1980年代と90年代初頭に中型SUVのパイオニアとなった「ランチャー」は、タイヤ付きの鉄の塊を車と呼べたシンプルな時代を思い起こさせます。楽しいオフロード車を1万ドル以下で探しており、衝突実験のデータをあまり気にしないのなら、うってつけの1台です。
(Southern Sanandreas Super Autosでの解説)
山道も雪道も難なく走れるランチャーXL。アメリカで最も長く生産され続けている車の一つです。タイヤが付いた鉄の箱を見ていきましょう。
車両データ
メーカー:デクラス(Declasse)
名称:ランチャーXL(Rancher XL)
分類:SUV
駆動方式:AWD
乗車定員:4人
購入価格:$9,000
モデル車の考察
モデルは1973〜1991年式のシボレー サバーバンですね。他には1973〜1991年式のシボレー K5 ブレイザー、1984〜1996年式のジープ ワゴニアの要素も見られます。
同じデクラスでは2007〜2014年式のサバーバンをモデルにしたグレンジャーが存在します。モデルを考えるとランチャーXLの後継機がグレンジャーということでしょう。
実はこの車、オフラインのプロローグミッションであるであるルーデンドルフ強盗でマイケル達が逃走用に使っていました。なので、GTA5をプレイした人が一番最初に乗る車という大役を果たしています。どれだけの人がそれを認識しているのか分かりませんが……(自分もそう言えばそうだったなと思いました)。
ちなみに、プロローグに登場するランチャーXLはルーデンドルフにしか登場しない警察仕様(ポリス・ランチャー)。モデルの年代を考えるとプロローグの時点でかなりの旧式なので、もう警察車両としては引退してサンアンドレアス州では登場しなくなったのでしょう。
過去作ではXLを抜いてRancherという名前の車がバイスシティから登場していました。バイスシティとサンアンドレアスに登場したRancherは1973〜1991年式のシボレー K5 ブレイザーをモデルにした車で、メインミッションやサブミッションにちょこちょこ登場する他、警察仕様やFBI仕様といった派生バージョンも登場していて印象に残る車でした。
バイスシティ・ストーリーズでは普通のランチャーは登場しませんでしたが、シャークスというギャングが乗り回す特別仕様のGang Rancherが登場。エンパイアビルディングでは何度もシャークスと戦うことになるので、この車を覚えている人も多いと思います。嫌な思い出として。
(VCのRancher)
(VCのFBI Rancher。大型SUVなのにやたら速くて気に入っていました)
(SAのPolice Rancher。田舎で手配度が付くとこれが追ってくる)
(VCSのGang Rancher)
GTA4で登場するにあたって、1989〜1991年式のシボレー K5 ブレイザー シャイアンをモデルにするピックアップトラックに変貌しました。そして、GTA5で登場したランチャーは名前にXLが付いて3Dユニバース時代を思わせるSUVタイプになったわけですが、ランチャーは2ドアのピックアップトラックでランチャーXLは4ドアのSUVと大きな違いが見られるので、どっちがどっちになったというわけではなく両者はランチャーシリーズの別モデルとして別個に存在するのでしょう。
(GTA4のRancher)
後のアップデートではヨセミテをハイリフト4×4に改造したヨセミテ・ランチャーが登場しましたが、この名前はGTA4のランチャーとの関連性を示唆したものでしょう。ヨセミテは1967〜1972年式(第2世代)のシボレー C/Kをモデルにする車で、1973〜1991年式(第3世代)のC/KはサバーバンやK5 ブレイザーのベースとなっている(これらC/Kをベースにした車たちを纏めてC/Kトラックファミリーと呼んだりする)モデルなので、ヨセミテはランチャーの源流にある車だということではないでしょうか。
走行性能
旧式の大型SUVなので速さには期待できませんが意外にも乗りやすい車です。加速性能はノーマルだと難があるもののフルカスタムするとそれなりの速さに。最高速は低め。トラクション性能は非常に高くどんな急勾配もなんのその。
重量とサイズの割に操作に対するレスポンスは良い方で、意外とスムーズな動きを見せてくれます。ただ、重心が高いこともあってロールオーバーが大きく、高速で曲がろうとするとズルズルとタイヤが滑ってしまいます。あまり無理はさせないように。
真価を発揮するのはやはりオフロード。強力なトラクションと高い車高で悪路を力強く走り抜けます。アーマーを強化しなくてもボディの耐久性が高いので、多少ぶつけてもへっちゃらです。
カスタマイズ
残念ながら固有の外装パーツはなし。サブカラーが車体下部に適用されるのでカラーリングを模索してみましょう。
感想
速さはともかくとして、旧式のSUVとしては思いの外扱いやすくドライブを楽しめる車ですね。もっと鈍重で言うことを聞かない車だと思っていました。
カスタマイズは殆ど楽しめないのでわざわざマイカーにするような車ではないと思いますが、買っても1万ドルしないので田舎でのんびりロールプレイをしたりして遊ぶならガレージに入れておいてもいいかもしれませんね。
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