
搭載済み1960年代から1970年代をカウンターカルチャー時代の終わりであると大衆が嘆く中、グロッティの魔術師たちは、傑作スポーツカーを世に出すことこそが文化の調和をもたらすとわかっていました。スタイリッシュに高速を維持できるような、時代を超えてひとつの基準となるような一台です。アメリカのボヘミアン文化が死んだからなんだというのです?イタリアのレジェンドの誕生に比べれば、大したことではありません。
– ミサイルのロックオン・ジャマー利用可能(Legendary Motorsportでの解説)
「ヒルズの隠れ家」アップデートで追加されたGT750。未だに80年代を忘れられない中年男性にとって、夢そのものであったグラントゥーリズモがサンアンドレアスにようやく上陸しました。伝説を打ち立てた1台を見ていきましょう。
車両データ
メーカー:グロッティ(Grotti)
名称:GT750
分類:クラシックスポーツカー
駆動方式:FR
乗車定員:2人
購入価格:$1,247,000
モデル車の考察
モデルはフェラーリ 365GTB/4ですかね。通称「デイトナ」。特にレース仕様であるコンペティツィオーネがベースになっているようで、外されたバンパーや固定式ヘッドライトなどレーシーな印象を受けるビジュアルになっています。
GTAシリーズにおける365と言えば、バイスシティに出てきたStingerを思い出す人は多いはずです。バイスシティのStingerはスパイダー(オープンカー)の365GTS/4の方がモデルでした。バイスシティはアメリカのテレビドラマ「マイアミバイス」に強く影響を受けていて、マイアミバイスに出てきた365を出そうとなったのでしょう(作中でデイトナは“スティンガーミサイル”で破壊された)。
今作でのスティンガーは250GTをモデルとしていて、同じフェラーリのFRスポーツの系譜にある車でした。そして250GTのSWB(ショートホイールベース)をモデルとした車で、GT500が追加。
そしてGT500の後継機としてこのGT750がやってきました。GT500の次だからまた250の数字を足してGT750としたんでしょうが、過去作ファンとしてはこの車にスティンガーの名前を与えないのはありえん!と言いたくなってしまいます笑。なんで素直に過去作ネタ使わへんのや!
ボディーペイントの元ネタ
走行性能
これまでに登場してきたグロッティ製のクラシックスポーツカーたちと似たような性能で、安定感のある速さが売り。じゃじゃ馬感は全然ありません笑。
加速性能は高いです。トラクション性能も良く、本当は四駆なんじゃ?と思ってしまうしっかりとした地面の蹴り方。最高速もカテゴリー内で上位。
コーナリング面はほぼニュートラルの弱アンダーで安定していて、自分の操作感覚に追随する動きをするので走らせやすいです。サスペンションを変えて車高を下げると動きがハードになり路面のギャップの影響などを敏感に受けるようにはなりますが、その分切れ味の良い動きをするようになります。
スポイラーを付けてダウンフォースを向上させると元々高かった安定感が更に増して、中高速コーナーでは全く怖さを感じずにスイスイ曲がれるように。このブログでは毎回言ってますが、僕は旧車が走りやすいと逆に不満を持つ人間なのでここはあんまり評価していません笑。
ボディーの強度は普通。ぶつけるほど相応に凹んでいきますし、ある程度ボコボコにしたらエンジンから煙も吹き出します。古い車をあんまりしばき回さないように。
自分のタイムアタック記録
救急ドリフト 0:56.556
カスタマイズ
コンペティツィオーネがベースなので、全体的にレース仕様を意識したパーツのラインナップですね。
バンパー類は無し。代わりにコンペティツィオーネ的なスプリッターが用意されています。黒プラスチックとメインカラー適用のボルトオンフェンダーも用意されていて、元々のマッチョなビジュアルを補強できます。
ボンネットはダクト付きのものが何種類か。コンペティツィオーネがモデルならフィンの付いたものが欲しかったかも。ミラーは旧車系のロケットタイプや角型など。マフラーは純正と同じく後方左右出しのもので統一されています。
スポイラーはダックテイルとウイング系。ウイング系の似合わなさはヤバいですね笑。そもそものGT750の造形がかなり腰高なのに、ウイングを付けると笑うしかない野暮ったさになります。
サスペンション変更による車高の下げ幅はちょっとだけ。ほんの気持ち下がって、ほんの気持ちキャンバーが付きます。
ペイントはメインカラー、サブカラーと分かれていますが、サブカラーの適用範囲が分かりません。純正状態でも各パーツを付けてもサブカラーがどこに適用されているのか分からない。誰か教えて下さい。まぁ、教えてもらわないと分からないレベルでサブカラーは空気です。
ボディーペイントは太めの白ストライプが2種類で、残りは全て旧車レースカー系。大凡元ネタがあるペイントなので、コンペティツィオーネ仕様を作るならボディーペイントを活用しましょう。
さて、コンペティツィオーネ仕様にしかできなくて、ルーフ取ってスパイダーに出来ない、リトラクタブルライトじゃない、ライトカバーが変えられないせいでデイトナっぽさが出せないなど、見れば見るほど物足りなさを感じるパーツのラインナップなんですが、そういった個々の不満を全て忘却させるレベルで酷い部分があります。

タイヤとホイールデカ過ぎ。レース仕様かつオーバーフェンダーを付ける前提となっているバランスのせいで、普通のGTB/4として見ると笑ってしまうほどタイヤが張り出しています。オフロード車かと思うくらい足元がゴツイ!どんなホイールにしてもゴツイ!
何をしようがこのゴツさは変わらないので、綺麗に仕上げたかったらロードカー仕様は諦めましょう。レースカー仕様にできる、というよりレースカー仕様にしないといけないって感じのバランスなのが辛い。こんだけコンペティツィオーネに特化した造形にするなら、最初からボディーペイント入れたりオーバーフェンダーをデフォルトにしたりして、ロードカーを最初から諦めさせるくらいした方が良いです。ドノーマルの一般車にレーシングスリックだけ履かせたような不格好さになってます。
腹立たしいのは、この仕様でいて別にコンペティツィオーネらしいパーツが充実しているわけではないこと笑。牽引フックとかサイド出しマフラーとか、競技用内装とか、そういったパーツが充実しているなら納得なんですけど、別にそういうわけでもないのがあまりにも半端。二兎を追って一兎も得ずなダメな時のロックスター仕草が炸裂しています。
感想
恐らく、この車を初めて見た人の殆どが、第一声に「太くね?」と言ったのではないでしょうか。主にタイヤのせいですが、このずんぐりむっくり感でデイトナを求めていた人たちは面食らったはずです。フェラーリのロードカーが持つ美しさは無い。
内装も190Zあたりの使い回しで、やけに古臭い。スティンガーよりもレトロな印象を受ける内装なので、時代感もバグります。フェラーリというよりアメ車に見えるムチムチボディーとフロントマスクに、上品でクラシカルな内装が頭の中で混じり合わない。
そして、性能は高いけど好みではなく、カスタマイズ性もしっくり来ない。Stingerの再来というGTAシリーズのファンにとって最高に期待できる復刻車で、まさかの大空振り。こんなハズシっぷりだと、逆に「スティンガーって名前じゃなくて良かったかも……」なんて思ってしまうレベル。別物扱いがむしろ救いだったかもしれん笑。
一応フォローしておくと、オーバーフェンダーやボディーペイントなどで競技仕様に振ったカスタムをすると、デイトナらしいかどうかはさておいてちゃんと見られるデザインになります。恐らくここは意図したデザインで、「コンペティツィオーネがベースだからそういう方向に弄ってね〜」という、カスタム前提の造りだと思います。
しかし、ここまでコンペティツィオーネに寄せといて「ロードカーとしても乗れますよ〜」みたいな売り方をしているのは非常に良くないです。寄せるなら寄せる、中立なら中立でハッキリさせなさいよ、本当に。半端なことしてどっちにも振り切れないのが一番良くないです。あと、普通にスパイダーも出せ。素直に過去作からのリメイクした方がみんな喜ぶから。
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