1万種類以上のカードが存在する遊戯王OCG。それだけの種類が存在すると、強い弱いとは関係なしに独特な効果を持った奇抜なカードも存在します。そこで、遊戯王を知らない人にも知っている人にも、遊戯王にはこんな面白カードも存在するんだと教えたいコーナーになります。今回は「変則(トランスミッション)ギア」です。
強ぇか弱ぇかはじゃんけんで決めようぜ
通常罠
(1):自分のモンスターが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に発動できる。
相手プレイヤーとジャンケンを行う。
引き分けの場合はジャンケンをやり直す。
負けたプレイヤーはその戦闘を行う自身のモンスターを裏側表示で除外しなければならない。
遊戯王のモンスターには攻撃力と守備力があり、その数値を比べてモンスター同士のバトルは勝ったり負けたりを決めていきます。変則ギアはそんな大前提をひっくり返すカードで、攻守関係なくじゃんけんに勝った方が勝ちというルールに塗り替えることができます。運次第でまるでゲームボーイの遊戯王が如く、クリボーがブルーアイズをシバくような場面も作れるでしょう。
このカードの除去は非常に強力で、裏側除外という非常に再利用しにくい飛ばし方をし、更にプレイヤー自身に処理を要求するので耐性持ちのモンスターでも容赦なく除外できます。また、ダメージ計算時のタイミングに発動するので相手の妨害も食らいにくく、「ダメステいいすか?」からの奇襲じゃんけんを仕掛けることができます。
相手からすると、戦闘で相手モンスターを倒そうとしたらいきなりじゃんけんをやらされて、しかも負けてしまったら裏側除外という状況。これは大きな精神的ダメージになるでしょう。強い!
では、なぜこんな強力な除去効果を持つカードが全く使われていないか。それはこのカードが通常罠カードだからです。
永続罠カードで場に残り続ける限りじゃんけんを強要できるならまだしも、使い切りの通常罠なので一発勝負のじゃんけんに勝たないといけません。しかも、それで勝てても1:1交換、負けたらただただ2枚のカードを損失するため、そんなことをするくらいならじゃんけんしなくてもモンスターを除去できる罠を使った方がいいです。
変則ギアは遊戯王史上初のじゃんけんをするカードで、これ以降もじゃんけんをするカードは登場していない唯一無二のじゃんけんカードとなっています。故にじゃんけんをサポートする他のカードも存在せず、負けたじゃんけんをやり直したりするようなカードも存在しないため、このカードを実用的に使うのは難しいです。無性に遊戯王でじゃんけんをしたくなった時以外に使う機会は無いでしょう。
俺たちは真剣に「じゃんけん」してんだよ
遊戯王OCGでは2017年4月15日発売の「CODE OF THE DUELIST」に収録されたカードでしたが、マスターデュエルでは初期実装とはならずサービス開始から1年近く経過した2023年1月10日でようやくの実装となりました。その代わり、このカードを使うとこのゲーム唯一のじゃんけん演出が入るという特別なカードになっており、使った際のインパクトは絶大です。
変則ギア自体の使い勝手はともかく、現代の遊戯王では罠をサーチ・サルベージする手段も増えたので、発動させるだけならそこまで難しくはないです。OCGでもマスターデュエルでも、このカードで突然じゃんけんを始めるのはインパクト抜群で相手の記憶に残ること間違いなし!
遊戯王はマナの概念が無いため先行1ターン目から動きまくれる特異なカードゲームで、非常に先行有利なゲーム性から「金のかかるじゃんけん」と揶揄されることも多いです。そこで、変則ギアを使うためだけのデッキを作るという、「本当の意味で金のかかるじゃんけん」をしてみるのはいかがでしょうか。果たして遊戯王が本当にじゃんけんゲーなのか、確かめてみましょう。
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