ブルーアーカイブ

プロジェクトKVってなんだったんだよ……

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こんばんは、麻乃ヨルダです。早いのか遅いのか、プロジェクトKVが企画の中止を宣言してから半年が経ちました。この半年間色んなことが……ありませんでした。少なくともプロジェクトKVに関しては。本当に全然何も無かったですね。

一応、自分も当時からプロジェクトKVまとめwikiの掲示板に張り付いてROM専しながら情報を待っていましたが、そこで半年の間に得られたのは、ディナミス・ワンが求人をしていてまだなにかやろうとしている、コミケ落選してましたくらいでしょうか。それくらい無風。

半年前、韓国メディアが騒動の最中に「取材の結果を記事にします」と言っていたもののその記事が上がる気配がなく、プロジェクトKVの中止と共にその記事もお蔵入りになったと推測され、メディアでの扱いもなくなり本当に何も続報が無くなりました。

これはもうネクソンとディナミス・ワン双方で「終わったこと」になったのかな、個人的には騒動の内側が何も明らかになってないのにこの件を終わったことにしてディナミス・ワンが再スタートしようとしてるのがかなりモヤモヤするんだけど……という気持ちで居たら、半年後の今年2月にとんでもない爆弾が投下されました。

警察、「ネクソンゲームズプロジェクト流出疑惑」ディナミスワン押収捜索

警察に!?踏み込まれてる!?!?!?

ネクソンはガチギレしてました。普通に警察に通報してました。この半年、表面で動きが見られなかったのは、警察と組んでディナミス・ワンを本気で追い詰めるためだったようです。ディナミス・ワンもまた、警察に睨まれてて動けなかった?でも半年の間に求人募集して人も増えてるんだよな……。

この半年の間に、自分もプロジェクトKVについて何か書こうかなと思っていました。前回のプロジェクトKVってなんだよ!?の記事ではプロジェクトKVがなぜ問題とされているのかを書き、中止になった後のことは書いていなかったのでそのことについて自分の意見でも話そうかと。

とはいえ、「予想通り中止になりました」以上にあまり書くこともなかったですし、結局確かなことが分からない以上は「〜かもしれない」と妄想を練るくらいしかできなかったので、なんか書くかぁ?でも書いたところでなぁ。みたいな感じでグダグダしてました。

(どういう勝算でディナミス・ワンが動いたのか考察、リークのまとめとかその辺りを書こうかなと思ってはいました)

そしたらね、今回の警察騒ぎですよ。まぁまだ報道が出てきただけで何も答えは出ていないんですけど、もうほぼクロ扱いでいいでしょ。

まずね、警察が捜査をしている。社屋に踏み込んで押収捜査をですよ。家に踏み込んで捜査をして何も有りませんでしたではメンツが立たないので、当然ですが警察は確実に証拠を押さえられるように脇を固めて、裁判所から礼状を発行してもらった上で踏み込みます。その時点で警察側には何らかの「勝算」があります。そして、記事中では「関連資料を確保した」とあります。

また、「警察はディナミスワンの核心関係者がネクソンゲームズを退社する過程で開発中だった未公開新作ゲームのアセット(開発資料)を無断で搬出したと見て、パク・ビョンリム代表をはじめとする主要職員を不正競争防止法違反など疑惑で立件した」ともあります。つまり、警察による関係者の逮捕、取り調べ、勾留が行われ、検察がこの件を公訴できると判断して訴状を出し、それが受理されたということです。刑事事件化の確定です。

こうした警察の動きを、個人ではないちゃんとしたメディアが報道した。それもこの一社だけでなく複数メディアが報道している。もうね、ガチガチですよ。半年前の大量リーク騒ぎとは比べ物にならない動きです。行政機関が何らかの確信を持って動き出したわけですから。

なので、結果がどうなるかはともかくこの動きによってプロジェクトKVのアレコレにシロクロつくことは確定しました。これが本当にありがたい。PV発表から一週間でお蔵入りという誰がどう見てもヤバいことをしていたプロジェクトにも関わらず、確かなことが何も分からないので「KVはやっぱりダメなことをしていた、んじゃないかなぁ」としか言えなかったのが、「ダメなことをしていた!」「ダメなことをしていなかった!」と、どっちにしても断言が出来るようになります。擁護する方も批判する方もこれでスッキリするでしょう。これで本当の一区切りになりそうです。

というわけで、一区切りがつけられそうな状況になってきたので、改めてプロジェクトKVの記事を書く気になりました。前回の記事は日本での情報が錯綜している中で現状をまとめるものでしたが、今回は報道によって改めて見直されている韓国での「リーク」について取り上げることで、本来は信憑性のない数々のリークがなぜほぼ真実のように扱われていったか、どこからどこまでが事実なのかを見ていこうと思います。



コトのはじまり

まずは振り返り。プロジェクトKVが騒ぎになったのは去年の5月、ネクソンのブルアカチームの人事異動が発表された直後、匿名フォーラムアプリのBlind(企業の従業員だけがその企業のコミュニティに入れて、匿名で意見交換できるアプリ)にて、ネクソン退社組の行動を告発する書き込みが行われ、それが韓国のブルアカコミュニティに流出したことから。

ここで、ネクソンの退社組(ディナミス・ワン組)がブルアカの仕事をしていると言いながら他ゲームのプロジェクト(プロジェクトKV)に手を付けて内職してたとか、退社組が他の社員にディナミス・ワンへの移籍を持ちかける扇動をしていたとかの話が出てきて、韓国で炎上があったわけですね。

この炎上騒ぎが韓国でどれくらいの信憑性を持って騒がれていたかまでは分かりません。ただ、出処がBlindということで、ある程度の信憑性が当時からあったと推測できます。

上述していますが、Blindは企業の従業員であることを証明(社員証を提示)しないと所属会社のフォーラムに入れない仕組みがあります。その中で社員たちが匿名で自由に意見交換することで社内の問題解決に繋げようという、まるで休憩室での井戸端会議をネットに持ち込むようなアプリです。つまり、匿名とはいえその辺の誰でも入れる掲示板での書き込みではなく、社員証で入った人たちの書き込みになるわけです。この時点で関係者の書き込みであるということはほぼ確定なわけですね。

とはいえ、リークはリーク。関係者だとしても本当のことを喋っているか、あるいは本人の中で本当のことを喋っていても事実は違ったとかもあるので、あくまで「とある関係者からの噂話」です。ただ、この情報が出回った時にはもう韓国世論はディナミス・ワンへの批判で染まっていったらしいので、この時点でかなり真実味があると韓国世論で判断されるだけの材料が揃っていたと思われます。



怒涛の一週間

そして2024年9月、PVが発表され日本にもディナミス・ワンの話が回ってきて大騒ぎ、更にディナミス・ワン内部からも暴露者が出てくるという怒涛の一週間になりました。その暴露者からのリーク内容の詳細はピクシブ百科事典のプロジェクトKVの炎上騒動の項目に記載されていますので、そちらをご覧ください。

これもまたあくまでリークではあるんですが、その2人の人物の書き込みには当時一切出回っていなかったディナミス・ワンの名刺が添えられており、その名刺にはこれまた当時一切知られていなかったディナミス・ワンの社屋の住所(事実であった)が記載されていたため、彼らが数十人程度しか居ないディナミス・ワン社員であることが確実視されました。

そんなわけで、こちらはBlindのリーク以上に関係者からの書き込みである可能性が高く、よりリークの信憑性が高まりました。注目したいのはこうして複数の人物からリーク情報が流れているのに、見解の相違や矛盾が殆ど発生していないことです。

普通、個々人が持っている視点や情報というのは差があるので、先程も言ったようにそれぞれが本当のことを話していても本人の中での事実と客観的な事実は異なることがあります。また、真実と言いつつ本人にとって都合の悪いことは口を噤んだり、自分に都合の良い言い分を用意したりすることもあるので、こうした複数人からの暴露はどこかしらに歪みが生まれるのが普通です。

しかし、この騒動で出てきた数々のリークで真っ向から主張がぶつかるようなことがなく、各人で見解が一致している。事情の違う別々の人物が同じ景色を見ているということは、かなり真実味が増します。

とはいえ、やはりリークはリーク。ディナミス・ワンの名刺があっても、結局は話半分で聞くしかありません。これらの話が事実なのかどうか分からないまま、プロジェクトKVはプロジェクトの中止を発表しました。



「MX BLADE」の存在

さて、ここからはリーク内容がどこまで本当だったかについてです。今回の警察騒ぎで各メディアが報道を始めましたが、そこから出てきた調査内容で驚くべき証言が多数出てきました。

警察、ネクソンゲームズ非公開プロジェクト流出の疑いでディナミスワン押収捜索

こちらの記事では、ネクソンで開発されていたプロジェクト「MX BLADE」について触れられています。ゲームの起動画面でも出てきますが、ブルーアーカイブは開発コードとして「プロジェクトMX」の名が与えられていました。つまり、MX BLADEはブルーアーカイブの関連作であったと見て間違いありません。

MX BLADEが開発されていたのは2021年頃なので、丁度ブルーアーカイブがサービスを開始した年。名前から察するに、銃社会である本家ブルーアーカイブに対して、刀剣社会であるブルーアーカイブのゲームが同時期に構想されていたのではないでしょうか。

刀剣と言えば、プロジェクトKVがモロに和風の刀剣ゲームとして作られていました。つまり、プロジェクトKVは非公開だったブルーアーカイブの関連作の資料を持ち出して作られていた可能性があります。

(可能性というのは、MX BLADEが具体的にブルーアーカイブとどう関連する作品かは分からないという意味であり、「MX BLADE」の情報が持ち出されていたことはもう既に確認されています

MX BLADEが4年経って日の目を見ていない以上はボツとなった可能性も高いですが、とはいえそこで生まれたネタが今後どう活用されるか分かりません。どこまで流用されたかは分からないにせよ、プロジェクトKVという形で表に晒されてしまったことで、ネクソン側が温めていたMX BLADEのネタを廃棄せざるを得なくなったのは確かです。

「こはね」たちKVのキャラクターが元々MX BLADEのキャラだったかもしれないし、ブルーアーカイブ本編にも出てくる可能性があったし、そういった様々な可能性をディナミス・ワンが潰した、かもしれないということです。この辺はまだ全く確かなことが分かりませんが、「MX BLADE」という名前とプロジェクトKVのビジュアルを見て何も関連性が無いと考えるのは難しいでしょう。

思えば、2024年の5月にディナミス・ワンが発足、9月にPVが発表されたわけですが、たったの4ヶ月でゲームの世界観とビジュアルが固まっているという、あり得ない速さでの情報解禁でした。isakusanなどディナミス・ワンの主要メンバーもディナミス・ワン発足と同時に全員合流していたわけではないので、実際は4ヶ月も無い間に大枠が作られていたということになります。そのとんでもないスピード感も、古巣から資料を持ち出してほぼそのまま使ったということであれば納得できてしまうのが悲しいですね。

このスピード感については、9月時点では上述のリークもあり「内職をしていたんだろう」と見る人が多かったです。給料を貰いながらブルーアーカイブにぶつける予定のゲームを作っていたというのも相当にヤバい話ですが、その上で勝手に資料を持ち出していたとなるとヤバさの桁が変わります。元々自分たちが作ったものだから、ボツになったからなどの言い訳があったとしても、全く正当化できるものではありません。どうして持ち出しでいけると思ったのか、まともな理由が自分の目には全く見えてきません。

ここでちょっと余談。KVのキャラクターと言えば、前回の記事でも「クズノハ」を取り上げました。メインストーリーで唐突に先生がクズノハを追いかけるのをやめたと思ったら、KVにも葛乃葉が居たという件です。MX BLADEの流用が事実となると、ますます「たまたま名前が同じだっただけ」とは考えられなくなりました(ちなみにクズノハはディナミス・ワンの主要メンバーであるDoReMi氏がデザインしたキャラクターです)。

ブルーアーカイブの百鬼夜行連合学院は連合学院となる前、各自治区で戦乱が起きていた時代がありました。そこでクズノハが百花繚乱調停委員会を立ち上げ、紛争を調停して連合となったとストーリーで語られています。

なので、妄想をしていくとMX BLADEがブルーアーカイブの過去編の可能性があり、本当にKVの葛ノ葉れいはブルアカのクズノハに関連する人物として設定されていた可能性もあります。

この辺もBlindのリークで触れられていて、「元々プロジェクトKVはブルアカのプリクエル(前日譚)構想」という話が出ていました。同じくBlindに書かれていた内職や背任行為が事実となると、「プロジェクトKV〜ブルアカの過去編〜MX BLADE」という図式が出来てしまいそうです。

これは自分含め許せないブルアカユーザーも多いんじゃないでしょうか。プロジェクトKVで見せられたキャラクターや世界観は元々ブルアカワールドのもので、ディナミス・ワンによって盗み出されたことで一生日の目を見ることは無くなったとなると、もはや赤子の誘拐殺人事件です。彼女たちの命は何だったんでしょうか。

(あと、「クズノハを追うのはもうやめよう」でぶん投げられてから百鬼夜行の話が進む気配がないぞ……)



ブルアカ破壊計画

さて、余談は終わりにして楽しい楽しい(悲しい悲しい)リークの裏取りを続けましょう。先ほど紹介した記事ですが、MX BLADEの記述の下に「ディナミスワンの関係者が本人のプロジェクトを成功させるために「ブルーアーカイブ」の今後の開発及びサービスに被害を引き起こす具体的な計画を立てた情況▲排任的行動及び就業規則に違反した行為の情況も発見した」と書かれています。

背任的行動は恐らくインセンティブの独占とそれを隠しての退職扇動、就業規則違反は特例のリモートワークをしながらのKV制作など、最初のリークで言われていた内容のものでしょう。この辺がもう証拠として見つかってしまったようですね。そうなってくると、Blindで言われていたことはもう大体事実と認定してもいいのかもしれません。

そして、衝撃的なのはブルーアーカイブの計画的な妨害工作が事実となりそうなところ。これについては別のメディアも触れています。

ディナミス・ワンのパク・ビョンリム、「ブルーアーカイブ」退社から計画的だった

この記事では「「独立プロジェクトからブルーアーカイブのユーザー層を引き出すことが目標」と意図的にブルーアーカイブIPを放置したという「タップ」情報提供も出た。取材の結果、ほとんど真実か事実と見られる情況が捉えられる」と書かれています。

また、その下では

ブルーアーカイブは2023年上半期1部最終章が終わった後、しばらく「ストーリーとキャラクターデザインが以前と同じではない」という評価をファンに受けた。 2部初入からメインストーリーアップデート周期に空白が生じ、内容もこれまでの世界観とずれるという指摘も出た。

パク・ビョンリム社団の核心関係者は2024年2月のインセンティブを受領し、4月からパク代表を皮切りに退社ラッシュを断行した。長期休暇や異常の兆候が捉えられたのはそれより前だ。ブルーアーカイブのインゲームコンテンツに否定的な反応が生じた時点と似ている。

現在発表内容通りブルーアーカイブに故意に排任行動を行ったのが事実なら、計画通り足早く法人設立後新作情報を発表しながらファン層の雰囲気をもたらすという絵が完成する。実際、ディナミス院はパク・ビョンリム代表退社と同時に4月に設立され、わずか4ヶ月ぶりにコンセプトアートを公開した。

たとえ類似性と論争に対する未熟な対応でプロジェクトが早期に無産化されたが、もし初期話題を無難に捕まえた場合、「ダーク&ダーカー」のようにファンダム世論が先に形成され、真実工房が長くなる結果が現れただろうという見通しだ。

とも書かれています。

前回の記事でも書きましたが、2023年から2024年あたりの約1年間、丁度騒動の首謀者と見られるパク・ビョンリム氏がプロジェクトディレクターについた前後のタイミングで、ブルアカではおかしな動きが色々とありました。

にぎにぎ事件、総決算連打、総決戦スケジュール、セトの憤怒が先行実装、アニメの出来、などなど……大きな話題になったにぎにぎ事件はともかく、なんとなく「ブルアカおかしくね?」と思うような細かいことが続き、ユーザーの不満がじわじわと溜まっていた時期でした。

なので、プロジェクトKVの騒動が起きた当時は「ディナミス・ワンの連中が客を奪うためにブルアカで手を抜いてたんだ!」みたいな話が出てきました。流石にそれは信じられないというか、ゴタゴタがあったのは事実だろうとしても、故意にサボタージュなんてしたら自分たちの仕事ぶりが疑われるだけなんだからそんなことしないだろうとも言われていて、与太話扱いされていました。

しかし、この度のメディア報道によってサボタージュが事実であるという情報提供があったと明らかになってしまいました。こんなのほぼ陰謀論ですよ。なんでマジっぽくなっちゃうんですか。半年前から新しい話が出てくる度に悪い意味で想像を超えてくるこの騒動ですが、どこまで話のレベルを低くすれば気が済むんでしょうか。

(客を奪う方法が自分たちで良いものを作るんではなく、ダメなものを作って責任を被せようというのがクリエイターとしてあまりに恥ずかしいよ)



退職者

では、離脱したスタッフについても書いていきましょう。2023年9月に公開されたグローバル版メインストーリー最終編から、2024年12月に行われた中国語版最終編で、それぞれスタッフロールが流れました。なので、両者の違いを比較することでこの一年三ヶ月の間に移動したスタッフが把握出来ます。これについてはブルーアーカイブ攻略wikiのスタッフの項目で詳細がまとめられています。

あくまでスタッフロールで見られる違いというだけで、スタッフロールから消えた(ブルアカ開発チームから離脱した)からと言ってネクソンから退社しているか(加えてディナミス・ワンに合流したか)は分かりませんので参考程度ではありますが、この内容もリークと照らし合わせてみると興味深いです。

まず、この期間の間に離脱したスタッフは41名で、新規に参加したのが45名スタッフの総人数が138〜142人であることから、この一年三ヶ月で約3割のスタッフが入れ替わったという大きな移動です。

中でも、プロジェクトディレクター(ゲーム開発責任者)、アートディレクター、ゲームディレクターという各部署の管理者が離脱していること、ビジュアルチームとシナリオチームからの離脱が多いことが特徴的。そして、プログラマーは2名のみの離脱と殆ど動きがありません。

この内容は初期リークで言われていた「Dynamis Oneを立ち上げたパク・ビョンリム氏(元ブルアカ日本版プロデューサー、統括ディレクター)が、NEXONを退社する際にブルアカチームから20人程の人員を引き抜いていった。しかも、引き抜かれた多くが各分野の責任者クラスの人間である」「退社組は普段からプログラマーチームを小馬鹿にしており、そのせいでプログラマーは誰1人として引き抜き工作に応じなかった」あたりの内容と近似しています。

また、名刺リークの人物は「プログラマーは1人いるが、そのプログラマーもHPは作れず、KV公式HPは外注で作ったもの」と語っており、ここでも言われているプログラマーの引き抜き失敗がスタッフロールでほぼ肯定されています。

こうなってくるとまた更にBlindと名刺リークの信憑性が上がってきます。報道で肯定された部分も含めると、今の時点でも言われていたことがほぼほぼ真実であると見ていいでしょう。

同じ名刺リークでは「KVは2023年11月頃から本格的に始めていた」と言われていて、パク・ビョンリム氏が3代目プロジェクトディレクターに就任したのが2023年9月頃と見られているので、責任者の立場になるとほぼ同時に動き出していたということになります。責任者の椅子についた時点でブルアカを捨てる気満々だったと見ていいでしょう。

スタッフの退職話で行くと、初期リークであった給与面の話は2024年の8月時点でニュースが出ていました。

https://news.mtn.co.kr/news-detail/2024081411035063251

14日、ネクソンゲームズによると、最近退社したキム・イン(hwansang:シロコ、ユウカ、ヒフミなどのデザインを担当)元ブルーアーカイブアートディレクターは、上半期中に給与とボーナス、株式買収選択権行使利益、その他の勤労所得を合計して合計8億6778万ウォンを受領した。ヤン・ジュヨンシナリオディレクターは合計7億9902万ウォンを受け取った。

キム・イン元ADとヤン・ジュヨン前ディレクターの上半期の保守受領額は、キム・ヨンハ総括ディレクター(6億4900万ウォン)はもちろん、パク・ヨンヒョン代表(7億155万ウォン)より多い。

パク・ヨンヒョン代表の年俸は4億ウォン、キム・ヨンハディレクターの年俸は2億3110万ウォンとそれぞれ策定されている。キム・イン元ADとヤン・ジュヨン前ディレクターの年俸は同様に1億6400万ウォンと策定されている。彼らの上半期の報酬は、年俸の半分と賞与金などを加えて策定されたものだ。

会社を去った二人​​のリーダーたちの上半期の保守受領額が朴代表と金ディレクターのそれを越えたのは、彼らが受けたボーナス金規模のためだ。金前ADがボーナス7億6000万ウォンを、両元ディレクターが6億9385万ウォンをそれぞれ受け取った。パク・ヨンヒョン代表が受けた賞与金は5億ウォン、キム・ヨンハディレクターの賞与金受領額は5億2670万ウォンでそれぞれ集計された。

ネクソンゲームズ職員(未登記役員含む)の平均年俸は昨年の年末基準で9352万ウォンに達する。今年の給与も昨年と大きな差がない水準だと占められる。パク・ヨンヒョン代表の昨年総報酬受領額は9億ウォン、キム・ヨンハディレクターは8億2140万ウォンだった。 2人の上半期の受領額に賞与が含まれていることを勘案すれば、2人の今年の受領額は例年と同様の水準になる見通しだ。

キム・イン元ADとヤン・ジュヨン元ディレクターは、先に退社したパク・ビョンリム元ネクソンゲームズPDが設立したディナミス院に合流している。パク・ビョンリムPDは「ブルーアーカイブ」日本サービスを総括し、このゲームのPDに選任され活動した。

この記事で、退社組はインセンティブ含め多額の給与を貰っており、我らがキム・ヨンハはおろかネクソンゲームズの代表よりも貰っていることが明らかになっています。リーク通りなら、ディナミス・ワンの主要メンバーはこれだけ高待遇を受けていながら、それを隠してチーム内での退社を扇動していたらしきことになります。

引き抜かれた人たちは給料への不満(ネクソンは多額のボーナスを3年間分しか支払わない、ブルアカの売上が別のゲームの制作スタジオに回される)が退社の理由の一つだと名刺リークで言っていました。一社員の立場だと会社方針でインセンティブを配分しているのかチーム長の方針で配分しているのか当時は分からず、引き抜きの後になってインセンティブを独占していたメンバーの給与額を知ったそうです。

(頑張っても給料が増えないのは辛いけど、ブルアカチームも売れるまではネクソンの他のゲームに食わせてもらってたんだろ……?)

また、Yostarにストーリー進行・翻訳・キャラ解釈について干渉されるのがストレスで、引き抜きの際に「作りたいものを作っていいし給料もネクソンより出す」と言われていたとも語っています。この辺の口説き文句は、ディナミス・ワンの謳い文句である「オタクの夢を実現する」を見てもそれっぽいですね。

ニュース内容とスタッフロールの確認で、大体リークで言われてたことはその通りなんだろうと。そうなってくると、「プログラマーをコケにしていたせいでプログラマーは引き抜けなかった」ってのも本当っぽくなってくるのがなんとも。騙されて引き抜かれていった人たちもなんだかなぁという感じですし、この辺は泥沼になっていきそうです。



ありがとうブルアカ、頑張れブルアカ

というわけで、これまでにあったリークと現時点での照らし合わせでした。正直言って、陰謀論じみていた内容含めてここまで裏が取れてしまうとは半年前では考えられず、正気の沙汰とは思えません。無風で誰からも忘れ去られていくのかと思ったら突然土地ごとぶっ飛ばすような暴風に襲われています。

部外者の自分ですら頭がおかしくなりそうなこの事態、ブルアカチームの人達は今どんな思いで駆けずり回っているのか考えると胸が痛くなります。というか、こんな騒動があって今も普通にブルアカがサービスを継続してるだけで凄くないですか?内部にこんな容疑者(もし刑が確定したら犯罪者に置き換えます)たちが何人もいて内側からズタズタにされてるんですよ?普通で居られることがもう普通じゃないです。

考えてみると、警察騒ぎがもっと早めに起きていたらプロジェクトKVが蒸し返されている中で周年イベントでMx2jキャラが大量投入とかもあり得たわけで、とんでもない状況でブルアカチームは舵取りをしています。もう本当にリスペクトしかないですね。今後ブルアカがやらかしまくったとしても、この騒動を踏まえると僕は何も言えません。黙ってついていきます。

現状の雰囲気を見るに、あの怒涛の一週間のようにまだ爆弾が降り止まないかもしれないプロジェクトKV。あまりの不遜さに怒り、あまりの愚かさに笑い、あまりの悲しさに泣く、始まる前にサ終したのに人々の感情を揺さぶり続けるゲーム。決着がつく日まで見届けたいと思います。

(本当に逮捕者が出て立ち絵等差し替えとかが行われたらどうすんだよ、アートワークスが水原一平エディションみたいな扱いになるのか?)



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