久しぶりにグランド・セフト・オート3のTAS動画を見て、懐かしいと同時にストーリーの復習をしたくなったのでメモ。あくまで本筋に関わることしか書いてないので、ミッションの流れを全て網羅しているとかじゃないですよ。
オープニング
コロンビアン・カルテルのメンバーで銀行強盗。しかし、逃走の最中にリーダーのカタリーナが裏切り、クロード・スピードを囮にして逃げる(この時、逃走メンバーが持ってきた車が二人乗りのBansheeで、クロードの他にもう一人いた実行犯もカタリーナに撃たれているため、計画の段階でカタリーナが儲けを独り占めするのは決まっていたっぽい)。
有罪判決を受け、市刑務所への護送中、クロードら重犯罪者を乗せたバンをコロンビアン・カルテルが襲撃。一緒に居た東洋の老人を連れ去る。混乱に乗じてクロードと8ボールが逃げようとしたところ、コロンビアン・カルテルが逃走用に置いていった爆弾が爆発。キャラハン橋は爆破され、ポートランドが分断される。
ポートランド編
8ボールに誘われ、クロードはマフィア(レオーネファミリー)のルイージ・ゴトレーリと出会う。ここで新たな仕事と隠れ家を得る(クロードは重犯罪者で、カタリーナと共に数年間カルテルのメンバーとして悪さをしてきたはずだけど、他の組織にクロードの情報は入っていなかったのだろうか)。
ディアブロ、トライアド、フォレッリとの抗争を経て、クロードはマフィアの幹部らから厚い信頼を得る。そして、会合へ向かうリムジンの運転手という大役もこなし、ボスのサルバトーレ・レオーネからも個人的な仕事を受けるようになる。
違法薬物「スパンク」を製造し、巨大な儲けを得ているカルテル。彼らにこちらの動きが筒抜けであると知ったサルバトーレは、裏切り者がルイージの店で働くバーテンダー、カーリー・ボブではないかと疑う。クロードはカーリーを尾行し、カタリーナからスパンクを受け取りマフィアの情報を横流しする彼の姿を目撃、始末する。
カルテルの資金源を断ち弱体化を図りたいサルバトーレは、クロードに「これが成功したらファミリーに入れてやる」と約束し、スパンク工場と化している港のタンカーを沈めるように指示する。クロードは8ボールと協力しタンカーを爆破、無事に仕事を務め上げる。
クロードが仕事をしている間、サルバトーレの愛人マリア・ラトーレは「クロードと自分がデキている」と噓をつき、サルバトーレを激怒させる。裏切られたと感じたサルバトーレはクロードをカルテルに売り罠に嵌めようとするが、間一髪のところでマリアがクロードのポケベルにメッセージを入れる。マリアの言葉に従い南の桟橋に向かったクロードは、ヤクザの組長であるアスカ・カサイの協力を得てストートン島へ逃げ込む(ここでキャラハン橋の修理が完了し、ポートランドとストートン島が繋がる)。
ストートン島編
マフィアに追われる身となったクロードは、自身を助けたアスカに忠義を示すため、サルバトーレの暗殺を遂行。これでヤクザの元で働くことになり、アスカの兄であり若頭であるケンジ・カサイからも仕事を受けるようになる。
カルテルの力は強大で、マフィアだけでなくヤクザも手を焼いていた。カルテルは更にヤーディーズとも協力しようと考えており、これを阻止したいと考えたケンジは両者の会合を邪魔するようクロードに指示。ヤーディーズに扮したクロードとヤクザのメンバーにより会合は失敗に終わる(ストートン島ではサブミッションでヤーディーズのキング・コートニーから仕事を受けられるけど、最後はスパンク漬けのヤク中に襲われるミッションで終わる。カルテルとヤーディーズが手を組んでいたということは、このミッションもヤーディーズと繋がっていたカタリーナが裏で指示したものだろうか)。
アスカの紹介で、犯罪組織に情報を流す悪徳警官、レイ・マショウスキーと出会う。そして、レイを通じて資産家のドナルド・ラブの手助けをすることになる。人食パーティーの証拠を検察に握られ困っていたドナルドだが、クロードがその証拠を燃やしたことで窮地を脱する(LCSから3年、随分と落ち着いた男性になったもんだドナルド)。
ドナルドの依頼で、カルテルに連れ去られた取引相手の老人を助け出すことに(オープニングで連れ去られていたあの老人である)。カルテルはドナルドに多額の身代金を要求しており、これ以上付き合いきれないと判断したドナルドはクロードに「手段は問わない」と、全てを任せることに。クロードはカルテルのメンバーを装ってアジトへ潜入、老人を助け出す(仕事を依頼するとき、「君は報酬に見合った働きをする男だ。強欲なマフィアよりな」と言っているけど、散々助けてもらったトニーとの関係はどうした)。
ギャング同士の縄張り争いをビジネスに生かしたいと考えているドナルドは、ヤクザとカルテルの抗争に目をつける。そして、ケンジを始末することでこの抗争を激化させようと考えた。クロードはドナルドの指示通りカルテルのメンバーに成りすまし、会合を行っている途中のケンジを始末、ヤクザとカルテルの敵対は更に激しくなる(ミッション開始時に「地価を下げるにはギャングの抗争が一番だ。疫病も効果的だが、大げさすぎるな」と言っているけど、完全にエイブリー・キャリントンの受け売り。ドナルドのミッションは今見るとGTAファンが喜ぶポイントが沢山だ)。
違法な荷物を海外から輸入したドナルド。しかし、違法であるがゆえに正規な方法で手元に届けることができず、飛行機に載せた荷物を海に落とし、それをボートで拾い上げる方法を採ることにした。その荷物を拾ったクロードはFBIに追われるものの、無事にドナルドの元へ荷物を届けることに成功する。
ショアサイド・ベイル編
荷物を無事に届けたクロードだったが、その荷物は実は囮で、本当の荷物は飛行機に積まれたままだった。その荷物を回収するためにフランシス国際空港の格納庫エリアに向かったクロードは、そこでカルテルからの襲撃を受ける。飛行機の中にあるはずの荷物は無く、格納庫の近くにあったのはパンランティック建設のバン。現場の状況から、荷物はカルテルが回収し、それをパンランティック建設が管理する建設現場に移したのではないかと推理したクロードは、早速現場に向かう。
現場を見張るカルテルのメンバーを退け、クロードはカタリーナとミゲールに出くわす。窮地に陥ったカタリーナはミゲールを裏切り逃亡。そこにアスカが合流し、ケンジを殺され怒り狂っているアスカは、カルテルの情報を聞き出すためにミゲールへの尋問を開始。クロードは荷物をドナルドに届け、カルテルとの戦争に備える(このミッションの開始時点でショアサイド・ベイルへの可動橋の工事が終わり、ストートン島とショアサイド・ベイルが繋がる)。
ミゲールから情報を聞き出したアスカの策略により、多くの作戦を邪魔されたカタリーナは、アスカとミゲールを始末。更にマリアを誘拐し、身代金50万ドルをクロードに要求する。クロードはカタリーナの要求に応え、50万ドルを用意してカルテルの本拠地に乗り込む。そこで罠に嵌められたが、機転を利かせアジトから脱出。マリアが連れ去られたコクランダムへ向かい、カタリーナの乗ったヘリコプターを撃墜。復讐を終えたクロードはマリアと共にダムから立ち去りEND(最後にマリアの言葉を遮るように銃声が鳴りましたが、ここでマリアを殺したのかは謎。どっちでもいいっちゃ、どっちでもいいんだけど)。
あとがき
カタリーナへの復讐がしたいということで、そのことでは一貫している主人公、クロード・スピード。しかし、復讐とお金のためならなんでもやりまっせという根無し草っぷりはかなり恐ろしい。そして、何でもできてしまう仕事ぶりであっという間に他者の信頼を掴んでしまう有能さもまた恐ろしい。無口な性格も相まって、ロボットのような無機質さを感じさせる主人公でした。そんなクロードが、最後の最後にイラっときたのか、マリアを黙らせるために一発ぶちかましたと考えるとちょっと面白い。クロードが感情を見せてくれる(見えてないけど)貴重なワンシーンかもしれませんね。
こうしてまとめてみると、ストーリーの中で実はドナルドの存在がかなり大きかったのが分かりますね。カルテルが身代金目的でご老人を誘拐したからクロードは逃げることができて、ケンジが死んだことでアスカはカルテルへの復讐を考え、ドナルドが輸入した荷物がクロードとカタリーナを引き合わせて……最初から最後まで、クロードの復讐劇にはドナルドが関わっていました。ある意味、クロードにとって最も都合の良い雇い主だったのかもしれません。金払いは良いし、難癖もつけてこないし。まぁ、FBIやらSWATに追われたり、仕事はハードですが。
暴力ゲームとしての側面ばかり強調されるGTA。でも、こんな風に映画を見るような視点で楽しむこともできるんですよ、と。ということで、GTA3だけじゃなく、世界観を共有するPS2版GTAは一度全部ストーリーをまとめてみようかなと思います。
↑いつ見ても面白い魔界搭士さんのTAS動画。この人のTASは早いだけじゃなく魅せ方が上手いので、動画としてのエンタメ性が極上。
ストーリーの年表
GTA VCS(1984年)→GTA VC(1986年)→GTA SA(1992年)→GTA LCS(1998年)→GTA3(2001年)