
こんばんは、麻乃ヨルダです。気づけば今は2026年、気づけば6月ということで、4年に1度のサッカーワールドカップの時期がやってまいりました。
のお祭りのなので出来る限り多くの試合を見たいと、どの時間帯の試合も頑張ってリアタイ。今日はブラジル対ノルウェーの試合を見たので感想を書いていきます。
本物の怪物
日本を相手に先制されながら逆転勝利で勢いに乗るブラジルと、コートジボワールを相手に素晴らしい戦いぶりで勝利を掴み取ったノルウェーの戦い。ブラジルはヴィニシウスを2トップの左に置いた4−4−2で構え、序盤はノルウェーがボールを持つ展開になるといきなり2分、ノルウェーが早い攻めでスルーパスからセルロートがラインブレイク、セルロートのマイナスクロスにベルグが合わせて先制点!と思いきやオフサイドで、ブラジルは命拾いをします。
ノルウェーは繋ぎの場面だと計算できない守備をするヴィニシウスの周辺から前進をし、蹴り出す場面だとハーランドとセルロートの高さを活かして落としを回収することで安定的にボールを運ぶことが出来ており、序盤はノルウェーのペースで試合が進みます。
しかし、ブラジルがノルウェーからボールを奪い、ノルウェーがすぐに奪回しようとして取り切れなかったところからショートカウンターが発動。最終的にマルティネッリのスルーパスにアジャーとクーニャが反応し、先にボールを触ったクーニャに遅れてアジャーのスライディングが入り、VARでPK判定。
キッカーはブルーノ・ギマランイスで、ギマランイスは相手のキーパーを見ながら一度止まってキックを蹴るスタイルを取りますが、ニーランは完全にその動きを見てコースを読みPKストップ!今度はノルウェーの方が命拾いをする展開となりました。
動きの激しい立ち上がりの時間が終わると、ノルウェーがボールをゆったりと保持。ブラジルはノルウェーにボールを持たせることを選択し、ミドルゾーンで構えます。ノルウェーはボールを前進させるところまでは行くも、その先の崩しにまでは行けず攻撃が停滞。ノルウェーは危険なボールロストをする場面が多く、ブラジルはボールを殆ど持たなくてもカウンターで決定機を作っていきます。
ノルウェーは4−5−1でブロックを組み、ブラジルのサイド攻撃に常にダブルチームで対応しますが、ブラジルのウイングにボールが入った後にインサイドハーフがDFラインに吸収されていくので、ブラジルのウイングがボールを戻すとハーフスペースの選手がぽっかりとフリーになります。日本にもあったブラジルのサイド攻撃への強い警戒と、ウイングがボールを戻した時の対応の遅れが見えていました。
後半の立ち上がりは再びノルウェーがボールをゆっくり保持する展開。セルロートに代えてボブが投入され、左サイドからしか個人で仕掛けられなかったのを右サイドからも仕掛けられるように。ブラジルはクーニャに代えてエンドリッキを投入し、ヴィニシウスが左サイドに陣取ります。
そのエンドリッキはカウンターの局面でヴィニシウスからの極上のアウトサイドスルーパスを貰うもキーパーとの1対1に敗北し決定機は掴みきれず。ノルウェーは左サイドに流れていたボブのスルーパスから決定機も作り、お互いに交代選手チャンスがに絡んでいくと、なんとハイドレーションブレイクの直前にネイマール投入。ネイマールがボールをタッチするだけでスタジアムは凄まじい雰囲気になります。
ネイマールがトップの位置に入り、前線からの守備強度が下がったこともありボールポゼッションは増々ノルウェーに。すると35分、シェルップは右ウイングに入るエンドリッキをブチ抜いて左サイドを突破しクロス、そのクロスに合わせたのはやはりハーランド!ネイマール・ヴィニシウス・エンドリッキの3トップで攻めの姿勢を見せた後に、彼らの守備強度の甘さが裏目に出た失点となってしまいました。
このゴールの直前にブラジルはブルーノ・ギマランイスを下げて交代カードを使い切っており、交代で変化を生み出せない状況に追い込まれた中で決死の攻勢に。ここでも立ちはだかり続けるのがニーランで、再三の決定機を耐えきってみせます。ノルウェーはボールを取ると完全にボールキープに徹し、ブラジルを守備に走らせ時間を支配していきます。
ロスタイム直前、カウンターでノルウェーが左サイドを進むと中央で待っていたハーランドにボールが渡り、ハーランドはボールキープでもするのかと思わせるどっしりとしたモーションから突如ミドルシュートを打つと、ディフェンダーの股を抜いてボールはファーサイドにブチ込まれる!ブラジルの心を完全にへし折る、怪物の思いつきのような一撃が決まりました。
ロスタイムの目安7分台の7分目、エリア内の浮き球の対応でエスティゴールがカゼミーロに肘を食らわせてしまいPK。このPKを蹴るのはネイマールで、ブルーノ・ギマランイスと同じような蹴り方をしながら決めてみせ、最後の最後にかつての英雄がゴールを決めて試合は終了しました。
王国はどこへ向かう
ノルウェーはブラジルとの真っ向勝負に打ち勝ちベスト8進出。徹底したボールポゼッションでブラジルを疲弊させる戦い方が功を奏しました。ただ、前半の内はブラジルの守備を打開できておらず、ブロックをこじ開けようと奮闘したヌサとウーデゴールが危険なボールロストを繰り返して決定機を何度も作られていたり、PK献上のシーンでは明らかに遅れたタイミングでスライディングタックルをお見舞いしてしまったり、ブラジルサポーターが詰めかけるスタジアムの圧力に心乱されているような雰囲気があったのでかなり危うい勝利でもありました。前半でブラジルが点を取っていたら全く違う展開になっていたでしょうね。
均衡を保ち続けたニーランの活躍、そして試合全体では消えていても数秒でゲームの流れを破壊してしまうハーランドの暴れっぷりが勝利をもたらしました。あとは後半から入ったボブも効きまくりで、サイドからの仕掛けはもちろん他のポジションに流れていって狭い場所でのパスワークでブラジルのブロックをこじ開けていきました。前半の謎のセルロートをサイドに張らせる布陣から一気に攻め手が変わったので、この変化が良かったと思います。それはそれとして、サイドに張ったあと押し込んでもサイドに居続けるセルロートはどんな効果があんねんと毎試合思ってしまいますが笑。
ブラジルはボールポゼッションを完全にノルウェーに渡しつつも、ポゼッション30%のカウンターサッカーで勝ちを大きく手繰り寄せていたと思います。PKやエンドリッキの1対1など先制できるチャンスは相当数ありましたし、ノルウェーにやられているシーンもそれほど多くなかったです。決して負けて当然と言えるような内容では無かったと思います。
ただ、ネイマールの投入だけは明確に上手く行かなかったですね。あのスタジアムの熱狂ぶりを見るとメンターとしての影響力は凄まじいものがあり、単なるアタッカー投入に留まらない変化をつけようとしたのは分かるんですが、ネイマールの投入で完全にノルウェーはリラックスした後方からの配球が可能となり、そこからスタートする攻撃で押し込まれきってサイドの突破も許したので、どう考えてもチームバランス崩壊のデメリットの方が上回ってしまいました。ネイマール投入後にギマランイスを下げてエデルソンを投入したのも、バランス崩壊を慌てて修正したように見えてしまったのですがどうなんでしょうか。
ほんのりと自爆っぽさが漂う負け方で、ブラジルは今大会の敗北をどう総括するのか気になりますね。歴史上初の外国人監督を呼んできて、勝利のために色んなものをかなぐり捨てた戦いだったと思うんですが、その結果がベスト16敗退。しかも、これまで一度も勝てていないノルウェーを相手に、現役世界最強のセンターフォワードの活躍でやられる。自分たちは10代のエンドリッキとボロボロのネイマールに希望を託したのに、と……。
ロスタイムの最後の最後に思い出作りのようなPKがネイマールに回ってきたのも含め、悲しい方向で物語に溢れていた試合でした。結局日本戦でやったクロス爆撃はしませんでしたね。ノルウェーの異常な空中戦の強さと、攻撃に人数を掛けまくる布陣になるのでカウンターを打たれるのが嫌だったとか、やりづらい様々な要因がありましたかね。日本戦での逆転勝利の良い雰囲気は活かせず、サッカー王国の受難はまだまだ続きます。
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