ヴァピッド レトニューは、どこにでもいるヒーローでした。労働者向けに作られた、オーバーステア気味の高燃費カー。そんな平凡な車が、いつしか歴代最高峰の成功を収めるラリーカーとなったのです。やがて、その豊かな歴史から、ハクを求める金持ちのヒップスターたちに買い求められるようになりました。そう、あなたのことです。
(Southern Sanandreas Super Autosでの解説)
「極秘空輸」アップデートで追加されたレトニュー。ラリーで長年活躍した名車です。今も欧州のラリー小僧たちに愛されるクラシックカーを見ていきましょう。
車両データ
メーカー:ヴァピッド(Vapid)=つまらない(英語)
名称:レトニュー(Retinue)=従者、供人(英語)
分類:クラシックスポーツカー
駆動方式:FR
乗車定員:2人
購入価格:$615,000
モデル車の考察
モデルはフォード エスコート Mk1ですかね。フォードはアメリカのメーカーですが、この車はフォードの欧州部門が生産していた車なのでアメ車ではなくヨーロッパ車になります。ベースはMk1ですが、ボディーペイントの元ネタなどを考えると後継車のMk2もモデルに入っているようです。後のアップデートでMk2をモデルにしたレトニュー Mk2が追加されました。
グリル部分に追加でライトが付いていたり、テールランプが大型のものになっていたり、エスコートとは異なる部分がいくつか見受けられますが、なんの車がモデルになっているかは分からず。改造パーツなどを見るとハコスカ(日産 スカイライン C10型)の要素も入っているのかなぁとは思うんですが、改造パーツ以外にはハコスカっぽいところが見つからないし。情報求む。
名前のレトニューは、元ネタのエスコート(Escort)が「付き添う、同伴する」を意味する言葉なので、似たような意味のこの言葉を名前につけたのでしょう。エスコートよりも従属的というか、立場が下の人に使う言葉でしょうかね。
「サンアンドレアスの傭兵」アップデートで通販サイトから約200台の車両が削除されましたが、この車もリストラの対象となりました。そのため、ロスサントス・カーミーティングの試乗トラックなどでリストアップされないと入手できないレア車両となりました(リストラ車両の一覧は【GTAオンライン】欲しいレア車を探せ!〜通販サイトから消されたリストラ車両まとめで)。
ボディーペイントの元ネタ
「Dusche」ラリーチームは、マースト・イエーガーマイスター(Mast-Jägermeister)がメインスポンサーのエスコート Mk2 RS2000がモデルでしょう(画像)。イエーガーマイスターとはドイツ産リキュールの一種で、マースト・イエーガーマイスターはその製造元の会社です。そしてDusche Goldはお酒の販売会社なので、その繋がりですね。
「Redwood」レーシングは、ロスマンズ(Rothmans)がメインスポンサーのエスコート Mk2がモデルでしょう(画像)。モデルとはカラーリングが違いますが、ペイントのパターンは同じです。ロスマンズはかつて存在した煙草とビールの製造メーカーで、レッドウッド・シガレット(Redwood Cigarettes)は煙草会社なのでその繋がりですね。
チーム「Xero」は、1979年WRCにフォードワークスチームから出場していたエスコート Mk2がモデルでしょう(画像)。この車に乗ったビョルン・ワルデガルドはその年のWRCチャンピオンになりました。
ロン・パフォーマンスは、ガルフ・オイル(Gulf Oil)がメインスポンサーのエスコート Mk1がモデルでしょう(画像)。ガルフ・オイルはその名の通り石油会社で、ロン・オイル(Ron Oil)は多国籍石油企業なので、その繋がりですね。
レトロ・ラリーは、アランマン・レーシング(Alan Mann Racing)のエスコートMk1がモデルでしょう(画像)。1968年BSCC(現在のBTCC)では、この車に乗ったフランク・ガードナーが年間チャンピオンに輝いています。
ストロンゾ・ラリーは、ザクスピード(Zakspeed)のカストロール(Castorol)カラーにペイントされたエスコート Mk1がモデルでしょう(画像)。ザクスピードはドイツのレーシングチームで、カストロールはBP社のオイルブランドです。ストロンゾ(Stronzo)はイタリアのアルコール飲料メーカーという設定で、他のペイントのように企業繋がりはないのですが、カラーリングもペイントもそっくりなのでモデルは間違いないと思います。
走行性能
古風な見た目とは裏腹にかなりの高性能です。一言で言うと「軽い」。加速はスムーズで、ブレーキの効きも良い。乗りやすくていい車だと思います。
また、グリップ力が高めで、良くも悪くもFRっぽくない挙動です。公式の解説では「オーバーステア気味の高燃費カー」と書かれていますが、オーバーステアが出てもすぐに立て直せる、もはやAWDっぽい動き。悪路でも難なく走れるでしょう。
他に特徴的なのはボディの堅さ。ガツガツぶつけても傷がつくだけで、凹みやパーツの離脱など殆ど無し。更にアーマーを強化すると装甲車のように頑丈です。まぁ頑丈なのは見た目だけで、普通にダメージは通るんですけど。
感想
いい車です。速さも扱いやすさもクラシックカーの中では上の方で、年代を感じさせない走りをしてくれます。でもなんでしょうね、それはそれであんまり納得いかないような。
制作側としては、安くて性能の悪い車を追加してもしょうがねぇって話なんでしょうが、61万ドルで現代の車より良い走りをするエスコートってなんぞやという思いもあり。クラシックカーと言っても元々大衆車だし、値段も性能もモデルと全然違わなくない?と思っちゃったり。僕はGTAの車に対しては性能と同じくらい「再現度」を気にしてしまうので、なんだかなぁ。
車に限らず、機械は新しいものほど性能がいいのが基本で、わざわざ古いものを選ぶ人間は性能なんて二の次に考えているわけです。クラシックカーは遅かろうが乗りにくかろうが、「好きだから」の一点で不便さすら楽しんでしまうものです。だから、レトニューも「旧車だなぁ」って性能だったらもっと愛着が湧くのに、と個人的には思います。
と愚痴ってしまいましたが、性能そのものは文句なしです。多彩で再現度の高いボディーペイントなども好印象で、ラリーファンなら買っていいと思います。
モデル車について
フォード エスコート Mk1
60年代のイギリスで初登場。標準的な小型セダンとしてデザインされたエスコートは、当時のアメリカで流行していたコークボトルラインを取り入れ、シンプルながらスタイリッシュなファミリーカーだった。しかし、ベース車両として優秀であったエスコートはレースシーンで大活躍。ツーリングカーレースやラリーでその力を発揮したエスコートは、性能を高めたグレードが続々と追加され、スポーツカーとしてのイメージを高めていった。
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