GTA3とリバティーシティ・ストーリーズの舞台となるリバティーシティについてまとめてみました。
目次
概要
工業地区のポートランド、商業地区のストートン島、住宅地区のショアサイド・ベイルの3つの島から成る都市。通称「アメリカ最悪の街」。
そう言われる要因はまず治安の悪さ。街のあらゆる場所が犯罪組織の縄張りになっているため、日夜凶悪犯罪が多発しています。それを取り締まるLCPD(Liberty City Police Department:リバティーシティ市警)は多くの警官が収賄に勤しむ悪徳警官と化しており、真面目に犯罪者と戦おうとする者たちも、必要とあらば軍隊すら動員する姿勢が「過剰防衛である」と批判されています。
加えて、政治家は汚職まみれ、環境汚染は悪化するばかりと市民の不安は留まるところを知らず、長年不安定な情勢が続いています。
街のモデル
1つの主要なモデルがあるというわけではなく、ニューヨーク、フィラデルフィア、デトロイト、ボルチモアといったアメリカ東海岸や中西部の都市を混ぜて作られたような街となっています。また、港湾地区などはロックスターノースの本社があるエジンバラ(スコットランド)のリースもモデルになっているのではないかと言われています。
街の歴史
リバティーシティは米国の独立宣言から22年後の1798年に設立されました。
Chatterbox FMのホストであるラズロウは「電話が発明された時(1876年頃?)のリバティーシティは教会、牛の牧草地、3軒の家だけがあった」と言っていますが、2001年時点では人口400万人を超える大都市に成長しています。
(リバティーシティの市章)
地理
リバティー州はアメリカ東海岸に位置しています。同じくアメリカ東海岸にあるフロリダ州バイスシティから北に位置する場所にあり、西海岸にあるサンアンドレアス州とは遠く離れています。
地形は比較的平坦ではありますが、ポートランドのセント・マークスや、ショアサイド・ベイル全域で丘があり、道路のアップダウンも激しくなっています。
3つの島は全て海に面していますが、砂浜があるのはポートランドのみ。そのポートランドも工業地帯からの環境汚染があるせいか海水浴客は殆ど見られません。
(リバティーシティのマップ。ギャングのシマだったり観光地が色々と表記されているのが良いよね)
政治
1992年から1998年まで、ロジャー・C・ホールが市長として市政を担いました。しかし、その任期中に4度のスキャンダルがスクープされました。
1度目は1993年、建設会社の大物との談合現場をロシア人コンパニオン3名のおまけ付きで目撃された“100万ドルランチ事件”。2度目は1995年、フォレッリファミリーとの昼食を楽しむ写真が出回った事件。3度目は1996年、ゴミ回収業務の人手不足を補うため、担当者に報酬としてドラッグを提供したという疑惑でした。
そして1998年、ホール市長は市の開発工事を発注する見返りに、建築会社方多額の賄賂を受け取っているとメディア王のドナルド・ラブが告発。今回もホール市長はスキャンダルを切り抜けるかと思われましたが、早朝のランニング中に何者かに暗殺される事件が起こったことで彼の任期は終わりを告げました。
その後行われた市長選挙ではドナルド・ラブ、そして1992年の選挙でホールと戦ったマイルズ・オ・ドノヴァンの2人が立候補し、激しい選挙戦を繰り広げました。2人の戦いは接戦でしたが、ドナルドがレオーネファミリーと繋がっていたことが明らかになると人々はオ・ドノヴァンに票を入れていきました。なお、表沙汰にはなっていませんがオ・ドノヴァンはフォレッリファミリーの援助を受けており、選挙戦は実質レオーネとフォレッリが街の実権を争う戦いでもありました。
オ・ドノヴァンが市長になったすぐ後、レオーネファミリーのボスであるサルバトーレ・レオーネが逮捕されました。サルバトーレはすぐに保釈されましたが、その後にオ・ドノヴァンがシチリアンマフィアに連れ去られる事件が起こりました。そしてシチリアンからオ・ドノヴァンを救助したのはレオーネファミリーで、この事件からレオーネは市政に影響力を持つようになりました。
メディア
リバティーシティのメディアは2001年時点でドナルド・ラブが運営するラブメディアによって支配されています。同社の広告では「900のラジオ局、300のテレビ局、4つのネットワーク、3つの衛星、10の上院議員」を所有していると謳われており、彼の影響力が如何に大きいかを示しています。
ラジオ局は1998年時点で10社(Head Radio、Double Clef FM、K-jah、Rise FM、Lips 106、MSX 98、Radio Del Mundo、The Liberty Jam、Flashback FM、LCFR)、2001年時点で8社(Head Radio、Double Clef FM、K-Jah、Rise FM、Lips 106、Game FM、MSX FM、Flashback 95.6、Chatterbox FM)が運営を行っています。
その内、Head Radio、Double Clef FM、Flashback 95.6 、LCFR(Liberty City Free Radio)をラブメディアが買収し、LCFRはChatterbox FMに名を変えて放送を行っています。
新聞はリバティーツリー紙が最大手となっており、こちらも2001年時点でラブメディアが買収に成功しています。
スポーツ
リバティーシティにはLibertyCityCocksとLibertyCityBeaversの2つのサッカーチームが活動していて、両チームはアスパトリアのリバティーメモリアルコロシアムを本拠地に活動しています。特に人気が高いのはLibertyCityCocksのようで、チームカラーである赤と白のジャージを着たファンがスタジアム周辺でよく見かけられます。
観光地
リバティーシティの各地には観光地があり賑わっていますが、その裏にギャングが居座っていることも多いので油断は禁物です。
ポートランドでは北東部にイタリア料理店が立ち並び、北西部には歓楽街があり昼も夜もサービスが楽しめます。ただし、どちらの地区もレオーネファミリーを主とするマフィアの息がかかっている店が殆どなので、サービスに不満があっても文句を言ってはいけません。南西部にはチャイナタウンがあり、市場や中華料理店を楽しむことができますが、こちらもトライアドが地域を支配しているため注意。
ストートン島では南部にビルが立ち並んでおり、劇場、大聖堂、カジノなどが並んでいます。島の中心には公園があり、北部にはサッカースタジアムもあるため、3つの島の中で最も安全に観光を楽しめる場所だと思います。
ショアサイド・ベイルは高級住宅地となっているため、レジャースポットもダムやピクニックエリアなど観光客というより地元住民向けのものが多めです。
交通
リバティーシティの交通は2つの橋、道路トンネル、地下鉄、空港によって整えられています。かつてはフェリーサービスも運営されていましたが、2001年時点で完全にサービスを終了しています。
橋
リバティーシティの主要な道路インフラは、3つの島を繋ぐ2つの橋です。ポートランドとストートン島を繋ぐキャラハン橋は1998年に完成しました。それまでのポートランドはフェリーと地下鉄によって他の島への移動が行われていましたが、キャラハン橋の完成により交通の便が非常に良くなりました。
しかし、2001年にコロンビアン・カルテルが護送車を襲撃した事件により橋が爆破されてしまいました。この頃はフェリーサービスが終了しておりポーター・トンネルもまだ開通していなかったため、キャラハン橋の修復が終わるまでポートランドは陸の孤島になってしまいました。
ストートン島とショアサイド・ベイルを繋ぐ昇開橋は、1998年にフェリーのストライキが行われた時に一時的に封鎖されましたが、その時以外は稼働を続けています。
トンネル
3つの島を繋げる交通手段として、地下・水中を通る「ポーター・トンネル」があります。建設プロジェクトは予算超過や汚職などで遅れていましたが、2001年に無事開通しました。資金提供を行ったのはFBC Financial Groupでした。
フェリー
かつてはポートランドとストートン島を繋ぐ重要な交通手段として親しまれてきたフェリーでしたが、キャラハン橋とポーター・トンネルの開発により業務を脅かされたことで、1998年に組合員がサービスの保護を求めストライキを敢行。その後ストライキは沈静化し、新市長のオ・ドノヴァンもサービスの保護を約束しましたが、結局はサービスが終了しフェリー港のあった場所はポーター・トンネルの入り口に置き換えられています。
電車
リバティーシティを通る電車は2つあり、1つはポートランドの高架鉄道「ポートランド・エル」。駅はセント・マークスのベイリー駅、中華街のクロウスキー駅、ヘップバーン・ハイツのロスウェル駅の3駅で構成されています。オ・ドノヴァン市長は公約でポートランド・エルのサービス向上を掲げていましたが、残念ながらそれは達成されていません。
もう1つは地下鉄で、ポートランドのレッドライト・ディストリクト、ストートン島のリバティーキャンパス、ショアサイド・ベイルのフランシス国際空港に駅があり3つの島を繋いでいます。
タクシー
リバティーシティで運営されている主なタクシー会社は2つで、トレントンにあるミーンストリートタクシー、ハーウッドのボーグナインタクシーとなっています。かつてはサニーサイドタクシーも運営を行っていましたが、1998年以降は撤退しています。
空港
ショアサイド・ベイルにはリバティーシティ唯一の空港であるフランシス国際空港があります。リバティーシティの玄関口として、多種多様な人々を日々送り迎えしています。
二輪車
かつてのリバティーシティでは二輪車が走っているところが見られましたが、A.R.S.E.(American Road Safety for Everyday:全米道路の安全を守る会)の働きかけにより自転車禁止施策が取られました。更にその数年後、自動二輪の禁止施策も制定されたため、2001年時点のリバティーシティでは自転車もバイクも見られなくなってしまいました。
A.R.S.E.の主張は怪しい部分が多々あったものの、巨大な自動車会社「マイバツ・アメリカ」から支援を受けるA.R.S.E.の主張は市政も無視できないものであり、これらの施策が制定されました。
(メタ的なことを言えば、GTA3では技術的な問題でバイクを出せなかったのに、3の3年前を描くLCSでバイクが出てたらおかしいだろうという、世界観に整合性を持たせるための後付けです。「二輪車が禁止された街」という設定を飲み込めるかどうかは別として……)
公共機関
リバティーシティには病院、消防署、警察署が各島に1つずつ配置されています。
病院
ポートランドにあるスウィーニー総合病院は、1847年設立の市内で最も古い病院となっています。ストートン島にあるカーソン総合病院は1973年設立で、市内で最大の病院となっています。ショアサイド・ベイルのホープメディカルカレッジはその名の通り医科大学となっており、市内唯一の医科大学となっています。
消防
LCFD(Liberty City Fire Department:リバティーシティ消防署)は1872年に設立され、ポートランドのハーウッド、ストートン島のベルヴィル・パーク、ショアサイド・ベイルのフランシス国際空港にステーションが存在します。
真面目に業務にあたっているLCFDですが1998年に大事件が起こりました。それは消防車が暴走し、周辺の車を蹴散らし破壊の限りを尽くしたというものでした。この一件はリバティーツリーの記者ネッド・バーナーによっていち早くスクープされています。
警察
LCPDは1869年に設立され、ポートランドのポートランド・ビュー、ストートン島のトーリントン、ショアサイド・ベイルのパイク・クリークに署を構えています。
犯罪者が蔓延るリバティーシティでは警察の腐敗も重大な問題となっており、真面目な警官も数年すれば汚職警官に様変わりしてしまうと言われています。2001年には警察内で汚職の捜査が行われ逮捕者も出ていますが、その体質は依然変わりないようです。
犯罪
1998年まで、リバティーシティを支配していたのはフォレッリ、シンダッコ、レオーネのイタリア系アメリカ人マフィアでした。しかし、彼らによる大規模な抗争が起こる間にポートランドではトライアドとディアブロが、ストートン島ではヤーディーズとヤクザが、ショアサイド・ベイルではコロンビアン・カルテルが力をつけ、シマ争いは激化していきます。
本国イタリアからやってきたシチリアンマフィアも絡んだ大規模抗争の結果、レオーネファミリーが勝利しフォレッリとシンダッコは力を失っていきました。そして街の実権を握ったレオーネがリバティーシティを支配し続けるかと思いきやそうはならず、2001年時点でレオーネはディアブロとトライアドとの2つの戦争が泥沼化し疲弊。その間にコロンビアン・カルテルは自作の新薬「スパンク」の大量供給に成功し、その影響力を高めていきました。
裏社会の覇権争いが激化する中、ターニングポイントとなったのがリバティー銀行襲撃事件。コロンビアン・カルテルが起こしたこの事件では、リーダーのカタリーナが仲間を裏切り1人で逃走。取り残されたクロード・スピードはカタリーナへの復讐に走り、その復讐劇によってレオーネファミリーのサルバトーレ・レオーネ(ボス)、ヤクザのアスカ・カセン(組長)とケンジ・カセン(若頭)、コロンビアン・カルテルのカタリーナ(ボス)とミゲール(幹部)が死亡。主要な犯罪組織は揃って弱体化を余儀なくされました。
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