市場で唯一、筋力増強のゴールデンタイムを無駄にしなかったヘビー級の四駆を紹介します。この車をドーピング検査すれば、採取した尿がコップを溶かすでしょう。しかし、幸運なことに、アーマープレートやスリック地雷は厳密には性能を強化させるための増強剤とは見なされません。全てあなたのものです。エージェンシーのワークショップでイマニ・テックのアップグレードが可能。
(Southern San Andreas Super Autosでの解説)
「チョップ・ショップ」アップデートで追加されたターミナス。メサは聖地での修業を終え、こんなに逞しく育って帰ってきました。一度乗れば後戻りはできない1台を見ていきましょう。
車両データ
メーカー:カニス(Canis)
名称:ターミナス(Terminus)=終点(英語)
分類:オフロード
駆動方式:AWD
乗車定員:4人
購入価格:$1,877,500
モデル車の考察
モデルはジープ ラングラー ルビコン(JL型)ですかね。モデルのルビコンと比べると全体的に近未来感のあるデザインになっていて、ホイールなんかはフォード ブロンコ アウターバンクス、テールライトはコンセプトカーのマヒンドラ タール ビジョンあたりの要素が入っていそうです。
ルビコンはジープ ラングラーの最上級グレードで、車名の由来はアメリカのシエラネバダ山脈(ネバダ州)からタホ湖(カリフォルニア州)に至る「ルビコントレイル」から来ています。ルビコントレイルは全長約35kmの花崗岩の道で、悪路を通り越して岩の崖を進んでいるようなこのコースは、オフロード車にとってのニュルブルクリンクと言える「聖地」になっています。そんなコースを踏破した最上級グレードにルビコンの名を与えているわけですね。
さて、ルビコンと言えばもう一つ有名なのがイタリアにあるルビコン川。ユリウス・カエサルがイタリアの国境であったルビコン川を渡り、「賽は投げられた」と言い放ったエピソードがある場所ですね。軍を率いて国境を超える行為は国家に対する宣戦布告と同義であり、「後戻りできない地点を通過する」という意味で「ルビコン川を渡る(Crossing the Rubicon)」の慣用句も生まれました。
Terminusは「終点、末端」などを意味する単語なので、「ルビコントレイル=ルビコン川を渡る=Terminusを越える」といった言葉遊びでこの車にTerminusの名前を付けたのではないか、という説があります。ルビコンの名前からこうやって色々膨らませて単語を結びつけていたとしたら面白いですね。
他に面白そうな元ネタ探しで行くと、ジープをモデルにしたこの車にマヒンドラっぽい要素が入っていること。ジープとマヒンドラはパクリ問題で裁判になったことがあり、2018年にマヒンドラの非公道車であるロクサーがアメリカでの販売を目指したところ、伝統的なジープのデザインに似過ぎだとフィアットクライスラーオートモービルズに怒られました。
マヒンドラは「グリルがジープと違うし、このデザインでフィアットに承認も取れている」と主張したものの、国際貿易委員会は、ロクサーがフィアットクライスラーの商標を侵害していないものの、トレードドレス(消費者の目から見てその出所を区別する製品の外観を指す用語)を侵害していると判断し、ロクサーの部品の輸入と販売の停止を勧告しました。
そして、マヒンドラがデザインを大きく変えた2020年モデルを出すと、今度はトレードドレスを侵害していないとしてロクサーの販売が許可されました。ロックスターのことなので、この一件を踏まえて「ジープがモデルの車にマヒンドラの要素入れちゃお」と思っても不思議ではないです笑。
ジープ ラングラーと言えば今作では先代をモデルにしたメサが登場していて、ターミナスはメサの後継機の最上位グレードにあたる車でしょうか。造形は似ていますが見た目も中身も10年の進化を感じさせますね。
余談ですが、MOTOMAMI Los Santosで流れるChucky73の「Dominicana」のMVでは、この型のジープ ラングラーが使われています。このラングラーはルビコンではなく、街乗りを重視したグレードの「サハラ」ですが、結構オフローダーなカスタムがされているのでターミナスでそれっぽく再現することもできます。MVもGTAっぽい享楽的な雰囲気があるので、ビーチ周辺をターミナスで走れば「Dominicana」の雰囲気を再現して楽しめるかもしれません。残念ながらトゥワークしてくれるお姉さんまでは再現できません笑。
走行性能
かなりの高性能で、オフロード車と言いつつスポーツカー並みの速さと走りやすさを持っている車ですね。新たな怪物オフローダーの登場です。
加速性能は非常に良く、発進からあっという間に速度が乗っていきます。ホイールスピンを知らないかのように地面をガッチリと掴むトラクションで、どんな路面でもかっ飛んでいけます。最高速はオフローダーであることを考えるとかなり良い方。
ハンドリング面も優秀で、ステアリングを切るとスポーツカーのように軽やかなレスポンスで動いてくれます。ブレーキの効きも良く、コーナーを攻めて楽しむことができます。ステアリングを切りながらブレーキを踏むと前荷重でリアがブレイクしますが、アクセルオンでアンダーを出せるのでオーバーステアを打ち消すことができます。この特性を利用すれば自在に車体の向きを変えられるでしょう。
この車はスペアタイヤが他の車のリアスポイラーにあたるパーツなので、スペアタイヤを変えるとダウンフォースが向上します(なんで?)。ダウンフォースが良くなるとコーナリングでの安定感がグッと増し、ブレーキングでリアが崩れる現象もかなり抑えられてどの速度域でも攻めたコーナリングができるようになりますね。もう完全にコーナリングマシンです。
ボディーの強度は硬めで、ガンガンぶつけても凹みません。流石はルビコントレイルを走破したマシンです。オフロード遊びから自警団ごっこまで楽しく使わせてもらいましょう。
本業であるオフロード走行も文句なし。グラベルでのロスも感じませんし、サスペンションのショック吸収力が優れているのである程度の凸凹も問題なく乗り越えられます。ただ、重心は高いのでかなり頻繁に片輪走行になります。横転しない程度の片輪走行なので、頑張れば片輪走行しながら攻めた走りで良いタイムが出せます。オフロードを全力で攻めようと思うと元々の速さもありおっかないですが、操れた時は非常に楽しいです。
自分のタイムアタック記録
救急ドリフト 0:55.923、DiRT走行会コース 2:01.422
戦闘能力
エージェンシー内の乗り物ワークショップで様々な装備を付けることができます。ただ、以前登場した対応車両とは違いマシンガンが装備できないため、ほぼ攻撃力のないお遊び車両となります。
アーマープレートは車体の強化ができ、爆破系の攻撃を1発(中に人が乗っていればその倍)は耐えられるようになります。ただし簡易防弾ガラスは付かないので、爆破耐性に特化した仕様になります。
地雷はスリックが装備可能で、追手をツルンと滑らせることができます。仕事用に使うなら付けておくと役に立つかもしれませんね。まぁ、実用性に期待するより遊びで使うのが主な装備だと思いますが。なお地雷を付けるとパッシブ不可になるので注意。
「契約」アップデートで新登場のイマニ・テックでは面白い機能が2つあります。1つはミサイルのロックオンジャマーで、これを付けておけばフリーセッションでの移動がかなり安全になるでしょう。
もう1つはリモート操縦で、アクションメニューの「所持品」からラジコンと同じように車を操作できます。視点が一人称固定でカメラを動かすこともできない、壊れたら保険金を支払わないといけない点を除けば、仕様はラジコンと同じ。デフォルトで自爆機能があり、スリック地雷を装備していればそれも使用可能ということで、発想次第でいくらでも遊べそうなアイテムとなっています。イマニ・テックの装備は1つしか付けられないので、自分の遊び方に合わせてどちらの装備を使うか選びましょう。
カスタマイズ
オフロードっぽいパーツが一通り揃っていてイイ感じ。大凡不足は感じさせないラインナップではないでしょうか。
フロントバンパーはグリルガードやフォグライトが付けられるものがあり、ジープっぽいフロントマスクをキープして味を出すことができます。リアバンパーはデザイン変更でナンバーの位置を右サイドにズラすことができるのがいいですね。
グリルは全てアイラインを入れてツリ目にするものとなっていて、どれも顔の雰囲気が一変しますね。とても可愛らしいですが、アイライン抜きのグリルも欲しかったかなと思います。グリルの形状は大きく穴開きのものとジープを思わせる縦ラインのものが用意されています。
ボンネットは中央部をカーボン、スカル柄、迷彩柄にするオプションに、シャベルなどを装着するものがあります。アーチカバーは色を変えたり、取り外したり、サイズを変えたりと必要なパーツが的確に揃えられています。
ドアは本格派のチューブドアが多数揃えられています。ルーフはオープンにしたり、荷台の形状を変えたりできるので、ドアとルーフを変えるとオフロード特化の雰囲気が出ます。スカートも乗降用のステップがいくつか用意されています。
フロントガラスアクセサリーでは、シュノーケルやライトバーを付けることができます。スペアホイールはタイヤカバーを付けたりホイールを取り外したりできますが、タイヤカバーが無地なのはちょっと味気ないかも。マフラーは純正以外ツイン化で、2本出しか4本出しか選べます。サスペンションは変えられませんが、車高を下げる車でないのでいいでしょう。
ペイントはサブカラーが純正だとグリルやフロントバンパーなどに適用されていて、スカートなどのパーツがサブカラー適用になっていますね。
ボディーペイントは全て現代的でおしゃれなものになっていて、迷彩柄、ストリートアート風、痛車などどれもスタイリッシュ。この車のモダンなデザインと合っていてどれもカッコいい反面、根本はジープなのでレトロなペイントや、シンプルな文字入れとかもあったらもっと良かったなと思ったり。
感想
メサの新型ということであらゆる部分が進化しているターミナス。高額なだけはある高性能で、カスタムパーツも現代オフローダーという感じで、とにかく「新しくて速いメサ!」なのが伝わってきます。イマ風なオフローダーを求めている人にはバッチリの車でしょう。
ただ、個人的には高性能すぎるのがあまり気に入りません。というか、高性能の方向性が「スポーツカー並みに軽快で速い」なのがオフローダーとして微妙なんですよね。だって、モデルのルビコンは「サーキット走らせて速いぜ!」ってタイプじゃないでしょう笑。ここまで速いとオフローダー感が逆に無くなってしまうので速さは程々にして、凸凹路面や大ジャンプでも全然乱れない強靭な足回りなんかでオフローダーらしい高性能さをアピールしてほしかったかなと自分は思います。
フォトギャラリー
関連コンテンツ
あなたの愛車を記事に載せませんか?→【GTAオンライン】衝撃!PS4版でエディターが使えなくなる!?〜当ブログに愛車の写真大募集!
同時期に実装された乗り物→【GTAオンライン】「チョップ・ショップ」アップデートの追加車両まとめ
イマニ・テック対応車→【GTAオンライン】物件まとめ「エージェンシー」
これまでのGTA5/GTAオンライン車レビューまとめはこちら