雑記

【ネタバレ有り感想】サマータイムレンダを観た!

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2023年も終わりに近づき、クリスマスがやってくる冬。作業用に何か見るものはないかとアマゾンのプライムビデオを適当に漁っていた時、あと数日で配信が終了する作品の欄がありました。その中にあったのがこの「サマータイムレンダ」。どこかで“良い作品”と言われていたのを見た気がする、でも実際に視聴するところまでは行っていなかったこの作品を、気まぐれに見てみました。

気づけば、一日で12話まで視聴完了。次の日のクリスマスイブ、齧り付きになって最終話まで見届け、自分はボロボロに涙を溢しながら視聴を終えました。自分はあまり涙もろい方ではなく、ここ数年でアニメ作品で泣いたのなんてウマ娘2期と暗殺教室くらいしかないような人間なのですが、この作品は4話で既に涙が零れ落ち、最終話では完全に決壊してしまいました。ここまで深く刺さる作品になるとは、今年の終わりに良いものを見ることが出来てよかったです(夏に見りゃよかった!ってのは置いといて)。

というわけで、熱が冷めぬ内に感想を書いていきます。ネタバレは有りますが、序盤の内容のみ鮮明にして後半の内容はぼんやりとしか言及していないので、視聴済みの人は「あ〜、あの事ね」と分かるし未視聴の人は「どういうこと!?」と興味を持ってもらえるように書いてます。1人でも多くの人がこの記事を見てサマータイムレンダに手を出したり、感想を共有してくれれば幸いです。



やり直したいことはありますか

2018年7月22日。網代慎平は幼馴染・小舟潮の訃報を聞き、葬儀に参列するために2年ぶりに生まれ育った故郷・日都ヶ島(ひとがしま)に戻る。 潮は海の事故で亡くなったと聞いていたが、居合わせた親友の話では潮の死には不可解な点があり、他殺の可能性が浮上する。 その背後に見え隠れするのは、日都ヶ島に昔から伝わる「影」の存在。

『「影」を見た者は死ぬ』──。

翌日、突如として島民一家が姿を消した。

幼馴染が死んで故郷に帰ってきたという主人公。初っ端から巨乳のお姉さんの胸に飛び込んだり、もう1人の幼馴染がパンツを見せながら海に飛び込んだりで「大丈夫かコレ……」と思いながらの始まりでしたが、開始5分で流れたOP(マカロニえんぴつ/星が泳ぐ)を見て「いや、これは見続けるべきだ」と心を新たにしました。

夏を感じさせる爽やかさと、夏の終わりを感じさせる切なさが入り混じったメロディに、ミステリーな雰囲気を漂わせる映像。映像の最後は主人公である慎平の覚悟を決めた姿。一発で引き込まれました。

そして色々な伏線をバラ撒きつつ、主人公が死ぬというショッキングな終わり方でED(cadode/回夏)に入り、僕はまた目を見開きました。

耳を澄ませるだけで、いつかの夏休みの想い出が蘇ってきそうな空気感と、そこに数滴の恐怖と謎が滲むような一曲。OPとEDが雄弁に「サマータイムレンダとはこういう作品である」と語ってくれて、それがあまりに自分の琴線に触れたことで、僕は1話で「この作品を最終話まで見なければいけない」と決意しました。

「死んだら時が戻っていた」と気付き、どうにかしようともがいてみる慎平。しかし謎を明かすためのピースが全く足りておらず、何者かに翻弄されるままにまた夏祭りを迎えたその時、死んだはずの潮がそこに居ました。

1・2話に続き衝撃的な終わり方をした3話から、4話の冒頭でもう自分は涙を堪えられなくなっていました。自分はロマンチストなので、ウシオを見た瞬間に「潮の影かもしれない」という推測は吹き飛び、「潮が実は生きていたんだ」と思ってしまいました。

<死んだ人間は戻ってこない>

この世の絶対的なルールです。葬式のシーンでそれを何度も思い知らせ、更に彼女は誰かに殺された可能性があるという。慎平がタイムリープしてもタイムリープ以前の時間で確定してしまった悲劇、それをひっくり返せる可能性が提示されただけで感情が溢れてしまったのは、この作品の雰囲気作りが秀逸だったからだと思います。OP・ED含め、そこまでで「取り返しがつかないあの夏」を強くイメージさせられていたので、そこに一つの希望が提示されたことで、僕はすぐさま希望に飛びついてしまいました。

この「影」という存在が登場人物たちを狂わせていたので、ある意味自分のこの感受性はサマータイムレンダの世界に入り込むのに最適だったのかもしれません。影とタイムリープが提示する「やり直せるかもしれない」「やっぱりやり直せない」の押し引きは、とてもダイレクトに心を揺さぶってきました。全編通して、影がもたらす絶望と希望が強烈に描かれていましたね。

報われてほしいから

ここから全編通して、潮(及びウシオ)というキャラクターは希望の象徴であり続けました。彼女が居るだけで場面がパッと明るくなり何とかなるような気がしてくるし、彼女が傷ついたり離脱したりすると何も打つ手なしな気がしてくるし。誰もが彼女を気にせずには居られない、そんなパワーを持つ女の子でした。

ウシオが現れ、物語は一気に加速していきます。南雲竜之介との協力を取りつけ、何故かタイムリープについてきたウシオと一緒に謎を少しずつ解いていきます。ここから謎が解き明かされていく面白さ、敵の尻尾を掴んでいく希望、そしてあっさりと逆転される絶望の連続で、もうアニメを視聴するのが止められなくなっていました。あと1話、もう1話、気づけば作業なんて忘れて見入ってしまいました。

特にこの作品を見る原動力となったのが、登場人物たちへの「報われる瞬間を見たい」その一心でした。タイムリープが始まる前、確定してしまった悲劇とその前のシーンが出てくる度、胸が締め付けられました。1期OP曲の歌詞の一節、「守らせてくれよ一度くらい」が何度頭に鳴り響いたことか。

潮は底抜けに明るい子で、しおりちゃんはとても勝ち気でマセた女の子で、他の島民たちも優しい人達で……そんな人達が策略により命を落とし、死後も冒涜される姿を見て、早くこの人達が報われてほしい一心で作品を見続けました。

ミステリー部分も面白かったですが、自分が一番楽しんでいたのはこういったキャラクターの見せ方の部分でしょうか。死者の情報が増えれば増えるほど愛着が湧く、でももうこの人達は死んでしまっていて取り返しがつかない、でも影があるならどうにかならないか、とグルグル思考を繰り返してしまいました。こうした切なさの演出がすごく引き込まれる作品でしたね。

なので、全てがハッピーで終わったエンディングで本当に良かった良かったと拍手してしまいました。最後の丸々一話がエピローグに使われ、島民たちの平和な日常生活が一つ一つ描写される度に涙が溢れました。あの人が生きてる、あの人も、あの人も。

取り返しがつかないはずだった全てのことが、慎平が諦めなかったことでひっくり返る。ずっと息苦しかった物語から解放され、最後は清々しい気持ちで見終えることができてよかったです。最後に報われると信じているから、絶望の連続に耐えられるんです。最後の慎平と潮のシーンは、これ以上無いご褒美でした。

っていうかね、敵が強すぎ。身体能力で圧倒的に勝っててコピー能力も持ってる癖に、早々に主人公のタイムリープを看破して自分たちもタイムリープし始めるのは反則でしょ。情報アドバンテージを簡単にひっくり返してくるし、逆転されてもすぐに対応して逆転し返してくるのが怖い。本当に強くて怖くて鬱陶しくて気持ち悪くて、良い敵でした。何度希望を掴んでも絶望させてくる敵が居たからこそ、最後の大逆転のカタルシスが凄かったです。タイムリープもので敵までタイムリープしてくるってのが凄い構成だよね。



みんなの感想と

全て見終えた後、ネットの感想を少し見てみました。そうしたら案外賛否両論で、「俺は大好きだけどなぁ」と思いつつ、冷静になると否が出るのもそれなりに分かるところはありました笑。

序盤はかなりミステリー色が強かったですが、途中からは思いの外バトル要素が強まってきたのは少し驚きました。自分はぼんやりと「少年漫画になったひぐらしみたいなもんかな」という認識で見ていたので割とすんなり受け入れられましたが、ミステリーやSFサスペンスを求めて見た人はバトル展開がクドく感じるでしょうし、バトルが好きな人はミステリーが退屈に感じるでしょうし、そういった好みのハッキリしている視聴者層からは好みと合わない部分で評価が下がるのも無理はないと思います。

結構この作品は色んなジャンルがごった煮というか、SFだしサスペンスだしミステリーだしホラーだしバトルだしラブストーリーだし、1つのジャンルに定義するのが難しいですよね。全部が上手く混ざり合っていると思う人も居れば、全部が中途半端だと思う人も居て。そして諸々を展開とキャラクターの勢いで何とかする週刊連載漫画っぽさもあり、「タイムリープもの」というのはハッキリしているんですが、それ以外にこの作品をどうまとめて表現するかは意外と難儀しますね。複雑なようで分かりやすい、分かりやすいようで複雑……色んな見え方がある作品だと思います。

あとはまぁ、アニメでの和歌山弁のイントネーションとか、「俯瞰」などのワードがキャッチーに使われる子供っぽさとか、色々。自分は関東の人間で和歌山弁の正しいイントネーションを知らないので全く違和感が無いどころか「方言いいなぁ」くらいに思ってましたが、その辺の地方の人は結構ノイズになったかもしれません。ただ、制作の人たちはかなりイントネーションに気を遣っていたという話も聞きますし、結局地元民でない自分には何が正解なのか分かりません笑。

自分は勢い重視で色々無視して楽しめるエンタメ重視の人間なので深いこと考えずに楽しく視聴できましたが、そんな自分でも2期のOPはちょっとイマイチでした。後半はバトルが多かったのでその雰囲気に合わせたんだと思いますが、とはいえ明るすぎるというか、サマータイムレンダの良い複雑性を吹き飛ばして熱さだけの部分を抜き出してしまったような感じがしました。

自分はサスペンス要素のある少年漫画だとジョジョの4部が大好きな人間で、4部アニメのOP全部が好きなんですけど、個人的にはその2・3期OP曲のような一曲が欲しかったなぁと。熱さはあるけど同時に不気味さだったり焦燥感があったりで、一筋縄ではいかないような曲の方が合っていたように思います。最終決戦という熱さのピークにはあの曲で合ってたんですけど、そこまでの誰が犠牲になるか分からない緊張感ある戦いとはちょっと違うなぁ、という感じで。OP曲ではなく劇中歌だったらまた違うように感じたかもしれません。

あまりに短い夏だけで、何を残していけるのかな

なにはともあれ、僕はサマータイムレンダが大好きです。これまでの人生の中でも「忘れられない一作」に数えられる作品でした。

僕はボーイミーツガールが大好物な人間なんですが、慎平と潮のカップリングは最高で、この2人の幸せそうな姿が見られたので100億点くらいの評価です。覚悟が決まった慎平はどんどんカッコよくなっていくし、ウシオはどこまでも健気で元気だし、この2人の関係性が絶望的な展開の中での救いでした。この2人が関わる度に胸キュンです。そりゃもうキュンキュンです。澪との関係もしっかり決着をつけたところもキュンキュンです。気ぶりが止まんねぇよ。

アニメはDisney+での独占配信となったため当時はあまり盛り上がりが広がらなかったそうですが、その代償としてとてもクオリティーの高いアニメになったと思うので、自分はタイムラグがあったもののこうしてアマプラで見られてよかったです。もうあと数日しかありませんが、この記事を見て興味を持った人は是非自分のように慎平くんと潮ちゃんに会いに行ってほしいなと思います。日都ヶ島最高のカップルに乾杯。

(慎平と別れてからずっとこんな気持ちだったんだろうな〜という2期ED曲「りりあ。/失恋ソング沢山聴いて 泣いてばかりの私はもう。」と、公式PV。素晴らしいものをありがとう。)



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