素人からすれば、ローグは昔ながらのプロペラ1個を備えた訓練用飛行機にしか見えないでしょう。そう思わせておけるところがポイントなのです。内部にはマシンガン、ミサイル、対妨害デコイを積載できるスペースとフルサイズの爆弾槽を備えているので、油断している地上の人間を物言わぬ血だまりと骨の山に変え放置というわけです。訓練飛行はもう終わりです。
（Warstock Cache & Carryでの解説）
「極秘空輸」アップデートで追加されたローグ。爆撃機が飛んでこないからって空が安全だとは限りません。訓練生のふりをして襲いかかる1機を見ていきましょう。
機体データ
メーカー：ウェスタン（Western Company）
名称：ローグ（Rogue）＝悪党、ごろつき（英語）
分類：飛行機
乗車定員：2人
購入価格：$1,596,000（極秘空輸ビジネスの調達ミッションを6回クリアで$1,200,000に割引）
備考：保管には格納庫が必要。マップ上では専用アイコンで表示。
モデルの考察
モデルはT-6 テキサンIIですかね。主翼と尾翼にはエンブラエル EMB-314“スーパーツカノ”の要素も含まれていると思われます。両機（正確にはT-6を軽攻撃機型としたAT-6と、EMB-314の単座型であるA-29）は、アメリカ空軍がアフガニスタンへ供与する軽攻撃機となる軽航空支援（LAS）計画に応募して、後者が選ばれたという因縁もあります。1990年代の同世代のCOIN機をくっつけてみた、的な機体になってますね。
なお、COIN機というのは不正規戦のために使用される軽攻撃機の一種で、COINは「Counter Insurgency（対暴動）」の略。正規戦用の攻撃機は高価で・複雑で・デカいと気軽に使える代物ではないので、輸送機や練習機（飛行訓練用に使う機体）を改造して軽攻撃機に仕立て上げ、ゲリラ相手の対地攻撃などに使用するというのがコンセプトになっています。通販サイトの解説文もこれを意識して書かれていますね。
飛行性能
性能は高めなものの、やや操作性に癖があるのでその点をしっかり理解して乗りたい機体です。加速性能と最高速度はノーマルだと他の中型機に比べて少し遅め。エンジンをチューニングすれば結構改善されるのでエンジンにはしっかり手を入れておきましょう。
運動性能に関しては、機敏な動きでこちらの操作に鋭く反応してくれるんですがちょっと敏感すぎてヨーの調整もロールの調整も細かく出来ないのが難点です。ほんのちょっとだけ向きを変えることが物凄く難しいので、機体の動きに慣れないといくら操作しても「機体の向きが決まらねぇ！」と四苦八苦することになります。ハンドリングをチューニングするとその傾向がより強まるでしょう。
また、離着陸時も独特の癖があって、その要因はランディングギアを出している時の挙動。ランディングギアを出している間は極端に昇降舵の効きが悪くなり、特に上方向に機首を向けられなくなりどんどん機体が下を向いていきます。なので離陸時は機体が浮き上がったらさっさとランディングギアをしまわないと中々機体が上昇せず、着陸時はランディングギアを出すタイミングを見極めないと思った以上に機首が下がっていってアプローチに失敗します。ランディングギアの仕様に関しては頭に入っていれば対処もしやすいので頭と身体で理解しておくように。
戦闘能力
モデルの通り純正だと非武装の航空機、改造で様々な武器を装備すると攻撃機に変身、という機体です（武装するとパッシブ不可になります）。モデル的にも通販サイトの解説文的にも対地攻撃を主とする機体のような雰囲気ですが、対空戦闘も行えるオールマイティーな攻撃性能を持つ機体ですね。
メインウェポンはマシンガンか榴弾砲が選べます。マシンガンは戦闘車両等に装備されている豆鉄砲と同じなので対地攻撃でも対空攻撃でも役立たず。榴弾砲はハイドラ等のキャノンのように当たれば大ダメージを与える強力な武器ですが、他の機体の榴弾キャノンと比べて射程が短くレートもかなり低いので地上の敵に当てるのはかなり難しいです。空飛ぶ航空機相手なら、当たる距離まで近づければ一発当てるだけでも致命傷を食らわせられるでしょう。
サブウェポンはホーミングミサイル。こちらはバザードのものと同程度の性能なので、榴弾砲では届かない相手への牽制・先制攻撃に使えるでしょうか。ミサイルで攻撃を仕掛けつつ、距離が詰まったら榴弾砲を叩き込むのが理想ですね。
爆弾も装備することが出来ます。爆弾倉を開いている時はメインウェポンもサブウェポンも使えないので注意。メインウェポンもサブウェポンもあまり対地攻撃向きではないので、地上の敵を片付けたい時は爆撃で攻めましょう。
機体の防御力は普通の機体と変わらず。ただ、アーマーを装備すればホーミングランチャーにもヘビースナイパーにも数発耐えられるようになります。チャフやフレアを装備することも出来るので、機体の運動性を上手く活かしながら逃げれば激しい空の戦闘でも生き残れるでしょう。
カスタマイズ
カラー変更とボディーペイントで見た目を変えることが出来ます。カラーはメインとサブで分かれていて、サブカラーはキャビンの縁や各翼の先端部分などに適用されます。
ボディーペイントはモダンでもクラシカルでもないシンプルな雰囲気のペイントが多めで、企業ペイントは一つだけ。モデルを考えると軍隊仕様のミリタリー系ペイントも欲しかったかも。
感想
純正だと非武装のためか、割引を適用すると120万ドルと武装できる飛行機としては結構リーズナブルな値段。とはいえ、しっかり武装すればかなりの改造費が掛かりますし、性能面も良く言えばオールラウンダー、悪く言えば飛び抜けて優秀な部分がなく操縦性は癖もありということで、「安いから」で購入すると微妙に色んな部分が物足りなくなる機体だと思います。「モデルが好きだから」とか、明確に買う理由があってこそ買って満足できる機体でしょう。なので、価格の安さに惑わされずこの機体に価値を見出だせる人が購入するべきです。
モデルについて
T-6 テキサンII
1990年代初頭、アメリカ空軍とアメリカ海軍は統合基本航空機訓練システム計画（JPATS計画）を発表した。これは、老朽化した機体を1種類の練習機で代替することで部品や整備、操縦の互換性を高めコストを大幅に削減できると共に、航空機製造メーカーにとっては数百機の大型受注を得ることができるまたとない機会であった。
この内レイセオン・ビーチ社（現ホーカー・ビーチクラフト）は、スイスのピラタス社が開発したターボプロップ練習機PC-9をJPATS計画向けに改造したPC-9 Mk.IIを提出。PC-9 Mk.IIは共同初等練習機に採用され、第二次世界大戦時の練習機ノースアメリカンT-6 テキサンに因んでT-6 テキサンIIと命名された。
このT-6Aを基本型として、アメリカ海軍向けの改良型T-6B、T-6Bを元に軽攻撃機型としたAT-6B ウルヴァリンが派生型として有名になっている。AT-6はアメリカ空軍がアフガニスタンへ供与する軽攻撃機となる軽航空支援（LAS）計画にも応募したが、A-29 スーパーツカノに敗れた。
フォトギャラリー
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