自分が見た中で「これは面白い!」と感じた動画(YouTubeでもニコニコでも)を紹介するコーナーです。今回はベストカーチャンネル様制作の「俳優・松重 豊 クルマ好きが高じてベストカーチャンネルに出演!」です。
俳優ではなく車好きとしての松重豊
松重豊さんは個性の強いバイプレーヤーとして様々な作品に出演されている俳優です。近年では実写版「孤独のグルメ」が当たり役となり、主演としてイメージを確立しました。同時に、孤独のグルメ自体は「何が面白いのか分からない」と言いながら演じているという、主演でありながら孤独のグルメアンチとしても有名です笑。
そんな松重さんは非常に多趣味な人で、相撲好き、音楽好き、写真好き、園芸好きと様々なジャンルに根を張っており、車もその趣味の一つ。凝り性らしく、どのジャンルも深く掘り下げており、今回紹介する動画は松重さんの人としての幅の広さを見られるものになっています。
クルマ雑誌「ベストカー」の企画として撮影されたこの動画では、第1弾でEV、第2弾でマニュアル車の試乗を行っています。試乗が好きでプライベートでも展示会などによく足を運ぶという松重さんのレビューは、申し訳ないですが自動車ジャーナリスト顔負けと言ってもいいくらいに面白かったです。
まず、評論のポイントが超正確。車のデザインや用途、コストパフォーマンス、歴史など、目の付け所や話の知識量が「あっ、ガチの車好きだ」とすぐ分かる内容になっています。
本当に自分で色んな車を見て乗って買ってしてないと出てこないトークなので、俳優・松重豊としてではなく車好き・松重豊として出演されているのが分かります。あくまで素人ではあるので、分からないことは分からないでMCを務めるモータージャーナリストの岡本幸一郎さんの詳細な解説とセットのトークですが、消費者に立った目線はとにかく正確で、その車を実際に所有しようと思って気になるようなところは全部チェックしてくれています。素人目線のレビューとしてはパーフェクトな内容なんじゃないでしょうか。
その上で、レビューの内容が辛口かつ頑固なのが面白い笑。EVのグリルが不要なのにグリルに見えるフロントマスクのデザインに対して「いるのかな?」と言ったり、サイドブレーキが助手席にある左ハンドル仕様な作りに「日本のメーカーなのに……」と言ったり、本当に遠慮がないし、車好きなら「分かるわ〜」って頷いてしまう拘りが共感を生みます。
実際のところは知らないですけど、自動車のレビューってあんまり辛口だとネガキャンになってしまって会社の広報に旨味がなくなるせいか、近年ではズバズバコメントをしてくれる人が減って、各所に気を遣ってる感じの肉にも魚にもならないコメントに徹するジャーナリスト(っていうか宣伝マンになっちゃってる)人も多くて、こういうレビューは車業界の人間でないただの車好きの松重さんだからこそできるものだと思います。このコメントで仕事を失うとか気にしなくていいので忖度なし!正直な感想だからこそためになります。
自分もこの動画は「へー、松重さんってクルマ好きなんだ」くらいの気持ちで試しに見た人間なんですが、レビューのレベルの高さにビビりましたし、2本セットの1時間番組としてサクッと見れてしまったので、是非とも車か松重さんに興味がある人は覗いてみてほしいですね。
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