あまり知られていないことですが、ドイツ語には「そのエンジンはこのエンジンルームにはデカすぎる」という言葉がありません。だからエンジニアに「デカすぎ」とか「入らない」とドイツ語で伝えようとしても、「彼女がそんなこと言ってた」にあたる翻訳もまたないわけで、その結果生まれたのがこのフォーシュラグハンマーです。きらびやかで肉厚なV8が非常に狭いスペースに叩き込まれ、「おっと、悪い、ちょっと…」と言う前に0から100km/hまで加速するパワーが与えられています。でも心配はご無用。この早すぎる到着以外にこの車に欠点はありません。ゆっくり走ることを忘れなければ何の問題もありません。-ドリフトチューニング可能(LSカーミーティング)
（Southern San Andreas Super Autosでの解説）
「ボトム・ダラー・バウンティ」アップデートで追加されたフォーシュラグハンマー。綺麗に稼いだカネかそうでないカネかはともかく、大金を稼いだ金持ちはとりあえずこの車を買う時代がありました。ドイツが誇る過剰品質の1台を見ていきましょう。
車両データ
メーカー：ベネファクター（Benefactor）
名称：フォーシュラグハンマー（Vorschlaghammer）＝大型ハンマー（ドイツ語）
分類：セダン
駆動方式：FR
乗車定員：4人
購入価格：$1,790,000
モデル車の考察
モデルはメルセデス・ベンツ W124ですかね。中でもAMGがチューニングしたコンプリートカー「Hammer」がベースになっていそうです。各種パーツには190Eを思わせる要素が多く含まれていて、80〜90年代のEクラスとCクラスを組み合わせたような車になっていますね。
名前の「Vorschlaghammer」は英語の「Sledgehammer（大型ハンマー）」と同じ意味で、AMG Hammerを意識した名付けでしょう。ゲーム中でも正式名称だと長過ぎるためかハンマーと呼ばれています。
走行性能
見た目通りに重量感のあるセダンです。基本的にはゆったり走るのに向いた車ですが、チューニングをしていけばスポーツ走行もある程度こなせます。
加速性能は中々良く、発進こそ重たさを感じさせますが一度速度が乗ればグングンと最高速まで伸びていきます。トラクションはそれなりで、重量級のFRなので致し方ないところ。最高速はカテゴリーでもトップクラス。
ハンドリング面はやはり重たさがネック。レスポンス自体は意外と良くて、ステアリングを切れば車体がすぐに追従しようとしますし、ブレーキの効きも良いです。しかし車体の重さは如何ともし難く、車体は向きを変えようとしてもタイヤのグリップが負けてアンダーもオーバーも出ます。
特に純正の車高だとフロントが沈まないのか中高速域でかなり強いアンダーステアに悩まされます。低速域だとズルっとオーバーステアが出やすく、どの速度域でも安心してコーナーを攻めることができません。
車高を下げるとコーナーでの頭の入りはある程度改善されて、スポイラーを付けると中高速域のアンダーステアが劇的に改善されるので、走りを良くしたいならこの辺はしっかりと手を入れておきましょう。ただし、チューニングやセッティングをしても根本的な車体の重さが改善されるわけではないので注意。
ボディーの強度は硬めで、ガンガンぶつけてボンネットやバンパーなどが飛んでも車体自体はそれほど凹みません。流石ベネファクターの信頼性と言いたいところですが、ボディーは耐えてもフロントのエンジンが先に音を上げるのであまり意味はありません笑。
自分のタイムアタック記録
救急ドリフト 0:58.426
ドリフトチューニングの加速性能は高く、ドラッグレースではカテゴリートップクラス。コーナーに侵入して以降はともかく、侵入まではしっかりと速度を乗せて相手と並んでいけます。
ドリフトの挙動はベース車両と同じように重量級で、振り出した時にブゥン！と音が聞こえてきそうな迫力があります笑。流石はドリフトチューニング初の4枚ドアで、期待通りの重量級ドリフトですね。ドリフト中に接触しても自分はブレずに当たった相手を吹き飛ばす重さがあります。
重さを使って慣性で車体を飛ばすことで、横に流して飛距離を稼ぐことができます。ただ重さにパワーとトラクションが負けている感じで、慣性で飛ばしきった後はアクセルを入れても横にも縦にも中々進んでくれません。ある程度はアクセルワークで誤魔化せますが、振り返しが連続するコースなどコーナーまでの侵入速度を稼げないレイアウトだと苦しさが隠せないですね。
カスタマイズ
ツボを抑えたパーツが多く、グッと来るカスタマイズが出来る一方で、「なんでだよ！」と思わされる部分もある、加点も減点もハッキリしたカスタマイズ性です。いつものロックスターですね。
フロントバンパーは大きく形を変えるようなエアロはありませんが、ナンバープレートを欧州仕様の横長に変更できるのが非常に良いですね。別の項目でスプリッターがあり、そちらと組み合わせてカスタマイズできます。ただスプリッターはどれも色と形的に取って付けた感はあります。リアバンパーもエアロが無くクソデカディフューザーばかりなのが残念。
グリルはカラー変更によってメインカラー適用にして元ネタのハンマーに寄せられるのがイイ感じ。ボンネットの項目ではレーシーにダクトやボンピンを付けたり、ターボチャージャーを剥き出しにしたりと派手なパーツもありつつ、ベンツらしいエンブレムのオーナメントを付けられるのが素晴らしいです。これがあるだけで一気にベンツ感が出ます。
ヘッドライトカバーはガラスの色変更、テープ、カバー、インテークとやたら豊富。アーチカバーはボルトオンのものとワイドボディキットがあり、どちらも一気に厳つくなって良いですね。マフラーは基本左に一本出しで、ツインの竹槍マフラーも有り。
スカートもエアロがいくつかありこの辺はアーチカバーと合わせて付ける感じ。ルーバーはルーバー以外にサンストリップとルーフウイングもありの個性派。サンストリップは上だけと上と下も付くものがあります。
スポイラーは目を引くチビウィングの他に、ダックテイルやGTウイングなど。DTMの190Eを思わせるスポイラーも有ったりするんですが、どれもサイズがデカすぎ！もうひと回りサイズを小さくしたり、普通のセダンっぽいスポイラーを用意したりして、控えめなスポイラーも付けられるようにしてほしかった。
サスペンション変更による車高の下げ幅は十分で、純正の腰高感ある車高から、きっちりローダウンしてキャンバーもしっかり付くのが非常にグッド。マジで丁度良い落とし具合です。
サブカラーの適用範囲は車体の下部で、メインとサブで色分けをするだけでこの時代のベンツ〜って感じが出て非常に良いです。メインとサブを同色にするだけでスパルタンになりますし、カラーを弄るだけでも楽しいです。
ボディーペイントはどれもモダンにオシャレで、センターかサイドのストライプ、ベネファクターのロゴを活かした複数のペイント、サイドのファイヤーパターンなど。
ドリフトチューニングをすると、燃料タンクの位置がトランクになり、内装もバケットシートやレース用ダッシュボードなどに変更されます。ドリフトチューニングは内部データ的に元の車両とは別個の車両になっていますが、ドリフトチューニングの適用で内外装がベースから変更されるのはこの車が初めてですね。
ドリフトチューニングをするとボディーペイントが追加され、AtomicとDenseの競技車両系ペイントと、ドリ車っぽいド派手なピンクのクラーケンペイントが使えます。この3種類のペイントはどれも非常にクオリティーが高く素晴らしいんですが、よりにもよってDTM風の競技車両系ペイントをドリフトチューニング専用にしたのは最悪です笑。そのペイントだけはグリップ仕様でも使わせろ！
内装カスタムもドリフトチューニング限定みたいなもんですし、こういう絶妙にツボを外してくる「分かってねぇ〜！」感じが実にGTAの車です笑。パーツ単位だと光るものが沢山あるのに。
感想
今作では超古いベンツと新しめのベンツばかりでこういう80〜90年代くらいの丁度良い古さのベンツが全く無くて、ず〜っとこういう車を待ち望んでいました。いやー最高ですね！純正でも品があって最高だし、ガッツリ弄っても良いしでカスタムが楽しいです。
走りの部分はもう少し高性能でも良かったかなと思いますが、ハンマーよりも普通のW124に寄せた性能だと思えばこんなもんかなと思えるくらい。ドリフトチューニング限定のペイントなどウーンな部分がチラホラありつつも、加点ポイントが山盛りで120点！みたいな車です。この年代のベンツや欧州セダンが好きなら間違いなくハマる1台ですね。
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