サンアンドレアス各地のショールームにデクラス ヴァモスが登場し、ついに自由を得る時が来ました。髪を切り、絞り染めの着物を脱ぎ捨て、オーガニックな幻覚剤の実験はもうやめにしましょう。60年代の素晴らしさは、このシンプルなコンパクトカーに全て集約されています。
(ロード画面での解説)
信じられないかもしれませんが、ヴァモスの歴史は1960年に実用的で安価なコンパクトカーとして始まりました。しかしその後の10年で素晴らしいことが起きたのです。ヴァモスは実家を出て、V8エンジンやファストバックとつるむようになりました。ホイールベースが長くなり、グリルが拡張され、ボンネットは夏中恋人といちゃつけるほど長く平らになり、今やすっかり問題児の仲間入りを果たしています。
(Southern Sanandreas Super Autosでの解説)
「アリーナ・ウォーズ」アップデートで追加されたヴァモス。生き残るためには手段を選ばなかったマッスルカーです。時代に翻弄された1台を見ていきましょう。
車両データ
メーカー:デクラス(Declasse)
名称:ヴァモス(Vamos)=行こう(スペイン語)
分類:マッスルカー
駆動方式:FR
乗車定員:2人
購入価格:596,000$
モデル車の考察
モデルは、シボレー ノヴァの第3世代ですね。解説文の「コンパクトカーとして始まり〜」の話も、初代ノヴァはコンパクトカーとして誕生したものの他社のポニーカーにシェアを奪われ、ノヴァ自身も過激なポニーカーへキャラクターを変えていったことを揶揄したものです。
名前のVamosはスペイン語で「行こう」「進もう」などの意味を持つ言葉ですが、これはモデルのNovaがスペイン語で「動かない」を意味し、スペイン語圏でノヴァの売れ行きが悪くなった原因ではないか、という有名な話のパロディでしょうね。実際には都市伝説に過ぎない話らしいですが。
ボディーペイントの元ネタ
ほんとに安全?は、映画「デス・プルーフ in グラインドハウス」で登場するシボレー ノヴァがモデルですね。「ほんとに安全?(Sure It’s Safe?)」という台詞が劇中で出てきます。
走行性能
非常に乗りづらいです。そもそも真っ直ぐ走れません。旧車マッスルカーは操縦性に難があるものが多いですが、ヴァモスの乗りづらさは異質です。
問題の原因はハンドリングの癖の強さで、操作にラグがあるというか「反応が残る」んですよ。一瞬だけハンドルを右に切っても、コンマ3秒くらい右へのハンドル操作が残り、すぐにステアリングがニュートラルに戻りません。そのため細かい向きの調整が困難で、直線を走っていてもバシッと方向が定まらず非常にストレスが溜まります。なんだか、バスやトラックなどの大型車両を運転するのと近い感覚があります。
それでいて、リアの滑りやすさなどマッスルカーらしい乗りづらさも健在で、重心の高さから横転もしやすく、呆れるほど乗りにくい車になっています。直線加速の良さは数少ない長所ですが、それだけではどうしようもないほど短所の多い車です。
カスタマイズ
マッスルカーにしては改造パーツが多めで、凝った作りのパーツが多いので弄るのが楽しいです。助手席を取り払ったり、前述のデスプルーフ仕様を再現できるのもいいですね。
ボディーペイントはマッスルカーらしいストライプとファイアパターンに錆ペイント、そして競技車両風ペイントとバリエーション豊か。オーナーの趣向次第でかなり完成形が変わってくる車でしょう。
感想
見た目は結構好きなんですが、とにかく乗りづらいので乗る気になれません。癖のある車は沢山ありますが、愛嬌のある癖とそうではない癖があり、ヴァモスは後者なので……可愛げのない問題児です。とにかく真っ直ぐ走れないのだけはどうにかしてほしい。
カスタマイズ面は本当に楽しいです。この1台で様々なスタイルの車が作り出せますからね。モデルの再現度も高いと思いますし、本当に乗りづらさだけが勿体無いんだよなぁ。
モデル車について
シボレー ノヴァ(第3世代)
1961年、シボレーから「シェビーII」という名前のコンパクトカーが登場した。コンパクトなボディにV8を積んだシェビーIIはサンデーレーサーを中心に人気を集め、シボレーのヒット作となった。しかし、同社のカマロを始めとするポニーカーたちが世に出回ると、シェビーIIの購買層の興味はポニーカーに移っていった。これを受けて、シェビーIIの3代目はそれまでサブネームだった「ノヴァ」を正式名称とし、大規模なモデルチェンジを行い過激な走りが魅力のポニーカーに変貌した。生まれ変わったノヴァの反撃が始まるかに思えたがライバルたちの牙城を崩すには至らず、更に1974年にはオイルショックが始まったことで燃費の悪いノヴァは為す術なく低迷してしまった。
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