ドイツの自動車メーカー。1939年から1945年にかけての深刻な過失を除けば、人類への貢献は著しい。
(BAWSAQでの解説)
GTA5に登場する企業、BFについて紹介していきます。
モデルの考察
ブーガーファーツァイク(Bürgerfahrzeug)、略してBFのモデルはフォルクスワーゲンですかね。フォルクスワーゲン(Volkswagen)も略称でVWと二文字で呼ばれることが多いメーカーです。
BAWSAQの「1939年から1945年にかけての深刻な過失」とは、フォルクスワーゲンが第二次世界大戦中にナチス政権に協力し、戦争捕虜やアウシュヴィッツ強制収容所の収容者などに過酷な労働を強いて自動車作りをしていたことを揶揄したものでしょう。BFもナチと深い関わりがあったようです。
GTAシリーズの中での歴史の話をすると、「BF」という名前はGTA3の頃から登場していました。ただ、独立したメーカー名ではなく、「BF Injection」というオフロードバギーに付随した名前でした。それがGTA5になってインジェクションという車とBFというメーカーに分離し、それぞれ別の名前として独立しました。
BFという名前はBF Injection及び今作でのビフタのモデルであるメイヤーズ・マンクスを作り上げたブルース・メイヤーズ、彼が立ち上げた会社B.F.メイヤーズ社から取られていると思われます。そのBFを今作でメーカーとして独立させるにあたり、フォルクスワーゲンっぽいBürgerfahrzeugという名前を与えたんだと思います。
フォルクスワーゲンはアウディ、ポルシェ、ランボルギーニ、ブガッティらを傘下に収める大企業なので、BFはオベイ、フィスター、ペガッシ、トリュファードらを傘下に収めている可能性があります。しかしゲーム中ではメーカー間の関連性は特に見られないので、何の関係性もない可能性もあります。関連性があったら面白いな、くらいの繋がりですかね。
乗り物のラインナップは当初からクラシックカーとバギーで構成されていて、オンラインのアップデートで車両が追加されていってもその構成は変わりません。現代的なハッチバック車とか出てきてほしいなぁとは思うんですが、このゲームはそもそもその手の車両が少ないので厳しいか。
このブログで紹介した車両
ここでのカテゴリー分けはゲーム内のカテゴリー分けとは異なり、僕が「ここに分類した方がモデルとの照らし合わせを含め各車の繋がりが分かりやすい」と思ってそれぞれ振り分けていったものになります。なので僕の独断と偏見によるカテゴリー分けです。
また、車両の名前の横にある年号はモデルの車両の年号で、その車両そのものの年号ではないのですが、大体このくらいの時代の車両だろうと推測しやすいようにしています。
コンパクトカー
ウィービル(1941年):「ビートル」ことフォルクスワーゲン タイプ1がモデル。名前のWeevilはゾウムシの英名。
クラブ(1974年):フォルクスワーゲン ゴルフ Mk1がモデル。ゴルフ、クラブ。
バン
サーファー(1950年):フォルクスワーゲン タイプ2がモデル。所謂「ワーゲンバス」。
サーファー・カスタム(1950年):カスタムパーツが大量に追加されたサーファー。ややこしい名前ですがベニーズとは関係ありません。
ホットロッド
ウィービル・カスタム(2012年):ウィービルのベニーズカスタム仕様。ウッドワードドリームクルーズに登場したVW ビートル ラットロッドがモデルだと思われます。元のウィービルもやろうと思えばホットロッド(ラットロッド)にできましたが、こちらはホットロッドに振り切ったカスタムができます。
バギー
ビフタ(1964年):メイヤーズ・マンクスがモデル。メイヤーズ・マンクスはビートルを砂漠レース用に改造したDune(砂丘) Buggyで、1967年に第1回メキシカン1000レース(バハ1000の前身)で優勝したことで、世界中のサンドレース愛好家に「ビートルベースのバギー」が魅力的であることを知らしめました。そして、メイヤーズ社が特許を取得できなかったため、世界中でパチモンが作られることに。恐らくこの世界でもウィービルをベースに作られたバギーカーなのでしょう。
インジェクション(1968〜年):バハ・バグがモデル。メイヤーズ・マンクスが大成功を収める中、「安くメイヤーズ・マンクスを作るには」と生み出されたバギーカーになります。メイヤーズ・マンクスよりも簡素な加工ですが、その手軽さがウケたようです。こちらもウィービルがベースでしょうね。
デューンバギー(1970〜年):簡素な作りのオフロード車。今作ではDune(砂丘) Buggyという名前が付いていますが、見た目からしてこの車は本来「サンドレール(Sandrail)」と呼ばれるタイプの車両になります(上にいるビフタの方が本来はデューンバギーと呼ばれるべきですね)。サンドレールはメイヤーズ・マンクスを始めとするDune Buggyに刺激を受けて研究が進んだオフロードバギーで、Dune Buggyを超える走破性を得るため、軽量の自作フレームに必要なものだけを積んだ砂漠専用のマシンとなっています。そして、そのパワーユニットにはシンプルな造りのフォルクスワーゲン空冷エンジンが好まれていたため、このデューンバギーもウィービルのパワーユニットを使って作られた車だと思われます。
デューン FAV(1991年):デューンバギーに武装を施した車両。モデルはDPV(砂漠哨戒車両)。当時のアメリカ陸軍がFAV(高速攻撃車両)を求めていたことがDPVの始まりで、当初は武装を付けた市販のDune Buggyでテストを行っていましたが、Dune Buggyよりも機動力の高いサンドレール系の車両がDPVとして本採用されたようです。湾岸戦争で活躍したDPVはハンビーが登場すると攻撃車両としての役割を譲っていきましたが、DPVの改良型であるLSV(軽攻撃車両)は特殊作戦用の攻撃車両として今も活躍を続けています。
ランプバギー(2013年):モデルは映画「ワイルド・スピード EURO MISSION」に登場したフリップカー。元ネタ同様、ジャンプ台のように他の車を吹き飛ばすことができます。デューンバギーがベースらしいですが、何もかもが違うくらい改造されていますね笑。
3輪自動車
ラプター(1996年):モデルはカンパーニャ T-REX。車としては現状唯一の3輪車。
モデルについて
フォルクスワーゲン
1933年、ドイツ首相に就任したアドルフ・ヒトラーは国民からの支持を得るため、当時は高価だった自動車を国民全員が所持できるようにする「国民車(フォルクスワーゲン)計画」を打ち出す。
後にポルシェ社の創業者となるフェルディナンド・ポルシェによってその試作車が制作されたが、世界は第二次世界大戦に進んだためフォルクスワーゲン製造会社は軍需生産に移行。大戦下で強制労働者や戦争捕虜を働かせながら軍用車の開発生産が行われていき、国民車と呼ばれた車は国民の手に渡ることなく戦争は終結する。
戦後、ドイツは連合軍の占領下となり、廃墟同然であったフォルクスワーゲンの工場は撤去されかけていたが、そこにあった試作車の重要性に気づいたイギリス軍は工場を復興。「フォルクスワーゲン タイプ1」と名を改められ生産を再開されたその車は、誰もが求めていた大衆車として全世界に売り出され、「世界の国民車」となった。
タイプ1をベースとしたワンボックス車のタイプ2も大ヒットし、フォルクスワーゲンの名は世界に轟く。その成功に驕ることなく、1960年代には陳腐化しつつあった空冷リアエンジン方式を見直し、1970年代には前輪駆動のハッチバック車「ゴルフ」を開発。これも成功を収め、現代まで続く大衆車メーカーとしての地位を不動のものとした。
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