誰も話題にしたがらないバイソンの年上の奇妙ないとこ、それがドラドです。ドラドは成長期によからぬ集団とつるんで評判を悪くしています。ロストMCの新米メンバーよりたくさんのヤクを隠し持ち、燃費は銃弾を浴びたヨウガ並みですが、ある種の層にはそれこそが最高の特徴なのです。
(Southern San Andreas Super Autosでの解説)
「チョップ・ショップ」アップデートで追加されたドラド。現代社会で忘れられたロマンを取り戻しに行く時がやってきました。黄金郷へ連れて行ってくれる1台を見ていきましょう。
車両データ
メーカー:ブラヴァド(Bravado)
名称:ドラド(Dorado)
分類:SUV
駆動方式:AWD
乗車定員:4人
購入価格:$1,375,000
モデル車の考察
モデルはダッジ デュランゴ(初代)ですかね。いつもはグリル周りのデザインをぼかしがちなロックスターが、元ネタほぼまんまのデザインで押し通してきた強気な1台です。フロントバンパーはフォード エクスペディション(初代)のフェイスリフト後っぽく、1990年代のアメリカンSUVの要素が色々と入っていそうですね。
デュランゴの名前はアメリカのコロラド州デュランゴの地名から取られているそうで、ドラドもプエルトリコの地名から地名繋がりで名前がつけられた説もあります。しかし、その場合はなぜプエルトリコの地名から持ってきたのか繋がりが分からないです。
個人的に推したいのは、ドラドと聞いて真っ先に思いつくのが「エル・ドラード」なので、この黄金郷伝説に引っ掛けている説。エル・ドラードはスペイン語で「金箔をかぶせた」または「黄金の人」を意味する言葉で、大航海時代にヨーロッパの人々が「南アメリカに黄金郷がある」と夢想して作られた伝説です。
コロラド州も大航海時代にスペイン人に侵略された土地で、アメリカ合衆国が所有権を持った1850年代には金が見つかりゴールドラッシュが訪れました。大航海時代にやってきたスペイン人探検家は川が山岳部から運ぶ赤い沈泥を見てその川に「コロラド(色つきの〜)」の名を付け、それが州の名前にもなったらしいので、「デュランゴ→コロラド(色つき)→エルドラド(黄金)」の連想ゲームでこの車に名前を付けたのかなと思っています。
ダッジ デュランゴといえば、今作では第3世代のデュランゴをモデルとするグレズリーが登場しています。同じブラヴァドですし、ドラドの後継機がグレズリーと見ていいでしょう。
また、解説文ではバイソンの名前が出ていますが、バイソンはピックアップトラックのダッジ ラム(第4世代)をモデルとしています。ダッジ ラムにはメキシコ限定のSUV仕様であるラムチャージャーが存在するのですが、第2世代のラムチャージャーの米国版的な立ち位置として初代デュランゴが登場したので、ラムとデュランゴで「年上の奇妙ないとこ」という関係性で結ばれているのでしょう。
ボディーペイントの元ネタ
白のデュアルストライプはデュランゴをシェルビーがカスタムしたシェルビー SP-360が元ネタだと思われます。
走行性能
性能はSUVカテゴリーで中の上くらいでしょうか。あんまり速くはないけど遅いというほどでもないくらいで、普通。
加速は中々のパワフルさで、エンジン音は静かながら低中速からグイッと盛られたトルクで力強く前に進んでいきます。トラクション性能も見た目通り流石の一言。最高速はこんなもんという感じです。
ハンドリング面は重さと重心の高さからどうしても鈍さはあるものの反応自体は悪くなく、ガッツリと車体をロールさせながら曲がっていきます。このロールが中々に迫力があり、上手くブン回して重心を移動させれば弱オーバーステアで車体を曲げていけます。ブレーキは弱めなので、ブレーキで止めるよりは荷重移動で曲げる感じで走らせると速そうです。
スポイラーを付けるとダウンフォース向上で中高速域のコーナリングが一気に安定するようになります。殆ど付いているか分からないような小さいスポイラーもあるので、とりあえずスポイラーは付けておいて損はないです。
イメージ的にオフロードを走りたい車ですが、この車はかなり横転しやすいのが非常に困りもの。重心が高いというのは勿論あるとして、それ以上にギャップへの耐性が思ったよりも無いのが辛いですね。車高的に大丈夫そうな段差でも踏むとガツンと車体が突き上げられてそのままひっくり返ることがあります。ロールのしやすさもオフロードでは致命的になり、低速でクロカンするなら問題ないんですが高速でラリーは止めておいたほうがいいです。
ボディーの強度は柔らかめで、初期の車両のようにすぐベコベコになります。パーツもよく外れ、バンパーだけでなくフェンダーなど色々なパーツが取れます。ただ、見た目が廃車になっても走行にはあまり関係がなく元気に走れるタフさがあるのは流石SUVといった感じでカッコいいです。
自分のタイムアタック記録
救急ドリフト 1:04.065、DiRT走行会コース 2:19.407
カスタマイズ
一通りのカスタムパーツが揃っていて、SUV・オフローダーとして不足のないラインナップ。前述のSP-360っぽいエアロもあり、スポーティーに仕上げることも可能です。
バンパーはメイン・サブ・カーボンの差分と共に4種のバンパーがフロント・リアに用意されています。どれも純正の味を残しながらのデザインで渋いオシャレ。
グリルは純正のメインカラー差分のほか、メッシュや格子柄のグリルも用意されていてフロントマスクの印象を大きく変えることができます。グリルガードは丁度いいサイズ感のものが揃えられていて、フォグライトがちゃんと機能するのもマル。
ボンネットは派手すぎないダクトが付いたものがいくつかデザインされていて、1個くらいはパンチが効いたものも欲しいような気はしますが堅実なラインナップでいいですね。フロントフェンダーにもサブ・カーボン差分があります。
アーチカバーはメイン・サブ・カーボンの差分のほか、ボンネットにディフレクターが付いたりサイドステップが無くなったり。なぜサイドステップの削除がサイドスカートのオプションではなくこちらで選べるのかは謎。
サイドステップは多種多様なものが用意されています。ルーフにはラックやルーフボックスなどを装備することができ、ルーフライトもちゃんと機能します。スポイラーは控えめなデザインのものが多く揃えられている中に1種類だけ突然巨大GTウイングが出てきます。他のパーツは全部真っ当なパーツなのにこれだけ急にトンチキですね笑。
サスペンション変更による車高の下げ幅はそこそこで、コンペまで下げるとそれなりに低い姿勢で獲物を狙う猛獣感が出ますね。ひと目見て車高が下がっていると分かるほどの下がり方ではないですが、分かる人には分かるくらいの下げ幅で丁度いいのかも。
ペイントは純正パーツだとサブカラーがバンパーとアーチカバーに適用されていますが、どれも差分パーツが用意されているのでどこからどこまでサブカラーを適用させるかの自由度は高いですね。元ネタを考えるとメインカラー一色で染めるのが無難ではありますが、人とは違う仕様を作りたいなら上手くサブカラーを活用してみるのもいいかもしれません。
ボディーペイントは太めのストライプ、2本線ストライプ、ロゴ入りストライプとアメリカンなストライプ多めで、白いファイヤーパターン、トライバルで上下分けられたツートン、枯れ葉柄の迷彩があります。これまた無難に欲しくなりそうなところを抑えたラインナップですね。
マフラーは改造パーツが用意されているはずなんですが、カスタムショップに入ると一瞬だけマフラーの項目が出たと思ったら消えて選べなくなっています。また、ネオン管を付けると何故か運転席側だけライトが点灯しないというバグも発生していて、ヘンテコな細かいバグの多い「チョップ・ショップ」アップデートらしい感じですね。
感想
いかにも90年代といった丸みを帯びたデザインが良〜い味を出しているアメリカンSUV。このくらいの年代のレトロでもモダンでもない発展途上のチープさを楽しめるSUVが全然無かったので、足りないところにビタッとハマる車が来てくれました。
性能も適度な速さで、転がりやすさは玉に瑕としても重心の高さがリアルで豪快な乗り味を提供してくれるので、オフロード以外なら乗ってて楽しいです。オフロードはまぁ、ゆっくり走ろう!
カスタマイズ性は特に不満も無いけど大きな加点も無いようなラインナップで、しっかり合格点をキープした感じですね。価格も昨今のインフレを考えるとそれなりに手が届きやすいですし、このデザインとキャラクターの希少性が目に留まったなら買って損はない良い車だと思います。
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