2枚ブレードの双発ヘリコプターであるマーベリックは、カナダで生産されていますが、うんざりする必要はありません。元々は軍用に設計されたものの、「見た目がフランスっぽすぎる」との理由で軍に却下された後、全く同一の理由で意識の高い成金たちに絶大な人気を誇っています。当局により監視任務に使われるこの機体は、しばしば市街地のアフリカ系アメリカ人地区の上空でホバリングしている姿を目撃されます。10億燭光もの強力なスポットライトと拡声装置をオプションでつけられますが、夜間にみじめな界隈上空で嫌がらせに使うと効果抜群です。
(Elitas Travelでの解説)
双発ヘリコプターのマベリック。産まれたばかりの時は「みにくいアヒルの子」と呼ばれていましたが、成長した途端に美形だと持て囃されるようになりました。あらゆる職場で活躍する1機見ていきましょう。
車両データ
メーカー:バッキンガム(Buckingham)
名称:マベリック(Maverick)
分類:ヘリコプター(小)
乗車定員:4人
購入価格:$780,000
備考:ペガサスが保管
モデルの考察
モデルはベル 206ですかね。特に206L ロングレンジャーがモデルになっていそうです。
1960年、アメリカ海軍は陸軍の委託を受け、軽観測ヘリコプター(LOH:Light Observation Helicopter)に関する提案依頼書(RFP)に対し、25社の航空機メーカーから回答を求めました。ベル社は、ヒラー・エアクラフト社やヒューズ・ツール社航空機部門を含む12社と共にこの競争に参加。ベル社はD-250の設計を提出し、D-250は後に陸軍からYHO-4と命名されました。
競争に生き残ったベル社はD-250の設計をモデル206(YOH-4A)に発展させ、陸軍の試験評価段階向けに5機の試作機を製作しました。しかし、 YOH-4Aは他の競合機と比較して評価が低く、最終的に選ばれたのはヒューズ社のOH-6(このゲームで言うバザード)でした。
ベル社は軍に選ばれなかった206を民間用に売り出そうとしましたが、売れ行きはイマイチ。顧客調査を行ってみると、大半のユーザーは「ボディー形状が良くない」と不満を持っていました。単純に美しくないというだけでなく、機体内のスペースが狭く、乗客は窮屈な座席に座らされ貨物も入らないと、外も中も問題だらけでした。
そんな声を聞いて、ベル社は胴体を大きく再設計し、流線型のボディーと前席2つ・後席3つの5シートを用意した「206A ジェットレンジャー」に作り変えて再び販売したところ、商業的成功を収める逆転劇となりました。
更に、ヒューズのOH-6 カイユースを採用したアメリカ陸軍でしたが、ヒューズ社に陸軍の調達規模に見合う生産能力が無い事などから、調達を中断して再び競争が行われることに。その結果、ベル社の206AがOH-58 カイオワとして採用されることになり、当初の目的も果たすことができたのでした。
206Aは先進的なデザインが人気を呼び、建設や採掘の現場へ向かうビジネスマンの移動手段としても使用され、スタイリッシュなヘリコプターの象徴となりました。また、耐久性と低い運用コスト、軽量で起伏の多い遠隔地にも着陸可能な性能を備えていたため、報道機関や調査機関などが好んで運用し、今も世界中で愛されるヘリコプターとなっています。映画など映像作品でも数え切れないほど出演していますね。
206の改良は続けられ、より出力の高いエンジンに換装した206B ジェットレンジャー II、座席を7席に増やすため機体を延長した206L ロングレンジャーといった派生系がどんどん生み出されていきました。観音開きのダブルドアを持つ206Lは貨物の搬入が容易になり、担架ごと機内に収容できるということで「空の救急車」としても活躍しました。
エリータス・トラベルでの解説文もこういった開発の歴史を意識したものでしょう(後半の話は黒人住民を見張るポリス・マベリックのことかな)。ベル社はアメリカの会社ですが、民間機の生産はカナダのケベック州ミラベルで行われています(軍用ヘリコプターとティルトローター機の製造は本社があるテキサス州で行われている)。
過去作ではバイスシティから登場している古参ヘリで、シリーズで初めてヘリに乗れるようになったバイスシティで主役となったヘリだったので、GTAシリーズのヘリと言えばマベリックを連想する人は多いのではないでしょうか。バイスシティの時代からも警察仕様やメディア仕様(Vice City News)など派生系が用意されていました。
シリーズで定番のヘリとして続投し続け、GTA4ではメインローターが4枚に変更され、GTA5では再び2枚に戻りました。206は2枚ブレードの仕様しかありませんが、206を4枚ブレードにした派生系の407が存在するので、そっちを元ネタにしたんでしょうか。そのままでも良かった気もしますが、GTA5で原点回帰することに。
GTA4ではヒギンス・ヘリツアーという会社があり、150ドル払うとヘリツアーに連れて行ってもらえるアクティビティがありました。その会社で使われていたのがマベリックで、ヒギンス・ヘリツアーの専用ペイントが施されていました。
GTA5ではヒギンス・ヘリツアーが会社だけ続投したものの、ヒギンス・ヘリツアー仕様のマベリックは続投せず。その後はコナダにヒギンス・ヘリツアーのペイントが用意されていたくらいで、ヒギンス・ヘリツアーのマベリックは忘れ去られていました。
そんなある日、ギャングメンバー強盗でキング・タイニーが逃走に使うヘリでヒギンス・ヘリツアーマベリックが登場。どこかで実装が来るのかと思ったら、「マネーフロント」アップデートでヒギンス・ヘリツアーがビジネス用物件として登場し、マベリックも一緒に実装。今度は自分がお客さんを観光に連れて行くことが出来るようになりました。
ちなみに、GTA5ではシリーズ伝統の警察仕様であるポリス・マベリックも続投していますが、よく見るとマベリックとは全く違うデザインになっています。ポリス・マベリックのモデルはユーロコプター エキュレイユだと思われ、GTA4の4枚ブレードマベリックにもエキュレイユっぽい要素が含まれていました。
今作では恐らく新型マベリックの警察版がポリス・マベリック、という立ち位置になっていそうなので、警察仕様じゃない新型マベリックが実装される可能性も僅かに残されている、かも?(GTA5では出てこなくてもGTA6で出てくる可能性はあり)
GTA5の1stトレーラーでは通常のマベリックをベースにしたポリス・マベリックが映っていましたが、製品版で没になった模様。GTA4のポリス・マベリックはこのデザインだったので、当初はGTA4からそのままの形で続投の予定で、製作途中で新型機に切り替えられたんでしょうね。
飛行性能
シリーズ定番のヘリコプターだけあって、全く癖が無いお手本のようなヘリコプターです。特筆してどこが優れているという点は無い代わりに、全てが高得点で穴がありません。誰にでも優しい優等生ですね。
オフラインでは各地のヘリポートで出現するだけでなく、不審者と変質者ミッション「計算済みのリスク」クリア後はパラシューティングのアクティビティが追加され、サンアンドレアス中でドムの友人がマベリックに乗って待機してくれます。恐らく99%のプレイヤーがパラシューティングをせずマベリックを強奪したと思います(エリータス・トラベルから買えるけど、こんなどこでも拾えるヘリを買う意味は……)。
オンラインでもランク7を超えた辺りからマップに出現するようになります。とはいえ、チート並みの呼びやすさがあるバザードとスパローがあるので、この辺を購入したらマベリック含め野良湧きのヘリコプターを使うことはまず無いですね。
カスタマイズ
ペガサス保管の機体なので改造等は出来ませんが、格納庫に搬入して個人航空機化させるとカラー変更のみ可能になります。
感想
VCが人生初グランド・セフト・オートだった自分にとって、GTAのヘリはいつまで経ってもマベリックです。ハイマン・コンドミニアムの屋上に置かれていたマベリックに何度乗ったか分かりません。ヘリの知識が何にも無かった頃の自分から見ても、スタイリッシュでカッコいいヘリに映っていましたね。
GTA5のオフラインでも大変お世話になりました。そりゃね、GTA世界でその辺に停まってるヘリなんて「ご自由にお使いください」って言ってるようなもんなんだから、当然盗みますよ。郊外はともかく、ロスサントス市内にパラシューティング用のマベリックを置くのはやりすぎだったと思う笑。
オンラインではヘリコプターが充実しているせいで乗る機会がまず無いヘリコプターなんですが、たまに乗りたくなるヘリですね。もちろんエリータスで購入しました。オフラインで散々盗んだので、せめてオンラインでは正規購入で……。
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