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GTA5/GTAオンライン車図鑑「カリン アステロープGZ(Karin Asterope GZ)」

投稿日:2024年1月17日 更新日:

車のカスタムシーンがまだアンダーグラウンドだった時代、スーパーカーのカスタムに必要だったのは基本仕様のブリスタ・カンジョとレンチ、それと大量の時間だけでした。最近の頭でっかちな間抜けどもは皆、LSカーミーティングの会員で専属のメカニックを雇っているため、優位に立ち続けるためにはもう少し努力をしなければなりません。夢のスリーパー、アステロープGZなら、ライバルたちはその排気ガスで窒息するまであなたの存在に気づかないでしょう。

(Southern Sanandreas Super Autosでの解説)

「チョップ・ショップ」アップデートで追加されたアステロープGZ。安くて品があり、乱暴に扱っても壊れない和の心を持ったベストセラーです。中東諸国の暇人が命懸けの暇つぶしをするためにレンタルする1台を見ていきましょう。



車両データ

メーカー:カリン(Karin)
名称:アステロープ GZ(Asterope GZ)
分類:セダン
駆動方式:FR
乗車定員:4人
購入価格:$459,000

モデル車の考察

モデルはトヨタ カムリの第7世代ですかね。主に後期型がモデルになっているようで、純正バンパーのデザインは後期型のものを上下ひっくり返したような形になっています。今作で先に登場しているアステロープは第8世代のカムリあたりのトヨタ製セダンを混ぜた車になっているので、GZはアステロープの先代と見ていいでしょう。

カムリの第6世代は手頃な価格で高級感を味わえるという、如何にも日本車らしい強みを持ったミドルサイズセダンとして世界中で売れた車で、第7世代もそのスタイルを継承しより強みを引き出した1台となっています。特に北米市場の乗用車部門ではカムリが16年連続販売台数トップの実績を誇っており、海外の人が思い浮かべる日本車・トヨタ車ではカムリがかなり上位に来るはずです。

一方で、海外をターゲットにしているためボディサイズは大きくなり、強みが活かされにくいこともあってこの辺りの代のカムリは日本国内ではそれほど目立った存在ではありませんでした。日本でカムリがメジャーになったのは、ハイブリッド専用車となり国内でもキャラクターが明確になった9代目からでしょう。

さて、カムリの話をするならアラブドリフトを避けては通れません。アラブドリフトとはその名の通り主にアラブ諸国で流行した危険行為で、一般道の直線で高速走行しながらスピンするように車体をドリフトさせる行為です。主にこの遊びに興じているのは王族で、娯楽の少なかった王族は法律で取り締まられないのを良いことにこんな遊びを始めたようです。

実はアラブドリフト自体は1970年代から既に流行していたそうですが、これが世界的に知られるようになったのは2000年代以降、インターネットが普及し動画投稿サイトが登場してきた時代(初期のYoutubeで「サウジドリフト」と呼ばれた動画が出てきたのが懐かしい)。“映え”る危険行為は動画サイトとの相性が良く、アラブドリフト動画が再生数を伸ばすと、次の「英雄」になりたい者が更に危険な技に挑戦するようになり過激さが更に増していきました。

封鎖なんてされていない一般道で200キロ超のスピードを出しながらドリフトを行うのですから、当然命掛けのパフォーマンスになるわけですが、使用される車は安全装備付きの上等なモノなんかではなく、その辺にある使い捨ての車。つまり、中流クラスでちょっと古めのFFセダンなんかをレンタカーしてこういった行為に及んでいます。そこで出てくるのが、向こうで非常にポピュラーな存在であるカムリなわけですね。

ドバイの大金持ちであるユスフ・アミールが再登場した「チョップ・ショップ」アップデートで、カムリモデルの車を登場させるのは完全に狙っていますね。これでユスフとジャマルに故郷の光景を思い出させてあげようということでしょうか。

不具合として、一人称でメーター類を見てみるとスピードメーター以外の針がおかしな場所に付いています。中央の油温・水温計らしきものはともかく、タコメーターの針はメーターとメーターの間のところでぐわんぐわん動いているのがシュールです。

走行性能

大衆車然とした見た目の割に軽快な動きが出来る車で、セダンカテゴリーでも上位クラスの性能です。妙にインチの大きいホイールを履いているあたり、スポーツモデルだったりするんでしょうか。まさかGZの由来がGazoo Racingってことはあり得ないと思いますが……

加速性能は中々で、過不足なく進んでいってくれます。トラクション性能はかなり高めで、急坂でも割とスイスイ。最高速もセダンカテゴリーでは上位ですね。

ハンドリング面は軽やかで、ステアリング操作に対して素早く反応してくれます。重心が高いためロールオーバーが出やすいのが少々難点ですが、それを活かして車体を振り回しながら走ることも可能です。アラブドリフトを考えればそれが正しい走り方か。ブレーキの効きは十分。

高速コーナーではアンダーステア気味で、スポイラーを装備してダウンフォースを増やすとこの症状はある程度改善されます。あとは車高を下げたらどうなるかという部分ですが、ここはどうなっていることやら。

車体の強度は初期車よりはマシかくらいに低く、数回ぶつけただけでベコベコです。車のキャラクターを考えたら雑に扱ってナンボみたいなところはあるので、あえてアーマーを強化しないのも一興か。

自分のタイムアタック記録
救急ドリフト 0:59.426

カスタマイズ

パーツの数自体は昨今の追加車両にしては控えめで、公式画像でもスポコン的な弄り方をされているようにもうちょっとバリエーションがほしかった気はしますが、十分と言えば十分かなと言えるくらいのラインナップです。

バンパーはフロント・リア共に3種用意されていて、シンプルに控えめなエアロが良い感じ。ただ、フロントバンパーの「レース・フロントバンパー」は不具合で見かけが「ストリート・フロントバンパー」と同じになっています。オートショップなど床が反射するカスタムショップだと、床に映るモデルだけ本来の「レース・フロントバンパー」が適用されているという奇妙な状態になっています。

スカート、ミラーもいくつかエアロが用意されており、ボンネットとルーフも3種類ほどのパーツがカーボン差分付きで用意されています。グリルはちょっとデザインを変えてOEMっぽくしたりできるのがグッド。

スポイラーはとても豊富で、小さなダックテイルとストックカーっぽい大きなダックテイル、スポーツモデルっぽい小さめのスポイラー、大小様々なGTウイングが取り揃えられています。後はサンストリップが色々。

大衆セダン故に純正だとかなり高めの車高をガッツリ落としたいところですが、現在サスペンションはそもそも項目が存在しません。どうやらサスペンションの設定自体はあるものの選べないという状態らしく、ほぼ間違いなく不具合であろうと言われています。

しかしちょっと気になるのは、上で掲載している公式画像が純正車高のものしかないことです。普通、これだけスポーティーにカスタムできる車で車高が弄れるなら、頑なに純正車高を守るってこともないと思いますが、なぜか全てシャコタカ。

これも勝手な推測ですが、もしかしたらアステロープGZはサスペンションが弄れないのが仕様か、あるいはロックスターもサスペンションが弄れない不具合を把握していながら、直す時間もないしこのまま宣材写真撮っちまえと押し切ったのではないか……なんてことを考えてしまいます。ともかく車高くらい弄れるようにしてくれよと切実に思います。

内装はロールケージ+バケットシートの組み合わせが選べます。競技車両っぽくするなら安全装備はガッチリと。

ペイントはサブカラーの適用範囲がミラーくらいで、パーツ類もサンストリップくらいしかサブカラー差分のものがないというちょっと寂しい状態。サブカラー対応のバンパーが用意されてるだけでも社用車カスタムみたいな遊びができて面白いんですけどね。

ボディーペイントはどれも手が込んでいて、柄付きのストライプ、稲妻模様、衝突実験車風ペイント、競技車両風ペイント、派手なアートワークと多彩。車のキャラクターをガラリと変えることができますね。

感想

価格が50万ドル以内と、昨今の追加車両にしてはかなりリーズナブルな値段で手に入る車で、性能も良く(もうちょっと悪くてもいいと思うけど)、カスタムパーツも中々で手頃に楽しめる車ではないでしょうか。

とはいえ、実装直後の現状だと不具合色々ありすぎで、素直に他人におすすめできるかと言うと、うーんな車になってしまっています笑。今回のアップデートの車はどれも何かしらの不具合を抱えたりしてますが、特にアステロープGZは問題が多いです。GTA6の開発で忙しいんだろうけどしっかりしてくれ。

後は、モデル通りにFFでよかったんじゃないのとか、FRにするならドリフトチューニング対応でもよかったんじゃないのとか、純正ホイールもっと安っぽいのにしてくれよとか、思うところは色々あります。とはいえ、「安モノだしな」で大体の不満は落ち着くので、やはり低価格は正義です。



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