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【GTAオンライン】麻乃ヨルダの「初心者からでも出来るGTAドリフト教室」!

投稿日:2023年12月19日 更新日:

「チョップ・ショップ」アップデートにて、GTAに「ドリフトチューニング」なるものが追加されました。一部車両はこのチューニングを適用することで、誰でも簡単に車をスライドさせることが出来るという画期的なものです。

かつてのGTA5オンラインにおけるドリフトは、シュワルツァーなんかにシャコタングリッチをして滑らせやすくした上で、タイヤの空転を維持させる特殊な技術(高回転)を用いないとできない高等テクニックでした。

「ロスサントス・チューナー」アップデートではタイヤのグリップを極端に落とした「ローグリップタイヤ」なるパーツが追加されたものの、これは本当にただただタイヤのグリップを極端に落としただけなので、大抵の車はドリフトというより氷の床を滑っているような状態にしかならず、やはりこのタイヤを用いたドリフトもそれなりの練習が必要となる敷居が高いものでした。

しかし、今回のドリフトチューニングは違います。タイヤのグリップは低いものの、ローグリップタイヤよりもコントロールが効く状態でタイヤが空転するので、しっかりと行きたい方向に進みながら滑ることが出来ます。感覚的にはホバークラフトに近く、地面からプカプカ浮きながら車体をブン回して移動してる感じですね。かなり癖はありますが、前者2つよりも遥かに敷居が低く簡単にドリフト遊びができるようになったのは間違いないです。

というわけで多くのプレイヤーがドリフトに挑戦していることだと思いますが、簡単になったとはいえレースやドリフトの基礎が無い人が今からドリフトやります!といってすぐ出来るかというと難しいでしょう。そうして苦戦している人のために、ドリフトができるようになるにはこういうことを意識して練習しようというのが今回の記事になります。



ドリフトとはなんぞや

まず初めに、ドリフトとはそもそも何なのかというところから話していきます。いきなり座学かよって感じですが、自分が今どういうことをしようとしているのか、その本質を掴んでおくことは非常に大事で、本質が分かっていれば自分に何が足りないかもすぐに理解することができ、適切なトレーニングを選択して効率的に経験値を積むことが出来ます。

ドリフト走行とは「車を意図的に横滑りさせてコントロールする走行技術」で、今では競技ドリフトなどで見られるような曲芸としての走法が有名ですが、元々は「速く走るための技術」でした。昔はタイヤのグリップも低いし空力なんてもんもよく分かってないし、無理にタイヤをグリップさせ続けて走るよりも、車体をスライドさせて早く車体をコーナー出口方向に合わせてやる方が速く走れたんですね。

今の競技ドリフトというのはそのドリフト技術を魅せプに振った曲芸ですが、結局のところ「手段としてのドリフト(低グリップ状態で速く走るためのドリフト)」が出来ないことには、「目的としてのドリフト(ドリフトで魅せるためのドリフト)」も上手く出来ません。速いドリフトの感覚を掴まずに曲芸ドリフトをやろうとするのは、サッカーボールでリフティングが出来ないのにフリースタイルのトリックを真似するようなものです。普通に考えればリフティングをマスターしてから曲芸に挑戦した方が良いに決まってますよね。

まぁ、派手なドリフトに憧れてドリフト始めるんだから、地味な基礎練するよりもさっさと派手な技術身につけたいよ!ってのが人情なんですが、こういうのは基礎を身につけず応用から練習して上達せず心折れる人間が大半なので、長くドリフトを楽しむためにもまずは基本からやっていきましょう。基本をスルーした人間も、いつかは基本を学ばないといけない時が来ます。

基礎練習1:ドリフトチューニングでグリップ走行

では、「速く走るためのドリフト」を感覚的に理解するために、最初に「ドリフトチューニングでグリップ走行をする」という一見矛盾したチャレンジをしてみてください。グリップの低い車で普通に走ったらどうなるか、そして速く走ろうとすると結果どういう走らせ方になるのかを実感しましょう。

今回のアップデートで「ドリフトレース」なるものが実装され、「ドリフトカテゴリー」が追加されたことで、ドリフトチューニング車両をレンタルして乗ることができるようになりました。ドリフトチューニングというだけでも低グリップの感覚は得られますが、折角ドリフトレースでビーチというμの低い路面を走れるので、「ドリフト:ビーチスラップ」をレンタル車両で走ってみてください。

どうですか?「速く走ろうとした結果ドリフトになる」という感覚が掴めたでしょうか。特にヘアピンやS字など、深く回り込んだり切り返しをしたりしなければいけないコーナーでは、滑らないように走ると逆に遅くなるのが分かるはずです。

ここで理解してほしいのは、「派手なドリフトをやるにしてもこの走りがベースにある」ということ。結局、曲芸ドリフトはこの走りに深いスライドアングルという遊びを入れただけのものであり、速く走るドリフトができたら後は無駄な滑りを加えてやるだけで派手なドリフトになります。

これが分かっていないと、「ドリフトだから何か特別なことをしなくちゃいけないんだ」と思って最初から無理に角度をつけてスピンしたり、オーバースビードで突っ込んで壁とお友達になったりしてしまうわけです。普通に考えて、ちゃんとグリップするタイヤでも曲がれないようなオーバースピードとラインで、ちゃんとグリップしないタイヤで突っ込んだら曲がれないに決まってますよね?

まずはドリフトチューニングで”事故らず普通に走れるようになる”ことから始めてください。それすら出来なければ、ドリフトチューニング以前にグリップで普通に走る技術も足りていないのでそこから練習してください。



基礎練習2:基本の定常円旋回

ドリフトチューニングで走る感覚が掴めてきたら、次は派手なドリフトの第一歩として「定常円旋回」という基礎練を始めましょう。これはスライド状態を如何にして維持するかという練習で、これをマスターすればいくらでもスライド状態を継続させることが出来ます。

では定常円旋回とはどういうものなのか、動画で見てもらった方が早いのでこちらからどうぞ。

このように、中心に何か目印を用意して、その周りをグルグルとスライド状態で回ってみてください。非常に単純なことですが、実際にやってみるとスライド状態を維持させ続けるだけでも意外に難しく、尚且つ「円の大きさをコントロールして」「スライドアングルを一定に保って」定常円を描くのは更に難しいことだと分かります。

しかし、ドリフトというのはこの定常円旋回の状況を各コーナーで再現したものなので、極論を言えば定常円が出来たらどのコーナーでもドリフトが出来るはずです。コーナーの入り方は前述の通りグリップ走行とあまり変わらず、コーナーでリアが滑り出したらコーナーのゆるさ・きつさに合わせて定常円の動きをして、コーナーの出口に向かっていくだけです。

では、定常円を維持するコツについて。スライド状態を維持しようとした時に困るのは「スピンしない(角度が付きすぎない)ようにすること」「スライドが止まらない(角度が戻らない)ようにすること」です。それを踏まえて、僕の定常円を見直してみてください。色々と調整をしていますよね?

「スピンしないように」必要なことは、カウンターステア(旋回方向の反対にハンドルを切ること)と、アクセルをオフあるいは半開けにしてタイヤの空転を止めることです。

「スライドが止まらないように」必要なことは、旋回方向にハンドルを切ることと、アクセルを踏み込むことです。これらは真反対のことをやっていますよね?つまり、そのバランスを調整してシーソーのように均衡を保つことで、ドリフト状態を維持させるのです。

スライド状態を維持させるための小技は他にも色々とあるんですけど、まずはステアワークとアクセルワークである程度スライドコントロールができないといけないので、小細工を覚える前にハンドル操作とアクセルオン・オフだけで定常円が出来るようになってください。最初から綺麗な円を描けなくてもいいので、とりあえずグルグルとスライド状態のまま回れるようになって、それが出来たら角度をコントロールしたり円の大きさをコントロールしたりと動きの幅を調整してみましょう。

基礎練習3:スラローム

定常円が出来るようになったら、次はスラロームです。S字コーナリングのスライドを繰り返すことで、ドリフトのきっかけづくりと連続コーナーにおけるスライド状態の維持について学ぶことが出来ます。これも動画からどうぞ。

お誂え向きにLSカーミートの試乗トラックに柱が並んでいるので、それをパイロンに見立てて練習。右へ左へ向きを変えて、柱に当たらないようドリフトを続けます。

ここで意識してほしいのは、切り返しをするタイミングと切り返し時の車体コントロール。次の柱を上手く回るにはどこで切り返しをしなければいけないのか、切り返しをする際にどのように車体を動かせばいいのかを掴んでください。

切り返しのタイミングは車によっても変わるので自分で感覚を掴んでいただくとして、切り返しの車体コントロールは多少理屈で覚えられる部分もあります。切り返しに重要なのはアクセルワークで、切り返しの前にアクセルをオフしてタイヤの空転を止め、グリップを回復しましょう。グリップが戻ってきたらグイッとハンドルを次の方向に切って切り返し。後はこの繰り返しです。スライドの維持については定常円の時と同じです。

切り返しの車体コントロールはコーナーに入る時のドリフトのきっかけづくりにも通ずるものがあり、どれくらいのスピードでコーナーに入れば良いラインで回れるのか、どれくらいの角度でコーナーに入ればスピンせずに回れるのかなどの感覚を養うことができます。ドリフトは進入の仕方で7〜8割決まり、あとの2〜3割がスライドの維持の仕方となるので、ドリフトを始める時のステアリングの切り具合などを身につけるのは重要です。

本当はドリフトのきっかけづくりって色々な技術があるんですけど、GTAのドリフトチューニングはハンドル切ったら滑り出すくらい簡単にきっかけづくりが出来るので、サイドブレーキだとかフェイントだとかを覚えなくてもハンドル操作での滑り出しの感覚を掴みさえすれば十分だと思います。基本のハンドル操作とアクセルワークで大体のことがこなせるようにしておきましょう。



応用練習1:8の字

定常円旋回とスラロームが出来るようになったら、その2つの合わせ技8の字です。コーナーの回り方と切り返しを同時に練習することが出来ます。

これもやることは単純で、スラロームで回るところを定常円、定常円が終わったら切り返しスラローム、これを繰り返して8の字を描きながらスライドを維持します。とても実戦に近い練習で、これが淀みなくできるなら実際のコーナーでも難なくドリフトが出来るようになっているでしょう。

2つのパイロンで八の字が描けたら、これを4つのパイロンに増やしてやってみるだとか、2つのパイロンで8の字ではなく0を描くようにやってみるだとか、更に応用した練習をするのもいいですね。コース上でのドリフトもコーナーのきつさに応じて滑らせ具合を調整しているだけなので、パイロンの数や場所に合わせてドリフトが出来るようになったなら、コースでもコーナーに合わせたドリフトが出来るようになっているということです。

実際に走ってみる

では、ここまでの技術が身についたらコースで実践あるのみです。まずはグリップ走行でどこまでのスピード・ラインなら曲がれるかを確かめていき、コースの感触を掴んできたら、1つ1つのコーナーでドリフトをしてみましょう。

理想としてはコースをずっとドリフトしっぱなしで一本繋げることですが、最初からそんな難しいことはせず1個1個のコーナーでしっかりドリフトを決めることに集中してください。いくら全部のコーナーを繋げられても、遅いスピードでクネクネとタコ踊りして繋げただけではダサいです。そんな無理矢理に繋いだドリフトより、決めるところで決めるメリハリの効いたドリフトの方がカッコいいですよ。

お手本だけ見ると難しいことをやっているように感じるかもしれませんが、ここまでの地味な練習を真面目にやってきたあなたはこういったドリフトも簡単に出来るようになっているはずです。なぜなら、グリップ走行のようなスピードコントロールとライン取り、定常円旋回で学んだスライドの維持、スラロームで学んだスライドのきっかけづくりと切り返し、これを組み合わせて走っているだけだからです。難しそうに見えることも、要素を解体していけば基礎技術の組み合わせだったりするのです。



応用練習2:小技を身につけよう

基本技術で十分にドリフトが出来るようになったら、より車体を自分の意志通りにコントロールするための小技を覚えていきましょう。これらを身につけるとコントロールの幅が広がり、上手くいかなかった時の誤魔化し、追走をする時の合わせなど色々なところで役に立ちますよ。

ハンドル操作で角度調整、アクセルワークで滑り具合を調整できるようになったら、今度は2つのブレーキを使ってスライドコントロールに一工夫加えましょう。2つのブレーキとはフットブレーキサイドブレーキのこと。同じブレーキですが、ドリフト中の役割は全く違いますよ。

まずドリフト中のフットブレーキは車体を止めることが出来ます。速度が速すぎた、先行の速度に合わせたい時などに使います。アクセルオフでも同じように速度を落とせますが、ブレーキのように能動的に車体を止めているわけではないのでゆったりと効果が出ます。状況によってアクセルオフで事足りるのか、ブレーキを踏まないといけないのかを見極めましょう。

フットブレーキのテクはもう1つあり、それは「左足ブレーキ」アクセルを踏みながらブレーキを踏むテクニックで、これにより駆動輪の空転を維持しながら車体を止められるので、ドリフトを維持しながら速度を落とす場合は単にブレーキを踏むより効果的。現実の車でこれをやろうとすると右足でアクセル、左足でブレーキを同時に踏むことになるので、左足ブレーキと呼ばれています。

サイドブレーキは後輪をロックさせることで車体を横滑りさせることが出来ます。ドリフト中に内側に巻き込んでしまいラインが苦しくなるような時に使いますね。動画を見てもらえれば分かるように、明らかに速く曲がりすぎた状態でも、こうしてサイドブレーキを引くことで距離を伸ばすことができます。

ただし、この動画のようにあまりに露骨なサイドブレーキでコントロールしすぎるのは「バリサイ」と呼ばれダサい技とされています。美しいドリフトとは、進入で一発で姿勢を決めたら後はアクセルベタ踏みで理想のラインを通り抜けるものであり、コソコソと調整しているところを見せるビビったドリフトはカッコよくないです。アクセル踏んでないとエンジン音も途切れるし、目で見ても耳で聞いてもカッコいいドリフトを目指しましょう。

勿論、どんなトップドライバーもそんな理想のドリフトが毎回できるはずもないので、走行中にサイドを引いたり色んな小技を使います。要は、そういうのをあからさまに見せるなということです。誤魔化しはあくまで誤魔化し、程々にやれば良い隠し味になりますが、マジックのタネを素人に見破られるようなバレバレの走りをしてはいけないのです。基本的な技術を身に着けない内に小技を覚えると、そういう頼り方をしてしまいがちですよ。

ドリフト仲間と走ろう

さて、ここまで書いたことをマスターして、皆さんは1人前のドリフターになれたでしょうか?1人でコソ練するのも良いですが、同じくらいの腕前の仲間と切磋琢磨したり、自分より上手い人に走りを見てもらったりテクを盗んだりする方が上達は早いですよ。

というわけで、ドリフトレースに参加してみるだとか、野良でドリフト練習している人を探すだとか、あるいは僕のクルーに入ってドリフト仲間を作るだとか(露骨な宣伝)、他の人とも一緒に腕を磨いてみてください。

1人でのドリフトも楽しいですが、やはりドリフトの華は追走。先行を追っかけて、先行より良いドリフトをしながらビタビタに食い込めた時の快感は病みつきになります。この記事を読んで頑張って練習したあなたが、そういったハイレベルな遊びを僕と一緒に楽しめる日を心待ちにしていますよ。



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