頭金さえ払えば、船旅のスリルを味わうまであと一歩です。順風と船体に溢れんばかりの不法入国者と共に出航しましょう。数時間経てば、波しぶきと驚くほど遅いトップスピードにより心に平穏が訪れるでしょう。やがてあなたは港湾当局を通り過ぎ、船員達への「夜のご奉仕」を始めることでしょう。これが人生です。
(Dock Teaseでの解説)
「金と権力と野望」アップデートで追加されたタグボート。海上で作業中と見せかけて違法な仕事をするのにうってつけの船です。誰よりもマッチョでノロマな1隻を見ていきましょう。
車両データ
メーカー:バッキンガム(Buckingham)
名称:タグボート(Tug)
分類:ボート
乗車定員:1人
購入価格:$1,250,000
モデルの考察
モデルは恐らくCape Romain Tug Boat(画像)だと思われます。タグボートというのは船舶や水上構造物を押したり引いたりするために用いられる船のことで、日本語では引船、押船、曳船などと呼ばれています。
水上で他の物を動かすために使われるので非常に強力なエンジンを積んでいて、モデルのCape Romainの場合は総重量149トンの船体を3000馬力のエンジンが動かしています。ただ、エンジンやスクリューは速度よりもトルクを重視した低速型のセッティングになっているので馬力はあってもスピードは出ません。
自身の船体を輸送対象に直に接触させて押すこともあるため、船体の外周には防舷物として古タイヤや樹脂などの緩衝材(フェンダー)が設けられています。船の後部には輸送対象に引っ掛けるための牽引ロープと巻き取り機もあり、タグボートの特徴がしっかりと再現されていますね。
マスト部分には3つの旗が振られています。1つはロスサントス港湾局(LSPA)の旗で、残りの2つは海上で船舶間の通信に利用される国際信号旗となっています。詳しい話は割愛しますが、旗が2つ(二字信号)の場合は「航海と人命の安全に関する通信に用いる」とされていて、今作のタグボートではIとPの旗が使われているので「潜水夫を出来るだけ早急に送る」という意味になります。国際信号旗についてはこちらから、二字信号の組み合わせの一例についてはこちらから興味のある人だけ覗いてみてください笑。
ゲーム内の色々なところを探索した方なら見覚えがあるかもしれませんが、乗り物としては乗れないオブジェクトのタグボートがサンアンドレアス州にいくつか存在しています。エリシアン島の乾ドッグに置かれているもの、ロスサントス港湾局のボートハウス内に置かれているもの、難破船となってフォート・ザンクードの南方、デイビス・クォーツ東方、ゴルド山の北方に沈んでいるものがあります。これらのタグボートには「Olifantus」と書かれていて、これがこの船の名前だと思われます。乗れる方のタグボートには何も書かれていませんが、彼女にも何か名前はあるんでしょうか。
過去作ではGTA4から登場。今作とほぼ同じような造形でしたがこちらのモデルはJanice AnnReinauer Tug Boatだと思われ、船体が錆びたような焦げ茶色で中央のデッキが3階建てでした。
走行性能
タグボートの特徴をしっかり再現したパワー重視の走りです。つまり遅い。あくびが出るくらいの遅さで、前進していても後進していても本当に進んでいるのか分からなくなります。波が荒れていると尚更です。そしてゲーム内ではタグボートらしく他の物を押したり引いたりすることもないのでただのデカくてやたら遅いボートとなっています。
普通なら乗るはずもない船ですが、極秘貨物ビジネスでは売却用の乗り物に指定されているのでビジネスをやっているなら乗らざるを得ないこともあります。極秘貨物用のタグボートと購入モデルのタグボートは基本的には同じ性能ですが、極秘貨物用は爆破耐性付きでアップグレードによって若干速度を上げられます。まぁ、タグボートが多少爆発に強くなったり速度が上がったりしたくらいではどうにもならないので、売却時に他プレイヤーに狙われたら終わりです。
ただ、タグボートを使用する売却パターンはどんなに売る貨物が多くてもタグボート1隻で済むのでパターンとしては当たりです。なので、タグボートに当たったことを喜びながらあまりの遅さに死んだ目をすることになります。
乗車定員は一応1人となっていますがこれはあくまで運転席に乗れるのが1人だけで甲板上には何人でも乗れます。後部には車を乗せられる程度のスペースもあるので、テクニカル・カスタムなんかを乗せて固定砲台にすることも。多人数で乗ると意外な楽しさを発揮できるボートかもしれませんね。
感想
1人で使うとなるとそこそこの大金を叩いてこんなデカいだけの船を買うのはバカバカしいですが、フレンドなどを巻き込んで遊んでみると結構面白かったりします。それでも一発ネタ感はありますが。ロールプレイなんかにも使えると思うので、実用性度外視で遊び方が思いつく人なら買ってもいいかもしれません。
フォトギャラリー
関連コンテンツ
この乗り物を使うビジネス→【GTAオンライン】物件ビジネス攻略〜「極秘貨物」
これまでのGTA5/GTAオンライン乗り物図鑑まとめはこちら