夢にまで見たSF世界のようにスーパーダイナミックなスーパーカー。かっこよく、セクシーで、バウサックの新年会よりスピードがあります。レジェンダリー・モータースポーツで好評販売中。
(ロード画面での解説)
トルクが売りのオーバーフロッド ゼーノは2つの世界記録を持っています。1つは高人口密度エリアでの最高速度で、もう1つは世界記録を破るための挑戦後の入院率の高さです。あらゆる意味で真の野心家向けの車だと言えるでしょう。
(Legendary Motorsportでの解説)
「契約」アップデートで追加されたゼーノ。誰よりも速く、誰よりも目立てれば何でもいい人のために作られたハイパーカーです。疑惑付きでも気にしない1台を見ていきましょう。
車両データ
メーカー:オーバーフロッド(Överflöd)
名称:ゼーノ(Zeno)
分類:スーパーカー
駆動方式:MR
乗車定員:2人
購入価格:$2,820,000
モデル車の考察
モデルはSSC トゥアタラですかね。ケーニグセグ アゲーラが持っていた量産車における最高速度記録を更新したことで有名になったハイパーカーです。通販サイトでの解説文もその辺を意識した内容になっていますね。なお、この最高速度記録更新は色々と怪しいものだったのですが、それについては下のモデル車の話で。
トゥアタラのメーカーであるSSC north americaことシェルビー・スーパーカーズは、アメリカのワシントン州を拠点とするスーパーカーメーカー(コブラとかで有名なシェルビー・アメリカンとは関係ないよ)。ケービグセグとは関係ない、というかむしろ最高速度記録更新で因縁すらありそうなメーカーですが、ゼーノはオーバーフロッド製となっていて、やはり「小規模メーカーの高級車はオーバーフロッド製にしとけ」という意思を感じます。そのおかげでどんどんオーバーフロッドの規模が大きくなっているような……
走行性能
スペック自体は高いものの癖が強い走りなのでまずは乗りこなすところから。走り方が分かれば高速コースで速く楽しく走れることでしょう。
加速性能は中々。発進から低速まではまずまずといった加速具合ですが、中速域からグイッと前に引っ張られるかのような強烈な加速感があります。最高速も高めで、モデル通りにロングストレートで強いマシンでしょう。
ハンドリング面は良い悪いを抜きにしても結構癖があり、ステアリングを切ってから一拍おいて車体の向きが変わっていき、やがて急激にインに巻き込まれていくような曲がり方をします。速度域が上がるほどこの傾向は強くなり、高速域でのコーナリングやスラロームだとこのマイペースな曲がり方にこちらが合わせていかないといけません。
また、ダウンフォースが効いているため高速域ではベッタリと地面に張り付きつつもグリップ力自体はそれほど無いようで、ダウンフォースが抜ける低中速域では割と簡単にリアがスライドします。ブレーキの効きが良く、よく止まるのものもある意味罠。なので、この車の独特なハンドリングに合わせつつ速度を殺さないベストラインを通り続けるような走りができればかなり速いし、そうでないとステアリングの反応が鈍いわ滑るわでまるで言うことを聞かないマシンとなるでしょう。
サスペンションを変えて車高を下げるとハンドリングの反応が良くなる代わりに車体がより滑りやすくなります。たたでさえ低めの安定感が更に無くなってピーキー一直線なので、自信のある人以外は車高を下げないことをオススメします。
最後に、この車には走行を困難にさせる致命的なバグがあることを書いておかないといけません。改造時、「ミラー」の項目で純正あるいはミラー無し以外のパーツを装備すると、走行中に謎の当たり判定によって突然車体が跳ねて横転します。
何が起きているかというと、ミラーを変更するとドアを閉めても左側のドアだけ開けっ放し状態の判定になってしまい、その見えないドアが段差や障害物に当たるからです。意味不明ですが、ともかくバグが修正されるまではミラーに手を出さない方が身のためです。また、一度ミラーを変更するとミラーを純正か無しに変更してもバグは残っています。その場合は一度左側のドアを開け締めすれば判定は元に戻るのでご安心を。
カスタマイズ
まるでコンセプトカーのような派手なパーツが揃っていて、フルエアロで武装するとかなり厳つい造形にすることも可能。とはいえ、あまり色々付けすぎると美しさの欠片もない雰囲気になってしまうので注意。
エアロ類で特に目を引くのはスカート。サイドラインにカナードを装備することができるんですが、カナードの付き方がT字カミソリにしか見えない笑。近づいただけでスパッと切られそうで恐ろしいですね。
スポイラーはモデルのトゥアタラっぽいものやいかにもスーパーカーっぽいスポイラーなどが用意されています。バンパーはフロントもリアもカナードやディフューザーがゴテゴテと付いたものが用意されていて、やはりどれも派手。そしてどれもカクカクしたデザインで「板!」という感じですね。殺傷力高そうなエアロばっかりです。
他にもルーフやボンネット、不具合のあるミラーなど一通りの外装パーツが用意されていますが、ほぼ全てのパーツにサブカラーとカーボンの差分が用意されています。また、純正ホイールは一部サブカラーの適用範囲になっているので、カラーリングで個性を出しやすいかと思われます。
ボディーペイントはシンプルなストライプ柄と企業ペイントが半々。企業ペイントは競技車両風に見えそうで見えないちょっと半端なデザインのものが多く、もうちょっとパンチのあるデザインでもよかった気もします。
感想
疑惑の記録更新をした車をモデルにし、自身はまともに走れなくなる不具合を抱えた車としてデビューするという、人間の都合に振り回されたなんとも悲しい1台です。車側に非があるわけじゃないのに悪評ばっかりでかわいそう。
それはそれとして、ゼーノが買いたくなるような車かというと「うーん」って感じですかね笑。不具合を差し引いてもあんまり個性のないルックスだし、走りは癖強いし、カスタマイズ面もイロモノっぽいパーツが多くてそんなに……それでいてテザラクトの次に高い280万ドルってのはちょっと高すぎるかなと。何かしら良い意味で強烈な個性を持っていないと、気持ちよくこの額を出すことは出来ませんね。
モデル車について
SSC トゥアタラ
2010年、シェルビー・スーパーカーズ(現:SSC north america)はアルティメットエアロの後継車を作ることを発表。翌年には「SSC Ultimate Aero TT II」の仮称で呼ばれていた車に「トゥアタラ(Tuatara)」の正式名称を付け、モーターショーなどでモックアップ展示を行った。
Tuataraとはニュージーランドに生息するムカシトカゲの現地での呼称であり、マオリ語で「Peaks on the back(背中の棘)」を意味する。ムカシトカゲは生物の中で最も急速に進化する遺伝子を持っており、アルティメットエアロから急速に進化したマシンであることと、背中に棘が生えたようなエアロダイナミクスを持つことから命名された。
当初の予定では2013年からデリバリーを開始するはずが、資金難に陥り2019年になってようやく販売を開始できたトゥアタラは、苦労の甲斐あってとんでもないモンスターマシンに仕上がっていた。1247kgの車体に1350hpのエンジンを持ち、2020年にラスベガスで行われた記録会では、プロドライバーのオリバー・ウェブの運転によって301.07mph(484.53km/h)と331.15mph(532.93km/h)を記録。正式な記録は同じ道の往路と復路の平均値が用いられ316.11mph(508.73km/h)となり、ケービグセグ アゲーラが持っていた平均447.19km/hを大幅に更新して量産車最速の座を手に入れた。
しかしこの記録には疑惑があった。走行中の様子を捉えた動画を見たユーザーたちは「アゲーラより遅く見える」と指摘し、SSCは「動画の編集に問題があった」と解答。記録証明のためのGPSデータもなぜか見つからなかったため、翌年の1月にケネディ宇宙センターのジョニー・ボーマー試験場で改めてチャレンジを行うことに。ドライバーは歯科医でスーパーカーコレクターのラリー・カプリン博士が担当する。
結果、トゥアタラは往路450.1km/h、復路460.4km/h、平均455.3km/hで改めてアゲーラの記録を追い抜く。GPS速度追跡機器メーカーのRacelogic立ち会いの元で計測されたため、この記録に不備はない。それでも、前年に発表された記録には程遠い速度であり、なぜ前回と同じ条件で走らなかったのか、なぜ前回のGPSデータは見つからなかったのかは未だ不明のままである。
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