスとコモンズの格差に憤りトップスとデュエルをすると、金に物を言わせた強力なレアカードでボコボコにされた挙げ句、観客からブーイング。
彼は「エンジョイ長次郎」と呼ばれ、勝ち負けに拘らない楽しいデュエルをモットーとするデュエリストでしたが、勝者だけが正義というトップスの価値観に敗北し、勝利に執着せざるを得ない状況に追い詰められます。そして、遂にはイカサマをしたことで収容所へ投獄されてしまいました。
その経験から、収容所でカードをかき集めてお山の大将をするようになった徳松。心が折れてしまったかつてのヒーローの姿に、クロウやシンジといったコモンズの住民も心を痛めます。そんな徳松を相手に、遊矢は他の囚人たちを巻き込んでエンタメデュエルを展開。
遊矢のエンタメデュエルで湧く囚人たちを見て、徳松の心に変化が。イカサマをしたあの日以来、ドローという未知への挑戦を恐れ、それをデッキが感じ取っていたのか必勝カードをデッキからドローすることができなくなった徳松。それ故に自らのドローを放棄し相手をロックしてバーンを与える戦法に頼っていましたが、遊矢の姿勢を見て久々にドローをすることを決意。
徳松の心にデッキが応え、切り札の「超こいこい」をドローすることに成功。徳松は遊矢に負けてしまいましたが、エンジョイ長次郎として復活したことで皆は喜び、徳松自身も満足が行くデュエルができたのでした。遊矢のエンタメが人を動かした良いデュエルでしたね。
徳松戦の前半で49〜60話のイッキ見が終了。61〜71話のイッキ見は徳松戦の後半からスタートしました。徳松との絆を得て、収容所をパーっと盛り上げる大エンタメデュエル大会をしようという流れになりましたが、その裏でクロウたちは何やらコソコソと計画を立てています。自分が捕まり、養っていたちびっこたちがどうなっているか不安で仕方がないクロウは、一刻も早くここを抜け出さなければいけないと脱獄計画を立てていました。
そして、大エンタメデュエル大会の最中に脱獄作戦がスタート。成り行きで徳松さんも逃げることになり、ランサーズとコモンズ組で脱獄に成功するかと思いきや、脱獄作戦は既にバレていて、脱出を手引きするはずだったコモンズの仲間は既に捕まっていました。このまま収容所に逆戻りかと思われましたが、そこに割り込んだのはシティを牛耳る行政評議会。治安維持局の上に存在する行政評議会が彼らの身柄を回収したことで、治安維持局のロジェ長官の謎の企みは阻まれるのでした。
どうして行政評議会が彼らを助けるような真似をしたのか?そこに現れたのは赤馬零児。ここまで姿を表さなかった零児は行政評議会に話をつけていて、次元戦争の脅威と協力の要請、ランサーズの力の証明のために彼らをフレンドシップカップに出場させるよう手引きしていたのでした。バラバラになったみんなを放ったらかしかと思ったら、知らん間にすごい仕事してた社長。
これにて、ランサーズの面々はフレンドシップカップに出場することに。そしてクロウたちもフレンドシップカップでそれぞれの目的を果たそうと決意し、デュエルキングのジャック・アトラスへの挑戦権をかけた戦いが始まるのでした。柚子とユーゴもフレンドシップカップへ参加することになり、気づけば全員集合。
正直な感想、「スタンダード次元で大会やったのにシンクロ次元でもまた大会やんの?」と思ってしまいました。シンクロ次元に飛ぶ前、黒咲さんが「シンクロ次元に行くなんて悠長なことしていられるか!」と言っていましたが、マジで悠長な気がしてきました。
ここまでで63話、遊戯王アニメは基本3シーズンで150話くらいやると考えると、もうそろそろ折り返し地点。次元戦争ウンタラカンタラでまだシンクロ次元にしか来ていないわけですが、このペースは大丈夫なのか?大会サッと終わらせるんか?
フレンドシップ(笑)
フレンドシップカップのスタートに、前座として遊矢とジャックのデュエルが組まれました。キングが強さを見せつけるための見せしめデュエル。踏み台にされてたまるかと遊矢は奮起しますが、全てはジャックの手の平の上であっさり敗北。自分のデュエルが一切通用しなかったことで、遊矢は思い悩むことに。
フレンドシップカップの出場者はホテル暮らしを余儀なくされ、お互いに会って話もできない軟禁状態に。開幕戦でクロウと権現坂が友情を育んでいい空気になったのも束の間、遊矢の部屋にこっそりやってきた徳松は、どうやらのフレンドシップカップの敗北者は地下の強制労働施設に送られるという話を遊矢に。
10年前、コモンズの希望の星であった徳松が逮捕されたことでコモンズは暴動を起こします。それを鎮圧するためにセキュリティの精鋭部隊デュエルチェイサーズが組織され、トップスとコモンズが交流するフレンドシップカップが開かれるようになりました。
フレンドシップの名の通り、表向きはデュエル大会でみんなの心を一つに!とは言っていますが、実態は酷いものでした。大会の優勝者となればトップスの仲間入りを果たせるとジャック・アトラスの例を見せて希望を与えておきながら、敗退したら強制労働で搾取。トップスにとってはコモンズの不満を解消させるガス抜きかつただの娯楽の一つで、デュエリストたちを見世物にして消費するだけの大会でした。
それを知ったことで、遊矢の心は更に不安定に。追い打ちをかけるように、次の試合はシンジvs零羅。零羅は戦いたくないと遊矢の部屋に逃げ込んできます。シンクロ次元に来てすぐシンジたちに助けてもらったので、シンジとは戦えないと言う零羅を戦わせようとする零児に遊矢は激怒。遊矢は零羅を庇いますが、結局零羅は兄様に嫌われたくないと零児の元へ。
零児は不器用なだけで、零羅が戦いたくないという意思を尊重し、むしろそうやって自分の意見を言えるようになったことを喜ばしく思っていました。完全に空回りさせられただけの遊矢。結局、零羅の代わりに月影が出場することに。
そして問題の回。ここまで良いお兄ちゃんをしていたシンジが、急に「革命だ!」とコモンズの観客を煽り今の社会構造を痛烈に批判しだしました。そりゃまぁ、こんな社会をこのままにしておくなんてことはできないですが、「おいおい社会問題まで取り扱うのか……!?」とどんどん心配な展開に。
次元戦争、エンタメ、アクションデュエル……スタンダード次元の時点でだいぶ難しい問題を取り扱っていましたが、シンクロ次元に入って社会問題まで取り扱うようになり、その社会問題をデュエル大会でどうにかという話まで飛び出してきました。なんだかメインストーリーを進めていたら別のメインストーリーが始まったような感じで、話が渋滞してきましたね。
シンクロ次元を味方につけるのはあくまで次元戦争を止めるためであったはずですが、シンクロ次元を味方につけるためにシンクロ次元の社会問題を解決しなければならないとなるとかなり話が膨らんでしまいます。そんで大会やって過去キャラも登場させてで、一個メインに据えるだけならまだしも二・三個合わさったら持て余しそうな素材が山盛りになってきました。まずい、もう既に不安要素が膨らみまくってる。
そうしてシンジはクロウのブラック・フェザーと対になるビー・フォースを繰り出して月影を倒します。月影はアクションマジックを使えば勝てた可能性がありましたが、零児の指示で強制労働施設へ潜入するために敢えて負けた模様。
月影のアクションマジックを拾いまくってコストにしまくる無法のアクションデュエルもまぁまぁヤバかったですが、シンジが八つ当たりで忍者一族を愚弄したところ、自分は「弱者が力を合わせるんだ!」とか言っておいて月影の下級モンスターを馬鹿にしたところなど、シンジのキャラがヤバすぎてそっちにばかり意識が持っていかれました。この人、自分が虐げられる側に居るから反抗してるだけで、自分が虐げる側だったら……。
そして、兄様が自分を戦わせず月影を戦わせたことで、月影に嫉妬する零羅。零羅は月影に「負けろ、負けろ……!」と念を送ります。ちょ、ちょっと待て!シンジと戦いたくないって言ってたの零羅じゃん!兄様がそれを汲んで月影に交代してあげたんじゃん!あれ!?1話飛ばした!?零羅の心情がよくわかんなくなってます!
しかも、月影が敗退したのは指示通りだったと零児が言ったことで、「まさか自分を負けさせるつもりだったのでは……」と疑心暗鬼になる零羅。兄様がコミュニケーション下手なのもありますけど、零羅の心情がジェットコースターな上に月影の扱いが不憫すぎてかなりストレスが溜まる話の流れに。め、めんどくせぇ〜!
デュエルもストーリーもアレな68話が終わり、69話は柚子と徳松さんの対決に。これはかなりの好デュエルで、遊矢を元気づけようと頑張る柚子と徳松さんのデュエルはお互いに魅せるプレイが連発。徳松さんの最後の切り札に対し、柚子がアクションマジックで逆転する流れは非常に綺麗なエンタメデュエルで、会場を大いに盛り上がらせました。
続くセレナのデュエルは、コモンズのトニーという誰だか知らん人との対戦で省略勝利。セレナのデュエルはともかく、柚子と徳松さんのデュエルで遊矢は本来の自分を取り戻した、かに見えて、別にそんなことはなく一晩中思い悩んでいました。うーん。スタンダード次元で成長して、塾長やママに背中を押されて、柚子からエールも送られたのに、ここに来てまた「エンタメとは何か」になってしまうのか?もう1回メインテーマに向き合い直すのか?今?
問題は膨らむばかり
そして今回のイッキ見最終話となったのは、遊矢とデュエルチェイサー227のデュエル。デュエルチェイサー227はシンクロ次元編の最初にユーゴにやられた男。ユーゴに負けて「彼はもう終わりですね」とポイ捨てされ、コモンズ堕ちして腐っていましたが、長官直々にチャンスを与えられこの大会に参加したようです。
ここで遊矢はデュエルの前に、まるでシンジのように演説を開始。この大会に負け人間は強制労働させられるんだぞ!おかしいじゃないか!と訴えますが、「それの何がいけないのかな?」と一蹴されます。うーんこの民度。とはいえ、デュエルが始まる前からいきなり政治運動をしてきて、なおかつジャックにボコられた姿を見られた後にこれをやっているわけですから、民衆の心を動かさないのも当然です。ジャックに「独りよがりだ」と批判されたことを理解できていません。
デュエルが開始すると、遊矢は本当にこれで勝っていいのかと迷いが生じ、このまま攻めれば勝てるというところでとどめを刺しに行けず、227にアクションマジックを拾われてリーサルを逃し一転してピンチに陥ります。
観客から心無い言葉を投げられ、怒りのボルテージが上がった遊矢は覚醒。新たな力、オッドアイズ・セイヴァー・ドラゴンを出して逆転。力で227をねじ伏せて勝利します。相手や観客を楽しませることもなく、迷った挙げ句に力で勝つデュエルをしてしまいましたが、結果的に観客は大盛りあがり。
最後の最後、227が拾った「回避」を「ノーアクション」で潰して勝利するという、今まで自分が築き上げてきたスタイルの否定。柚子にも困惑され、227は担架で連行。遊矢はこんなはずじゃなかったと苦悩します。非常に後味の悪い話で今週のイッキ見は終わりました。
スタンダード次元で答えが見えたように思えたエンタメデュエルがまたわからなくなり、山積みの問題に加えて解決したはずの問題が逆戻り。1試合1試合しっかり描かれる大会のペースといい、もう既に諸々の問題をまとめていかないと時間が足りなくなりそうな気配が漂ってまいりました。これ、どうまとめるの?ちゃんと着地点決まってるの?
和気藹々としたエンディングに対して、本編はずーっとランサーズのみんながバラバラで、軟禁状態で全く絆も深まらないのもかなりしんどいですね。なぁ、本当にこの大会やってていいのか?大会のせいでめちゃくちゃ尺圧迫してる上に本筋も進んでないように見えるんだけど……。フォーチュンカップのオマージュってだけで大会編やってないよね?
エンジョイ長次郎のデュエルなど単発では光る所があるんですが、ストーリー全体を見ると「大丈夫か?」と思わされる部分がかなり増えてきました。率直に言うと「難しいことやりすぎ」。ハードモードへの挑戦みたいな、創作の上で調理が難しいことをこれでもかと詰め込んだ状態で、フライパンからはちょっと焦げ臭い匂いが。
まだ折り返し地点にも届いていないこの話数でこれですから、ここから要素が増えていくとマジで収集つかなそうです。でもエクシーズ次元と融合次元の話もあるんだよね?やばくない?大会やってる暇無くない?格差社会がどうのこうのしてる余裕無くない?そもそも社会問題を綺麗に解決できるの?
ここまでは割と純粋に楽しめる部分も多かったARC-Vですが、段々と最初の怖いもの見たさなな気持ちが蘇ってきました。ノイズになるものが増えてきたというか、後ろに控えているデカい問題がチラついて集中できない感じ。
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