グランド・セフト・オートのストーリーをまとめてみようのコーナー、今回は5です。当然の如くネタバレ注意です。長いので前編・後編に分けました。
ノース・ヤンクトン
複雑な幼少期を過ごし、精神的に不安定だったトレバー・フィリップス。アメリカ中西部のノース・ヤンクトン州で生まれ育った彼は、飛行機を愛し空軍への入隊を果たしたが、精神鑑定の結果により除隊を余儀なくされた。荒れるトレバーは犯罪に手を染めるようになり、同い年の犯罪者マイケル・タウンリーと出会う。
マイケルはトレバーより早く犯罪者として目覚め、強盗の分野において天才的なセンスを見せ始めていた。強盗として栄光のキャリアを築きたいマイケルは優秀な相棒を求めており、狂犬トレバーにその資質を見出した。トレバーもまた、才気溢れるマイケルの姿に惚れ込み、先輩となるマイケルの背中を追いながら犯罪者の知恵を学んでいく。
2人は共に大きな強盗を重ねていくことで成長し、特にマイケルは全米に名が知られるほどの大強盗となった。しかし、キャリアの絶頂期を迎えたマイケルはストリッパーのアマンダと恋に落ち、結婚して子供を作る。その頃から、守るべき家族ができたマイケルと、犯罪者の道を登り続けたいトレバーの間には溝が生まれ始めていた。
そして、ルーデンドルフでの銀行強盗で事件は起きた。百戦錬磨だったはずの彼らは現場からの逃走に失敗し、列車との事故を起こしてしまう。その後、逃走中にマイケルが撃たれ死亡。共犯者のブラッド・スナイダーも撃たれ重症。トレバーは1人だけ生き延び、ノース・ヤンクトンから飛び立っていった。
強盗事件の後、マイケルの葬儀が行われたが、その葬儀を遠目から見つめる男がいた。なんと、逃走中に銃で撃たれ死んだはずのマイケルだった。
運命の出会い
アメリカ西海岸、サンアンドレアス州のロスサントスに住むフランクリン・クリントンは、現状の生活に不満を感じていた。スラム生まれで学もなく、成り行きでギャングに入ったもののすぐに逮捕。出所後は過去に見切りをつけ、カーディーラーであるシミオン・イエタリアンの元でリポマン稼業(代金の支払を滞納する客から品物を取り返す取り立て屋)に取り組むが、結局は汚れ仕事で少ない取り分を貰いその日暮らしをしていることに変わりはなかった。
フランクリンはいつも通りに担保の回収へ向かうが、家主は元大強盗のマイケル・デ・サンタだった。担保の車の後部座席に潜んでいたマイケルは、車を盗み店に帰る途中のフランクリンを銃で脅し、車をシミオンの家に突っ込ませる。フランクリンはこの件で仕事を首になるが、豪胆な手口でシミオンを黙らせたマイケルを見て、自分を違う世界に連れて行ってくれる人間だと感じていた。
後日、マイケルの軽口を本気にしたフランクリンがマイケルの自宅を尋ねる。マイケルは驚きながらもフランクリンを迎え入れ2人で飲みに行こうとするが、息子のジミーがトラブルに巻き込まれたため急遽2人で共闘することに。結局、ジミーを助けた代わりにヨットが盗まれてしまったが、フランクリンとマイケルの間には友情が生まれ始めた。
生活を変えてくれるかもしれない友人と出会うことができたフランクリンだが、同時に地元の面倒事に巻き込まれていた。親友のラマーに連れられ誘拐事件を起こそうとしたが、ラマーのミスで誘拐は失敗。2人はバラスから恨みを買ってしまう。
そして、2人は出所したCGF(チェンバーレイン・ギャングスタ・ファミリーズ=緑をチームカラーにするカラーギャング)の先輩ストレッチと共にバラスとのヤク取引へ出向くが、フランクリンとラマーに恨みがあるバラスは3人を罠に嵌める。なんとか窮地を脱した3人だったが、フランクリンはこの件に不穏なものを感じずにはいられなかった。
職場復帰
マイケルが自宅に帰ると、妻のアマンダがテニスコーチと不倫している現場に出くわしてしまう。怒り心頭のマイケルがテニスコーチを追いかけようとしたとき、偶然家にフランクリンが訪ねてきたため、二人でテニスコーチを追うことに。逃走劇の結果、フランクリンはマイケルの指示でテニスコーチが隠れた家を崖下に引きずり下ろして破壊した。
しかし、話はこれで終わらなかった。壊した家はテニスコーチのものではなく、テニスコーチの別の愛人が住んでいた家であり、その愛人はメキシカンギャングのボスであるマーティン・マドラッゾの愛人でもあった。マーティンに因縁をつけられ、数百万ドルの借金を背負ったマイケルは、大金を稼ぐために強盗稼業を再開することにした。
マイケルは大強盗時代の仲間であるレスターと再開し、レスターの仕事を手助けした後、フランクリンら強盗メンバーと共に宝石店を襲撃。途中、警備員との一悶着があったが強盗は成功。マーティンへ借金を返してもお釣りが来るほどの大金を手にした。
これによりマーティンとの問題は解決したが、新たな火種が燻っていた。強盗を再開したマイケルの元に、大強盗の知り合いであるFIBのデイブ・ノートンがやってきた。「お前の存在がバレたらどうする」と狼狽えるデイブに、マイケルは心配いらないと諭すが、マイケルの強盗復活が思わぬところで運命の歯車を動かすことになる。
過去の亡霊
ルーデンドルフの事件から生き延びたトレバーは、サンアンドレアス州のブレイン郡で再起を図り、軍事代の仲間ロン・ジャコウスキーと共に小規模ながらも犯罪企業を営んでいた。過去を忘れられずにいながらも新たな夢に向かって努力していたトレバーだったが、偶然テレビでやっていたニュースで”まるでマイケル・タウンリーが起こしたような”宝石店強盗があったことを知る。
激しく動揺するトレバーは考えを張り巡らせ、死んだと思っていた親友が死を偽装して生き延びていた可能性に思い至り激怒する。トレバーは怒りのままに、停戦状態だったt敵対組織との戦争を一方的に再開し、アラモ海で大暴れする。また、トライアドとの業務提携が破断に終わったことも怒るトレバーに油を注ぎ、ブレイン郡の裏社会は大混乱に陥った。
ひとしきり暴れたトレバーは、取り巻きのウェイド・ハーバートがあのマイケルらしき人物の情報を掴んだことで、真相を確かめるためロスサントスへ向かう。ウェイドの従兄弟であるフロイド・ハーバートが住むアパートを乗っ取ったトレバーは、日を改めて過去の亡霊と再会することにする。
共犯者
マイケルが些細な事から家で家族喧嘩をしていると、突然過去の親友トレバーが訪ねてきた。狼狽えるマイケルはどうしていいか分からず困惑していたが、トレバーはお互いの過去には言及せず、マイケルの娘トレイシーが収録を行うスタジオへマイケルと共に向かうことにした。
2人は収録現場に殴り込み、トレイシーを辱めようとした司会者ラズロウが逃げたところを追いかける。ラズロウを追い詰め一泡吹かせたトレバーは、腑抜けた元相棒の姿に呆れながら親友との失われた時間を取り戻そうとするのだった。
トレバーとの再会の後、マイケルはデイブに呼び出される。デイブは9年前のルーデンドルフでマイケルと手を組み、「マイケル・タウンリーの死」に関わった共犯者だった。マイケルがトレバーとの再会で窮地に陥る中、デイブもまた仕事のことで窮地に陥っており、どちらかが倒れれば共倒れになってしまう2人はお互いの秘密を守るために渋々ながら再び共闘することを選ぶ。
デイブから任された仕事を終えたマイケルは一度フランクリンと会い、フランクリンが自分を通じてFIBとの件に巻き込まれないようフランクリンに街を出ることを提案する。そして、過去の因縁の一部を話すが、フランクリンは仕事を与えてくれた恩を返すためマイケルを助けることを選択する。マイケルはフランクリンが見せた男気に感謝し、当面の問題を2人で乗り越えていくことにする。
秘密と孤独
マイケルがFIBの仕事を手伝い始めると、デイブは自分の上司スティーブ・ヘインズと同僚アンドレアス・サンチェスをマイケルと引き合わせる。この2人もマイケルとFIBの極秘取引に関与した人物だったが、普段の仕事ぶりから仲間内で評価は低く、マイケルとの取引について周りから勘付かれそうになっており、窮地を脱するため自らの仕事をマイケルとその友人達に外注する。
マイケルは秘密を守るため、フランクリンはマイケルに恩義を返すため、トレバーは未だ獄中にいるというブラッドの釈放をFIBにさせるため、FIBの仕事に協力することになる。これによりフランクリンとトレバーが出会い、それにマイケルを加えた3人のチームでFIBの仕事をこなしていくことになる。
ロスサントスで新たな友人を作るため、トレバーがフランクリンやラマーと共に仕事をする一方、マイケルは家族の問題に直面していた。ルーデンドルフの一件は家族を守るため裏社会から足を洗い、悪友との縁を切る苦肉の策だったにも関わらず、金の為に再び強盗をし、悪友と再会してしまい、FIBから無理難題を突きつけられるようになり、状況は悪くなるばかりだった。おまけに、全てを捨てて守ろうとした家族との関係は崩壊寸前となっていた。
アマンダとの自宅レッスンをしに来ていた胡散臭いヨガ教師ファビアンと、成り行きでヨガをすることになったマイケルだったが、ヨガと称してアマンダに猥褻行為をするファビアンに激昂。最近のマイケルの暴れっぷりにほとほと呆れていたアマンダはマイケルに愛想を尽かしてしまう。
更に、ジミーの策略に嵌り麻酔薬入りのドリンクを飲んでしまったマイケルは住宅街の中でトリップ。マイケルが醜態を晒したことを知った家族は遂に家を出ることを決め、マイケルは家で一人置き去りにされてしまった。
デビン・ウェストン
3人がFIBの仕事をこなしていく中、その働きぶりを評価する男が現れた。大富豪デビン・ウェストンだ。アメリカで知らぬ者はいないほどの大金持ちで、FIBとも個人的に関係を持つ大物だ。
仕事帰りのマイケルと出会ったデビンは、マイケルとその仲間たちの腕を見込んで仕事を振ろうとする。マイケルは最初相手にしなかったが、デビンが「ソロモン・リチャーズに会わせてやる」と言うとマイケルの目の色が変わった。マイケルは昔ながらの映画ファンで、有名映画プロデューサーのソロモン・リチャーズは憧れの人物であった。マイケルは一転してデビンの仕事を手伝うことに決める。
デビンからの仕事をこなし、憧れのソロモンとの出会いを果たしたマイケルは、若い頃からの夢だった映画業界で働く道を見つけるが、運命は簡単に好転しない。あのマーティン・マドラッゾから呼び出しを受けたのだ。
マーティンはマイケルとトレバーに仕事を依頼する。マイケルは既に借りを返したとし仕事を拒もうとしたが、これ以上敵を作りたくないマイケルはマーティンの”友人として”の依頼を聞き入れ、仕事をすることに。
2人は問題なく仕事をこなし、マイケルは報酬を要求することなく帰ろうとしたが、トレバーは違った。マーティンは最初から2人をタダ働きさせるつもりだったが、それを知ったトレバーが納得するはずもなかった。マーティンから何も貰えなかったトレバーは大暴れし、報酬としてマーティンの妻パトリシアを誘拐してきてしまった。このままでは2人揃ってマーティンに目を付けられることは間違いないため、仕方なくマイケルはトレバーと共にしばらく身を隠すことにする。
失った愛
マーティンから身を隠しつつFIBの無理難題をこなす中、トレバーとパトリシアの間には愛が芽生えていた。ティーンエイジャーのような純愛を楽しむ中年2人にマイケルは呆れるしかなかったが、パトリシアとの恋はトレバーに人の愛情を学ばせた。
3人の奇妙な生活が続いていたある日、メリーウェザーの配達サービスが希少品を運んでいるとの情報をロンが掴む。トレバーはマイケルに「この盗みが成功すればマーティンへの借りをチャラにしてお前を街に返せる」と説明し、宝が積まれた列車を襲いに行く。
強盗は成功し、メリーウェザーから宝を強奪することに成功した2人だったが、宝の行く末で揉めてしまう。マイケルはこの宝とパトリシアをマーティンに渡すことで問題を終わらせたかったが、トレバーはロスサントスに帰る気はないと答える。そんなトレバーを説得するため、マイケルは今回の強盗よりももっと大きなヤマ「連邦保管庫での強盗」を提案する。
連邦保管庫での盗みはノース・ヤンクトン時代の2人が憧れていた「最高の強盗」であり、成し遂げられなかった夢でもあった。怖いもの知らずのトレバーですらそんなことは不可能だと狼狽えるが、マイケルは今の自分達にならできると諭す。マイケルにそう言われては頷くしかないトレバーは、メリーウェザーから奪った宝もパトリシアも諦めて連邦保管庫強盗に挑戦することを決める。
FIBからの仕事でヒューメイン研究所への襲撃を終わらせたトレバーは、その帰りにパトリシアをマーティンの元へ送り届ける。生まれて初めて経験した本物の恋が呆気なく終わり、深く悲しむトレバー。マーティンと会ったトレバーは、パトリシアを幸せにすることと、今後自分とマイケルに手出ししないことを約束させて帰路に着く。
後日、マーティンからの脅威が無くなったことでフロイドのアパートへ戻るトレバー。偶然、フロイドと彼の恋人デブラがいるところに鉢合わせる。心に傷を負っているトレバーは、話の弾みで彼ら2人を血祭りにあげてしまう。フロイドのアパートに居られなくなったトレバーはウェイドを連れてストリップクラブに乗り込み、オーナーを始末してクラブを乗っ取る。
埋められた真実
最後の大強盗へ向け、準備を始めたマイケルたち。しかし、マイケルが隠していた真実が遂に明らかとなり、マイケルとトレバーの亀裂は深刻な状態になってしまう。
マイケルが誰もいない家で一人佇んでいると、そこにトレバーが訪ねてくる。トレバーはブラッドを脱獄させ、今後もマイケルらと強盗チームで金を稼ぎ続けたいと語るが、家庭を守り映画プロデューサーという真っ当な仕事で生活していきたいマイケルにその意志はなかった。意見が別れる2人は口論になり、話の中でトレバーは「マイケル・タウンリーの代わりに誰が墓に入ったのか」を察してしまう。
トレバーは激情に身を任せ、マイケルの車を奪って空港へ向かう。マイケルは電話でトレバーと話し合おうとするが、トレバーは聞く耳を待たない。話し合いを諦めたマイケルはトレバーを追って空港へ向かい、2人は因縁の地ルーデンドルフへと飛び立つ。
マイケルがルーデンドルフの自分の墓にやってくると、一足早くやってきたトレバーが墓を掘り起こしていた。トレバーが土を掘り続けると棺桶が現れ、その棺桶の中に入っていたのは刑務所に収監されているはずのブラッドだった。
9年前、マイケル・タウンリーは大きな決断をした。家族ができたことで全盛期から衰えが見え始めていたマイケルは、犯罪生活からの引退を真剣に考えていた。しかし、全米に名が知られるほどの大強盗であるマイケルが足を洗うことは簡単なことではなく、強盗を続けたがっている相棒トレバーの存在も足枷となっていた。
そこでマイケルは、以前から知り合いだったFIBのデイブ・ノートンと取引をする。それは、「マイケルの今まで犯した犯罪、地位、それに関連する情報を全てFIBに受け渡すことで、今までの犯罪歴を全て抹消し、名前を変えて新たな人生を送れるようにする」という内容の非公式証人保護プログラムの実行だった。
計画はこうだった。マイケルが仲間を連れていつものように強盗を行い、逃走中のマイケルをデイブが撃ち、マイケルが死んだように偽装をする。これで表向きにマイケル・タウンリーは死人となり、デイブはマイケル・タウンリーを仕留めた男として出世できる。全てをリセットして再出発したいマイケルと、大手柄を取りたいデイブの利害が一致した。しかし、2人の思惑には僅かにズレがあった。
計画通りにマイケルが逃走中に事故を起こし、FIBの待ち伏せポイントに到着する。そこでデイブが最初に狙ったのはトレバーだった。マイケルは自分だけが犠牲になるつもりで計画に加担したが、FIB側はこの機会にマイケルと並ぶ危険人物のトレバーも始末しようとしていた。だが、デイブが銃を撃つ瞬間にブラッドが射線に入ってしまい失敗。計画には無かった事態にマイケルは動揺するが、その後計画通りにデイブがマイケルを撃ち、マイケルの死を偽装することに成功する。
死の偽装が成功したことで、マイケルは新しく「デ・サンタ」の名前を手に入れ、サンアンドレアス州で新たな生活をスタートさせる。更に、デイブはマイケル・デ・サンタの銀行口座を資金洗浄に利用する代わりにマイケルへ資金提供をし、デ・サンタ一家は豪邸で裕福な暮らしができるようになった。
マイケルが新たな人生を手に入れた一方で、トレバーはあらゆる物を失った。信頼できる仲間も、得られたはずの大金も、ルーデンドルフでの生活も、何もかも失ってしまった。しかし、トレバーが何よりも傷つき怒ったのは、9年間悲しみ続けた親友の死が全くのデタラメであり、親友がそれを自分に隠していたことだった。
埋められた真実が明らかになったことでマイケルとトレバーの確執は決定的なものになり、2人は感情をぶち撒けながらお互いに銃を向ける。しかし、2人の争いに横槍が入る。トレバーに恨みを持つトライアドが、2人を追ってルーデンドルフまで来ていたのだ。先に逃げたトレバーは何処かに消え、マイケルはトライアドに身柄を拘束されてしまった。
サンアンドレアスに戻るトレバーに、トライアドから電話が掛かる。愛しの”彼氏”を人質に取っているとトライアドは話すが、トレバーは自暴自棄になって「好きにしろ」と応えた。
後編はこちら。
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