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【GTAオンライン】出来損ないのPvPとなったオンラインゲーム

投稿日:2018年12月20日 更新日:

GTAオンラインを始めて約一年。所々に「ん?」と引っかかるものを感じつつ、GTAオンラインの世界にどっぷり浸かっていたのですが、改めて「やっぱりここはおかしいぞGTAオンライン」と言いたいことが溜まってきたので、ここで放出することにします。こちらの記事とも繋がるものがあるので、良かったら先にお読みください。



PvP要素を強くしたいのは分かる

GTAオンラインの方向性を考えると、ロックスターはPvP系のゲームとしてGTAオンラインを発展させようとしてきたと思います。それは数々のビジネス系アップデートや、その仕様から伺うことができます。

個人的には、GTAオンラインは「裏社会シミュレーション」というか、プレイヤー同士で直接的に撃ち合い殴り合いするのではなく、それぞれが反社会的ビジネスを楽しみつつ、プレイヤー同士で取引をしたり抗争をしたりというゲームになって欲しかったのですが、まぁロックスターがPvPを推しているならそれはそれでいいです。

いいんですが、PvP系としてGTAオンラインを見たとき、「良いゲームか?」と問われたら「それは無い」と言いたくなります。PvP的な方向性はいいとしても、PvPとして楽しめるゲームに出来ているのかが疑問です。では、なぜそう思ってしまうのかを説明していきます。

やったもん勝ちすぎるPK合戦

PvP系ゲームの代表格として思い浮かぶのはPUBGやフォートナイトでしょうか。沢山のプレイヤーが一つのワールドに放り込まれ、そこであらゆる手段を用い、他プレイヤーとの生き残りを掛けた戦いに挑んでいきます。

GTAオンラインはPvPに特化していませんが、多種多様な武器と乗り物を用い、他プレイヤーに戦いを挑むことができます。そして、そのためのアイテムがアップデートを重ねるごとに増えていき、その戦いは激化し続けています。

しかし、GTAオンラインにおけるフリーセッションでの戦いはPvP的な面白さとはあまりにもかけ離れています。理由は色々あるのですが、そもそもゲームとして成立していないということが一番の理由です。

PUBGやフォートナイトのPvPがゲームとして成り立っているのは、そこに明確なルールがあるからです。武器や乗り物などあるものはなんでも使っていいし、動ける範囲ならマップを自由に移動していい。でも、目的は一つで「生き残って勝つこと」。手段はどうであれ、最終的に何をしなければいけないのか、何をもって勝利とするのかが明確になっています。

一方で、GTAオンラインでの闘争は基本的にルールがありません。こうしたら勝ちという決め事もありません。なので、プレイヤー同士で争うとしても、「個々人が勝手に思い描いた自分ルールに則って戦いを始める」しかありません。するとどうなるか?完全にやったもん勝ちの世界が生まれます。

 

A「○○は良い車だなぁ、乗ってて楽しいな」
B「はい空からミサイルどーんwww」
A「は?」
B「効いてる効いてるwwもう一発どーんww」
A「マジうぜぇ潰す」
B「うわやられた、パッシブで逃げよ」
A「喧嘩売っといて逃げるとかダサすぎだろ」
B「2対1で俺の勝ちだしwww」

 

とてもカッコ悪いBですが、数字的にはBが2回Aを倒しているので、キルレートでは勝ちと言えるのかもしれません。しかし、そもそもルールなど無いので、Aは「Bが逃げたから俺の勝ち」、Bは「倒した回数は自分の方が多いから俺の勝ち」とお互いに自分が勝ったと思いこんでいる状態です。

これはもうネット上の不毛な言い争いとなんら変わりません。傍から見てどんなに理解不能な話だろうが、「はい論破www」と言った方が勝ち、最後まで喋っていた方が勝ち、というような、「自分が勝ったと思いこむことで勝利」にしかなりようがない状態です。何せルールがないのですから、自分の中でルールと勝利条件を作り出すしかないのです。

それに、そのルールは他人と共有されるものでもないので、喧嘩をふっかける方は俺ルールの中で勝ちとなる行為を好き勝手に行い、そんな俺ルールなど知らない相手はただただ迷惑を被って終わりです。これではゲームになっていないでしょう。

ジョブ中は勝敗があるけども

ただ、これはあくまでフリーセッションで自由にプレイしている状態での話で、ビジネスやジョブをこなしている最中は少し話が違ってきます。

誰かがセッション中でビジネスなどをやっていると、他のプレイヤーには通知が届き、「妨害に成功したら報酬が出るぞ」と言われます。この状況では明確にルールが存在し、ビジネスをやる側は他プレイヤーの妨害に負けずミッションを終わらせること、他プレイヤーはミッションを失敗させることが勝利条件となります。

では、これだとちゃんとゲームになるかというと、全くなっていません。何故なら、妨害する側が超・超・超有利だからです。

現状のGTAオンラインでは様々なアイテムがありますが、それらのアイテムはどれも「攻め」で使えるアイテムばかりです。空から榴弾の雨を浴びせられる戦闘機、ミサイルを飛ばせる車にバイクと、追加コンテンツは火力ばかりが重視されています。

一方で、防御性能の高いアイテムは殆ど追加されておらず、そもそもミッション中に使えることも少ないので、高火力の機体で妨害された時はあまりに無力です。

妨害するプレイヤーに反撃しようにも、そもそもミッションでNPCとも戦っているわけで、NPCと他プレイヤー両方から物資を守って戦い、逃げ切るのは非常に困難です。NPCはともかく、他プレイヤーを倒してもすぐに復活してしまうため、相手をするだけ無駄なことも多々あります。

また、どうしようもなくなってセッションを退出しミッションを放棄すると、今度は負け犬ポイントがつくペナルティーを科せられます。ビジネスをやるプレイヤーは、それだけで「NPCに追撃される」「他プレイヤーからも追撃される」「反撃が非常にしづらい」「ミッションから逃げたら自分がペナルティー」というあらゆるリスクを背負うことになります。

このため、ビジネスで稼ぎたいプレイヤーは公開ソロセッションを作ってそこに引きこもるのが常套手段という、もはやオンラインゲームとはなんなのかと言いたくなる状態でプレイしていますが、そうでもしないとまともにビジネスで遊べないため、そうせざるを得ないのです。

プレイヤーの住み分けができていない

ルールもゲームバランスも整備できていないこの現状を更に混乱させるのが、プレイヤーの住み分けができていないことです。

GTAというのは懐が深いゲームで、一般的にフューチャーされがちな暴力的アクションだけでなく、オープンワールド内でのロールプレイングなどプレイヤーによって様々な遊びができるゲームになっています。そのためGTAをやるプレイヤーも、PvP的なゲームを楽しみたい人、豊富な車でなんでもありのレースを楽しみたい人、仲間と集まって新たな遊びを生み出したい人など、様々な層が集まっています。

しかし、プレイヤー達の住み分けができていないため、「とにかく暴れたい人」と「じっくりロスサントスを楽しみたい人」がぶつかり合い、トラブルが発生してしまいます。

ロックスター的には、フレンド限定などの限定セッションを用意しているのだから、一人もしくは少人数で黙々と遊びたいプレイヤーはそれを使えということでしょうが、一人で遊べる最も魅力的なコンテンツはビジネスで、そのビジネスは公開セッション限定です。黙々と遊びたい層も、お金を稼ぎたいなら公開セッションに出ざるを得ない状態なので、住み分けができているとは言い難いです。

公開セッションでもパッシブモードを使えば他プレイヤーからの干渉を避けられますが、同時に自分も他プレイヤーへ干渉できなくなり、様々な制約が掛かります。フリーセッション内でのジョブなども当然できないので、満足に遊べるとは言えませんね。

こういうゲームをやらせたかったのか?

アリーナウォーズの記事でも触れたのですが、やはり言いたいことはこれに集約されます。「こういうゲームをやらせたかったのか?」と。

ロックスターの意図を考えると、数々のビジネスやジョブなどフリーセッションで行えるミッションは、「プレイヤー同士で争いながら遊んでほしい」のだろうなということは伝わってきます。それこそ、数々のアップデートで登場したPVで見られるような戦闘が自然と行われるゲームにしたかったのだろうと。

例えば極秘貨物のビジネスなら、貨物を回収しようとする者がいれば、それを横取りしたりしようとする者が現れて、プレイヤー同士の抗争が始まるとか。カーチェイスにドライブバイ合戦……リアルギャングのような戦いがあちこちで勃発すると面白そうです。

では実際はどうか。誰かが極秘貨物を回収しに行きます。戦闘機などが飛んできて全てを破壊します。終わり。ギャングらしさの欠片もありません。でも仕方ないんです、そういう仕様だから。

しかし、それがロックスターのやらせたかったGTAオンラインなんでしょうか?PVで演出されていたようなバトルや駆け引きも何もない、ひたすらミサイルが飛び交うだけの爆発合戦をやらせるために数々のアップデートを重ねてきたのでしょうか。PvP的な遊びをさせるにも、あまりにお粗末な出来なんじゃないかと。

結局今のゲームバランスでは、悪意を持ったプレイヤーがセッションを荒らすのに最適な環境が揃っているので、そういったプレイヤーが幅を利かせるだけのゲームとなってしまっています。とにかくやったもん勝ち。長い間有名オンラインゲームとして君臨し続けているのに、バランスが見直されるどころか悪くなる一方なのはどうしたことなのか。どういう方向性に向かうにしろ、ちゃんとその方向性に合った運営をして欲しいです。



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GTA5への愚痴→GTA5がなんか物足りない

こんなGTAをやらせてくれ→ぼくがかんがえたさいこうのGTA



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